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臭素しゅうそさん

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臭素しゅうそさん
識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう 19445-25-1
特性とくせい
化学かがくしき HBrO4
モル質量しつりょう 144.91 g mol-1
外観がいかん 無色むしょく水溶液すいようえき
みずへの溶解ようかい 混和こんわ
さん解離かいり定数ていすう pKa -
関連かんれんする物質ぶっしつ
そのかげイオン セレンさん;さん;ゲルマニウムさん
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・つねあつ (100 kPa) におけるものである。

臭素しゅうそさん(かしゅうそさん、perbromic acid)とは、臭素しゅうそオキソさん一種いっしゅで、化学かがくしき HBrO4化合かごうぶつである。臭素しゅうそ原子げんし酸化さんかすう最高さいこう酸化さんか状態じょうたいの+VII(+7)である。名称めいしょうに「」といているものの分子ぶんしないに-O-O-結合けつごうはなくさんではない。

概要がいよう

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形式けいしきてきにはなな酸化さんか臭素しゅうそ(Br2O7)とみず反応はんのうしてできることになるが、このなな酸化さんか臭素しゅうそ自体じたい現在げんざいのところ安定あんていにはられていない。臭素しゅうそさん不安定ふあんてい強酸きょうさんで、塩素えんそさん性質せいしつている。また、つよ酸化さんかりょくがある。遊離ゆうり状態じょうたい純粋じゅんすいさんはまだられていない。

かつては臭素しゅうそおよび臭素しゅうそさんイオンは存在そんざいしないとされ、存在そんざいしない理由りゆう理論りろんてき説明せつめいする学術がくじゅつ論文ろんぶんまでされる始末しまつであったが、1968ねんにようやく合成ごうせいされるにいたった[1]

製法せいほう

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最初さいしょ放射ほうしゃせい同位どういたいセレン原子げんしふくセレンさんイオンβべーた崩壊ほうかいにより臭素しゅうそさんイオンの生成せいせい見出みいだされた[2]

化学かがく実験じっけんしつレベルの合成ごうせいとしては、臭素しゅうそさんしおフッキセノン酸化さんかする方法ほうほうもあるが、濃厚のうこう臭素しゅうそさんナトリウム水溶液すいようえき塩基えんきせい条件じょうけんで、冷却れいきゃくしながらフッ素ふっそにより酸化さんかさせる方法ほうほう実用じつようてきである[3]

られた溶液ようえきから、反応はんのう臭素しゅうそさんイオンを臭素しゅうそさんぎん(AgBrO3)として、フッ化物ばけものイオンフッカルシウム(CaF2)の沈殿ちんでんとしてのぞき、イオン交換こうかん樹脂じゅしとおして遊離ゆうりさん水溶液すいようえきる。

化学かがくてき性質せいしつ

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臭素しゅうそさんイオンはねつ力学りきがくてき不安定ふあんていであり、きわめてつよ酸化さんかざいであるが、反応はんのう速度そくどろんてきには比較的ひかくてき安定あんていしている。その酸性さんせい水溶液すいようえきなかにおける標準ひょうじゅん酸化さんか還元かんげん電位でんい以下いかとおりである。

臭素しゅうそさん水溶液すいようえき減圧げんあつ濃縮のうしゅくすることも可能かのうであり、6mol dm-3やく55%)程度ていどまでの水溶液すいようえきは100℃以下いかであれば比較的ひかくてき安定あんていで、さらに減圧げんあつ濃縮のうしゅくし12mol dm-3やく80%)程度ていど水溶液すいようえきおよび2みず和物あえもの)の結晶けっしょうられるが不安定ふあんていであり、塩化えんかぶつイオン酸化さんか有機物ゆうきぶつ接触せっしょくすると爆発ばくはつてき燃焼ねんしょうする[1][3]

また水溶液すいようえきちゅうでは塩素えんそさん同様どうよういちじるしい強酸きょうさんである。

臭素しゅうそさんイオン

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臭素しゅうそさんイオン(かしゅうそさんいおん、perbromate, BrO4-)は臭素しゅうそさん電離でんりにより生成せいせいし、また臭素しゅうそさんしおちゅう存在そんざいする1かげイオンであり、塩素えんそさんイオン同様どうようせいよん面体めんていかた構造こうぞうでBr-O結合けつごう距離きょりは161pmである。

臭素しゅうそさんしお

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臭素しゅうそさんしお(かしゅうそさんえん、perbromate)は臭素しゅうそさんイオンをふくイオン結晶けっしょうであり、臭素しゅうそさんカリウムは比較的ひかくてき安定あんていで275℃で分解ぶんかいして酸素さんそはな臭素しゅうそさんカリウム(KBrO3)となり、臭素しゅうそさんアンモニウムも175℃まで安定あんていである[1]

参考さんこう文献ぶんけん

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  1. ^ a b c FA コットン, G. ウィルキンソンちょ, 中原なかはら まさるげんやく 『コットン・ウィルキンソン無機むき化学かがく』 培風館ばいふうかん、1987ねん原書げんしょ:F. ALBERT COTTON and GEOFFREY WILKINSON, Cotton and Wilkinson ADVANCED INORGANIC CHEMISTRY A COMPREHENSIVE TEXT Fourth Edition, INTERSCIENCE, 1980.
  2. ^ 化学かがく辞典じてん』 東京とうきょう化学かがく同人どうじん、1994ねん
  3. ^ a b 日本にっぽん学会がっかいへん 『しん実験じっけん化学かがく講座こうざ 無機むき化合かごうぶつ合成ごうせいI』 丸善まるぜん、1977ねん

関連かんれん項目こうもく

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