ホスホン酸さん

ホスホン酸さん
IUPAC名めい 亜あリン酸さん 水素すいそ化か二に水酸化すいさんか酸化さんかリン
識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう	13598-36-2
RTECS番号ばんごう	SZ6400000
特性とくせい
化学かがく式しき	H3PO3
モル質量しつりょう	82.00 g/mol
示しめせ性せい式しき	HP(=O)(OH)2
外観がいかん	無色むしょくの固体こたい
密度みつど	1.65 g/cm3
融点ゆうてん	70.1 °C
沸点ふってん	分解ぶんかい
水みずへの溶解ようかい度ど	混和こんわ性せい
酸さん解離かいり定数ていすう pKa	1.5 6.79
構造こうぞう
分子ぶんしの形かたち	四よん面体めんてい
熱ねつ化学かがく
標準ひょうじゅん生成せいせい熱ねつ ΔでるたfHo	−964.4 kJ mol−1
危険きけん性せい
主おもな危険きけん性せい	皮膚ひふ刺激しげき
NFPA 704	0 2 1
Rフレーズ	R22, R35
Sフレーズ	S26, S36/37/39, S45
関連かんれんする物質ぶっしつ
関連かんれん物質ぶっしつ	リン酸さん 次つぎ亜あリン酸さん
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・常つね圧あつ (100 kPa) におけるものである。

ホスホン酸さん（ホスホンさん、英えい: phosphonic acid）とは、リンのオキソ酸さん。あるいは、それを母はは化合かごう物ぶつとして一般いっぱん式しきが R-P(=O)(OH)₂（R は有機ゆうき基もと）と表あらわされる一連いちれんの有機ゆうきリン化合かごう物ぶつの総称そうしょう。

有機ゆうきホスホン酸さんの一般いっぱん構造こうぞう式しき

無機むき化合かごう物ぶつ

ホスホン酸さん（左ひだり）と亜あリン酸さん（右みぎ）の間あいだの互変異性いせい

無機むき化合かごう物ぶつのホスホン酸さんは、溶液ようえき中ちゅうにおいては亜あリン酸さん (phosphorous acid, P(OH)₃) との互変異性いせいを示しめし、平衡へいこう混合こんごう物ぶつとなっている。その平衡へいこうの中なかではホスホン酸さんが優位ゆういに存在そんざいする。

有機ゆうき化合かごう物ぶつ

ホスカルネット

有機ゆうきリン化学かがくでは、一般いっぱん式しきが ${\ce {R-P(=O)(OH)2}}$ と表あらわされる一連いちれんの化合かごう物ぶつ群ぐんをホスホン酸さんと呼よぶ。抗こうウイルス薬やくのひとつ、ホスカルネット（英えい: foscarnet）は有機ゆうきホスホン酸さんの一いち例れいである。

P-アルキルホスホン酸さんのジエステル ${\ce {R-P(=O)(OR')2}}$ はホーナー・エモンズ試薬しやくとも呼よばれ、ホーナー・ワズワース・エモンズ反応はんのうの基質きしつとしてアルケンの原料げんりょうとなる。この試薬しやくはハロゲン化かアルキルと亜あリン酸さんトリエステルからミカエリス・アルブーゾフ反応はんのう（下した式しき）によって得えることができる。

ミカエリス・アルブーゾフ反応はんのう

利用りよう

グリホサート、グルホシナートなどのホスホン酸さん構造こうぞうを有ゆうするアミノ酸あみのさん誘導体ゆうどうたいは除草じょそう剤ざいとして用もちいられる。また2個このホスホン酸さん構造こうぞうを有ゆうするビスホスホネート（ビスホスホン酸さん化合かごう物ぶつ）は骨粗鬆症こつそしょうしょうなどの治療ちりょう薬やくとして用もちいられる。

関連かんれん項目こうもく

• リン酸さん
• 次つぎ亜あリン酸さん
• ホスフィン酸さん