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亜 あ セレン酸 さん (あセレンさん、selenous acid)とは、セレン のオキソ酸 さん の一種 いっしゅ で、化学 かがく 式 しき H2 SeO3 と表 あらわ される無機 むき 化合 かごう 物 ぶつ 。分子 ぶんし 量 りょう 128.98、CAS登録 とうろく 番号 ばんごう は [7783-00-8]。
二酸化 にさんか セレン に温水 おんすい を作用 さよう させ、冷却 れいきゃく して得 え られる。遊離 ゆうり 酸 さん は結晶 けっしょう として単 たん 離 はなれ が可能 かのう である。
白色 はくしょく 結晶 けっしょう であり、70 ℃ で分解 ぶんかい して二酸化 にさんか セレンとなる。水 みず およびエタノール に可 か 溶。
水溶液 すいようえき 中 ちゅう では二 に 塩基 えんき 酸 さん として働 はたら き、その酸 さん 解離 かいり 定数 ていすう は以下 いか の通 とお りである。
H
2
SeO
3
⇄
H
+
+
HSeO
3
−
{\displaystyle {\ce {H2SeO3\rightleftarrows \ H^{+}\ +HSeO3^{-}}}}
, pK a
1
=
2.62
{\displaystyle _{1}\ =2.62}
HSeO
3
−
⇄
H
+
+
SeO
3
2
−
{\displaystyle {\ce {HSeO3^{-}\rightleftarrows \ H^{+}\ +SeO3^{2-}}}}
, pK a
2
=
8.32
{\displaystyle _{2}\ =8.32}
また酸化 さんか 剤 ざい 、還元 かんげん 剤 ざい 両方 りょうほう の作用 さよう があり、その標準 ひょうじゅん 酸化 さんか 還元 かんげん 電位 でんい は以下 いか の通 とお りである[ 3] 。
H
2
SeO
3
(
aq
)
+
4
H
+
(
aq
)
+
4
e
−
=
Se
(
s
)
+
3
H
2
O
(
l
)
{\displaystyle {\ce {H2SeO3(aq)\ +4H^{+}(aq)\ +4{\mathit {e}}^{-}=\ Se(s)\ +3H2O(l)}}}
,
E
∘
=
0.739
V
{\displaystyle E^{\circ }=0.739{\rm {V}}}
HSeO
4
−
(
aq
)
+
3
H
+
(
aq
)
+
2
e
−
=
H
2
SeO
3
(
aq
)
+
H
2
O
(
l
)
{\displaystyle {\ce {HSeO4^{-}(aq)\ +3H^{+}(aq)\ +2{\mathit {e}}^{-}=\ H2SeO3(aq)\ +H2O(l)}}}
,
E
∘
=
1.094
V
{\displaystyle E^{\circ }=1.094{\rm {V}}}
^ Merck Index 13th ed., 8504.
^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
^ Allen J. Bard, Roger Parsons, Joseph Jordan, Standard Potentials in Aqueous Solution, Marcel Dekker Inc (1985).