出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
高度合成数(こうどごうせいすう、英: highly composite number)とは、自然数で、それ未満のどの自然数よりも約数の個数が多いものをいう。
1から順に高度合成数を表すと
- 1, 2, 4, 6, 12, 24, 36, 48, 60, 120, 180, 240, 360, 720, 840, 1260, 1680,…(オンライン整数列大辞典の数列 A002182)
例えば24は約数を(1, 2, 3, 4, 6, 8, 12, 24)と8個持ち、24未満で約数を8個以上持つ自然数は存在しないので、高度合成数である。なお1と2は合成数ではないが、高度合成数に含める。
約数の個数は素因数分解で求まる。例えば 15120 = 24 × 33 × 5 × 7 であるから、約数の個数は (4+1) × (3+1) × (1+1) × (1+1) = 80 個である。
高度合成数の概念は、インドの数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャンにより考案された。
明らかに高度合成数は無限に存在する。というのも、正整数の正の約数の個数はいくらでも大きくなりうるためである。
高度合成数は
という形で素因数分解され、
を満たす数である (p(b)は 2 から数えてb番目の素数)。
また素因数には 2 から p(b) までの全ての素数を含む。
なお 4 と 36 以外の高度合成数では ap= 1 である。
したがって高度合成数のうち平方数は 4 と 36 のみであり、それ以外の累乗数は高度合成数にはなりえない。
高度合成数は、伝統的な度量衡の体系にしばしば現れ(例:時間の24や 60、角度の360、ダースの 12 など)、また工学的な設計によく使われる。
これは除算を含む計算が簡単に行える利点による。
Q(x) で x 以下の高度合成数の個数を表すと、1 より大きな定数 a, b が存在して
- (loge x)a ≤ Q(x) ≤ (loge x)b
が成り立つ。
被整除性に基づいた整数の集合 |
---|
概要 | | |
---|
因数分解による分類 | |
---|
約数和による分類 | |
---|
約数が多いもの | |
---|
アリコット数列関連 | |
---|
位取り記法に基づくもの | |
---|
その他 | |
---|