鳥類 ちょうるい の典型 てんけい 的 てき な外見 がいけん 的 てき 特徴 とくちょう 。1:くちばし 、2:頭頂 とうちょう 、3:虹彩 こうさい 、4:瞳孔 どうこう 、5:上背 うわぜい (Mantle )、6:小雨 こさめ 覆 くつがえ (Lesser coverts )、7:肩 かた 羽 わ (Scapular )、8:雨 あめ 覆 くつがえ (Coverts )、9:三 さん 列 れつ 風切 かざきり (Tertials )、10:尾 お 、11:初 はつ 列 れつ 風切 かざきり 、12:下腹 かふく 、13:腿 もも 、14:かかと 、15:跗蹠 (Tarsus )、16:趾 、17:脛 ずね 、18:腹 はら 、19:脇 わき 、20:胸 むね 、21:喉 のど 、22:肉 にく 垂 たれ (Wattle )、23:過 か 眼 め 線 せん
鳥類 ちょうるい の体 からだ の構造 こうぞう (ちょうるいのからだのこうぞう、英 えい : Bird anatomy )では、鳥類 ちょうるい の解剖 かいぼう 学 がく 的 てき 、生理学 せいりがく 的 てき 構造 こうぞう (英 えい : physiological structure )について述 の べる。鳥類 ちょうるい の体 からだ 構造 こうぞう は多 おお くの点 てん で特有 とくゆう の適応 てきおう を示 しめ し、そのほとんどは飛翔 ひしょう に関 かか わっている。鳥類 ちょうるい は軽 かる い骨格 こっかく と、軽 かる いが力強 ちからづよ い筋肉 きんにく 、非常 ひじょう に高 たか い代謝 たいしゃ 効率 こうりつ と酸素 さんそ 供給 きょうきゅう の能力 のうりょく を持 も つ循環 じゅんかん 器 き 系 けい と呼吸 こきゅう 器 き 系 けい を持 も ち、それらが飛翔 ひしょう を可能 かのう にしている。くちばし の発達 はったつ によって、特殊 とくしゅ な適応 てきおう を遂 と げ消化 しょうか 器 き 系 けい が進化 しんか した。これらの解剖 かいぼう 学 がく 的 てき 特殊 とくしゅ 化 か が、鳥類 ちょうるい を脊椎動物 せきついどうぶつ のなかで独立 どくりつ した綱 つな として分類 ぶんるい する根拠 こんきょ となっている。
ハトの骨格 こっかく の模 も 式 しき 図 ず 1. 頭骨 とうこつ 2. 頸椎 3. 叉 また 骨 こつ 4. 烏口 からすぐち 骨 こつ 5. 肋骨 あばらぼね の鉤 かぎ 状 じょう 突起 とっき (uncinate processes of ribs ) 6. 竜骨 りゅうこつ 突起 とっき 7. 膝蓋骨 しつがいこつ 8. 跗蹠骨 こつ (足 あし 根 ね 中 ちゅう 足 あし 骨 こつ 、Tarsometatarsus ) 9. 趾 (digits ) 10. 脛骨 けいこつ 11. 腓骨 ひこつ 12. 大腿 だいたい 骨 こつ 13. 恥骨 ちこつ 14. 坐骨 ざこつ 15. 腸 ちょう 骨 こつ 16. 尾骨 びこつ (caudal vertebrae ) 17. 尾端 びたん 骨 こつ (pygostyle ) 18. 複 ふく 合 あい 仙骨 せんこつ (synsacrum ) 19. 肩 かた 甲 かぶと 骨 こつ 20. 腰椎 ようつい (lumbar vertebrae ) 21. 上腕 じょうわん 骨 こつ 22. 尺 しゃく 骨 こつ 23. 橈骨 24. 腕骨 わんこつ (Carpus ) 25. 中手 なかて 骨 こつ 26. 指 ゆび (digits ) 27. 小 しょう 翼 つばさ (alula )
鳥類 ちょうるい の骨 ほね および骨格 こっかく は飛翔 ひしょう に対 たい して高度 こうど に適応 てきおう している。飛 と び立 た つ際 さい 、止 と まる際 さい 、また飛翔 ひしょう 中 ちゅう に骨格 こっかく にかかる大 おお きな応力 おうりょく に耐 た える強度 きょうど を持 も ち、かつ非常 ひじょう に軽量 けいりょう であり、骨 ほね をすべてあわせても全 ぜん 体重 たいじゅう の5%程度 ていど である。一 ひと つの特徴 とくちょう として、尾端 びたん 骨 こつ などにおいて複数 ふくすう の骨 ほね が融合 ゆうごう 、骨 ほね 化 か して一 ひと つの組織 そしき になっていることがあり、それにより他 た の脊椎動物 せきついどうぶつ に比 くら べて鳥類 ちょうるい は骨 ほね の総数 そうすう が少 すく ない。さらに歯 は もなく、厳密 げんみつ にいうと顎 あご もない。それらの代 か わりに、より軽量 けいりょう なくちばし を備 そな える。多 おお くの種 たね では孵化 ふか したばかりの雛鳥 ひなどり のくちばしに、卵 たまご 歯 ぱ (egg tooth ) と呼 よ ばれる卵殻 らんかく を破 やぶ るための小 ちい さな突起 とっき が見 み られるが、これは骨 ほね 組織 そしき ではない。
鳥類 ちょうるい の骨 ほね では、中空 なかぞら になっているところに多数 たすう の支柱 しちゅう が交差 こうさ していて強度 きょうど を保持 ほじ する構造 こうぞう (桁 けた 構造 こうぞう )が多 おお く見 み られる。そういった構造 こうぞう を持 も つ骨 ほね の数 すう は種 しゅ によって異 こと なるが、大型 おおがた で滑空 かっくう するものほど多 おお い傾向 けいこう にある。また中空 ちゅうくう に近 ちか い構造 こうぞう を持 も つ骨 ほね が気嚢 きのう の膨 ふく らむスペースを確保 かくほ している例 れい もある[ 1] 。ペンギン やダチョウ など飛翔 ひしょう を行 おこな わない鳥類 ちょうるい にはこのような中空 なかぞら の骨 ほね はない。この事実 じじつ は、骨 ほね の中空 なかぞら 構造 こうぞう が飛翔 ひしょう のための要件 ようけん であることの傍証 ぼうしょう と考 かんが えられている。
気嚢 きのう の位置 いち
鳥類 ちょうるい では、頸椎 の数 かず が他 た の脊椎動物 せきついどうぶつ よりも多 おお く、多 おお くの種 たね で13-25個 こ の骨 ほね から成 な っている。また脊椎動物 せきついどうぶつ の中 なか で鎖骨 さこつ や胸骨 きょうこつ が融合 ゆうごう して、それぞれ叉 また 骨 こつ 、竜骨 りゅうこつ 突起 とっき を持 も つ胸骨 きょうこつ 板 ばん を形成 けいせい しているのは鳥類 ちょうるい だけである。竜骨 りゅうこつ 突起 とっき は飛翔 ひしょう に必要 ひつよう な筋肉 きんにく の支点 してん となる。ペンギンは飛翔 ひしょう しないが、泳 およ ぐための筋肉 きんにく がやはり竜骨 りゅうこつ 突起 とっき を支点 してん としている。他 た の飛翔 ひしょう しない鳥類 ちょうるい では、大 だい 胸 むね 筋 すじ および小 しょう 胸 むね 筋 すじ が飛翔 ひしょう するものに比 くら べて発達 はったつ しておらず、竜骨 りゅうこつ 突起 とっき の存在 そんざい もはっきりしているとはいえない。胸 むね 骨盤 こつばん は泳 およ ぐ鳥類 ちょうるい では広 ひろ く、地表 ちひょう を歩 ある く鳥類 ちょうるい では長 なが い。一方 いっぽう 飛翔 ひしょう する鳥類 ちょうるい では胸 むね 骨盤 こつばん の幅 はば 、長 なが さは同 どう 程度 ていど である[ 2] 。
鳥類 ちょうるい の肋骨 あばらぼね には鉤 かぎ 状 じょう 突起 とっき がある。これにより、肋骨 あばらぼね が形成 けいせい する「籠 かご 」形状 けいじょう の強度 きょうど が維持 いじ される。ムカシトカゲ にも同様 どうよう の構造 こうぞう が見 み られる。また鳥類 ちょうるい では脊椎 せきつい の融合 ゆうごう により、一部 いちぶ の爬虫類 はちゅうるい と同様 どうよう に骨盤 こつばん の一部 いちぶ が長 なが く伸 の びている。骨 ほね 組織 そしき の融合 ゆうごう は肩 かた 帯 たい においても見 み られる。頭骨 とうこつ は前 ぜん 涙腺 るいせん 窩 (pre-lachrymal fossa) を持 も つ爬虫類 はちゅうるい のような双 そう 弓 ゆみ 類 るい 型 かた の頭蓋骨 ずがいこつ を持 も っており、後 こう 頭 あたま 顆 (occipital condyle) は1個 いっこ である[ 3] 。
鳥類 ちょうるい の頭骨 とうこつ
頭骨 とうこつ は前部 ぜんぶ (頭頂 とうちょう 部 ぶ )、頂 いただき 部 ぶ (後頭部 こうとうぶ )、前上 まえかみ 顎骨 がっこつ および鼻 はな 部 ぶ (上 うえ のくちばしの部位 ぶい )、下 しも 顎骨 がっこつ (下 した のくちばし)の5つの骨 ほね から成 な る。多 おお くの種 たね で、頭骨 とうこつ の重量 じゅうりょう は体重 たいじゅう の1%程度 ていど である。
脊柱 せきちゅう は脊椎 せきつい から成 な り、頸椎(13-16個 こ の骨 ほね から成 な る)、複 ふく 合 あい 仙骨 せんこつ (Synsacrum 、脊椎 せきつい が融合 ゆうごう して骨盤 こつばん とも癒合 ゆごう したもの)、尾骨 びこつ の3つの部位 ぶい に分 わ けられる。
胸部 きょうぶ は叉 また 骨 こつ と烏口 からすぐち 骨 こつ から成 な り、肩 かた 甲 かぶと 骨 こつ と融合 ゆうごう して肩 かた 帯 たい を形成 けいせい している。胸部 きょうぶ の側面 そくめん の形状 けいじょう は肋骨 あばらぼね が胸骨 きょうこつ 板 ばん とともに形成 けいせい している。
肩 かた 部 ぶ は胸部 きょうぶ の骨格 こっかく を成 な す肩 かた 帯 たい と上腕 じょうわん 骨 こつ が形成 けいせい している。上腕 じょうわん 骨 こつ は橈骨 と尺 しゃく 骨 こつ とで肘 ひじ を形成 けいせい している。手 て 根 ね 骨 こつ (carpus ) と中手 なかて 骨 こつ は、手 て と手首 てくび に相当 そうとう する部位 ぶい を形成 けいせい しており、指 ゆび の骨 ほね は互 たが いに融合 ゆうごう している。より効率 こうりつ 的 てき な飛翔 ひしょう を可能 かのう とするため、翼 つばさ を形成 けいせい する骨 ほね は特 とく に軽量 けいりょう である。
臀部 でんぶ を形成 けいせい する骨盤 こつばん は腸 ちょう 骨 こつ (骨盤 こつばん 上部 じょうぶ )、坐骨 ざこつ (両 りょう 脇 わき )、恥骨 ちこつ (前部 ぜんぶ )の3つの部位 ぶい から成 な るが、これらは融合 ゆうごう して一 ひと つの骨 ほね 組織 そしき になっており、寛 ひろし 骨 こつ と呼 よ ばれている。寛 ひろし 骨 こつ は、成鳥 せいちょう が卵 たまご の上 うえ に座 すわ っても問題 もんだい がないような形状 けいじょう になっている。3つの骨 ほね の融合 ゆうごう 部位 ぶい は寛 ひろし 骨 ほね 臼 うす (acetabulum ) と呼 よ ばれ、後肢 あとあし の最 さい 上部 じょうぶ を成 な す大腿 だいたい 骨 こつ との関節 かんせつ を形成 けいせい している。
大腿 だいたい 骨 こつ は脛骨 けいこつ および腓骨 ひこつ の二 ふた つの骨 ほね と一 いち か所 しょ で関節 かんせつ を形成 けいせい しており、そこが膝 ひざ の部位 ぶい である。跗蹠骨 こつ (Tarsometatarsus ) が足 あし の上部 じょうぶ を、指 ゆび (趾 )の骨 ほね がつま先 さき の部位 ぶい を形成 けいせい している。腿 もも と脛 ずね の部位 ぶい がもっとも重 おも い骨 ほね であり、身体 しんたい の重心 じゅうしん を低 ひく くする役割 やくわり を果 は たし、飛翔 ひしょう の助 たす けとなっている。
鳥類 ちょうるい の趾 の形状 けいじょう 分類 ぶんるい
脚 あし 部 ぶ の構造 こうぞう と鱗 うろこ (クイナ科 か )
鳥類 ちょうるい の趾 における指 ゆび の本数 ほんすう と向 む き (dactyly) は、三 さん 前 ぜん 趾型 (anisodactyl)、対 たい 趾足型 がた (zygodactyl)、 変 へん 対 たい 趾足型 がた (heterodactyl)、 合 ごう 趾型 (syndactyl)、皆 みな 前 ぜん 趾足 (pamprodactyl) などに分類 ぶんるい される[ 4] 。
胸 むね 筋 すじ が下向 したむ きに打 う ち下 お ろし、烏 がらす 口上 こうじょう 筋 すじ が翼 つばさ を引 ひ き上 あ げるしくみ
鳥類 ちょうるい の多 おお くの種 たね では、翼 つばさ 、皮膚 ひふ 、脚 あし などに計 けい 175の筋肉 きんにく がある。最 もっと も大 おお きいのは翼 つばさ を打 う ち下 お ろす胸 むね 筋 すじ (大 だい 胸 むね 筋 すじ および小 しょう 胸 むね 筋 すじ の総称 そうしょう )であり、飛翔 ひしょう する鳥類 ちょうるい では体重 たいじゅう の15-25%を占 し め、飛翔 ひしょう において主要 しゅよう な役割 やくわり を果 は たす。胸 むね 筋 すじ の腹 はら 側 がわ (下面 かめん )には烏 がらす 口上 こうじょう 筋 すじ (supracoracoideus muscle ) があり、打 う ち下 お ろされた翼 つばさ を再 ふたた び持 も ち上 あ げる役割 やくわり を担 にな っている。胸 むね 筋 すじ と烏 がらす 口上 こうじょう 筋 すじ で体重 たいじゅう の25-35%を占 し める。
皮下 ひか の筋肉 きんにく は、飛翔 ひしょう 中 ちゅう の羽毛 うもう の向 む きを制御 せいぎょ している。
尾 お 部 ぶ 、臀部 でんぶ には数 かず は少 すく ないが強 つよ い筋肉 きんにく があり、尾羽 おは を制御 せいぎょ している。飛翔 ひしょう 中 ちゅう には、尾羽 おは の広 ひろ がりによって空気 くうき 抵抗 ていこう を調整 ちょうせい している。
鳥類 ちょうるい の鱗 うろこ は、くちばし、爪 つめ 、けづめ(距状突起 とっき 、spur )と同 おな じでケラチン が主成分 しゅせいぶん である。趾部 のつま先 さき および中 ちゅう 足 あし 骨 こつ の部位 ぶい に相当 そうとう する体 からだ 表 ひょう に見 み られるが、種 たね によっては足首 あしくび よりも上 うえ の部位 ぶい にもある。カワセミ亜 あ 科 か やキツツキ科 か をのぞくと、鱗 うろこ 同士 どうし の重 かさ なりは小 ちい さい。鳥類 ちょうるい の鱗 うろこ 及 およ び薄板 うすいた (スクート、scute )は、哺乳類 ほにゅうるい や爬虫類 はちゅうるい のものと進化 しんか 的 てき に相 あい 同 どう であると考 かんが えられている[ 5] 。
鳥類 ちょうるい の産 う み落 お とされた卵 たまご の中 なか の胎児 たいじ は、発生 はっせい の初期 しょき では羽毛 うもう も鱗 うろこ も持 も たない。趾部では角質 かくしつ 層 そう (corneum ) または外皮 がいひ 質 しつ がケラチンで形成 けいせい され、次第 しだい に厚 あつ みを増 ま して鱗 うろこ となるが、鱗 うろこ は形状 けいじょう により以下 いか の4種 しゅ に分 わ けられる。
キャンセラ (Cancella) - 細 ほそ い溝 みぞ のある十字形 じゅうじがた の交差 こうさ 構造 こうぞう のケラチンによる、普通 ふつう の皮膚 ひふ よりも厚 あつ くて硬 かた いだけの微細 びさい な鱗 うろこ
レティキュラ (Reticula、網状 もうじょう 質 しつ ) - 微小 びしょう だが一 ひと つ一 ひと つ独立 どくりつ した構造 こうぞう をとった鱗 うろこ 。中 ちゅう 足 あし 骨 こつ 部 ぶ の側面 そくめん 及 およ び後 こう 面 めん に見 み られ、α あるふぁ ケラチンからなる[ 6] 。
スクテラ (Scutella、小 しょう 鱗片 りんぺん ) - スクート(次項 じこう )よりは小 ちい さな鱗 うろこ 。ニワトリの尾 お 部 ぶ や中 ちゅう 足 あし 骨 こつ 部 ぶ の体 からだ 表 ひょう に見 み られる。
スクート (Scute、薄板 うすいた ) - 中 ちゅう 足 あし 骨 こつ 部 ぶ の前側 まえがわ やつま先 さき の背 せ 側 がわ に見 み られる。スクートは爬虫類 はちゅうるい と同様 どうよう にβ べーた ケラチンからなる[ 6] 。
種 たね によっては脚 あし の一部 いちぶ で羽毛 うもう と鱗 うろこ が混在 こんざい しているものがある。その場合 ばあい 、羽毛 うもう の毛根 もうこん は表皮 ひょうひ 上 じょう の鱗 うろこ の間 あいだ にあるか、または鱗 うろこ の下 した の真皮 しんぴ にある。後者 こうしゃ の場合 ばあい は鱗 うろこ から直接 ちょくせつ 羽毛 うもう が生 は えているような外観 がいかん になり、羽毛 うもう の根本 こんぽん を鱗 うろこ のケラチンが包 つつ むような形 かたち になる[ 5] 。
鳥類 ちょうるい の目 め とくちばしに挟 はさ まれた、頭部 とうぶ の側面 そくめん の領域 りょういき は「目先 めさき 」 (lore ) と呼 よ ばれ、種 たね によってはその部位 ぶい で羽毛 うもう を欠 か いており、皮膚 ひふ が露出 ろしゅつ している。その皮膚 ひふ に色 いろ が付 つ いているものがあり、ウ科 か などに見 み られる。
チドリ目 め には、くちばしにヘルプスト小体 こてい (Herbst corpuscle ) と呼 よ ばれる器官 きかん を持 も つものがあり、水中 すいちゅう での微小 びしょう な圧力 あつりょく 変化 へんか を検知 けんち して泥 どろ の中 なか の餌 えさ を取 と ることを可能 かのう にしている[ 7] 。また現在 げんざい 生息 せいそく している鳥類 ちょうるい はすべて、頭骨 とうこつ に対 たい して上顎 じょうがく の部分 ぶぶん が動 うご くようになっているが、特 とく にオウム などで顕著 けんちょ である[ 8] 。
鳥類 ちょうるい では一般 いっぱん に、体重 たいじゅう に比 くら べて脳 のう の重量 じゅうりょう の比率 ひりつ が大 おお きい。鳥類 ちょうるい の複雑 ふくざつ な行動 こうどう は、それを可能 かのう にする知能 ちのう (Bird intelligence ) を保持 ほじ するだけの脳 のう があるためである。
チョウゲンボウ の呼吸 こきゅう 器 き の模型 もけい 。呼気 こき と吸気 きゅうき はともに、かつ常 つね に、身体 しんたい の後 うし ろ側 がわ (図 ず 右側 みぎがわ ) から肺 はい に入 はい り、前部 ぜんぶ (図 ず 左側 ひだりがわ ) に向 む かって送 おく られる。1:頸気嚢 きのう (cervical air sac )、2:鎖骨 さこつ 間 あいだ 気嚢 きのう (clavicular air sac )、3:前 ぜん 胸 むね 気嚢 きのう (cranial thoracic air sac )、4:後 こう 胸 むね 気嚢 きのう (caudal thoracic air sac )、5:腹 はら 気嚢 きのう (abdominal air sac 、5':腰帯 こしおび に陥 おちい 入 いれ している憩 いこい 室 しつ )、6:肺 はい 、7: 気管 きかん 、A:叉 また 骨 こつ 、B: 烏口 からすぐち 骨 こつ 、C:肩 かた 甲 かぶと 骨 こつ 、D:背 せ 心 しん 骨 こつ (Notarium )、E:複 ふく 合 あい 仙骨 せんこつ (synsacrum 、F:骨盤 こつばん 、G:大腿 だいたい 骨 こつ 、H:胸骨 きょうこつ
鳥類 ちょうるい の呼吸 こきゅう 系 けい の模 も 式 しき 図 ず 。aas: 腹 はら 気嚢 きのう 、atas: 前 ぜん 胸 むね 気嚢 きのう 、cas: 頸気嚢 きのう 、clas: 鎖骨 さこつ 間 あいだ 気嚢 きのう 、hd: 鎖骨 さこつ 間 あいだ 気嚢 きのう の上腕 じょうわん 骨 こつ 部 ぶ に伸 の びている部位 ぶい 、lu: 肺 はい 、pns: 鼻腔 びこう 、ptas: 後 こう 胸 むね 気嚢 きのう 、pts: 鼓 こ 室 しつ 、t: 気管 きかん
飛翔 ひしょう を行 おこな うためには非常 ひじょう に効率 こうりつ のよい代謝 たいしゃ が必要 ひつよう であり、そのためには酸素 さんそ の取 と り込 こ みも効率 こうりつ 良 よ く行 おこな う必要 ひつよう がある。鳥類 ちょうるい の呼吸 こきゅう 器 き 系 けい は気嚢 きのう によってそれを可能 かのう としている。(哺乳類 ほにゅうるい にもコウモリ という真 しん の飛行 ひこう 生物 せいぶつ がいるので、飛行 ひこう のために気嚢 きのう が必須 ひっす なわけではない。)
肺 はい と違 ちが って気嚢 きのう では酸素 さんそ と二酸化炭素 にさんかたんそ のガス交換 こうかん は行 おこな われないが、空気 くうき を溜 た める機能 きのう を持 も ち、鞴 (ふいご)のような役割 やくわり を果 は たす。そのため肺 はい 自体 じたい はポンプの役割 やくわり を持 も つ必要 ひつよう がなく、大 おお きさを一定 いってい に保 たも ったままでよくなり、その中 なか の空気 くうき の流 なが れを安定 あんてい させることができる[ 1] 。
鳥類 ちょうるい の呼吸 こきゅう 器 き 系 けい は3つの臓器 ぞうき 群 ぐん に分 わ けられる。つまり前部 ぜんぶ の気嚢 きのう 群 ぐん (鎖骨 さこつ 間 あいだ 気嚢 きのう clavicular air sac 、頸気嚢 きのう cervical air sac および 前 ぜん 胸 むね 気嚢 きのう cranial thoracic air sac )、後部 こうぶ の気嚢 きのう 群 ぐん (後 こう 胸 むね 気嚢 きのう caudal thoracic air sac および腹 はら 気嚢 きのう abdominal air sac )、肺 はい 、の3群 ぐん である。これらの連携 れんけい によって呼吸 こきゅう が行 おこな われる。気嚢 きのう は多 おお くの種 たね で9つあり(たとえばスズメ目 め では鎖骨 さこつ 間 あいだ 気嚢 きのう が前 ぜん 胸 むね 気嚢 きのう と融合 ゆうごう しており気嚢 きのう は7つであるが)、吸入 きゅうにゅう を効率 こうりつ 化 か する機能 きのう を持 も つ。まず気管 きかん から入 はい った空気 くうき は、半分 はんぶん は直接 ちょくせつ 後部 こうぶ の気嚢 きのう に入 はい り、残 のこ りの半分 はんぶん は肺 はい を通 とお って前部 ぜんぶ の気嚢 きのう に入 はい る。前部 ぜんぶ の気嚢 きのう に入 はい った空気 くうき は直接 ちょくせつ 気管 きかん に押 お し出 だ され、そのまま鳥 とり の口 くち あるいは鼻孔 びこう から外部 がいぶ に吐 は き出 だ される。同時 どうじ に、後部 こうぶ の気嚢 きのう に入 はい った空気 くうき は肺 はい に送 おく られ、そのまま気管 きかん を通 とお って外 そと に押 お し出 だ される。
鳥類 ちょうるい の呼吸 こきゅう (吸気 きゅうき Inhalation と呼気 こき Exhatation )。前部 ぜんぶ と後部 こうぶ の気嚢 きのう がポンプの役割 やくわり を果 は たすことで、肺 はい の中 なか を一定 いってい 方向 ほうこう に安定 あんてい して空気 くうき が流 なが れる様子 ようす 。濃 こ い灰色 はいいろ の四角 よつかど は空気 くうき の流 なが れを止 と めている個所 かしょ を示 しめ す。
哺乳類 ほにゅうるい の呼吸 こきゅう 器 き 系 けい では肺 はい 自体 じたい がガス交換 こうかん に加 くわ えて気嚢 きのう の機能 きのう (空気 くうき の吸入 きゅうにゅう 、送出 そうしゅつ というポンプの機能 きのう )を兼 か ねているため、肺 はい の中 なか でガス交換 こうかん の前後 ぜんご の空気 くうき (酸素 さんそ 濃度 のうど および二酸化炭素 にさんかたんそ 濃度 のうど の高低 こうてい の差 さ がある空気 くうき )が入 い り交 ま じることになるが、鳥類 ちょうるい の呼吸 こきゅう 器 き 系 けい ではそれらが入 い り交 ま じることがない。そのため肺 はい 内 ない の空気 くうき の酸素 さんそ 分 ぶん 圧 あつ は大気 たいき と同 おな じであり、哺乳類 ほにゅうるい の場合 ばあい よりも高 たか い。そのため哺乳類 ほにゅうるい よりも効率 こうりつ 良 よ くガス交換 こうかん が行 おこな える。また息 いき を吐 は く際 さい にも後部 こうぶ の気嚢 きのう から新鮮 しんせん な空気 くうき が肺 はい に送 おく られ、吸気 きゅうき と呼気 こき の両方 りょうほう において新鮮 しんせん な空気 くうき が肺 はい を通 とお ることになる。
鳥類 ちょうるい の肺 はい には、哺乳類 ほにゅうるい と違 ちが って肺 はい 胞 がない。その代 か わり肺 はい が肺 はい 管 かん (parabronchi ) と呼 よ ばれる多数 たすう の細 ほそ い管 かん の形状 けいじょう になっており、それらは両 りょう 端 はし でまとまってそれぞれ背 せ 気管支 きかんし (dorsobronchi) および腹 はら 気管支 きかんし (ventrobronchi) となっている。肺 はい 管 かん 壁 かべ はハニカム構造 こうぞう になっており、肺 はい 管 かん の直径 ちょっけい 方向 ほうこう に展 てん びるアトリウム (atria) と呼 よ ばれる小房 おうさ が並 なら ぶ構造 こうぞう になっている。この小房 おうさ に毛細血管 もうさいけっかん が集 あつ まっており、小房 おうさ に入 はい った空気 くうき と血液 けつえき の間 あいだ でガス交換 こうかん が行 おこな われる[ 9] 。
鳥類 ちょうるい には横隔膜 おうかくまく がない。身体中 からたじゅう の空 そら 腔は一体 いったい として、肺 はい に空気 くうき を通 とお すためのふいごとして機能 きのう する。鳥類 ちょうるい の呼吸 こきゅう では、吸気 きゅうき ではなく呼気 こき において筋肉 きんにく の収縮 しゅうしゅく が行 おこな われる。
鳥類 ちょうるい の気管 きかん の気管支 きかんし に近 ちか い部位 ぶい には鳴 な 管 かん と呼 よ ばれる発声 はっせい 器官 きかん がある。哺乳類 ほにゅうるい の喉頭 こうとう と同様 どうよう に、気管 きかん を通過 つうか する空気 くうき の流 なが れの振動 しんどう により、音 おと を発 はっ する。種 たね によっては複雑 ふくざつ な音 おと を生 しょう じることができ、人語 じんご をまねる種 たね もある。スズメ目 め においては複数 ふくすう の音 おと を同時 どうじ に発生 はっせい させることができるものもある。また気管 きかん の一部 いちぶ が大 おお きく膨 ふく らむことで外観 がいかん を装飾 そうしょく するものもある(喉 のど 袋 ぶくろ 、Gular skin )。
鳥類 ちょうるい の心臓 しんぞう はヒトなどの哺乳類 ほにゅうるい や一部 いちぶ の爬虫類 はちゅうるい (ワニ目 め )と同様 どうよう 、4室 しつ に区切 くぎ られた構造 こうぞう をしている。これにより効率 こうりつ 良 よ く酸素 さんそ や栄養分 えいようぶん を身体 しんたい の各部 かくぶ に送 おく ることができ、それによって飛翔 ひしょう を含 ふく めた各種 かくしゅ の活発 かっぱつ な生命 せいめい 活動 かつどう が可能 かのう になっている。心拍 しんぱく 数 すう は、たとえば小型 こがた のノドアカハチドリ では1分間 ふんかん に1,200回 かい (毎秒 まいびょう 20回 かい )である[ 10] 。
鳥類 ちょうるい の消化 しょうか 器 き 系 けい
雄鳥 おんどり の口 くち の中 なか に見 み られる乳頭 にゅうとう 様 よう 突起 とっき 。この歯 は に似 に た形状 けいじょう により餌 えさ を保持 ほじ したまま歩行 ほこう することを可能 かのう にしている。
鳥類 ちょうるい の多 おお くでは食道 しょくどう に素 す 嚢 (crop ) と呼 よ ばれる筋肉質 きんにくしつ の嚢がある。素 もと 嚢は食 た べたものを咀嚼 そしゃく し、また一時 いちじ 的 てき に蓄 たくわ えることで消化 しょうか 器 き 系 けい へ送 おく られる速度 そくど を調節 ちょうせつ する機能 きのう を持 も つが、その大 おお きさや形状 けいじょう は種 しゅ によって大 おお きく異 こと なっている。ハト目 め では、素 す 嚢で素 す 嚢乳 (crop milk ) が作 つく られ、それが吐 は き戻 もど し によりヒナに与 あた えられる。また素 す 嚢に加 くわ えて砂嚢 さのう (ventriculus、俗 ぞく にgizzard ) と呼 よ ばれる器官 きかん もある。砂嚢 さのう は4つの筋肉 きんにく の輪 わ がつながって管 かん の形状 けいじょう を成 な した器官 きかん で、食 た べたものを4つの輪 わ で順次 じゅんじ 送 おく り出 だ して行 い きながら、それを転回 てんかい し、咀嚼 そしゃく する機能 きのう がある。種 たね によっては、哺乳類 ほにゅうるい や爬虫類 はちゅうるい の歯 は の代 か わりに、砂 すな や小石 こいし などを飲 の み込 こ んで砂嚢 さのう に溜 た めることで、咀嚼 そしゃく の機能 きのう を強化 きょうか するものもある。これは鳥類 ちょうるい 以外 いがい の恐竜 きょうりゅう においても同様 どうよう で、生 なま 痕 あと 化石 かせき に胃 い 石 せき が残 のこ されていることがそれを示 しめ している。
鳥類 ちょうるい が水分 すいぶん を摂取 せっしゅ する過程 かてい は、4段階 だんかい に分 わ けられる。
ほとんどの鳥類 ちょうるい の食道 しょくどう は蠕動 ぜんどう 運動 うんどう ができない。そのため、ヒトが行 おこな うような「吸 す い込 こ み」を行 おこな うことができない。水 みず を飲 の むためには、1: 口 くち の中 なか に水 みず を入 い れ、2: 頭部 とうぶ を持 も ち上 あ げ、3: その水 みず を食道 しょくどう に向 む かって落 お とすという動作 どうさ を、4: 繰 く り返 かえ す、ということが必要 ひつよう になる(この過程 かてい は sipping シッピングあるいは tipping up ティッピングと呼 よ ばれる)[ 11] 。しかしコンラート・ローレンツ の1939年 ねん の報告 ほうこく によると、
「
one recognizes the order by the single behavioral characteristic, namely that in drinking the water is pumped up by peristalsis of the esophagus which occurs without exception within the order. The only other group, however, which shows the same behavior, the Pteroclidae , is placed near the doves just by this doubtlessly very old characteristic.
」
[ 12]
とあり、ハト目 め においては水 みず を吸 す い上 あ げることが確認 かくにん されている。しかしハト目 め はまったくシッピングを行 おこな わないというわけではなく、また他 た のいくつかの種 たね についてもシッピングと吸 す い上 あ げの両方 りょうほう を行 おこな うものが観察 かんさつ されている[ 11] [ 13] 。
またタイヨウチョウ やハチドリ には、溝 みぞ あるいは樋 とい の形状 けいじょう をした舌 した を押 お し出 だ すことで液体 えきたい を飲 の むことができるものがあり、インコ には舐 な めることで水 みず を飲 の むものもある[ 11] 。
海鳥 うみどり には、海水 かいすい を摂取 せっしゅ し、余分 よぶん な塩分 えんぶん を目 め の近 ちか くの鼻腔 びこう にある腺 せん から排泄 はいせつ できるものがある。砂漠 さばく 地帯 ちたい に生息 せいそく するものでは、必要 ひつよう な水分 すいぶん をすべて食物 しょくもつ から得 え るため、液体 えきたい の水分 すいぶん の摂取 せっしゅ を行 おこな わないものもある[ 14] 。
幼鳥 ようちょう の巣立 すだ ち
外見 がいけん 上 じょう 鳥類 ちょうるい のオスには生殖 せいしょく 器 き がないが、精巣 せいそう は体内 たいない に2個 こ あり、種 たね によっては、繁殖 はんしょく 期 き になると精子 せいし を生成 せいせい するために、繁殖 はんしょく 期 き でないときの百 ひゃく 倍 ばい 以上 いじょう の大 おお きさになる[ 15] 。2個 こ の精巣 せいそう は大 おお きさが非対称 ひたいしょう で、多 おお くの種 たね では左側 ひだりがわ の方 ほう が大 おお きい[ 16] 。メスの卵巣 らんそう と卵管 らんかん は繁殖 はんしょく 期 き には肥大 ひだい 化 か して、産卵 さんらん 後 ご は退 すさ 縮 ちぢみ して飛翔 ひしょう 能力 のうりょく の低下 ていか が起 お きないようにする[ 17] 。左側 ひだりがわ の卵巣 らんそう だけがその機能 きのう を果 は たす種 たね が多 おお いが、左側 ひだりがわ の卵巣 らんそう が感染 かんせん 症 しょう などで損傷 そんしょう を受 う けた場合 ばあい には右側 みぎがわ の卵巣 らんそう が機能 きのう する。
ファルス (後述 こうじゅつ )を持 も たない鳥類 ちょうるい では、交尾 こうび に先立 さきだ って総 そう 排出 はいしゅつ 口 こう の隆起 りゅうき 部 ぶ にある精巣 せいそう の糸 いと 球体 きゅうたい に精子 せいし が保持 ほじ される。交尾 こうび 中 ちゅう はメスは尾羽 おは を横 よこ にずらし、オスはメスの上 うえ に後 ご から乗 の る(あるいはシロツノミツスイ のように前 まえ から乗 の るものもある)ことにより双方 そうほう の総 そう 排泄 はいせつ 口 こう が接触 せっしょく し、精子 せいし がメスの体内 たいない に送 おく り込 こ まれ、輸卵管 ゆらんかん に到達 とうたつ できるようになる。交尾 こうび の過程 かてい は非常 ひじょう に素早 すばや く行 おこな われ、種 たね によっては0.5秒 びょう 以下 いか で行 おこな われるものもある。
メスの体内 たいない に入 はい った精子 せいし は腺 せん 上皮 じょうひ (glandular epithelium ) につながっている細管 さいかん (tubule ) に1週間 しゅうかん から、種 たね によっては1年間 ねんかん 保持 ほじ される。その後 ご 、卵巣 らんそう から1つずつ卵子 らんし が送 おく り出 だ され、そのつど受精 じゅせい し、体外 たいがい に産 う み落 お とされる。産 う み落 お とされた後 のち も卵殻 らんかく 内 ない で胎児 たいじ の発生 はっせい が続 つづ く。
ワライカモメ の若 わか 鳥 とり
ダチョウ やシチメンチョウ および多 おお くの水鳥 みずとり などには、ファルス と呼 よ ばれる陰茎 いんけい に似 に た機能 きのう を持 も つ器官 きかん がある。交尾 こうび していないときにはファルスは肛門 こうもん 陥 おちい (proctodeum ) の部位 ぶい 、つまり総 そう 排泄 はいせつ 腔内の開口 かいこう 部 ぶ のすぐ内側 うちがわ に格納 かくのう されている。
抱 だき 卵 たまご (brooding ) の後 のち ヒナが孵化 ふか すると、親鳥 おやどり は給餌 きゅうじ および保護 ほご (育 そだて 雛 ひな )のための様々 さまざま な行動 こうどう をとる。早 さ 成 なり (precocial ) の種 たね では孵化 ふか の直後 ちょくご から自活 じかつ を始 はじ めるが、晩成 ばんせい 性 せい (altricial ) の種 たね では孵化 ふか しようとするヒナは自分 じぶん で卵殻 らんかく を破 やぶ れず、孵化 ふか しても目 め も見 み えず羽毛 うもう もないため、親鳥 おやどり の保護 ほご を要 よう する。シギ科 か やチドリ科 か など地表 ちひょう に営巣 えいそう する種 たね のヒナは、孵化 ふか の直後 ちょくご から走行 そうこう できるもの多 おお く、その性質 せいしつ を離 はなれ 巣 す 性 せい (nidifugous ) と呼 よ ぶ。一方 いっぽう で深 ふか い穴 あな に営巣 えいそう するものは親鳥 おやどり の給餌 きゅうじ および保護 ほご がなければ成長 せいちょう できないものが多 おお い。それら巣 す の中 なか にいるヒナ(若 わか 鳥 とり )が、まだ巣 す の中 なか にいるものの飛翔 ひしょう に十分 じゅうぶん な羽毛 うもう と筋力 きんりょく を備 そな えた状態 じょうたい をフレッジング(fledging または fledgling 、「巣立 すだ ち」と訳 やく される)と呼 よ ぶ。
ハトやガン、タンチョウ などでは、つがいの相手 あいて を生涯 しょうがい 変 か えず、その間 あいだ 決 き まった営巣 えいそう 地 ち で産卵 さんらん 、育 いく 雛 ひな を行 おこな う。
鳥類 ちょうるい の眼球 がんきゅう の模 も 式 しき 図 ず 。sclerotic ring: 強 つよ 膜 まく 輪 わ 、iris: 虹彩 こうさい 、lens: 水晶 すいしょう 体 たい 、cornea: 角膜 かくまく 、muscle: 外 そと 眼 め 筋 すじ 、retina: 網膜 もうまく 、choroid: 脈絡 みゃくらく 膜 まく 、sclera: 強 つよ 膜 まく 、fovea: 中心 ちゅうしん 窩 、pecten: 櫛 くし 状 じょう 突起 とっき 、optic nerve: 視神経 ししんけい
鳥類 ちょうるい は非常 ひじょう に鋭敏 えいびん な視覚 しかく を持 も っている。猛禽 もうきん 類 るい は網膜 もうまく 上 うえ の光 ひかり 受容 じゅよう 体 たい の密度 みつど が高 たか く(ヒトの200,000個 こ /mm²に対 たい しノスリ では1,000,000個 こ /mm2 )視神経 ししんけい の本数 ほんすう も多 おお いため、視力 しりょく はヒトの約 やく 8倍 ばい であると考 かんが えられている[ 18] 。また眼球 がんきゅう に付随 ふずい する筋肉 きんにく をヒトの外 そと 眼 め 筋 すじ と比 くら べると、すべて2つずつあり、焦点 しょうてん の調整 ちょうせい が非常 ひじょう に速 はや いが、眼球 がんきゅう の向 む きを動 うご かすことはほとんどできない[ 19] 。さらに眼球 がんきゅう にある中心 ちゅうしん 窩 が視野 しや の中心 ちゅうしん での解像度 かいぞうど を向上 こうじょう している。ハチドリ やアホウドリ など多 おお くの種 たね では中心 ちゅうしん 窩が1つの眼球 がんきゅう に2か所 しょ ずつある。また偏 へん 光 こう が見 み える種 たね も多 おお い。頭骨 とうこつ における眼窩 がんか は非常 ひじょう に大 おお きく、爬虫類 はちゅうるい と同様 どうよう に強 つよ 膜 まく 輪 わ (sclerotic ring 、鞏膜輪 わ とも)が眼球 がんきゅう を囲 かこ んでいる。
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8つの生物 せいぶつ 地理 ちり 区 く (Ecozone )および、区内 くない の地域 ちいき の野鳥 やちょう 一覧 いちらん 。