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2006 RH120

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
2006 RH120
2006 RH120が地球を周回した時の軌道。
2006 RH120地球ちきゅう周回しゅうかいしたとき軌道きどう
分類ぶんるい 地球ちきゅう近傍きんぼう小惑星しょうわくせい[1]
軌道きどう種類しゅるい アポロぐん[1]、またはアモールぐん[2]
地球ちきゅう横断おうだん小惑星しょうわくせい
地球ちきゅう衛星えいせい一時いちじ[3][4]
発見はっけん
発見はっけん 2006ねん9がつ14にち
発見はっけんしゃ カタリナ・スカイサーベイ[5][4]
発見はっけん方法ほうほう 自動じどう検出けんしゅつ
軌道きどう要素ようそ性質せいしつ
もと:TDB 2458600.5 (2019ねん4がつ27.0にち)[2]
軌道きどうちょう半径はんけい (a) 1.0331525 au[2]
近日きんじつてん距離きょり (q) 1.0078192 au[2]
遠日点えんじつてん距離きょり (Q) 1.058 au[2]
はなれしんりつ (e) 0.0245204[2]
公転こうてん周期しゅうき (P) 1.05 ねん[2]
軌道きどう傾斜けいしゃかく (i) 0.59486 [2]
近日きんじつてん引数ひきすう (ωおめが) 10.06034 [2]
のぼり交点こうてんけい (Ωおめが) 51.18006 [2]
平均へいきんきんてんかく (M) 313.72588 [2]
物理ぶつりてき性質せいしつ
直径ちょっけい 3 - 6 m[3]
自転じてん周期しゅうき 0.04583 あいだ[1]
2ふん45びょう
絶対ぜったい等級とうきゅう (H) 29.5[1][2]
カタログでの名称めいしょう
6R10DB9[3]
2006 RH120[1]
K06RC0H[5]
Template (ノート 解説かいせつ■Project

2006 RH120とは、アポロぐん[1]またはアモールぐん分類ぶんるいされる、直径ちょっけいやく3 mから6 m[3]微小びしょう地球ちきゅう近傍きんぼう小惑星しょうわくせいの1つである。2006ねん9月から2007ねん6がつまでのあいだ、この小惑星しょうわくせい地球ちきゅう周囲しゅうい自然しぜん衛星えいせいとして周回しゅうかいし、一時いちじてきに「だい2のつき」となっていた[3]

軌道きどう性質せいしつ

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2006 RH120は、軌道きどうちょう半径はんけい1.03au公転こうてん周期しゅうき1.05ねん軌道きどう周回しゅうかいしている。軌道きどう傾斜けいしゃかくは0.59とほとんどかたむいておらず、はなれしんりつは0.024とほぼえんである[1] 。このように2006 RH120公転こうてん軌道きどうはきわめて地球ちきゅう公転こうてん軌道きどう似通にかよったものであることから、しばしば地球ちきゅうたいしておそ相対そうたい速度そくどたとえば、2028ねん10がつ9にちには相対そうたい速度そくど0.14 km/s[6])で接近せっきんすることとなる。2007ねん6がつ14にち地球ちきゅう接近せっきんしたときにはやく27まん7000km (0.00185 au) と、つき平均へいきん公転こうてん半径はんけいである38まん4400kmの内側うちがわまではいんでいた[1]

物理ぶつりてき性質せいしつ

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2006 RH120標準ひょうじゅん等級とうきゅう小惑星しょうわくせい絶対ぜったい等級とうきゅう)は29.5等級とうきゅう[1] ときわめてちいさなであり、直径ちょっけいは3mから6m[3] という微小びしょうなサイズであると推定すいていされている。発見はっけんあかるさ(等級とうきゅう)は19.3等級とうきゅう[4]もっとあかるくなったときでも18.7等級とうきゅうというくら天体てんたいである[5] 。また、2ふん45びょう周期しゅうき自転じてんしている[1]

周回しゅうかい軌道きどう

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2006 RH120上記じょうきのとおり地球ちきゅうときわめて似通にかよった軌道きどうつため、地球ちきゅう接近せっきん地球ちきゅう重力じゅうりょくらわれ、一時いちじてき地球ちきゅう自然しぜん衛星えいせいになる場合ばあいがある[3] 。2006 RH120は、天然てんねん天体てんたいであることがわかっているなかはつの「だい2のつき」であり、2020ねん2がつ15にち2020 CD3発見はっけんされるまでは唯一ゆいいつ事例じれいであった。

このような軌道きどうをもつ天体てんたいとしては、2002ねん9がつ3にち発見はっけんされたJ002E3[7]、2006ねん8がつ28にち発見はっけんされた6Q0B44E[8]前例ぜんれいとしてあったが、J002E3はアポロ12ごう使用しようされたサターンVロケットS-IVBであることが判明はんめいしており[7]、6Q0B44Eも確定かくていながら人工じんこうぶつである可能かのうせいがきわめてたか[9]。そのため、2006 RH120カタリナ・スカイサーベイによる発見はっけんには人工じんこうぶつであるとうたがわれ、当初とうしょ6R10DB9ばれていた[3][4]。しかし、2006 RH120太陽たいよう輻射ふくしゃあつによる軌道きどう変化へんか計算けいさんした結果けっか中身なかみ中空ちゅうくうかるいロケットブースターであると仮定かていした場合ばあいくらべて実際じっさい観測かんそくおおきなずれがあることがあきらかとなったことから、人工じんこうぶつではなく天然てんねん天体てんたいであること判明はんめいした[3][4]。このため2006 RH120という小惑星しょうわくせい正式せいしきかり符号ふごうあたえられたのは、発見はっけんから17かげつの2008ねん2がつ18にちである[5]

2006 RH120は、つきへの小惑星しょうわくせい衝突しょうとつによりった破片はへんがその起源きげんである可能かのうせいがある[10]。なおシミュレーションによれば、2006 RH120のような「一時いちじてき地球ちきゅう衛星えいせい」が常時じょうじ50ほど地球ちきゅう周囲しゅうい周回しゅうかいしている計算けいさんとなるが、それらは直径ちょっけいが50cmと2006 RH120のさらに10ぶんの1程度ていど微小びしょうなサイズと想定そうていされているため、実際じっさい観測かんそくむずかしく、そのような天体てんたいは2020 CD3観測かんそくまで発見はっけんであった[11]

2006 RH120地球ちきゅう周回しゅうかい軌道きどうっていることが観測かんそくされたのは2006ねん9月から2007ねん6がつまでのあいだで、この期間きかん地球ちきゅう周囲しゅういを3かい公転こうてんした。軌道きどうやく9まんkmからやく20まんkmの軌道きどうちょう半径はんけいやく0.41からやく0.75のはなれしんりつち、軌道きどう傾斜けいしゃかく最初さいしょのみやく40、それ以降いこうはほぼ直角ちょっかく軌道きどうっていた[3] 。この期間きかん地球ちきゅうつき頻繁ひんぱん接近せっきんしており、ジェット推進すいしん研究所けんきゅうじょのデータベースにおける2006 RH120かんするデータのほとんどがこの期間きかんのものであることがわかる[1]

2006 RH120地球ちきゅう周回しゅうかい軌道きどう軌道きどう要素ようそ[3]
もと 軌道きどうちょう半径はんけい
(km)
はなれしんりつ 公転こうてん周期しゅうき
(日)にち
軌道きどう傾斜けいしゃかく
()
きん地点ちてん引数ひきすう
()
のぼり交点こうてんけい
()
きん地点ちてん通過つうか日時にちじ
2006ねん9月2にち 1589136 0.475 230.7 41.4 180.3 159.1 2006ねん9月12.3にち
2006ねん9月12にち 1936139 0.567 310.3 41.3 175.7 159.5 2006ねん9月11.2にち
2006ねん9月19にち 1857264 0.559 291.5 41.8 167.2 159.7 2006ねん9月9.7にち
2006ねん12月18にち 1132535 0.519 138.8 90.9 125.2 105.4 2007ねん1がつ1.7にち
2006ねん12月21にち 1070442 0.486 127.6 91.6 126.7 105.9 2007ねん1がつ2.2にち
2006ねん12月31にち 0905792 0.410 099.3 91.7 137.4 105.4 2007ねん1がつ3.7にち
2007ねん1がつ10日とおか 1087484 0.512 130.6 91.2 138.4 105.2 2007ねん1がつ3.8にち
2007ねん1がつ19にち 1040366 0.517 122.2 89.9 132.0 104.2 2007ねん1がつ3.4にち
2007ねん3月11にち 0938816 0.637 104.8 87.9 94.5 102.5 2007ねん3月25.6にち
2007ねん3月21にち 1008880 0.646 116.7 85.7 90.8 102.8 2007ねん3がつ25.4にち
2007ねん3月31にち 1060707 0.664 125.8 85.3 94.3 102.9 2007ねん3がつ25.6にち
2007ねん4がつ9にち 0970339 0.624 110.1 84.3 93.0 102.6 2007ねん3がつ25.1にち
2007ねん5月31にち 0867738 0.702 093.1 89.2 78.1 124.9 2007ねん6月14.4にち
2007ねん6月9にち 0959197 0.712 108.2 89.6 73.1 124.2 2007ねん6がつ14.2にち
2007ねん6月19にち 0997522 0.720 114.8 89.7 74.8 124.3 2007ねん6がつ14.3にち
2007ねん6月28にち 1119652 0.748 136.4 90.5 77.3 124.5 2007ねん6がつ14.6にち
2006 RH120地球ちきゅうたいする接近せっきん距離きょり[1]
日時にちじ
(TDB)
さい接近せっきん距離きょり
(km)
つき軌道きどう
との
2006ねん9月11にち07:39 839344 2.18
2007ねん1がつ3にち18:02 533436 1.39
2007ねん3月25にち12:31 353455 0.92
2007ねん6月14にち05:30 276839 0.72

今後こんご

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2006 RH120次回じかい地球ちきゅうさい接近せっきんするのは2028ねん8がつ18にちで、地球ちきゅうから401まん8200km (0.02686au) まで接近せっきんすると推定すいていされている[1] 。このときにも太陽たいよう周回しゅうかい軌道きどうから地球ちきゅう一時いちじてき衛星えいせいとなる可能かのうせいがあるが、詳細しょうさい不明ふめいである。またこののち接近せっきんも、測定そくていされた軌道きどう不正確ふせいかくさと、ヤルコフスキー効果こうか影響えいきょうおおきさがよくわかっていないため不明ふめいである[1]

2017ねんには、地球ちきゅうから太陽たいよう方向ほうこうやく3おくkm (2au) はなれた位置いち、すなわち地球ちきゅう太陽たいよう公転こうてん軌道きどうのちょうど反対はんたいがわ位置いち付近ふきん移動いどうしていたとかんがえられている。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n (2006 RH120)”. JPL Small-Body Database Browser. JPL. 2020ねん2がつ29にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 2006 RH120”. Minor Planet Center. 2020ねん2がつ29にち閲覧えつらん
  3. ^ a b c d e f g h i j k 2006 RH120 ( = 6R10DB9) (A second moon for the Earth?)”. Great Shefford Obsevatory. 2020ねん2がつ29にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c d e Earth's "Other Moon"”. Sky & Telescope (2007ねん4がつ17にち). 2020ねん2がつ29にち閲覧えつらん
  5. ^ a b c d MPEC 2008-D12 : 2006 RH120”. Minor Planet Electronic Circular. Minor Planet Center. 2020ねん2がつ29にち閲覧えつらん
  6. ^ NEO Earth Close-Approaches”. Near Earth Object Program. NASA. 2020ねん2がつ29にち閲覧えつらん。 “(2006 RT120)で検索けんさく
  7. ^ a b New 'moon' found around Earth BBC News
  8. ^ The DISTANT ARTIFICIAL SATELLITES OBSERVATION (DASO) Circulars Minor Planet Center
  9. ^ "Pseudo-MPEC" for 6Q0B44E Project Pluto
  10. ^ "Pseudo-MPEC" for 6R10DB9 Internet Archive: Wayback Machine
  11. ^ Mystery Mini Moons: How Many Does Earth Have? Discovery News

関連かんれん項目こうもく

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