H-6 (航空機こうくうき)

轟とどろき炸六ろく型がた

H-6K

• 用途ようと：戦略せんりゃく爆撃ばくげき機き
• 分類ぶんるい：爆ばく撃げき機き
• 設計せっけい者しゃ：西安しーあん飛ひ機き工業こうぎょう公司こうし
• 製造せいぞう者しゃ：西安しーあん飛ひ機き工業こうぎょう公司こうし
• 運用うんよう者しゃ： 中国ちゅうごく（中国ちゅうごく人民じんみん解放かいほう軍ぐん空軍くうぐん、中国ちゅうごく人民じんみん解放かいほう軍ぐん海軍かいぐん）
• 初はつ飛行ひこう：1968年ねん12月24日にち
• 生産せいさん数すう：231機き
• 運用うんよう開始かいし：1969年ねん
• 運用うんよう状じょう況きょう：現役げんえき
• 原型げんけい機き：Tu-16

H-6（轟とどろき炸六ろく型がた、Hong-6）は、西安しーあん飛ひ機き工業こうぎょう公司こうしが製造せいぞうし、中国ちゅうごく人民じんみん解放かいほう軍ぐんが装備そうびしている大型おおがた爆ばく撃げき機きで、ソビエトのTu-16 爆撃ばくげき機きを国産こくさん化かした機体きたいである。戦略せんりゃく爆撃ばくげき、戦術せんじゅつ爆撃ばくげき、巡航じゅんこうミサイルや空そら対たい艦かんミサイルなどの発射はっしゃ母はは機きとして使つかわれるほか、空中くうちゅう給油きゅうゆ機きや核かく攻撃こうげき専用せんよう機き、偵察ていさつ機き、電子でんし戦せん機き、海軍かいぐん機き、対たい潜せん哨戒しょうかい機きといった派生はせい型がたがある。海外かいがいへの輸出ゆしゅつ販売はんばい向むけにはB-6と名なづけられており、資料しりょうによってはこの名称めいしょうが用もちいられる事こともある。

生産せいさんの経緯けいい

1953年ねんにソビエト連邦れんぽうは中国ちゅうごくに戦略せんりゃく爆撃ばくげき機きのツポレフ Tu-4を供与きょうよしていたが、これは第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中なかにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくで生産せいさんされた長距離ちょうきょり爆撃ばくげき機きB-29をリバースエンジニアリングでソ連それんがコピーしたレシプロ機きで（後のちに中国ちゅうごくはターボプロップ機きに改良かいりょうしたものの）旧式きゅうしき化かしつつあった。

1957年ねん、中国ちゅうごくはソ連それんから、中ちゅうソ友好ゆうこう同盟どうめい相互そうご援助えんじょ条約じょうやくの一環いっかんとしてソ連それん初はつのジェット爆撃ばくげき機きであるツポレフ Tu-16を導入どうにゅうすることを決定けっていし、ノックダウン生産せいさんを哈爾浜はま飛ひ機き製造せいぞう公司こうしにて開始かいしした。1957年ねん9月には組立くみたてられた機体きたいが中国ちゅうごく国内こくないで初はつ飛行ひこうし、1959年ねんにはソ連それんとの間あいだにTu-16のライセンス生産せいさんが取とり決きめられ、西安しーあん飛ひ機き工業こうぎょう公司こうし(XAC)で生産せいさんされることになった。

1956年ねんのソ連それん共産党きょうさんとう第だい20回かい党とう大会たいかいにおけるフルシチョフの演説えんぜつをきっかけに始はじまった中ちゅうソ対立たいりつにより、1959年ねんには技術ぎじゅつ協定きょうていが破棄はきされた。XACで組立くみたてられた1号機ごうきが1959年ねん9月がつ27日にちに初はつ飛行ひこうし、続つづいて2号機ごうきも完成かんせいしたが、1960年ねん6月がつにはソ連それん側がわの技術ぎじゅつ者しゃが引ひき揚あげてしまったために3号機ごうき以降いこうの生産せいさんは大幅おおはばに遅おくれ、2号機ごうきに遅おくれること7年ねんの1966年ねん12月24日にちにようやく国産こくさんのエンジンである渦うず噴8型がた（WP-8）を搭載とうさいしたH6Aの生産せいさん1号機ごうきが初はつ飛行ひこうした。

生産せいさん機きは轟とどろき炸6型がた（轟とどろき炸とは中国ちゅうごく語ごで爆ばく撃げきの意い。ピン音おんはHongZhaで即すなわち略称りゃくしょうがH-6となる）という名称めいしょうで人民じんみん解放かいほう軍ぐんに配備はいびされることとなり、1969年ねん2月がつから部隊ぶたい配備はいびが開始かいしされた。

特徴とくちょう

Tu-16のライセンス生産せいさん品しなであるH-6の当初とうしょの目的もくてきは、20kt核かく爆ばく弾だんを搭載とうさいしての核かく攻撃こうげきであり、中国ちゅうごく核かく戦力せんりょくの一翼いちよくを担になった。ロプノール湖こでの核かく実験じっけんにも用もちいられ、あわせて9個この核かく爆発ばくはつ装置そうちがH-6から投下とうかされた。しかし、弾道だんどうミサイルの発達はったつにより核かく攻撃こうげき機きとしての役割やくわりは縮小しゅくしょうされた。

ちょうどソ連それん本国ほんごくのTu-16がそうであったように、中国ちゅうごくのH-6はその長大ちょうだいな航続こうぞく距離きょりと大おおきな搭載とうさい量りょうを生いかし、巡航じゅんこうミサイル、対たい艦かんミサイル、対たい艦かん弾道だんどうミサイル、無人むじん偵察ていさつ機き、スペースプレーンの発射はっしゃ母はは機はたや機雷きらい投下とうか機きなど数々かずかずの派生はせい型がたが生産せいさんされている。

また、エンジンもアビオニクスも国産こくさん化かされており、外国がいこくのエンジン/アビオニクス供給きょうきゅう政策せいさくによって交換こうかん部品ぶひん供給きょうきゅうが左右さゆうされる事ことがないため稼働かどう率りつが維持いじしやすく、部品ぶひんも安価あんかである。

エンジン

RD-3M-500を国産こくさん化かした渦うず噴8（WP8）ターボジェットエンジンを装備そうびする。このエンジンの最新さいしん型がたは推力すいりょく101.28kNを発揮はっきする。 H6Kは、D-30KP2ターボファンエンジンを装備そうびする、

搭載とうさい兵へい装そう

H-6は、その長大ちょうだいな航続こうぞく距離きょりと大おおきな搭載とうさい量りょうを生いかし、多種たしゅにわたる兵へい装そうを装備そうびして多様たようなミッションを遂行すいこうできる。

巡航じゅんこうミサイルによる地上ちじょう攻撃こうげき

2発はつのKD-63 巡航じゅんこうミサイル、もしくは4発はつのHN-3 巡航じゅんこうミサイル、または4発はつのYJ-85 巡航じゅんこうミサイルの運用うんようが可能かのうである。戦闘せんとう行動こうどう半径はんけいは2,000km以上いじょうあり、中国ちゅうごく沿岸えんがん部ぶの基地きちから台湾たいわんや大韓民国だいかんみんこく、日本にっぽん国内こくないの自衛隊じえいたいや在ざい日米にちべい軍ぐんの航空こうくう基地きち、果はてはグアムまでのアメリカ空軍くうぐん基地きち、さらに民間みんかんの空港くうこうや都市としおよびあらゆるインフラへ対たいして巡航じゅんこうミサイルを投射とうしゃ可能かのうである。DF-11/DF-15 GPS補正ほせい短距離たんきょり弾道だんどうミサイル、潜水せんすい艦かん・水上すいじょう艦かん発射はっしゃ型がたYJ-85 巡航じゅんこうミサイル/HN-3 巡航じゅんこうミサイル/Klubとともに中国ちゅうごく人民じんみん解放かいほう軍ぐんの精密せいみつ誘導ゆうどう対地たいちミサイル打撃だげき力りょくの一翼いちよくを担にない、開戦かいせん劈頭へきとうの航空こうくう優勢ゆうせい確保かくほのため、大量たいりょうの通常つうじょう弾頭だんとうGPS巡航じゅんこうミサイルを台湾たいわんや沖縄おきなわの航空こうくう基地きちに投射とうしゃするプラットホームとして機能きのうすると見みられている。

対たい艦かんミサイルによる艦船かんせんに対たいする飽和ほうわ攻撃こうげき

2発はつのYJ-6系けい対たい艦かんミサイル、もしくはHN-3 TV誘導ゆうどう巡航じゅんこうミサイル、または4発はつのYJ-12（鷹たか撃げき-12）超ちょう音速おんそく対たい艦かんミサイル、YJ-83K 対たい艦かんミサイルの運用うんようが可能かのうで、JH-7 戦闘せんとう爆撃ばくげき機き、潜水せんすい艦かん・水上すいじょう艦かん発射はっしゃのYJ-83 対たい艦かんミサイル/HN-3 TV巡航じゅんこうミサイル/Klubとともにアメリカの空母くうぼ戦闘せんとう群ぐん（現げん 空母くうぼ打撃だげき群ぐん）などを目標もくひょうとした長ちょう射程しゃてい対たい艦かんミサイル飽和ほうわ攻撃こうげき能力のうりょくの一翼いちよくを担になう。DF-21D 対たい艦かん弾道だんどうミサイルやその誘導ゆうどうを行おこなう超ちょう音速おんそくドローンのWZ-8（無む偵-8）も搭載とうさいできるとされる。

機雷きらい投下とうかによる重要じゅうよう港湾こうわん・軍港ぐんこう水道すいどうなどの封鎖ふうさ

人民じんみん解放かいほう軍ぐん空軍くうぐんの航空機こうくうきとしては比較的ひかくてき長大ちょうだいな航続力こうぞくりょくを生いかし、沿海えんかい部ぶから台湾たいわんや韓国かんこくの全域ぜんいき、あるいは日本にっぽんの西にし半分はんぶんの近海きんかいでの機雷きらい投下とうかが可能かのうで、台湾たいわんや韓国かんこく、日本にっぽんの重要じゅうよう港湾こうわんを封鎖ふうさする能力のうりょくを持もち、日本海にほんかい・東シナ海ひがししなかいへのアメリカ海軍かいぐん侵入しんにゅう阻止そし線せん（いわゆる第だい一いち列島れっとう線せん）を形成けいせいする役割やくわりを担になう。また、（SEAD後のちに）軍港ぐんこう周辺しゅうへん海域かいいきへの封鎖ふうさ機雷きらいの大量たいりょう空中くうちゅう投下とうかを行おこない、明あかり型がた潜水せんすい艦かんなどによって薄うすく先行せんこう設置せっちされた機雷きらいの補強ほきょうを行おこなったり、台湾たいわん海峡かいきょうの両りょう端はしに機雷きらいを投下とうかして、中国ちゅうごく揚陸ようりく艦かん隊たいへの反撃はんげきを阻止そしする機能きのうを持もつ。なお、魚雷ぎょらい放出ほうしゅつ型がた機雷きらいはロシアでも製造せいぞうしており「PMT-1 mine-torpedo。輸出ゆしゅつ名めい PMK-2 system」、個々ここの機雷きらいの制圧せいあつ半径はんけいは第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんの頃ころの磁気じき機雷きらいとは比くらべ物ものにならないほど拡大かくだいされており、比較的ひかくてき少数しょうすうの機雷きらいで広ひろい海域かいいきを封鎖ふうさできる事ことが指摘してきされている。

大型おおがた爆ばく弾だん投下とうかによる面めん制圧せいあつ

各種かくしゅ爆ばく弾だんを最大さいだいで9t搭載とうさいできる。航空こうくう優勢ゆうせいを確保かくほしたのち、堅固けんごなバンカーや防空ぼうくう能力のうりょくを喪失そうしつした大型おおがた艦艇かんていに大型おおがた誘導ゆうどう爆ばく弾だんを投下とうかして破砕はさいしたり、上陸じょうりく予定よてい地点ちてん周辺しゅうへんを燃料ねんりょう気化きか爆ばく弾だんやクラスター爆ばく弾だんで面めん制圧せいあつするのに使用しようされると見みられている。

空中くうちゅう発射はっしゃ型がた無人むじん機きのプラットフォーム

2023年ねんに流出りゅうしゅつしたペンタゴンの機密きみつ文書ぶんしょによると、米べい軍ぐんはH-6をWZ-8の発射はっしゃプラットフォームの一ひとつであると認識にんしきしている。また、2024年ねん4月がつには、胴体どうたい下部かぶに黒くろい航空機こうくうきを吊つり下さげて飛行ひこうするH-6が目撃もくげきされている。2024年ねん5月がつ時点じてんでこの正体しょうたいは明あきらかになっていないものの、MD-22などの可能かのう性せいがあると指摘してきされている。

配備はいび・運用うんよう

1969年ねん2月がつの部隊ぶたい配備はいび開始かいし以来いらい、1990年代ねんだいまでに改良かいりょうを重かさねながら各かく型かた合あわせて少すくなくとも150機きが生産せいさんされ、2000年代ねんだい前半ぜんはんにはおおよそ120機き程度ていどが運用うんよう下かにあるとされ、2020年ねん時点じてんで231機き程度ていどが運用うんよう下かにあると見みられている。2016年ねん時点じてんで部隊ぶたい配備はいびされているのはH-6G、H-6K、H-6H、H-6Mの4機種きしゅであり、他たに空中くうちゅう給油きゅうゆ機きとしてH-6U（H-6A改造かいぞうの空軍くうぐん機き）と、H-6DU（H-6D改造かいぞうの海軍かいぐん機き）がある。H-6Aは数すう機きだけ飛行ひこう学院がくいん第だい2訓練くんれん旅団りょだんに残のこっている。寿命じゅみょう切きれで退役たいえきすると言いう観測かんそくもあったが、H-X（次期じき爆撃ばくげき機き計画けいかく）の遅おくれにより、寿命じゅみょう延長えんちょう・近代きんだい化か改修かいしゅうを実施じっししている。また、中国ちゅうごくでは次世代じせだいステルス戦略せんりゃく爆撃ばくげき機きであるH-20（轟とどろき炸20型がた）の開発かいはつが進すすめられているものの、爆ばく撃げき機きは高価こうかであり、H-6は部品ぶひんを総すべて国産こくさんで賄まかなえることもあって、アメリカ空軍くうぐんのB-52戦略せんりゃく爆撃ばくげき機きのように寿命じゅみょう延長えんちょうされ、アメリカやロシア連邦れんぽうと同様どうように新型しんがた爆撃ばくげき機きとともに使用しようされ続つづけると見みられている。

H-6は中東ちゅうとうの一部いちぶの国くににしか輸出ゆしゅつされなかった。エジプトは、1973年ねんの第だい四よん次じ中東ちゅうとう戦争せんそう後ごからアメリカに接近せっきんしたために軍事ぐんじ協力きょうりょく関係かんけいが断絶だんぜつしたソ連それんから供与きょうよされてきたTu-16戦力せんりょくの補充ほじゅうに5機きのH-6をスペア部品ぶひんとともに中国ちゅうごくから1975年ねんに購入こうにゅうし、1977年ねんのリビア・エジプト戦争せんそうで実戦じっせんに投入とうにゅうしたとされる。エジプト最後さいごのTu-16/H-6は2000年ねんに退役たいえきしている。1987年ねんにイラクは4機きのH-6Dを中国ちゅうごくから購入こうにゅうし、YJ-6 (ミサイル)（C-601）空そら対たい艦かんミサイルとシルクワームを装備そうびしてイラン・イラク戦争せんそうで14隻せきのイランのタンカーとバルカーを破壊はかいしたが（タンカー戦争せんそう）、イラン空軍くうぐんのF-14に1機きが撃墜げきついされ、1991年ねんの湾岸わんがん戦争せんそうによってアメリカ軍ぐんに3機きが破壊はかいされた。

2016年ねん7月がつ18日にち、中国ちゅうごく空軍くうぐんはK型がたによるスカボロー礁上空じょうくうでの哨戒しょうかい飛行ひこうを行おこなったと発表はっぴょうし、今後こんご同どう空域くういきでの哨戒しょうかい飛行ひこうを常態じょうたい化かさせるとした。

宮古みやこ海峡かいきょうの上空じょうくうを飛とぶH-6M

陸上りくじょうや艦船かんせんに対たいする攻撃こうげき能力のうりょくを有ゆうする中国ちゅうごくの軍用ぐんよう機きとしては航続こうぞく距離きょりが長ながいH-6は、周辺しゅうへん諸国しょこくに対たいする威嚇いかくや情報じょうほう収集しゅうしゅう、外洋がいようにおける作戦さくせん能力のうりょくの誇示こじのために効果こうか的てきな存在そんざいである。日本にっぽん周辺しゅうへんに関かんしては、2016年ねんには沖縄おきなわ本島ほんとうと宮古島みやこじまとの間あいだにある宮古みやこ海峡かいきょうの公海こうかい上空じょうくうを、2017年ねん1月がつには対馬海峡つしまかいきょうの上空じょうくうを戦闘せんとう機きや情報じょうほう収集しゅうしゅう機きなどとともに通過つうかしている。なおこれらに対たいし、航空こうくう自衛隊じえいたいが戦闘せんとう機きをスクランブルさせて対応たいおうしている。2017年ねん8月がつには、6機きが宮古みやこ海峡かいきょうの上空じょうくうを経由けいゆして紀伊きい半島はんとう沖おきまで飛来ひらいした。

台湾たいわんに対たいしても、2017年ねん7月がつ25日にちに1機きが台湾たいわん海峡かいきょう中ちゅう間あいだ線せんに沿そって飛行ひこう。またバシー海峡かいきょうと宮古みやふる海峡かいきょうの上空じょうくうを経由けいゆして台湾たいわんの東側ひがしがわを飛行ひこうする活動かつどうも実施じっししている。

2019年ねん1月がつにはMassive Ordnance Air Blast bombのように核かく爆ばく弾だんに次つぐ威力いりょくを持もつと称しょうする燃料ねんりょう気化きか爆ばく弾だんをK型がたで投下とうかする実験じっけんを公開こうかいした。

2019年ねん7月がつ23日にち、2機きのK型がたがロシア航空こうくう宇宙うちゅう軍ぐんのTu-95MS爆ばく撃げき機き2機きなどと日本海にほんかい上空じょうくうで初はつの共同きょうどう警戒けいかい監視かんし活動かつどうを行おこない、防空ぼうくう識別しきべつ圏けんに侵入しんにゅうして約やく30回かいの警告けいこくを無視むしした中ちゅう露ろ機きのうちロシア軍機ぐんきのA-50が竹島たけしま上空じょうくうを領空りょうくう侵犯しんぱんしたとして18機きの大韓民国だいかんみんこく空軍くうぐんの戦闘せんとう機きF-15とF-16が約やく360発はつ警告けいこく射撃しゃげきしたと韓国かんこくが発表はっぴょうし、日本にっぽんの航空こうくう自衛隊じえいたいも10機きのF-15JとF-2でスクランブルを行おこなって4カ国かこく入いり乱みだれ、空自くうじ機きは尖閣諸島せんかくしょとう上空じょうくうを領空りょうくう侵犯しんぱんする90km手前てまえの中ちゅう露ろ機きに針路しんろ変更へんこうを促うながした。

派生はせい型がた

H-6

60機き生産せいさんされた通常つうじょう爆ばく弾だんを装備そうび可能かのうな戦略せんりゃく爆撃ばくげき機きで試作しさく機きは1959年ねんに初はつ飛行ひこうした。

H-6A

第だい2の量産りょうさん型がたでTu-16を本格ほんかく的てきに中国ちゅうごく国内こくないでライセンス生産せいさんしたもので核かく爆ばく弾だん運用うんよう能力のうりょくが付与ふよされている。H-6との違ちがいは、爆ばく弾だん層そうに断熱だんねつ材ざいを装備そうびし空調くうちょう機きが追加ついか、爆ばく弾だん解除かいじょシステムの改良かいりょう型がたの装備そうび、核かく実験じっけん用ようの監視かんし装置そうちが装備そうびされている。1965年ねん5月がつ14日にちに中国ちゅうごく初はつの核かく実験じっけんを実施じっしした。前期ぜんきはHL2(241型がた)、後期こうきはHL2A(244型がた)捜索そうさくレーダーを搭載とうさい。1968年ねん12月初はつ飛行ひこうし1980年代ねんだいまで生産せいさんが継続けいぞくされた。

H-6B

戦略せんりゃく偵察ていさつ機き型かた。Tu-16Rが搭載とうさいするSRS-3電子でんし偵察ていさつポッドに似にたものを搭載とうさいする。胴体どうたいの爆ばく弾だん層そうに大型おおがたの偵察ていさつカメラを3台だい装備そうびし、航法こうほうシステム、通信つうしんシステム、飛行ひこう性能せいのうを向上こうじょうさせている。1978年ねんに原はら機きが初はつ飛行ひこうし、1979年ねんより部隊ぶたい配備はいびが開始かいしされた。

H-6C

H-6Aを元もとに開発かいはつされた電子でんし戦機せんき型がたで、アクティブとパッシブの妨害ぼうがい装置そうちを追加ついかし、レーダー探知たんち装置そうち並ならびにECM装備そうびがなされている。更さらに各種かくしゅレーダーを内蔵ないぞうしたレドームやナイフ型がたアンテナを機体きたい外部がいぶや爆ばく弾だん層そうに装備そうびする。電子でんし戦せん装備そうびなどアビオニクスを改修かいしゅうした機体きたい。改革かいかく開放かいほう政策せいさくにより西側にしがわの電子でんし機器ききが輸入ゆにゅうされた。原はら機きは1977年ねんに開発かいはつが始はじまり1980年ねんに初号しょごう機きが初はつ飛行ひこうした。1983年ねんより部隊ぶたい配備はいびが開始かいしされている。開発かいはつ初期しょきの名称めいしょうは「H-6III」。

H-6D

H-6Aに続つづく量産りょうさん型がたであり、対たい艦かんミサイルを運用うんよう可能かのうにした海軍かいぐん向むけの機体きたい。機種きしゅ下面かめんに360度ど全ちょん周あまねの監視かんしが可能かのうでIバンド使用しようのHL6D(245型がた)「コバルト」捜索そうさくレーダーを備そなえ、YJ-61(C-611)空そら対たい艦かんミサイルを装備そうびできる。新しんレーダーに合あわせてコックピットのレイアウトも変更へんこうされている1981年ねん8月がつ29日にちに初はつ飛行ひこうし1985年ねん12月に海軍かいぐん部隊ぶたいに初はつ配備はいびされ、計けい30機きが製造せいぞうされた。

H-6E

H-6Aを改修かいしゅうした型式けいしきで核かく爆ばく弾だんの運用うんよう能力のうりょくはそのままである。

H-6F

H-6Aの近代きんだい化か改修かいしゅう型がたで1990 年代ねんだいに近代きんだい化かおよび改造かいぞうされ、アビオニクスシステムの改善かいぜん、新あたらしいナビゲーションシステムの設置せっち、レーダー警報けいほうシステムと妨害ぼうがいシステムの追加ついか、尾お部ぶ銃座じゅうざの廃止はいしに重点じゅうてんが置おかれた。

H-6G

H-6Dの代替だいたいとなった海軍かいぐん型がたの機体きたい。2000年代ねんだいに更新こうしんされた。2016年ねん現在げんざい、中国ちゅうごく海軍かいぐんが30機き程度ていど保有ほゆうしているとされる。

H-6H

H-6H

H-6Dを元もとに開発かいはつされた空軍くうぐん向むけの巡航じゅんこうミサイル搭載とうさい型がた。1998年ねん12月初はつ飛行ひこうし1999年ねんに量産りょうさんが開始かいしされた。機首きしゅ下かのレドームに地上ちじょう捜索そうさくレーダーを設置せっちし、低空ていくう侵攻しんこう能力のうりょくを強化きょうかし、電子でんし戦せん装備そうびによる防御ぼうぎょ能力のうりょくを強化きょうかし、主翼しゅよくの下したには戦術せんじゅつ空そら対地たいちミサイルを搭載とうさいするための外部がいぶパイロンがあり、データ伝送でんそうシステム胴体どうたい下部かぶに設置せっちされています。1998年ねんに初はつ飛行ひこうし、一部いちぶ公表こうひょうされた画像がぞうには、KD-63空そら対地たいちミサイルとYJ-12超ちょう音速おんそくミサイルを搭載とうさいしたH-6Hものが存在そんざいしている。

H-6I

他た型がたでは2発はつのエンジンを4発はつ搭載とうさいにすることで能力のうりょく向上こうじょうを図はかった試験しけん機き。H-6Aの機体きたいの主翼しゅよく下かに追加ついかのパイロンによってロールス・ロイス スペイ 512-5Wを加くわえた。1機きの試作しさくのみ。

H-6J

海軍かいぐん仕様しようの爆ばく撃げき機き。作戦さくせん行動こうどう半径はんけいは約やく3500キロで、超ちょう音速おんそく対たい艦かん巡航じゅんこうミサイル「YJ-12」や対たい艦かん弾道だんどうミサイル「CM-401」を搭載とうさい可能かのうという。2018年ねん下半期しもはんきから実戦じっせん配備はいび。

H-6L

対たい潜せん哨戒しょうかい機き型かた。2009年ねん就役しゅうえき。

H-6U

H-6Dの一部いちぶを改造かいぞうし更さらに新造しんぞうした空中くうちゅう給油きゅうゆ機き型かたで1990年初ねんしょ飛行ひこう。機首きしゅの下したにある大型おおがたレドームはそのままで、爆ばく弾だん層そうを燃料ねんりょうタンクに改造かいぞうし、両りょう翼下よくかにプラグコーン型がた空中くうちゅう給油きゅうゆポッドを装備そうびする。尾お部ぶ銃座じゅうざは廃止はいしされて空中くうちゅう給油きゅうゆ管制かんせい室しつにされている。夜間やかんの空中くうちゅう給油きゅうゆ照明しょうめい用ように尾翼びよくの両側りょうがわにサーチライトが装備そうびされている。中国ちゅうごく空軍くうぐんが装備そうびする型かたは新造しんぞうで、外観がいかん上じょうの特徴とくちょうは機首きしゅの透明とうめい操縦そうじゅう室しつに代かわって、小型こがたレドームを備そなえた新しん設計せっけいの密閉みっぺい型がた機首きしゅとなっておりナビゲーターが乗のるスペースも追加ついかした。電子でんし機器ききも強化きょうかされた。

H-6M

H-6Hの近代きんだい化か改修かいしゅう型がた。2002年ねんの珠たま海兵かいへい器きショーでその開発かいはつが明あきらかにされた機体きたい。翼下よくかに対たい艦かんミサイル4発はつの搭載とうさいが可能かのう。現在げんざい少数しょうすう機きが海軍かいぐん航空こうくう隊たいに配備はいびされている。

H-6K

H-6K（戦せん神しん）

長剣ちょうけん-10（CJ-10A）巡航じゅんこうミサイル（射程しゃてい2,500km）搭載とうさい型がた。翼下よくかに6発はつのDH-10 巡航じゅんこうミサイルの搭載とうさいが可能かのう。エンジンが従来じゅうらいのソ連それん製せいミクーリンAM3M500の中国ちゅうごくライセンス生産せいさん版ばん「渦うず噴8」(WP-8)ターボジェットエンジンから、ロシア製せいのソロヴィヨーフ D-30KP2ターボファンエンジンに換かわ装そうされ、航続こうぞく距離きょりも延伸えんしんしている。機体きたい構造こうぞうやアビオニクスにも改良かいりょうが施ほどこされている。ペイロードが約やく9トンから12トンに増ふえ、主翼しゅよく下かのミサイル用ようパイロンが4カ所かしょから6カ所かしょへ増まし、アビオニクスがデジタル化かされたことで乗員じょういんが5名めいから4名めいに減へらされた。衛星えいせい通信つうしんも可能かのうになった。2016年ねん現在げんざいも生産せいさんが継続けいぞく中ちゅう。2007年ねん1月がつ5日にち初はつ飛行ひこう。

H-6N

対たい艦かん弾道だんどうミサイル搭載とうさい型がた。機体きたいには新あらたにTu-95MSに類似るいじした空中くうちゅう給油きゅうゆプローブが装備そうびされており、機首きしゅの下部かぶにはブレード状じょうのIFFアンテナが取とり付つけられ、機体きたい後部こうぶにはMAWSが取とり付つけられている。本ほん型がたの最大さいだいの特徴とくちょうは従来じゅうらいまでの派生はせい型がたに取とり付つけられていた爆ばく弾だん槽そうが撤去てっきょされている事ことであり、爆ばく弾だん槽そうが撤去てっきょされた代かわりに本ほん型がたの装備そうびするYJ-21対たい艦かん弾道だんどうミサイル(CH-AS-X-13)を懸架けんかする為ためのパイロンを備そなえており、これにより対たい艦かん弾道だんどうミサイルの装備そうびが可能かのうとなっている。

要目ようもく

H-6A 三面さんめん図ず

仕様しよう

H6A型がた/(H6K型がた)

• 乗員じょういん：4名めい(2名めい)
• 全長ぜんちょう：34.9 m
• 全幅ぜんぷく：33.0 m
• 全高ぜんこう：9.85 m
• 空虚くうきょ重量じゅうりょう：37,200 kg
• 最大さいだい離陸りりく重量じゅうりょう：76,000 kg
• 爆ばく弾倉だんそう搭載とうさい量りょう：9,000 kg
• エンジン：渦うず噴8 (WP8)ターボジェット x 2基き/(D-30KP2)
• 推力すいりょく：10.1t x 2基き

性能せいのう

• 最大さいだい速度そくど：1,050 km/h
• 巡航じゅんこう速度そくど：768 km/h
• 実用じつよう上昇じょうしょう限度げんど：12,800 m
• 航続こうぞく距離きょり：6,000 km
• 戦闘せんとう行動こうどう半径はんけい：3,500 km

武装ぶそう

• 固定こてい武装ぶそう：23mm連装れんそう機関きかん砲ほう×3
• ミサイル
  • 巡航じゅんこうミサイル：CJ-10 巡航じゅんこうミサイル（射程しゃてい2,500km）
  • 巡航じゅんこうミサイル：KD-63 巡航じゅんこうミサイルx2、もしくはHN-3 巡航じゅんこうミサイルx4、またはYJ-85 巡航じゅんこうミサイルx4
  • 対たい艦かんミサイル：YJ-6系けい対たい艦かんミサイルx2、もしくはHN-3 TV巡航じゅんこうミサイルx4、またはYJ-83K 対たい艦かんミサイルx4
  • 対たい艦かん弾道だんどうミサイル:DF-21D 対たい艦かん弾道だんどうミサイル（射程しゃてい1,500km）
• 爆ばく弾だん：自由じゆう落下らっか爆ばく弾だん 9t
• 機雷きらい：Mao-2（M-2）係がかり維機雷かみなり PMK-2 魚雷ぎょらい放出ほうしゅつ機雷きらい EM-52 上昇じょうしょう機雷きらい

登場とうじょう作品さくひん

『自衛隊じえいたい三国志さんごくし』

三さん国こく時代じだいへタイムスリップし、そこで曹操そうそうに味方みかたする中国ちゅうごく空軍くうぐんの装備そうびの1つとして登場とうじょう。同様どうようにタイムスリップしてきて劉りゅう備玄徳とくに味方みかたする自衛隊じえいたいが、孫まご権けんと同盟どうめいを結むすぼうとしたことを受うけ、呉ごの柴しば桑くわ城じょうをレーザー誘導ゆうどう爆ばく弾だんで空爆くうばくする。

『Modern Warships』

2022年ねん８月がつに「H-6N」が登場とうじょう。対たい艦かん核かくミサイルを装備そうびし、このゲーム随一ずいいちの火力かりょくを誇ほこる。課金かきんで入手にゅうしゅできる。

関連かんれん項目こうもく

• 爆ばく撃げき機き
• Tu-16
• HY-6
• H-20

外部がいぶリンク

• 日本にっぽん周辺しゅうへん国こくの軍事ぐんじ兵器へいき