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ISO感度かんど

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ISO 6から転送てんそう

ISO感度かんど(アイエスオーかんど、イソかんど、えい: ISO speed)は、国際こくさい標準ひょうじゅん機構きこう(ISO)で策定さくていされた写真しゃしんフィルム規格きかくであり、あるフィルムがどの程度ていどよわひかりまで記録きろくできるかをしめす。従来じゅうらいASA感度かんどDIN感度かんどをまとめてしるしたものである。

概要がいよう

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ISO感度かんどは、ISO100/21°、ISO200/24°、ISO400/27°、ISO800/30…などがある。一段いちだんたか感度かんど使用しようすると、シャッター速度そくどを1だんはやくするかしぼりを1だんしぼっても適正てきせい露出ろしゅつることが出来できる。れいげてうと、ISO200/24°はひかり能力のうりょくがISO100/21°の2ばいあるためISO100/21°の半分はんぶんつよさのひかりまで記録きろくすることが可能かのうである。

こう感度かんどになるほど数値すうちおおきくなり、感光かんこうすため、くら場面ばめん高速こうそく被写体ひしゃたいをよりはやいシャッター速度そくど撮影さつえいすることができる。ただし、一般いっぱんにはフィルムの粒子りゅうしがよりあらくなるため、画質がしつもとめる場合ばあいにはてい感度かんどのフィルムが使用しようされることがおおい。

フィルム感度かんど規格きかく

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現行げんこうのISO感度かんど規格きかく

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ISO感度かんど現行げんこう規格きかくとしては、カラーネガフィルムのためのISO 5800:1987[1]がある。また、関連かんれんする規格きかくとしてモノクロネガフィルムのための ISO 6:1993[2]およびカラーリバーサルフィルムのためのISO 2240:2003[3]がある。これらの規格きかくでは算術さんじゅつ表記ひょうき従来じゅうらいASA感度かんど)と対数たいすう表記ひょうき従来じゅうらいDIN感度かんど)の両方りょうほう表示ひょうじするようさだめられている[4]

フィルム感度かんどが2ばいになるごとに算術さんじゅつ表記ひょうき数値すうちは2ばいとなり、対数たいすう表記ひょうき数値すうちは3°える。たとえば、感度かんどがISO 200/24°のフィルムはひかりたいしてISO 100/21°のフィルムの2ばい敏感びんかんである[4]

おおくの場合ばあい対数たいすう表記ひょうき省略しょうりゃくされ、たとえば"ISO 100"のように算術さんじゅつ表記ひょうきのみがしるされる[5]

表記ひょうき変換へんかん

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対数たいすう表記ひょうき S°を算術さんじゅつ表記ひょうき S変換へんかんするには というしき使つか[6]次節じせつひょうもちいてもっとちか標準ひょうじゅんてき感度かんどまるめる。

同様どうように、算術さんじゅつ表記ひょうき対数たいすう表記ひょうき変換へんかんするには というしき使つかい、四捨五入ししゃごにゅうして整数せいすうにする。

表記ひょうき対応たいおうひょう

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種々しゅじゅのフィルム感度かんど表記ひょうき下記かきひょうしめした。ただしそれぞれの測定そくてい方法ほうほうことなるので目安めやすぎない[7]

Sv(APEX sensitivity value) ISO 算術さんじゅつ表記ひょうき
(ASA感度かんど
ISO 対数たいすう
(DIN感度かんど
べいシャイナー どくシャイナー ウェストン ゼネラルエレクトリック GOST(en
きゅうソ連それん、1987ねん以前いぜん
フィルム銘柄めいがら・カメラ製品せいひんれい
−2 0.8 0
1 (1)
1.2 (1)
−1 1.6 1.4
2 (2)
2.5 (2)
0 3 2.8
4 (4)
5 (4)
1 6 5.5 最初さいしょのコダクローム
8 10°
10 11° 16[7] 22[7] 8[7] 12[7] コダクローム8mmフィルム
2 12 12° 11 ゲヴァカラー8mmリバーサルフィルム
16 13° 11 アグフアカラー8mmリバーサルフィルム
20 14° 19[7] 25[7] 16[7] 24[7] 16 アドックスCMS20
3 25 15° 22 ふるいアグフアカラー、コダクローム25
32 16° 21[7] 27[7] 24[7] 40[7] 22 パナトミックX
40 17° 32 コダクローム40
4 50 18° 23[7] 29[7] 40[7] 64[7] 45 フジRVP
64 19° 45 コダクローム64、エクタクロームX
80 20° 65 イルフォ−ドコマーシャルオルソ
5 100 21° 26[7] 32[7] 80[7] 125[7] 90 コダカラーゴールド、プロビア
125 22° 90 イルフォードFP4+、プラスX
160 23° 130 フジカラープロ160C/S、ハイスピードエクタクローム
6 200 24° 29[7] 35[7] 160[7] 250[7] 180 フジカラースーペリア200
250 25° 180
320 26° 250
7 400 27° 32[7] 38[7] 320[7] 500[7] 350 Tマックス、トライX、イルフォードHP5+
500 28° 350
640 29° 560 ポラロイド600
8 800 30° 700
1,000 31° 700 P3200Tマックス、イルフォードデルタ3200
1,250 32°
9 1,600 33° 1400–1440 フジカラー1600
2,000 34°
2,500 35°
10 3,200 36° 2800–2880
4,000 37°
5,000 38°
11 6,400 39° 5600
8,000 40°
10,000 41°
12 12,500(12,800) 42°
16,000 43°
20,000 44° ポラロイド612
13 25,000(25,600) 45°
32,000 46°
40,000 47°
14 50,000(51,200) 48°
64,000 49°
80,000 50°
15 100,000(102,400) 51° ニコンD3s、キヤノンEOS-1DマークIV
125,000 52°
160,000 53°
16 200,000(204,800) 54° キヤノンEOS-1D X、ニコンD4、ペンタックス645Z
250,000 55°
320,000 56°
17 400,000(409,600) 57° ニコンD4s、ソニーαあるふぁ ILCE-7S
500,000 58°
640,000 59°
18 800,000(819,200) 60° ペンタックスKP、K-1II
1,000,000 61°
1,250,000 62°
19 1,600,000(1,638,400) 63°
2,000,000 64°
2,500,000 65°
20 3,200,000(3,276,800) 66°
4,000,000 67° キヤノンME20F-SH

デジタルカメラ

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デジタルカメラのISO感度かんどはISO 12232によって規格きかくされている。国内こくないではカメラ映像えいぞう機器きき工業こうぎょうかい(CIPA)による標準ひょうじゅんおこなわれている[8]。デジタルカメラにおいては、CCDイメージセンサなどの固体こたい撮像さつぞう素子そし感度かんどをISO100「相当そうとう」などと表現ひょうげんすることがおおい。デジタルカメラのISO感度かんどは、イメージセンサでのシグナルを増幅ぞうふくする目安めやすである。シグナルを増幅ぞうふくするさいに、ショットノイズくら電流でんりゅうノイズ、ねつノイズも増幅ぞうふくされるため、ISO感度かんどおおきい場合ばあい画像がぞう輝度きどノイズやカラーノイズが発生はっせいする。フィルムと同様どうように、こう感度かんどにするほどくら場所ばしょでもはやいシャッター速度そくど撮影さつえいできるようになる。センサを冷却れいきゃくすることでノイズを低減ていげんできる場合ばあいがある。

基本きほんてきには感度かんどひく設定せっていするほど画質がしつ向上こうじょうするとかんがえてよいが、撮像さつぞう素子そし特性とくせいにより、てい感度かんどぎてもぎゃく画質がしつ悪化あっかすることがある(ノイズは低減ていげんされる反面はんめん、ハイライトやシャドーしろびやくろつぶれがやすくなったり、発色はっしょくやコントラストがきつくなったりする)。そのためニコンのデジタルいちレフなどでは常用じょうよう最低さいてい感度かんどを100〜200とし、それ以下いかは、どうしてもてい感度かんど撮影さつえい必要ひつようとする場合ばあいげんかんあつかいとしている。したがってデジタル写真しゃしんでは推奨すいしょう感度かんどでの撮影さつえいおおむね100〜200の中庸ちゅうよう感度かんど)がもっと画質がしついとされ、どうしてもてい感度かんど撮影さつえいというのは意図いとてき開放かいほうしぼりや低速ていそくシャッターが表現ひょうげん意図いとじょう必要ひつよう場合ばあい、あるいは意図いとてき硬調こうちょう表現ひょうげんもとめられる場合ばあいなどにかぎられることがおおくなっている。ただし、おなじニコンでもミラーレスいちについては、上級じょうきゅうであるZ9やZ7、Z7IIではISO64からが常用じょうよう感度かんどとなっており、海外かいがい複数ふくすうのレビューサイトにおける検証けんしょうでもISO64がもっともダイナミックレンジがひろいことがあきらかにされている。ただし、こう感度かんど他社たしゃどうクラスカメラにくらべノイズがおおている。

出典しゅってん

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  1. ^ ISO 5800:1987: Photography – Colour negative films for still photography – Determination of ISO speed”. 2009ねん4がつ4にち閲覧えつらん
  2. ^ ISO 6:1993: Photography – Black-and-white pictorial still camera negative film/process systems – Determination of ISO speed”. 2009ねん4がつ4にち閲覧えつらん
  3. ^ ISO 2240:2003: Photography – Colour reversal camera films – Determination of ISO speed”. 2009ねん4がつ4にち閲覧えつらん
  4. ^ a b R. E. Jacobson, Sidney F. Ray, Geoffrey G. Attridge, and Norman R. Axford (2000). The manual of photography. Focal Press. p. 305–307. ISBN 9780240515748. https://books.google.co.jp/books?id=MblHnLN2N2kC&pg=PA306&dq=ISO+5800-1987&ei=X0HSSaPCN4bgkQTooe3bBA&redir_esc=y&hl=ja#PPA306,M1 
  5. ^ Carson Graves (1996). The zone system for 35mm photographers. Focal Press. p. 124. ISBN 9780240802039. https://books.google.co.jp/books?id=nHgZHXvqy5sC&pg=PA124&dq=ISO+ASA+logarithmic+film+speed&lr=&as_drrb_is=q&as_minm_is=1&as_miny_is=2009&as_maxm_is=12&as_maxy_is=2009&as_brr=0&as_pt=ALLTYPES&ei=YD7SSZ_xI4HKkATf0PWfBg&redir_esc=y&hl=ja 
  6. ^ ISO 2721:1982. Photography — Cameras — Automatic controls of exposure(paid download). Geneva: International Organization for Standardization.
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac 朝日あさひソノラマ 1980, p. 75.
  8. ^ デジタルカメラの感度かんど規定きてい

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 『クラシックカメラせん』 No.2(105の使つかかた)、朝日あさひソノラマ、1980ねん1がつ 

関連かんれん項目こうもく

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