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 トヨタ自動車とよたじどうしゃなど14しゃ参画さんかくして、先端せんたん車載しゃさい半導体はんどうたい研究けんきゅうする自動車じどうしゃよう先端せんたんSoC技術ぎじゅつ研究けんきゅう組合くみあい(ASRA、アスラ)が2024ねん3がつ29にち記者きしゃ会見かいけんひらいた。どう組合くみあい 理事りじちょうでトヨタ シニアフェローの山本やまもとけいつかさ専務せんむ理事りじでデンソー シニアアドバイザーの川原かわはらしんあきらくわえ、5にん理事りじ報道陣ほうどうじん質問しつもんこたえた。メンバーは、日産自動車にっさんじどうしゃ吉澤よしざわたかし、ホンダの四竈しかま真人まさと、パナソニック オートモーティブシステムズの水山みずやませいしげる、ミライズテクノロジーズの加藤かとう良文よしふみ、ルネサス エレクトロニクスの吉岡よしおか真一しんいちである。そのやりりから一部いちぶ抜粋ばっすいする()。

図 ASRAの記者会見の様子
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 ASRAの記者きしゃ会見かいけん様子ようす
写真しゃしん日経にっけいクロステック)

なぜ日本にっぽんでSoC(System on Chip)開発かいはつすすめるのか。

山本やまもとクルマにSoCのニーズがひろがってきている。ただ、海外かいがいのSoC供給きょうきゅうメーカーからは、しいタイミングでニーズにあった仕様しよう機能きのうそなえられたSoCをるのがむずかしい。スペックが要求ようきゅう以上いじょう以下いかだったり、げのタイミングがわなかったりするからだ。開発かいはつそのものに影響えいきょうするため、必要ひつようなSoCをクルマメーカーの意図いととお開発かいはつしたい。そこで、国内こくない先端せんたん半導体はんどうたいの1つとしてSoCを協力きょうりょくしてやるということになった。

半導体はんどうたいメーカーの時間じかんじくはクルマメーカーとして不安ふあん

データセンター(DC)けのチップレットを使つかえばいいのではないか。

山本やまもと高性能こうせいのう高機能こうきのう半導体はんどうたいやSoCを設計せっけいするじょうでは、クルマそのものの電子でんしプラットフォームの構造こうぞう設計せっけいをしっかりしたうえで、それにたいして一番いちばんうまく機能きのうする半導体はんどうたい用意よういするのが、クルマメーカーにとって一番いちばんありがたい。

 ところがいま順番じゅんばんぎゃくになっている。たとえば、べいNVIDIA(エヌビディア)とか、べいQualcomm(クアルコム)などが自社じしゃ商品しょうひんラインアップとして用意よういするものを採用さいようする構図こうずになっている。それでは我々われわれのやりたいことがなかなかできない。

 (このような会社かいしゃが)製品せいひん発表はっぴょうするタイミングというのが、2~3ねんに1かいある。そのタイミングよりもはや段階だんかいでクルマの量産りょうさんはじめたいとおもってもわない。1世代せだいふるいものを使つかわざるをない状況じょうきょう日常にちじょうてきこる。これはクルマメーカーがかかえる課題かだいの1つだ。

 クルマをつくるタイミングや時間じかんじくが、クルマメーカーでなく半導体はんどうたいメーカーの時間じかんじくるのは、(クルマメーカーとして)不安ふあんだ。

 性能せいのうてきにもタイミングてきにも、クルマの電子でんしプラットフォームの構造こうぞうがこれからおおきくわっていくだろう。これが、電動でんどうでバッテリーEV(電気でんき自動車じどうしゃ)になる、という構造こうぞう。カーボンニュートラルを目指めざうえでは、日本にっぽん自動車じどうしゃ業界ぎょうかいは「マルチパスウェイ」というかんがかた必要ひつよう。クルマの多様たようせいがどんどんひろがっていく。

 その多様たようせいそのものを吸収きゅうしゅうできるようなSoCがなかにあるかといえば、それはない。そのため、今回こんかい技術ぎじゅつ開発かいはつわせて電子でんしプラットフォームの構造こうぞう設計せっけいやそれに必要ひつようなSoCの要件ようけん明確めいかくにしたうえで、実現じつげんする土台どだいをつくる。

ASRAの目標もくひょうは。

山本やまもと目標もくひょう相場そうばかんいだくための活動かつどうがASRAだ。高性能こうせいのうなクルマを開発かいはつしていくうえでは、チップレットの技術ぎじゅつがやはり必要ひつよう不可欠ふかけつなものになっている。

 クルマはひといのちはこ重要じゅうよう技術ぎじゅつで、信頼しんらいせいなによりも大事だいじ構造こうぞう機能きのう安全あんぜんめんでクルマに適用てきようできる信頼しんらいせいてるかが、商品しょうひんさいには重要じゅうようなポイントで、コストや量産りょうさんするじょうでのハードルのたかさを左右さゆうする。こたえにはなかなかたどりかないとおもうので、しばらくは見守みまもってほしい。

川原かわはら2030ねんからのクルマについて、どういうユースケースがあって、それにたいするアプリケーションやソフトウエアをどうしていくのかという議論ぎろんすすめば、高性能こうせいのうでコンパクトないものがつくれる。さらに、今後こんごはOTA(Over The Air)でソフトがえられるようになるので、ある程度ていど余裕よゆうった装置そうちになるだろう。こういった要素ようそふくめた、なが使つかえる装置そうち目指めざしたい。