英Arm(アーム)とオープンソースの自動運転ソフトウエアを手がけるティアフォー(名古屋市)は、自動運転システムの開発で協業する。自動運転システムに最適なハードウエアやアーキテクチャーを実物が完成する前に選定できる開発環境を構築する。
Armは、ティアフォーや自動運転ソフトの標準化を目指す国際業界団体「The Autoware Foundation(AWF)」などとともに「Arm Automotive Enhanced(AE)」の技術を活用した新しい開発環境を立ち上げる。Armが2024年3月13日に発表し、デンソーや日立Astemo(日立アステモ)なども重要なパートナーだと明かした。
協業では、Armのアーキテクチャーを採用した仮想コンピューティング環境と、ティアフォーが提供する自動運転システムの開発運用環境「Web.Auto」を統合する。Web.Autoは自動運転のシミュレーターや認識・位置特定などの検証に必要なツール、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)パイプラインなどを含む。すでに統合による有用性は示されているという。
ティアフォー代表取締役社長最高経営責任者(CEO)兼最高技術責任者(CTO)の加藤真平氏は「自動運転システムに必要なハードウエア設計のための開発環境を提供し、自動車メーカーやチップメーカーが自動運転技術をグローバルに展開できるよう支援する」と意気込む。
ティアフォーは自動運転システムを手がけ、オープンソースの自動運転ソフト「Autoware」の開発を主導している。
ティアフォーの自動運転システムを搭載した大型バス
ティアフォーは2023年10月、首都圏の拠点でレベル4の認証を取得している。各地で実証実験を行う。(写真:日経Automotive)
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