きちがい

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きちがいとは、本来ほんらい発狂はっきょうした人間にんげんはしてき状態じょうたいいちじるしく常軌じょうきいっした人間にんげんす。漢字かんじでは気違きちが気狂きちが表記ひょうきする。また、ちがくるがふれる狂人きょうじん(きょうじん)、キチガイキ印きじるし(キじるし)とも表現ひょうげんする。インターネットスラングでは基地きちがい、またはりゃくしてキチ基地きち表記ひょうきすることもある。動詞どうしにすると、「気違きちがいじみる」(うえいち)などと使つかわれる。てんじて理性りせい欠如けつじょしたものや「りキチガイ」など愛好あいこうたいする蔑称べっしょうとして使つかわれた。現代げんだい日本にっぽんでは一般いっぱんてきにメディアじょう使用しよう忌避きひされる単語たんごとしてもられている。

概説がいせつ

江戸えど時代じだい精神病せいしんびょう呼称こしょうとして平安へいあん時代じだいからの「物狂ものぐる」にくわえて「きちがひ(いく)」としてこの言葉ことばまれた[1]当時とうじ公文書こうぶんしょすくなくても仕置しおきかんする公文こうぶんしょ(たとえば判例はんれいしゅう仕置しおき裁許さいきょちょう)では、江戸えど時代じだいはじめ1670年代ねんだいから1680年代ねんだいまでは「気違きちがい」が使つかわれていたが[ちゅう 1]ののし言葉ことばとしてもしばしば使つかわれる一方いっぽうで、「○○キチガイ」といった表現ひょうげんは「○○愛好あいこう」「○○マニア」といった肯定こうていてき意味いみ使つかわれている[ちゅう 2][ちゅう 3]

テレビとう日本にっぽんメディア使用しよう忌避きひされる単語たんごだが、1970年代ねんだいころまではテレビ書籍しょせき漫画まんがなどのメディア媒体ばいたい一般いっぱん会話かいわでも日常にちじょうてき使つかわれていた。1974ねん以降いこういち時期じき精神せいしん障害しょうがいしゃ家族かぞくらで構成こうせいされる精神せいしん障害しょうがいしゃ家族かぞくかいかい一部いちぶから、家族かぞく萎縮いしゅくし、回復かいふく治療ちりょうに、テレビ・ラジオでこのかたりいた精神せいしん障害しょうがいしゃがショックをけることにより、治癒ちゆさまたげるなどの医学いがくてき根拠こんきょ理由りゆう大阪おおさかかく放送ほうそうきょくはげしい抗議こうぎけたことが発端ほったんとなり、以降いこう使用しよう自粛じしゅくにつながった。テレビ・ラジオいちにちちゅうモニターする体制たいせいととのえ、NHK民放みんぽうわず、ときには団体だんたい幹部かんぶ独断どくだんでも抗議こうぎするというはげしさであった[3]

このため、現在げんざいでは一般いっぱん放送ほうそう禁止きんし用語ようごばれる放送ほうそう自粛じしゅくすべき言葉ことばとされているが、これにかんする明文化めいぶんかされたルールは存在そんざいしない。これが転化てんかして放送ほうそう禁止きんし用語ようご差別さべつ用語ようごとみなされるようになった。スタジオには「気違きちがいは禁句きんく」といたかみしてあやまって使用しようしたりすることがないようにつとめている。たとえば『しん荒野あらの浪人ろうにんだい22「くノいち情話じょうわ」(1974ねん5がつ28にち放送ほうそう)でこのかたり使用しようしていたため、放送ほうそうきょく最初さいしょ抗議こうぎけた毎日放送まいにちほうそうでは謝罪しゃざいし、1974ねん8がつからスタジオに「きちがいというコトバは禁句きんく」の掲示板けいじばん常設じょうせつすることになった。一般いっぱん社会しゃかいにおいても差別さべつ用語ようごとされる。

現在げんざいではテレビのみならず、書籍しょせき漫画まんが一般いっぱん会話かいわでも使用しようされることはっている。RPGなど自由じゆう名前なまえをつけられるゲームソフトにおいても「きちがい」という名前なまえ入力にゅうりょくできない場合ばあいおおい。むかしのドラマやアニメがソフトされるさいにこの言葉ことばはいっている場合ばあい以前いぜんはカットされるうごきがあったが、ボイス部分ぶぶん不自然ふしぜん空白くうはく無音むおん)がまれるため、最近さいきんでは「原作げんさく尊重そんちょうする」意味いみで、冒頭ぼうとうに「おことわり」のテロップがれるのみでくわえないこともおおくなっている。むかし漫画まんが書籍しょせき近年きんねんになって復刻ふっこくされるさいにも、「きちがい」や「くるう」という表記ひょうきは「へんになる」「がおかしくなる」など、比較的ひかくてき穏当おんとう表現ひょうげんえられるか、べつのセリフにえられることがおおい。ただし、一部いちぶ復刻ふっこくほんでは「当時とうじ表現ひょうげん尊重そんちょう」し、ことわきをせたうえでそのままにしている場合ばあいもある。現代げんだい漫画まんが書籍しょせきにおいては「きちがい」と堂々どうどうかれることはほとんどないものの、「き○がい」など一部いちぶ伏字ふせじにしたうえかれるれいもある[ちゅう 4]

」という言葉ことば意味いみ日本語にほんごてきひろ解釈かいしゃくがあり(たとえば「病気びょうき」「よわい」など)、「」というもの概念がいねんひろさから、ほかのひとちがかんがえをっている、あるいは若干じゃっかんずれたかんがえをっているという意味いみふくむという本来ほんらい趣旨しゅしとかけはなれ、たん世間せけんから異常いじょう行動こうどう人物じんぶつ、または社会しゃかいてき容認ようにんされない行動こうどう、もしくはその人物じんぶつそのものを意味いみに(悪意あくいてきあるいは過剰かじょうてきに)理解りかいされた事情じじょうもあり、この言葉ことばもちいることにマスコミ・報道ほうどう関係かんけい過剰かじょう反応はんのうするのはナンセンスであるという意見いけんや、たんなる言葉ことばという意見いけんもある。

沖縄国際大学おきなわこくさいだいがく山口やまぐちしん也准教授きょうじゅは、J-CASTニュース取材しゅざいたいし「団体だんたいってくる、ってこないで対応たいおうえるのはおかしい」とし、「差別さべつとはなにかをしっかりかんがえて言葉ことば使つかうべき」とテレビなどの自主じしゅ規制きせい方法ほうほう疑問ぎもんげかけている。日本民間放送連盟にほんみんかんほうそうれんめいおなじテーマの取材しゅざいこたえており、「状況じょうきょうおうじて必要ひつようがあれば使つかわれてもいいはず」とした一方いっぽう、「表現ひょうげんきずつくひともいる以上いじょう放送ほうそうできないのは仕方しかたがない」と回答かいとうしている[4]

医学いがくてき根拠こんきょ

出典しゅってんは「ぞく差別さべつ用語ようご 用語ようご差別さべつかんがえるシンポジウム実行じっこう委員いいんかいへん しおぶんしゃ ISBN 9784811300979」である。関東学院大学かんとうがくいんだいがく法学部ほうがくぶ教授きょうじゅである丸山まるやましげる主宰しゅさいするウェブサイト「ジャーナリズム・マスコミュニケーション・世界せかい平和へいわわたしたちのらし」の『また「戦友せんゆう」をうしなった…「ジャーナリスト・江上えがみしげるさん」のこと[5]』では、「用語ようご差別さべつかんがえるシンポジウム」は1975ねん日本にっぽん新聞しんぶん労働ろうどう組合くみあい連合れんごう日本にっぽん出版しゅっぱん労働ろうどう組合くみあい連合れんごうかい日本にっぽん民間みんかん放送ほうそう労働ろうどう組合くみあい連合れんごうかい映画えいが演劇えんげき関連かんれん産業さんぎょう労組ろうそ共闘きょうとうかい日本にっぽん放送ほうそう作家さっか組合くみあい日本にっぽん俳優はいゆう連合れんごう放送ほうそう芸能げいのうしゃ協会きょうかい全日本ぜんにほん視覚しかく障害しょうがいしゃ協議きょうぎかいの8団体だんたい主催しゅさいし、提示ていじされた用語ようごタブーの実態じったい資料しりょう本質ほんしつてき問題もんだいくわえて江上えがみしげる丸山まるやましげる出版しゅっぱんし、の「ぞく差別さべつ用語ようご」と「しん差別さべつ用語ようご」は実質じっしつ江上えがみしげるがけた。

ぞく差別さべつ用語ようご」にせられた精神せいしん吉川よしかわおさむのコメントによると、あくまで毎日放送まいにちほうそう説明せつめいであって、医学いがくてきには合点がてんがいかないとしている。だいいちに、この言葉ことばストレス病状びょうじょう悪化あっかショックあたえるかかはその情況じょうきょうによるからで、一般いっぱんに、自分じぶんとは場面ばめん状況じょうきょうわれたこの「言葉ことば」「音声おんせい」が患者かんじゃ病状びょうじょう悪化あっかさせるとはかんがえられないとしている。

参考さんこう

三河みかわ物語ものがたり

大久保おおくぼ彦左衛門ひこざえもんの『三河みかわ物語ものがたり』に、「波切なきり孫七郎まごしちろうさるは、かくれ武辺ぶへんこれしゃまたチガ(イ)しゃナレバ」とある。三河みかわ一向いっこう一揆いっきさいに、主君しゅくん徳川とくがわ家康いえやすぎゃくしんした家臣かしんしていたようである。

趣味しゅみ

趣味しゅみなどに常識じょうしきえて没頭ぼっとうするもののことを「○○キチ」や「○○きちがい」と表現ひょうげんするが、現在げんざいではこれらものぞましくない表現ひょうげんとされている。「オトキチ」、「カーキチ」[6]、「キチ」、「すずめキチ」、「パチキチ」、「トラキチ」など(参照さんしょうマニアおたく)。これは本来ほんらい侮蔑ぶべつ意味いみではなく一般いっぱんにも浸透しんとうしているため、テレビ生放送なまほうそうなどで出演しゅつえんしゃってしまう放送ほうそう禁止きんし用語ようごとしてよくられる。ふるテレビ番組ばんぐみ映画えいがなどでも顕著けんちょ見受みうけられ、放送ほうそうではよく削除さくじょされている。例外れいがいとして『りキチ三平さんぺい』があり、このことから熱烈ねつれつ愛好あいこうのことをりきちがい、あるいはツリキチと自称じしょうするれいおおい。

イタリア

イタリアでは狂人きょうじんあらわかたりとしてfolle(フォッレ)、matto(マット)、pazzo(パッツォ)があるが、侮辱ぶじょくてきなニュアンスはほとんどない[7]

表現ひょうげん使用しよう対応たいおうほか

放送ほうそう関連かんれんでの対応たいおう

  • ジャン=リュック・ゴダール名作めいさく気狂きちがいピエロ』は、テレビではフランス語ふらんすごタイトルの『ピエロ・ル・フ』で放映ほうえいされることがおお[よう出典しゅってん]
  • 横溝よこみぞ正史せいしの『獄門ごくもんとう』では、主人公しゅじんこうである金田一きんだいちこうすけが「ちがい」と「ちがい」を混同こんどうするという、作品さくひんのトリックにかんする重要じゅうようなシーンがある。過去かこ映画えいがテレビドラマとして制作せいさくされたことはあるものの、このかたり放送ほうそう禁止きんし用語ようごとして指弾しだんされてからは、テレビではそのまま放送ほうそうせず、苦肉くにくさくとしてその部分ぶぶんのみ削除さくじょおこない、あらたにドラマされる場合ばあいはストーリーを改変かいへんしている。
  • かつて製作せいさくされた映画えいがやテレビ番組ばんぐみなどをのちさい放送ほうそうしたりソフト配信はいしんするさい、「きちがい」のかたりふく部分ぶぶん編集へんしゅうされるか音声おんせい消去しょうきょされ、程度ていどのはなはだしい場合ばあい放送ほうそうかい自体じたいはぶかれる。サブタイトルに「きちがい」のかたりふくまれている場合ばあいは、サブタイトルを改題かいだいする場合ばあいもある。DVDやマガジンでは、冒頭ぼうとうにそのけんらせる字幕じまく挿入そうにゅうされることがある。
    • テレビドラマ『東京とうきょう警備けいび指令しれい ザ・ガードマン』のだい39「わたしは人殺ひとごろしなの」(1965ねん昭和しょうわ40ねん)12月31にち放送ほうそう)は、セリフに「きちがい」のかたり多数たすう登場とうじょうし、また「犯罪はんざいおかしやすい」という差別さべつてき表現ひょうげんがあるため、さい放送ほうそう欠番けつばんとなった。ただし、DVDには収録しゅうろくされている。
    • 子供こども特撮とくさつドラマ怪奇かいきだい作戦さくせん』のだい24きょうおに人間にんげん(1969ねん昭和しょうわ44ねん)2がつ23にち放送ほうそう)は、刑法けいほうだい39じょうだい1こう心神喪失しんしんそうしつしゃ行為こういばつセス」の規定きていをテーマとしているため、のち円谷つぶらやプロによって正式せいしきに「永久えいきゅう欠番けつばん指定してい」され、さい放送ほうそう1984ねん昭和しょうわ59ねん)に岡山放送おかやまほうそうおこなわれたとき(このさいにも一部いちぶがカットされている)を最後さいごに、ソフトは1995ねん発売はつばい当日とうじつ店頭てんとうから回収かいしゅうとなり約分やくぶんのみが流通りゅうつうしたLDボックスを最後さいごに、そのエピソードのさい放送ほうそうはおろか、ソフト販売はんばい一切いっさい不可ふかとされている。
    • 子供こども特撮とくさつ番組ばんぐみジャンボーグA』のだい26「グロースだい2ごう作戦さくせん ちがいぼしとノンビリゴン」(1973ねん昭和しょうわ48ねん)7がつ11にち放送ほうそう)は、ソフトさいに「グロースだい2ごう作戦さくせん なぞ! ノンビリゴンの正体しょうたい」と改題かいだいされた。ただし、さい放送ほうそう改題かいだいされていない。
    • 子供こども特撮とくさつ番組ばんぐみクレクレタコラ』のだい220気違きちが真似まねしてれたのまき」(1974ねん昭和しょうわ49ねん)8がつ2にち放送ほうそう)は、そのサブタイトルと内容ないようによりさい放送ほうそう欠番けつばんとなった。ただし、DVDには収録しゅうろくされている。
  • プロレス団体だんたいだい日本にっぽんプロレス所属しょぞく"くろ天使てんし"沼澤しょうたくよこしまおには、「キチ○イの神様かみさま」と自称じしょうし、チーム「045よこしまざる気違きちがい's(ゼロヨンゴ・ジャンキーズ)」でタッグを葛西かさいじゅんとともに「キチ○イ」をキャッチフレーズとしている。そのためどう団体だんたい中継ちゅうけい番組ばんぐみ大日だいにち大戦たいせん」では、地上波ちじょうは放送ほうそうさいに「キチ○イ」の部分ぶぶんに「ピーおん」がかぶせられる。とう選手せんしゅのマイクパフォーマンスちゅう観客かんきゃくからの「キチガイ」コールは修正しゅうせいできないため、CSは修正しゅうせいなしのパターンもあり、地上波ちじょうははシーン自体じたいがカットとなる(キチ○イの表記ひょうきについては"くろ天使てんし"沼澤しょうたくよこしまおに参照さんしょう)。
  • ニュースや報道ほうどうでのインタビューで一般人いっぱんじんが「きちがい」といった場合ばあい字幕じまくテロップでその発言はつげんの「きちがい」の部分ぶぶんべつ単語たんごえられることがある。れいとして、子供こども行方ゆくえ不明ふめいになった母親ははおやひとがインタビュアーにたいし「きちがいのように子供こどもさがしていた」と部分ぶぶんの『きちがい』を『夢中むちゅうになって』にえた。
  • ニュース番組ばんぐみ報道ほうどう番組ばんぐみドキュメンタリー番組ばんぐみなどで、沖縄おきなわけんざい日米にちべいぐん基地きち問題もんだいげるさい使つかれいとして「基地きちがい」では「きちがい」とおとおなじになってしまうので『基地きちそと(きちのそと)』と、いいかえて表現ひょうげんしている。ただし「基地きちそと」という表現ひょうげんであってもダブルミーニングとみなされ不適切ふてきせつ表現ひょうげんとされることがあり、2017ねん1がつ2にち放送ほうそうの『ニュース女子じょし使つかわれた「基地きちそと反対はんたいによるフェンスへの抗議こうぎ活動かつどう」などの表現ひょうげんたいしてBPOから放送ほうそう倫理りんり違反いはんであるとの指摘してきがあった。
  • 2022ねんFIFAワールドカップ カタール大会たいかい準決勝じゅんけっしょうせんなま中継ちゅうけいしたABEMAでは、試合しあいフリアン・アルバレスリオネル・メッシのインタビューを同時どうじ通訳つうやくした通訳つうやくが、スペインの「loco」を「きちがい」とやくなん連呼れんこした。そのため、インタビューの放送ほうそうにわたりられ、スタジオのアナウンサーが「不適切ふてきせつ発言はつげんがあった」と謝罪しゃざいした[8]

出版しゅっぱん

  • 藤子とうこ・F・不二雄ふじお原作げんさくいくつかの漫画まんが作品さくひんにおいて、社会しゃかい通念つうねんじょう表現ひょうげんあらためられているものが見受みうけられる。
    • ドラえもん』では、「くるう」やそれに類似るいじした言葉ことばはんかさねるたび改訂かいていされており、そのさいは「おかしくなった」などの表記ひょうき変更へんこうされている。ひみつ道具どうぐの「きょう音波おんぱ発振はっしん」や「きょう時機じき(マッド・ウォッチ)」においては漢字かんじを「おどろき」にえるという改訂かいていおこなわれており、後者こうしゃにおいては漢字かんじ英訳えいやくされたみに、意味いみちがいがしょうじている。また、『小学しょうがくいち年生ねんせい』1970ねん11がつごう掲載けいさいの「クルパーでんぱのまき」は藤子とうこ・F・雄大ゆうだい全集ぜんしゅう収録しゅうろくに「おかしなでんぱ」に改題かいだいされた。
    • パーマン』では、パーマンが仲間なかま以外いがい正体しょうたいられた場合ばあい秘密ひみつまもるため旧作きゅうさくでは「のう細胞さいぼう破壊はかいじゅうでクルクルパー(廃人はいじん)にされる」という設定せっていとされていたが、新作しんさくでは「動物どうぶつえられてしまう」という設定せってい変更へんこうされた。ほかにも、だい1で須羽ミツおっとがバードマンにたいしてった「おじさんは精神せいしん病院びょういんからしてきたんだね」というセリフは、新版しんぱんでは「おじさんはぼくをからかってるんだね」に変更へんこうされている。そして小学しょうがくかん単行本たんこうぼんの1995ねん以降いこうはんでは、それまで収録しゅうろくされていた人食ひとく人種じんしゅ登場とうじょうする「怪獣かいじゅうさがし」と、毒矢どくやもちいてひと発狂はっきょうさせる犯罪はんざいしゃ登場とうじょうする「くるわせ[9] の2ほん削除さくじょされた(この2ほんのちに「藤子とうこ・F・雄大ゆうだい全集ぜんしゅう」ではふたた収録しゅうろくされている)。
  • 1962ねん刊行かんこうされた早川書房はやかわしょぼう異色いしょく作家さっか短篇たんぺんしゅう収録しゅうろくされた、フレドリック・ブラウンの『さあ、ちがいになりなさい』(ほし新一しんいちわけ)は、2005ねん新装しんそうばんでもそのまま刊行かんこうされた。
  • 書籍しょせきとう出版しゅっぱんぶつなかには「学術がくじゅつてき事実じじつ関係かんけい正確せいかく記述きじゅつするためであり、けっして人権じんけんそこなう意図いとではない」と、あらかじことわったうえ使用しようしているものもある。また、著者ちょしゃ故人こじんである場合ばあい修正しゅうせいほどここと死後しご有効ゆうこうである著者ちょしゃの「著作ちょさくしゃ人格じんかくけん」を侵害しんがいしてしまう。そのため、当時とうじ通例つうれい表現ひょうげんであり、現代げんだいでは不適切ふてきせつ表現ひょうげんであるが、差別さべつ助長じょちょうするわけではないむね注意ちゅういきを付記ふきするなどの処置しょちられることがある。

コンピュータソフト

音楽おんがく

  • THE BLUE HEARTS楽曲がっきょくわらないうた』の歌詞かしに「わらないうたうたおう キチガイあつかいされた日々ひび」というものがあるが、CD歌詞かし該当がいとうするボーカル部分ぶぶんギターかぶせききとりづらくしている。またCDに付属ふぞくする歌詞かしカードの表記ひょうきについても「…」と表記ひょうきされている。ただコンサートでは、きちんと「キチガイ」とうたっている。

著名ちょめいじん発言はつげん

  • 1996ねんアトランタオリンピックさい水泳すいえい日本にっぽん代表だいひょう選手せんしゅであった千葉ちばすずが「日本人にっぽんじんはメダル気違きちがい」というコメントをのこし、議論ぎろんんだ。

ゲーム

  • 任天堂にんてんどうのゲーム「どうぶつのもり」で、手紙てがみ掲示板けいじばんに「きちがい」または「キチガイ」とれると、自動的じどうてきにその部分ぶぶん削除さくじょされるようになっている。
  • ポケットモンスターシリーズでは「ブラック・ホワイト」シーズン以降いこう、「きちがい」「キチガイ」をふく不適切ふてきせつ言葉ことばをニックネームなどに設定せっていできなくなっている。
  • スクウェア・エニックスきゅうエニックス)のドラゴンクエストシリーズではキャラクターの名前なまえ変更へんこうに「きちがい」と入力にゅうりょくすると、命名めいめいしん逆鱗げきりんれるという警告けいこくける。それを無視むしして変更へんこう強行きょうこうすると、以後いご名前なまえ容易ようい変更へんこうできなくなり、さい変更へんこうには罰金ばっきんとしてゲームじょう所持しょじきんから多額たがく料金りょうきん請求せいきゅうされる。ただし、これは名前なまえとして不適切ふてきせつ言葉ことば全般ぜんぱんたいする処置しょちである。

コンピュータネットワーク

その

脚注きゃくちゅう

注釈ちゅうしゃく

  1. ^ のちに「らん」や「乱心らんしん」が使つかわれるようになる[2]
  2. ^ テレビ番組ばんぐみウルトラマン』のだい2(1966ねん)ではとくたいのイデ隊員たいいん自分じぶん自身じしんを「宇宙うちゅうかんしてはきちがいだ」と自慢じまんするシーンがある。
  3. ^ 漫画まんがりキチ三平さんぺい』の「りキチ」とは、りの愛好あいこうす「りキチガイ」のりゃくである。
  4. ^ 英語えいごにおけるfuckなどと同様どうようである。

出典しゅってん

  1. ^ 精神せいしん医学いがく歴史れきし 小俣おまた和一郎かずいちろう だいさん文明ぶんめいしゃ ISBN 9784476012521 p120
  2. ^ いたはら和子かずこ, 桑原くわばら治雄はるお江戸えど時代じだい後期こうきにおける精神せいしん障害しょうがいしゃ処遇しょぐう(3)」『社會しゃかい問題もんだい研究けんきゅうだい49かんだい2ごう大阪府立大学おおさかふりつだいがく社会福祉学部しゃかいふくしがくぶ、2000ねん3がつ、196ぺーじCRID 1390009224623748736doi:10.24729/00003333hdl:10466/6826ISSN 0912-4640 
  3. ^ 封印ふういん作品さくひんなぞ安藤あんどう健二けんじ 太田出版おおたしゅっぱん ISBN 978-4872338874
  4. ^ 女優じょゆうの「キチガイ」発言はつげん謝罪しゃざい放送ほうそう禁止きんし用語ようご」とはなに. J-CASTニュース (J-CAST). (2009ねん3がつ8にち). https://www.j-cast.com/2009/03/08037204.html?p=all 2016ねん2がつ11にち閲覧えつらん 
  5. ^ また「戦友せんゆう」をうしなった…「ジャーナリスト・江上えがみしげるさん」のこと”. 2012ねん12月18にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2010ねん2がつ25にち閲覧えつらん
  6. ^ オトキチはカミナリぞく勃興ぼっこう、カーキチはモータリゼーション加速かそくによく使つかわれた言葉ことばで、とも現在げんざいでは自虐じぎゃく冗談じょうだん以外いがいもちいられることはほとんどい。
  7. ^ 精神せいしん病院びょういんてたイタリアてない日本にっぽん 大熊おおくま一夫かずお 岩波書店いわなみしょてん 2009ねん ISBN 9784000236850 「はじめに>用語ようごについて」
  8. ^ アルゼンチンせん同時どうじ通訳つうやく放送ほうそう禁止きんし用語ようご連呼れんこ スペイン経験けいけんしゃは「直訳ちょくやくだとそうなる」「『熱狂ねっきょうしている』や『大騒おおさわぎしている』とやくすべきでした」”. サンケイスポーツ (2022ねん12月14にち). 2023ねん11月25にち閲覧えつらん
  9. ^ てんとうちゅうコミックスだい3かん
  10. ^ ドグラ・マグラより「キチガイ地獄じごく外道げどう祭文さいぶん夢野ゆめの久作きゅうさく

関連かんれん項目こうもく