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カボチャ - Wikipedia
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カボチャ

ウリ科かカボチャ属ぞくに属ぞくする果菜かさいの総称そうしょう

曖昧さ回避 映画えいが作品さくひんについては「カボチヤ」をご覧らんください。
曖昧さ回避 「かぼちゃ」はこの項目こうもくへ転送てんそうされています。日本にっぽんのイラストレーターについては「かぼちゃ (イラストレーター)」をご覧らんください。
曖昧さ回避 「南瓜かぼちゃ」はこの項目こうもくへ転送てんそうされています。草間くさま彌生やよいの作品さくひんについては「南瓜かぼちゃ (草間くさま彌生やよいの作品さくひん)」をご覧らんください。

カボチャ（南瓜かぼちゃ[2]）は、ウリ科かカボチャ属ぞくに属ぞくする果菜かさいの総称そうしょうである。原産げんさんは南北なんぼくアメリカ大陸あめりかたいりくだが、主要しゅよう生産せいさん地ちは中国ちゅうごく、インド、ウクライナ、アフリカである。皮かわを含ふくむ果実かじつを食用しょくようとし、不ふ飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん、ミネラル、たんぱく質しつ、βべーたカロテン、ビタミンB群ぐん、ビタミンC、ビタミンE、これらのビタミンを含ふくむ[3]。種たねには炭水化物たんすいかぶつと脂肪しぼうが含ふくまれる[4]。若葉わかば、茎くき、花はなも可か食しょく可能かのうである[5]。種たねは油あぶら、カリウム、マグネシウム、カルシウムを含ふくみ、パンプキンシードオイルの原料げんりょうとなる。

カボチャ
ペポカボチャとセイヨウカボチャ
分類ぶんるい（APG IV）
界さかい : 植物しょくぶつ界かい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ Angiosperm
階級かいきゅうなし : 真正しんしょう双そう子葉しよう類るい Eudicots
階級かいきゅうなし : バラ類るい Rosids
階級かいきゅうなし : マメ類るい Fabids
目め : ウリ目め Cucurbitales
科か : ウリ科か Cucurbitaceae
連れん : カボチャ連れん Cucurbiteae
属ぞく : カボチャ属ぞく Cucurbita L.
シノニム
  • Mellonia Gasp.
  • Melopepo Mill.
  • Ozodycus Raf.
  • Pepo Mill.
  • Pileocalyx Gasp.
  • Sphenantha Schrad.
  • Tristemon Scheele[1]
英名えいめい
Pumpkin,
Squash

名称めいしょう

日本語にほんご

「カボチャ」は、16世紀せいきにポルトガル船せんが九州きゅうしゅうに渡来とらいした際さいに寄港きこう地ちのカンボジアからもたらされた野菜やさいと伝つたえられ[6]、ポルトガル語ごで「カンボジア」を意味いみする「Camboja」（カンボジャ）に由来ゆらいし[2][7]、「カンボジャ瓜ふり」が転てんじて「カボチャ瓜ふり」「カボチャ」」となった[7]。「柬埔寨瓜（かぼちゃ）」などと記載きさいされた[8]。

方言ほうげんでは「ぼうぶら」「ボーボラ」とも呼よばれ、これもポルトガル語ごで「カボチャ」や「ウリ類るい」を意味いみする「abóbora」（アボボラ）に由来ゆらいする。

江戸えど時代じだい後期こうきの『和漢わかん三さん才さい図会ずえ』(1713年ねん）では、ポルトガル船せんの寄港きこう地ちであったた中国ちゅうごくの南京なんきんに由来ゆらいして「唐茄子とうなす（とうなす）」「南京なんきん（なんきん）」とも。現代げんだいの漢字かんじ表記ひょうき「南瓜かぼちゃ」は中国ちゅうごく語ご: 南瓜かぼちゃ （ナングァ; nánguā）による[9]。なお、中国ちゅうごくでは健康けんこう、豊穣ほうじょうの象徴しょうちょうとして、「庭園ていえんの皇帝こうてい」とも呼よばれている[6]。

英語えいご

オックスフォード英語えいご辞典じてんによれば、「pumpkin」は「メロン」を意味いみする古代こだいギリシア語ご「πέπων」に由来ゆらいするという[10][11]。ラテン語らてんごの「peponem」、中期ちゅうきフランス語ふらんすごの「pompon」を経へて、初期しょき近代きんだい英語えいごの「pompion」に転化てんかした。17世紀せいき、イングランドからやってきた人ひと植うえ者しゃたちが、現在げんざいのアメリカ大陸あめりかたいりくの北東ほくとう部ぶに到着とうちゃくしてまもなくこの植物しょくぶつを発見はっけんしたのち、「pumpkin」と呼よばれるようになった[10]。

「pumpkin」の語源ごげんはマサチューセッツ州しゅうの言葉ことば「pôhpukun」で、意味いみは「丸まるく育そだつ」[12]。この言葉ことばは、マサチューセッツ州しゅうの「Wôpanâak」の方言ほうげんを話はなすワンパノアグ族ぞく(Wampanoag)が、現在げんざいのマサチューセッツ州しゅうプリマス入植にゅうしょく地ちの入植にゅうしょく者しゃたちにカボチャを紹介しょうかいする際さいの言葉ことばとして使つかわれたようである[13]。

英語えいごの「squash」もマサチューセッツ州しゅうの言葉ことばに由来ゆらいし、「askꝏtasquash」[14]、「ashk8tasqash」、ナラガンセット語ご(Narragansett Language)では「askútasquash」と、様々さまざまな表記ひょうきがある[15]。

「pumpkin」という言葉ことばは、植物しょくぶつ学がくの分野ぶんやでも科学かがくの分野ぶんやにおいても意味いみが定さだまっておらず[16]、「Squash」や「Winter Squash」と同おなじ意味いみで使つかわれている[17]。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくとイギリスにおいては「pumpkin」は「クークルビータ・ペポ」(Cucurbita Pepo)に由来ゆらいするオレンジ色しょくをした丸まるい品種ひんしゅの「Winter Squash」を指さすが、オーストラリアやニュージーランドにおいては「Winter Squash」全般ぜんぱんを指さす[18]。オーストラリアとニュージーランドにおいては、「pumpkin」も「squash」も同おなじ意味いみで使つかわれることが多おおい[19]。

植物しょくぶつ学がく

 
カボチャの雄花おばな
「カボチャ属ぞく」を参照さんしょう
 
カボチャの種たね（成熟せいじゅくした）

畑はたけで栽培さいばいされるつる性せいの一いち年ねん草くさ[9]。葉はは大おおきく突起とっきを持もち、斑むら模様もようや裂きれ片へんをつける。花色はないろは黄色おうしょくや橙色だいだいいろである。単たん性せい花はなであるため人工じんこう授粉が施ほどこされることが多おおい。

歴史れきし

ニホンカボチャ（日本にっぽんカボチャ）の原産地げんさんちは諸説しょせつあり、北きたアメリカ南部なんぶ・中央ちゅうおうアメリカ地域ちいきの原産げんさんとする説せつが有力ゆうりょく視しされている[7]。一方いっぽう、セイヨウカボチャ（西洋せいようカボチャ）は、南みなみアメリカ・中央ちゅうおうアメリカの高地こうちが起源きげんとされている[7]。また、ペポカボチャは北きたアメリカ・中央ちゅうおうアメリカ起源きげんといわれている[7]。

ヒトがカボチャを栽培さいばいした歴史れきしは古ふるく、南みなみアメリカのペルーで紀元前きげんぜん4000 - 3000年ねん頃ごろの出土しゅつど品ひん、メキシコでは紀元前きげんぜん1440年ねんの出土しゅつど品ひんがそれぞれ発見はっけんされている[7]。1997年ねんには、栽培さいばい化かが従来じゅうらいの推定すいていよりも数すう千せん年ねん早はやい、8000年ねんから10,000年ねん前まえにメソアメリカで起おきたことを示しめす新あたらしい証拠しょうこが出だされた[20]。メソアメリカにおける他たの主要しゅような食用しょくよう植物しょくぶつ群ぐんであるトウモロコシと豆まめの栽培さいばい化かよりも、約やく4000年ねん早はやかったということになる[21]。21世紀せいきの遺伝子いでんし解析かいせきによる考古学こうこがく的てきな植物しょくぶつ調査ちょうさでは、北米ほくべい東部とうぶの民族みんぞくが各々おのおのにカボチャ、ヒマワリ、アカザを栽培さいばい化かしたことが示唆しさされている[22]。

ニホンカボチャは、1492年ねんクリストファー・コロンブスの新大陸しんたいりく発見はっけん後ご、ヨーロッパに持もち帰かえられて、大だい航海こうかい時代じだいに世界中せかいじゅうに広ひろまって東南とうなんアジア地域ちいきで古ふるくから栽培さいばいされるようになり、日本にっぽんへは1541年ねん頃ごろにポルトガル船せんによって九州きゅうしゅうに伝播でんぱした[7]。

日本にっぽんへの渡来とらいについては諸説しょせつあるが、中央ちゅうおうアメリカ原産げんさんのニホンカボチャ（日本にっぽんかぼちゃ）は、天文てんもん年間ねんかん（1532年ねん-1555年ねん）[注ちゅう 1]に豊後ぶんご国こく（現在げんざいの大分おおいた県けん）に漂着ひょうちゃくしたポルトガル人じんがカンボジアから持もち込こみ、当時とうじの豊後ぶんご国こくの大名だいみょうであった大友おおとも義鎮よししげ（宗麟そうりん）に種たねを献上けんじょうしたという説せつが有力ゆうりょくである[8][23][24]。このカボチャは「宗麟そうりんかぼちゃ」と名なづけられ大分おおいた県けんなどで伝統でんとう的てきに栽培さいばいされている[25]ほか、福岡ふくおか県けん豊前ぶぜん市し三毛門みけかど地区ちくで栽培さいばいされている三毛門みけかどかぼちゃは、宗麟そうりんかぼちゃが伝つたわったものとされており、2018年ねんには豊前ぶぜん市しの天然記念物てんねんきねんぶつに指定していされた[26]。また南みなみアメリカ原産げんさんのセイヨウカボチャは、1863年ねん（文久ぶんきゅう3年ねん）にアメリカから日本にっぽんに渡来とらいし、当初とうしょは北海道ほっかいどうなどの冷涼れいりょう地ちを中心ちゅうしんに広ひろまり[2][7]、大正たいしょう時代じだいに関東かんとう地方ちほう以南いなんでも栽培さいばいされるようになった[7]。アイヌの人々ひとびともカボチャを栽培さいばいしており、北海道ほっかいどうでの栽培さいばいの歴史れきしは古ふるい[27]。なお、形態けいたい的てきに変異へんいの大おおきいペポカボチャは、明治めいじ初年しょねんに8品種ひんしゅが日本にっぽんに導入どうにゅうされたという記録きろくが残のこされているが、20世紀せいきにはあまり栽培さいばいされなかった[7]。ペポ種しゅは中国ちゅうごくを経由けいゆして来きたため、「唐茄子とうなす」とも呼よばれる。

1944年ねん2月がつ、東京とうきょう都とは第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんの戦局せんきょくが悪化あっかすると各かく家庭かていにカボチャをはじめとした種子しゅしと栽培さいばい法ほうの小しょう冊子さっしを配布はいふ。最低さいてい一いち戸こ当あたりカボチャ一いち株かぶを箱はこ栽培さいばいや路傍ろぼう栽培さいばいで育そだてるよう奨励しょうれいを行おこなった[28]。米べいや麦むぎが十分じゅうぶんではなかった太平洋戦争たいへいようせんそう中ちゅうおよび終戦しゅうせん直後ちょくごの時代じだいは、カボチャは貧困ひんこんに喘あえいでいた日本人にっぽんじんの食しょくをサツマイモなどの芋いも類るいと共ともに支ささえた[29][8]。1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）、小倉おぐら建夫たけおと小倉おぐら積つもるが初はつのF1品種ひんしゅ「新しん土佐とさ」（土佐とさ鉄てつかぶと）を育成いくせいし[8]、1964年ねん（昭和しょうわ39年ねん）にはタキイ種苗たきいしゅびょうにより早出そうしゅつし可能かのうな西洋せいようカボチャのF1品種ひんしゅ「えびす」の育成いくせいに成功せいこうした[30]。

品種ひんしゅ

栽培さいばいされている品種ひんしゅは、C. argyrosperma（ニホンパイカボチャ）、クロダネカボチャ、セイヨウカボチャ、ニホンカボチャ、ペポカボチャの5種しゅとそれらの雑種ざっしゅである[31]。日本にっぽんで流通りゅうつうしているカボチャは、ニホンカボチャ、セイヨウカボチャ、ペポカボチャの3系統けいとうに大別たいべつされる[32][7]。日本にっぽんに先さきに定着ていちゃくした東洋とうよう系けいのニホンカボチャ（日本にっぽん種しゅ）は、黒くろ皮かわ系けいで縦たてに溝みぞが入はいったゴツゴツとした形かたちのものが多おおく見受みうけられ[32]、果肉かにくは粘ねば質しつで、日本にっぽんでは昔むかしから栽培さいばいされているので多おおくの地方ちほう品種ひんしゅがある[33]。またセイヨウカボチャ（西洋せいよう種しゅ）は、肉質にくしつが粉こな質しつで、果皮かひ色しょくは黒くろ緑色みどりいろ、白色はくしょく、赤色あかいろがあり、日本にっぽんでは栽培さいばいされるカボチャの主流しゅりゅうになっており、当初とうしょは冷涼れいりょう地ち向むけの品種ひんしゅが多おおかったが、暖地だんち向むきの品種ひんしゅも育成いくせいされている[32][7]。ぺポカボチャ（ペポ種しゅ）は、若わかどり用ようのつるなしカボチャや、外観がいかんが色いろとりどりのものがあり、観賞かんしょう用ように栽培さいばいされるものもある[33]。

クロダネカボチャ（学名がくめい：C. ficifolia）
アメリカ大陸あめりかたいりく原産げんさん。強健きょうけんな性質せいしつを利用りようして、キュウリの接つぎ木きの台だいにすることも多おおい。
セイヨウカボチャ（西洋せいようかぼちゃ、学名がくめい：C. maxima、マキシマ種しゅ）
アンデス山脈あんですさんみゃく高地こうちの冷涼れいりょうな土地とちで栽培さいばい化かされた種たねで、現在げんざい日本にっぽんで広ひろく栽培さいばいされているカボチャである。花梗かこうはスポンジ状じょうで膨ふくれており、畝うねは無ない。一般いっぱん的てきに、果肉かにくはニホンカボチャよりデンプン含有がんゆう量りょうは多おおく、粉こな質しつで食しょく感かんはホクホクとして甘あまみは強つよく、栗ぐりかぼちゃとも呼よばれる[34][7]。果皮かひ色しょくはさまざまで、灰はい緑色みどりいろの青あお皮かわ系けい、濃緑こみどり色しょくの黒くろ皮かわ系けい、朱色しゅいろの赤あか皮かわ系けいに大別たいべつされる[34][35]。「えびす」[34]の品種ひんしゅや打木うちき赤あか皮がわ甘栗あまぐりかぼちゃ、宿やど儺かぼちゃがこれに含ふくまれる。
 
坊ぼっちゃんカボチャ
  • 黒くろ皮がわ栗ぐりかぼちゃ（別名べつめい：栗ぐりかぼちゃ） - 日本にっぽんで主流しゅりゅうの西洋せいようカボチャで、栗ぐりかぼちゃといわれている品種ひんしゅ。偏へん円形えんけいで表面ひょうめんに少すこし凸凹でこぼこがある[36]。
    • えびす（えびすかぼちゃ） - 1964年ねんにタキイ種苗たきいしゅびょうにより育成いくせいされたされた黒くろ皮かわ系けいの西洋せいようカボチャのF1品種ひんしゅ[30]。生産せいさん・消費しょうひ人気にんきの両面りょうめんから日本にっぽん国内こくない市場いちばで大半たいはんを占しめる定番ていばん種しゅで、重おもさは1.7 - 1.9 kgになる[35]。栗ぐりのようなホクホクした肉質にくしつが特徴とくちょう[36]。
    • くりほまれ - サカタのタネが育成いくせいしたF1品種ひんしゅの大玉おおだまで、重おもさは2.0 - 2.5 kgになる。栗ぐりのような甘あまく濃厚のうこうな風味ふうみと、ホクホクした食しょく感かんがある[35]。
    • こふき - 黒くろ皮かわ系けいの西洋せいようカボチャで、重量じゅうりょう1.8キログラムほどになる大型おおがたの品種ひんしゅ。「粉こなふき」の名なの通とおり果肉かにくは粉こな質しつで甘あまい[32]。
    • みやこ（みやこかぼちゃ） - 「えびす」と同おなじく日本にっぽん市場いちばを代表だいひょうする品種ひんしゅ。育そだてやすく、脇わき枝えだが少すくないので家庭かてい菜園さいえんにも向むいている。皮かわは濃緑こみどり色しょくで、ホクホクした食しょく感かんで甘あまみが強つよい[37]。
  • くり坊ぼう（くりぼう） - 2002年ねんに品種ひんしゅ登録とうろくされた[30]重量じゅうりょう500 - 600グラム程度ていどの小型こがたの西洋せいようカボチャ。ヴィルモランみかど育成いくせいの登録とうろく商標しょうひょう「坊ぼっちゃん」は、「くり坊ぼう」の商品しょうひん名めいでも出回でまわる[35]。中なかの種たねとわたを取とり除のぞいて、まるごと詰つめ物もの料理りょうりの加熱かねつ調理ちょうりにも使つかわれる[32]。
  • 芳香ほうこう青あお皮がわ栗ぐり南瓜かぼちゃ（通称つうしょう：東京とうきょう南瓜かぼちゃ） - 宮城みやぎ県けんで作出さくしゅつされた日本にっぽんで最初さいしょの西洋せいようカボチャで関東かんとうを中心ちゅうしんに出回でまわる。偏平へんぺいの中型ちゅうがたのカボチャで果皮かひは白しろっぽい灰はい緑色みどりいろで浅あさい溝みぞがある[36]。ほっくりした肉質にくしつと甘味あまみがある[32]。スープや菓子かしの原料げんりょうとしても使つかわれる[36]。
  • 宿やど儺かぼちゃ（すくなカボチャ） - 岐阜ぎふ県けん高山たかやま市し丹生川にゅうかわ地域ちいき特産とくさんのヘチマのように細長ほそながくなる西洋せいようカボチャで、長ながさは50センチメートル以上いじょうにもなる。果皮かひは淡あわ緑色みどりいろで薄うすくてやわらかく、肉質にくしつは黄色おうしょくで甘あまみが強つよいホクホクした食しょく感かん[32][37]。
  • 赤あか皮がわ栗ぐりかぼちゃ - 果皮かひが朱色しゅいろの西洋せいようカボチャで、重量じゅうりょう1.5キログラムほどで日ひもちが良よい。皮かわはかたくなく、肉質にくしつはほくほくしている[38]。
    • 打木うちき赤あか皮がわ甘栗あまぐりかぼちゃ（うつぎあかがわあまぐりカボチャ） - 皮かわ色しょくと果肉かにくが鮮あざやかなオレンジ色しょくの加賀かが地方ちほうの西洋せいようカボチャ。果実かじつはやや小こぶりで紡錘形ぼうすいけいをしており、皮かわはあまりかたくない[36]。果肉かにくはほくほくしており、ねっとりした食しょく感かんで、煮物にものに向むく[32]。
    • べにくり - 園芸えんげい植物しょくぶつ育種いくしゅ研究所けんきゅうじょ育成いくせいの赤あか皮かわ系けいの西洋せいようカボチャで、果肉かにくも鮮あざやかな橙色だいだいいろ、重おもさは1.8 - 2.0 kgになる。加熱かねつ調理ちょうりしても退色たいしょくや変色へんしょくがなく、日本にっぽんカボチャに近ちかい粘ねば質しつと西洋せいようカボチャの粉こな質しつを併あわせ持もつ[39]。
  • 白しろ皮がわかぼちゃ - 白しろっぽい薄うす緑色みどりいろの果皮かひをもつ西洋せいようカボチャで、粉こな質しつの果肉かにくで甘味あまみが強つよい[32]。
    • 雪化粧ゆきげしょう - サカタのタネが育成いくせいした白しろ皮かわ系けいF1品種ひんしゅの栗ぐりカボチャで、重おもさ2.3 kgほどになる。北海道ほっかいどうや新潟にいがた県けんで栽培さいばいされる。完熟かんじゅくすると甘あまくなり、粉こな質しつで菓子かしの材料ざいりょうにも向むく[40][39]。
  • ロロン - タキイ種苗たきいしゅびょうが育成いくせいした品種ひんしゅで、育成いくせい者しゃのロマン（浪漫ろうまん）とマロン（栗ぐり）のような甘あまさや食味しょくみから命名めいめいされた[37]。楕円だえん形がたの大玉おおだまで重量じゅうりょうは1.8 - 2 kg程ほどで、果皮かひは濃緑こみどり色しょく地ちにちらし斑まだらがはいっている。肉質にくしつはきめ細こまかく、上品じょうひんな甘あまさ、粉こな質しつでホクホク感かんがある[32][40]。
  • コリンキー - サカタのタネが育種いくしゅした果皮かひが黄色きいろくなる西洋せいようカボチャ[41]。皮かわも果肉かにくもやわらかく、あっさりしていて甘味あまみも少すくない。若わか採とりして生食なましょくや漬物つけものに向むいている[32]。
  • 鈴すずかぼちゃ - 重量じゅうりょう500グラムほどの生食なましょく用ようの西洋せいようカボチャ。種たねもやわらかく、すべて食たべられる[32]。
  • バナナ・スカッシュ - 形状けいじょうがバナナのように細長ほそながい西洋せいようカボチャで、長ながさ50 - 70センチメートルほどになる。日本にっぽんには輸入ゆにゅう物ぶつが出回でまわっている。味あじは薄うすく、生食なましょくするほか、茹ゆでてマッシュしてからサラダの材料ざいりょうにする[38]。
  • ターバン・スカッシュ - ターバンを連想れんそうさせる独特どくとくな形状けいじょうをした西洋せいようカボチャの1種しゅで、日本にっぽんに流通りゅうつうしているのはアメリカ産さんの輸入ゆにゅう物ぶつ。果肉かにくは水みずっぽく甘味あまみは少すくない。スライスして炒いためたり、ポタージュにする[38]。
ニホンカボチャ（日にち\\\\\本ほんかぼちゃ、学名がくめい：C. moschata、モスカータ種しゅ）
メソアメリカの熱帯ねったい地方ちほうで栽培さいばい化かされた種しゅである。実みの形かたちは平ひらたくて縦たてに溝みぞが入はいって凹凸おうとつがあり「菊きくかぼちゃ」ともよばれている[34]。日向ひなたや小菊こぎくの品種ひんしゅを始はじめ、ヒョウタンのようなくびれがある鹿しかケ谷たにかぼちゃや春日しゅんじつぼうぶらのような伝統でんとう野菜やさい、バターナッツ・スクワッシュや鶴首かくしゅかぼちゃ、黒くろ皮がわかぼちゃ[34]がこれに含ふくまれる。一般いっぱん的てきに、水分すいぶんが多おおくセイヨウカボチャより粘ねばりがあり味あじは淡泊たんぱくであるが、特有とくゆうの香かおりがある[34][7]。煮に崩くずれしにくいことから、煮物にものや蒸むし物ものの日本にっぽん料理りょうりに向むいている[34]。
 
ニホンカボチャの一種いっしゅ「小菊こぎく南瓜かぼちゃ」
  • 愛知あいち縮ちぢみ面めんかぼちゃ - 愛知あいち県けんが選定せんていした「あいちの伝統でんとう野菜やさい」のひとつで、愛知あいち県けん原産げんさん「砂子いさご南瓜かぼちゃ」の改良かいりょう品種ひんしゅ。果肉かにくは濃こ黄色きいろで水分すいぶんが多おおい[41]。
  • 会津あいづ菊きくかぼちゃ - 福島ふくしま県けん会津若松あいづわかまつ市しで栽培さいばいされている日本にっぽんカボチャの在来ざいらい種しゅ。赤あか茶色ちゃいろの皮かわ、ねっとりした食しょく感かんが特徴とくちょう[42]。
  • 黒くろ皮がわかぼちゃ（別名べつめい：ちりめんかぼちゃ） - 日本にっぽんカボチャの代表だいひょう種しゅで、表面ひょうめんがゴツゴツしているのが特徴とくちょうで、現在げんざいでは市場いちばにほとんど出回でまわらない[38]。水気みずけが多おおく甘味あまみは少すくないが、じっくり煮にるとおいしく食たべられる[42]。この品種ひんしゅを元もとに、数々かずかずの系統けいとうが育成いくせいされた[38]。
    • 菊きく座ざかぼちゃ - 日本にっぽんカボチャの1種しゅで、黒くろ皮がわかぼちゃよりもやや小こぶりの品種ひんしゅ。上うえから見みると菊きく模様もようのように見みえることから名付なづけられている。外皮がいひが濃こい緑色みどりいろで、果肉かにくは明あかるい黄色おうしょく[37]。代表だいひょう品種ひんしゅに「小菊こぎく」があるが、「黒くろ皮がわちりめん」の名なで流通りゅうつうすることもある。中なかをくり抜ぬいて詰つめ物ものをする蒸むし料理りょうりに使つかわれる[38]。
    • 日向ひなた14号ごう - 昭和しょうわ11年ねんに宮城みやぎ県けんで作出さくしゅつされて九州きゅうしゅう各地かくちで栽培さいばいされる黒くろ皮かわ系けいの日本にっぽんカボチャで、熟じゅくすと淡あわい色いろになる。ねっとりした肉質にくしつで煮に崩くずれしにくい[42]。
  • 島しまかぼちゃ - 沖縄おきなわ在来ざいらい種しゅといわれる日本にっぽんカボチャで、丸まる形がたとひょうたん型がたがある。地元じもとでは「ナンクワー」や「チンクァー」とよばれている[41]。主おもに糸満いとまん市しで栽培さいばいされている[43]。果肉かにくは薄うすいオレンジ色しょくで比較的ひかくてき水分すいぶんが多おおく[41]、あっさりした甘あまさで、煮物にものに向むいている[42]。
  • 鹿しかケ谷たにかぼちゃ - 京都きょうと特産とくさんの日本にっぽんカボチャで、中央ちゅうおうがくびれたひょうたん型がたで、果皮かひがでこぼこしているのが特徴とくちょう。江戸えど時代じだい末期まっき（1790年ねん頃ごろ）、津軽つがるから持もち帰かえった種たねを鹿しかケ谷だにの農夫のうふが栽培さいばいし、数すう年ねん後ごに突然変異とつぜんへんいによりひょうたん形がたになったといわれる[8]。完熟かんじゅくすると皮かわがオレンジ色しょくに粉こなが吹ふいたようになる[42]。
  • 鶴首かくしゅかぼちゃ - 愛知あいち県けん特産とくさんの伝統でんとう野菜やさい。細長ほそながいひょうたん型がたで、上うえの部分ぶぶんが鶴づるの首くびのように見みえることから名付なづけられたといわれる。繊維せんい質しつが少すくなく、味あじが濃厚のうこうで、加熱かねつ調理ちょうりするとなめらかで甘あまい風味ふうみが味あじわえる[41]。
  • 春日しゅんじつぼうぶら -熊本くまもと県けんの伝統でんとう野菜やさい。鶴首かくしゅ南瓜かぼちゃに似にているが、それより首くびの部分ぶぶんが短みじかく、浅あさい縦たて溝みぞが入はいる。味あじが濃厚のうこうで、しっかりとした風味ふうみがある。
  • バターナッツ・スカッシュ（別名べつめい：デリカ） - ピーナッツのような形かたちのひょうたん型がたで果皮かひがクリーム色しょくになる、重量じゅうりょう800グラムほどの小型こがたの夏なつカボチャ。アメリカではホピュラーな日本にっぽんカボチャ系けいの品種ひんしゅで、日本にっぽんへはアメリカからの輸入ゆにゅうものが流通りゅうつうしている[38]。あっさりした甘あまさで生食なましょくや茹ゆでて潰つぶしてサラダにするほか、煮物にものにも向むく[42][38]。
    • まろあじ - サカタのタネが育成いくせいしたバターナッツ。長ながさ15 cm、重おもさ900グラム程度ていどと小型こがたで、通常つうじょうのバターナッツよりも繊維せんい質しつがなく粘ねば質しつ。ねっとりした果肉かにくにはナッツのような風味ふうみがある[41]。
  • 韓国かんこくカボチャ（韓国かんこく名めい：ホバク、エホバク） - 形かたちや食しょく感かんがズッキーニによく似にた日本にっぽんカボチャの一種いっしゅで、「カボッキー」「マッチャン」「リッチーナ」の品種ひんしゅがある[44]。完熟かんじゅくさせずに若わかい実みを食たべる。炒いため物ぶつや汁物しるものに使つかわれる[42]。
種たね間あいだ雑種ざっしゅカボチャ（学名がくめい：C. moschata×C.maxima）
セイヨウカボチャとニホンカボチャを交配こうはいしたカボチャ。強健きょうけんで病気びょうきに強つよいのが特徴とくちょう。栗ぐりかぼちゃの食味しょくみが好このまれるようになった現代げんだいでは廃すたれていった。ただし、新しん土佐とさ（別名べつめい：鉄兜てつかぶと）は今いまでも種たねが販売はんばいされ、食用しょくようや、強健きょうけんな性質せいしつを利用りようしてキュウリの接つぎ木きの台だいに利用りようされる。この新しん土佐とさとセイヨウカボチャをさらに交配こうはいした「万次郎まんじろうかぼちゃ」もある。
ペポカボチャ（学名がくめい：C. pepo、ペポ種しゅ）
北米ほくべい南部なんぶの乾燥かんそう地帯ちたいで栽培さいばい化かされた種たねで、ドングリカボチャ（英語えいご版ばん）、金きむ糸瓜へちま（そうめんかぼちゃ）がこれに含ふくまれる。果実かじつの形かたちや食味しょくみに風変ふうがわりなものが多おおく、細長ほそながいものや小型こがたの物ものが多おおく観賞かんしょう用ようとしても人気にんきがある[34]。色いろ柄がらはさまざまで、黄色おうしょく、オレンジ色しょく、緑色みどりいろのものがあり[34]、ハロウィンで使つかわれるオレンジ色しょくのカボチャはこのペポ種しゅである。なお、ズッキーニも同種どうしゅである。
 
海外かいがい品種ひんしゅのカボチャ（ペポ種しゅ）。ハロウィンでおなじみ
  • プッチィーニ（通称つうしょう：ミニかぼちゃ） - サカタのタネが1998年ねん育成いくせいした重量じゅうりょう200 - 300グラム程度ていどの極小きょくしょう型がたの早生わせ種しゅで、皮かわは黄色きいろくオレンジ色しょくの縞しま模様もようが入はいり[39]、果肉かにくも淡あわい色いろのペポカボチャ。皮かわが薄うすく、肉質にくしつは西洋せいようカボチャのように粉こな質しつで、特有とくゆうの甘味あまみがある[42]。日持ひもちが良よく、観賞かんしょう用ようにもなる[38]。
  • ハロウィンカボチャ - ハロウィンに使つかわれる観賞かんしょう用ようのペポカボチャ[42]。
  • 金きむ糸瓜へちま（きんしうり、別名べつめい：そうめんかぼちゃ） - ズッキーニと同おなじ仲間なかまのペポカボチャの一種いっしゅで、茹ゆでると果肉かにくが素麺そうめんのように細ほそくほぐれるのが特徴とくちょう。味あじは淡泊たんぱくで、和あえ物ものに向むく[42]。

栽培さいばい

カボチャの種類しゅるいによって栽培さいばいに適応てきおうする性質せいしつはそれぞれ特色とくしょくがある。セイヨウカボチャ（西洋せいよう種しゅ）は冷涼れいりょうな気候きこうで乾燥かんそうした土地とちを好このみ、ニホンカボチャ（日本にっぽん種しゅ）は高温こうおん多湿たしつにも耐たえる性質せいしつがあって、ペポカボチャ（ペポ種しゅ）には耐たい暑あつ性せいがある[33]。いずれの種たねも、土質どしつは中性ちゅうせいから中ちゅう酸性さんせいであればそれほど選えらばず、痩やせていても日当ひあたりの良よい広ひろい土地とちであれば旺盛おうせいに生育せいいくし、さほど難むずかしくなく育そだてることができる野菜やさいである[45][33]。水みずはけが悪わるいと、茎葉けいようが病気びょうきにかかりやすくなるため、土壌どじょうの水みずはけをよくする[33]。

日本にっぽんでの栽培さいばいは、一般いっぱん的てきに春はるに播種はしゅし、夏なつから秋あきにかけて果実かじつを収穫しゅうかくする[45]。栽培さいばい適温てきおんは17 - 20℃といわれ、連作れんさくも可能かのうである[45]。果菜かさい類るいでは最もっとも低温ていおんに耐たえ、夜よる温ぬる7 - 8度ど以上いじょうあれば生育せいいくする[40]。株間かぶまは1メートル以上いじょう空あけて植うえ付つけ、肥料ひりょうを控ひかえめにして育そだてることが重要じゅうようとなる[45]。西洋せいよう種しゅと日本にっぽん種しゅがあるが、西洋せいよう種しゅのほうが丈夫じょうぶで摘芯の作業さぎょうが要いらず育そだてやすい[45]。小型こがたの品種ひんしゅは、支柱しちゅうを立たてて育そだてることが可能かのうで場所ばしょを取とらず、コンテナやプランターで栽培さいばいもできる[46]。

苗なえをつくる場合ばあいは、種たねを横向よこむきにして育苗いくびょう箱ばこに浅あさくまき、覆土ふくどを軽かるく上うえから押おさえる[47]。発芽はつが適温てきおんは28度どといわれている[47]。本ほん葉はが1枚まい出でてきたら、育苗いくびょうポットに移植いしょくし、本ほん葉は4 - 5枚まいの苗なえに仕上しあげる[40]。

苗なえの植うえ付つけは春はるに行おこない、肥料ひりょうを控ひかえめに入いれた土壌どじょうを盛もり上あげて「くらつき」つくって、その頂いただき部ぶに苗なえを植うえる[45]。元肥もとごえが多おおすぎたり、窒素肥料ちっそひりょう過多かたの場合ばあい、つるばかりが茂しげって実みのつきかたが悪わるくなる「つるぼけ」になることがある[45]。肥沃ひよくな土地とちや前作ぜんさくの肥料ひりょうが残のこっているときは、畑はたけにすき込こむ元肥もとごえを少すくなくする[47]。初夏しょかにつるが伸のび出だす時期じきは、つるや実みが地面じめんに直接ちょくせつつかないようにするため、つるの生長せいちょうに応おうじて藁わらを敷しいておく[46]。西洋せいよう種しゅは自然しぜんに小しょうづるが伸のびていくが、日本にっぽん種しゅとペポ種しゅは本ほん葉はが5 - 10枚まい程度ていどになったら摘芯をして、子こづるを伸のばすようにする[46]。

初夏しょかから夏なつにかけて花はなを咲さかせるようになると、虫媒花ちゅうばいかであるが、人工じんこう授粉を行おこなうことで確実かくじつに実みをつけることができる[46]。人工じんこう授粉はその日ひの朝あさに咲さいた午前ごぜん8 - 9時じごろまでに、花はなのつけ根ねに膨ふくらみがある雌花めばなに、雄花おばなの花粉かふんをつけて行おこなう[46]。花粉かふんの発芽はつが力りょくは、早朝そうちょうが最もっとも高たかく、日ひの出でごろにはなくなってくるので、なるべく早朝そうちょう8時じまでにする[48]。追肥ついひは実みがつき始はじめたら、株かぶ元もとからやや離はなれた数すう十じゅうセンチメートルの位置いちに控ひかえめに施ほどこす[33]。

夏なつから秋あきは収穫しゅうかく期きで、セイヨウカボチャは授粉後ご40 - 45日にちほど経たって、実みの表面ひょうめんの皮かわがかたくなり、ヘタが縦たてに細こまかくひび割われてコルク質しつになったときが収穫しゅうかくの目安めやすである[46]。ニホンカボチャとペポカボチャは受粉じゅふん後ご25 - 30日にち経たって、へたが褐色かっしょくになって、果皮かひが特有とくゆうの色いろになって、種たねによっては表面ひょうめんに白しろい粉こながふきだすようになったら収穫しゅうかく適期てっきである[33]。収穫しゅうかくが遅おくれてしまうと過か熟じゅくになり、品質ひんしつを損そこなってしまう[48]。1アール（100平方へいほうメートル）で127キログラム (kg) ほど収穫しゅうかくすることができる[49]。セイヨウカボチャは、収穫しゅうかく後ご1週間しゅうかんほど風通かぜとおしの良よい場所ばしょに置おいて乾燥かんそうさせるキュアリングを行おこなうことで、保存ほぞん性せいが高たかまり、よりおいしさが増ます[33]。

病虫害びょうちゅうがい

土壌どじょう病害びょうがいに強つよくて育そだてやすいが、茎葉けいように発生はっせいする疫病えきびょうには弱よわく、多湿たしつを嫌きらうため、畑はたけの排水はいすいをよくして栽培さいばいする[40]。陽性ようせい植物しょくぶつに分類ぶんるいされており、雨量うりょうが少すくなく乾燥かんそう気味ぎみの天候てんこうが続つづく場合ばあい、うどんこ病びょうが悪化あっかしやすくなる[33]。また、水みずはけが悪わるい土地とちで長雨ながあめが続つづいた場合ばあいは、疫病えきびょうが多おおく発生はっせいしやすい[33]。これら疫病えきびょうを予防よぼうするために、株かぶ元もとにポリマルチ[注ちゅう 2]を施ほどこしたり、つるや果実かじつの下したに敷しき藁わらを行おこなうようにする[33]。うどんこ病びょうが発生はっせいしたら、初期しょきのうちに防除ぼうじょする[33]。

食材しょくざい

日本にっぽんかぼちゃ 果実かじつ 生せい [50]
100 gあたりの栄養えいよう価か
エネルギー 205 kJ (49 kcal)
10.9 g
食物しょくもつ繊維せんい 2.8 g
0.1 g
飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん 0.01 g
多た価あたい不ふ飽和ほうわ 0.03 g
1.6 g
ビタミン
ビタミンA相当そうとう量りょう
(8%)
60 µg
(6%)
700 µg
チアミン (B1)
(6%)
0.07 mg
リボフラビン (B2)
(5%)
0.06 mg
ナイアシン (B3)
(4%)
0.6 mg
パントテン酸さん (B5)
(10%)
0.50 mg
ビタミンB6
(9%)
0.12 mg
葉酸ようさん (B9)
(20%)
80 µg
ビタミンC
(19%)
16 mg
ビタミンE
(12%)
1.8 mg
ビタミンK
(25%)
26 µg
ミネラル
ナトリウム
(0%)
1 mg
カリウム
(9%)
400 mg
カルシウム
(2%)
20 mg
マグネシウム
(4%)
15 mg
リン
(6%)
42 mg
鉄分てつぶん
(4%)
0.5 mg
亜鉛あえん
(3%)
0.3 mg
銅どう
(4%)
0.08 mg
マンガン
(5%)
0.10 mg
他たの成分せいぶん
水分すいぶん 86.7 g
水溶すいよう性せい食物しょくもつ繊維せんい 0.7 g
不溶性ふようせい食物しょくもつ繊維せんい 2.1 g
ビオチン（B7） 1.7 µg
ビタミンEはαあるふぁ─トコフェロールのみを示しめした[51]。別名べつめい： とうなす、ぼうぶら、なんきん 廃棄はいき部位ぶい： わた、種子しゅし及および両りょう端はし
%はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける
成人せいじん栄養えいよう摂取せっしゅ目標もくひょう (RDI) の割合わりあい。
 
カボチャの煮物にもの
 
殻からを取とり除のぞいたパンプキンシード
 
ピピアン (pipián)

食材しょくざいとしての旬しゅんは夏場なつばの5 - 9月がつといわれ、夏なつ野菜やさいの一ひとつに数かぞえられる[52][2]。新鮮しんせんでおいしいカボチャの見分みわけ方かたは、ヘタが良よく乾燥かんそうしていて、その周囲しゅういがへこんでいるものが完熟かんじゅくしており、皮かわがかたく、ずっしりと重おもみがあるものが良品りょうひんとされる[52][2]。また、カット品ひんであれば、果肉かにくが厚あつくて色いろが濃こい物ものがよく、種たねがふっくらとしているものが完熟かんじゅくしている[52][2]。

ウリ類るいの中なかでは最もっとも栄養えいよう価かが高たかく[36]、βべーた-カロテンがバランス良よく含ふくまれているのが特徴とくちょうで[52]、皮かわは硬かたいものの、長時間ちょうじかん煮にることで柔やわらかくして食たべることもできる。サツマイモと同様どうように、カボチャにもデンプンを糖とうに分解ぶんかいする酵素こうそが含ふくまれているため、貯蔵ちょぞうによって、あるいは、低温ていおんでゆっくり加熱かねつすることによって甘味あまみが増ます。したがって、収穫しゅうかく直後ちょくごよりも収穫しゅうかく後ご、約やく1か月げつ頃ごろが糖化とうかのピークで食たべ頃ごろとなる。保存ほぞん性せいに優すぐれ、常温じょうおんで数ヵ月すうかげつの保存ほぞんが可能かのうな数少かずすくない野菜やさいではあるものの、保存ほぞんがきくのは切きっていない場合ばあいで、切きって果肉かにくが空気くうきに触ふれると数日すうじつで腐くさってしまう。また、切きっていなくても、湿度しつどの高たかい環境かんきょうでは表面ひょうめんの微細びさいな傷きずが元もとで、外皮がいひから腐くさる場合ばあいもある。

種子しゅし（パンプキンシード）も食品しょくひんとして流通りゅうつうしており、ナッツとして扱あつかわれる。パンや洋菓子ようがしのトッピングとして用もちいられることが多おおい。メキシコにはカボチャの種子しゅしをすりつぶしたソースで肉にくや野菜やさいを煮込にこんだ、ピピアン（スペイン語ご版ばん） (pipián) と言いう伝統でんとう料理りょうりがある。また、種子しゅしから食用しょくよう油ゆ（パンプキンシードオイル）が取とれる。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくではシナモンやクローブ、パンプキンパイに用もちいる香辛料こうしんりょうとカボチャを使つかって醸造じょうぞうしたビールが生産せいさんされている。日本にっぽんでは北海道ほっかいどうでの生産せいさん量りょうが多おおい。

同おなじウリ科かのキュウリのように、未熟みじゅく果はてを利用りようする品種ひんしゅもある。代表だいひょう的てきなものにズッキーニ（ペポカボチャ系けい）やエホバク（ニホンカボチャ系けい）がある。

栄養えいよう

炭水化物たんすいかぶつが多おおく、エネルギーは可か食しょく部ぶ100グラム (g) あたり西洋せいようカボチャが91 kcal、日本にっぽんカボチャで49 kcalで、野菜やさいの中なかでもカロリーは高たかめである[52][注ちゅう 3]。

βべーた-カロテンをはじめ、抗こう酸化さんか作用さようのあるビタミンC・ビタミンEが突出とっしゅつして多おおく含ふくまれており、ビタミンB群ぐん、カリウム、食物しょくもつ繊維せんいもバランス良よく含ふくまれている[52]。βべーた-カロテンは、カロテノイドとよばれるカボチャの黄色きいろい色素しきそ成分せいぶんのひとつで、体内たいないで吸収きゅうしゅうされるとビタミンAに変換へんかんされる[52]。ビタミンA・C・Eは、俗ぞくに「ビタミンエース」（ビタミンACE）とよばれ、抗こう酸化さんか作用さようによって活性かっせい酸素さんそを取とり除のぞき、免疫めんえき機能きのうを高たかめる効果こうかがあると言いわれている[52]。ビタミンCは、俗ぞくに「美容びようビタミン」とも呼よばれ、皮膚ひふや粘膜ねんまくを健康けんこうに保たもち、皮膚ひふのしわやシミを防ふせぐ効果こうかがあり、風邪かぜの予防よぼうにもよいといわれる[34][32]。ビタミンEは、俗ぞくに「若返わかがえりのビタミン」ともいわれ、毛細血管もうさいけっかんの血ち流りゅうを促うながし、老化ろうかを防ふせぐ働はたらきがあるといわれている[34]。ミネラルではカリウムが豊富ほうふで、ナトリウムを体外たいがいへと排出はいしゅつする働はたらきにより血圧けつあつを下さげる作用さようがある[29]。カボチャ100gで、ビタミンA・C・Eの1日にち必要ひつよう摂取せっしゅ量りょうの約やく半分はんぶんを摂とることができ、βべーた-カロテンが多おおいニンジンと比くらべても、一いち度どに量りょうを摂取せっしゅしやすい[52]。カボチャのエネルギー源げんは糖とう質しつであり、葉は物ぶつ野菜やさいの数すう倍ばいを含ふくみ、特とくにセイヨウカボチャは、果物くだものに匹敵ひってきするほどの糖とう質しつを含ふくんでいる[29]。カボチャ245gのうち、タンパク質たんぱくしつは1.8g、脂肪しぼうは0.2g、炭水化物たんすいかぶつは12g含ふくまれ、そのうち、食物しょくもつ繊維せんいは2.7g含ふくまれるのみであり[53]、糖とう質しつの含有がんゆう量りょうが高たかい。このため、カボチャは穀類こくるいや芋いも類るいとして分類ぶんるいされることもある[29]。葉は物ぶつ野菜やさい類るいのビタミンCは長期ちょうき保存ほぞんによって減少げんしょうしてしまうが、カボチャの場合ばあい、あまり減少げんしょうしない[29]。カボチャのβべーた-カロテンやビタミンEは熱ねつに強つよく、油あぶらと合あわせて調理ちょうりすると、より吸収きゅうしゅう率りつが高たかまる[34]。

調理ちょうり

皮かわがかたくて切きりにくいので、ヘタもまわりから包丁ほうちょうの先さきを溝みぞに沿そって入いれて切きり分わける[2]。ふつう種たねとわたは取とり除のぞく[7]。煮物にものを作つくる際さいには皮かわを部分ぶぶん的てきに剥むく[2]。煮物にものにするときに皮かわをすべて剥むいてしまうと、煮に崩くずれしやすくなる[7]。切きり方かたは、放射状ほうしゃじょうに縦たてに薄うすく切きった櫛形くしがた切ぎりにして天てんぷらやソテーに使つかったり、太ふとい櫛形くしがた切ぎりから細ほそ断だんして角かく切ぎりにして煮物にものに使つかう[2]。

日本にっぽんかぼちゃは、水分すいぶんが多おおくてねっとりした肉質にくしつで、煮物にものに向むいており[32]、出だし味あじを利きかせ薄うす味あじに仕立したてると、カボチャ本来ほんらいの味あじが生いかせる[7]。また、粉こな質しつの西洋せいようかぼちゃは「栗ぐりかぼちゃ」ともよばれ、加熱かねつすると甘味あまみが強つよくほっくりした食しょく感かんがある[32]。

甘あまみの強つよい品種ひんしゅは菓子かし作づくりにも向むいており、パンプキンパイやかぼちゃパン、南みなみアメリカのフランや、タイの「サンカヤー・ファクトン」のようなプリンに加工かこうされる。

フランスではスープの材料ざいりょうとして使つかわれることが一般いっぱんだが、南部なんぶではパイやパンに料理りょうりされる。アルヘンティーナでは中なかをくりぬいたカボチャをシチューの具ぐ材ざいにする。

保存ほぞん

カボチャは野菜やさいの中なかでも保存ほぞん性せいが高たかく、貯蔵ちょぞうしておいて冬場ふゆばに食たべることもできる[33]。果実かじつを丸まるごと保存ほぞんするときは、新聞紙しんぶんしで包つつんで、常温じょうおん（10℃前後ぜんこう）で風通かぜとおしの良よい場所ばしょに置おいておくと、1 - 2か月げつほど保存ほぞんできる[34][7]。カットした場合ばあいは、内側うちがわから傷いたむため、種たねとわたを取とり除のぞいた後のち、ラップを密着みっちゃくさせて包つつみ冷蔵れいぞう保存ほぞんすれば3日にち - 1週間しゅうかん程度ていどは持もつ[34][2][7]。量りょうが多おおくて食たべきれないときは、加熱かねつして潰つぶしてから使つかう分量ぶんりょうに分わけてラップで包つつんで冷凍れいとう保存ほぞんすれば長期ちょうき保存ほぞんが利きき、すぐにコロッケやスープにして使つかうことができる[34]。

食材しょくざい以外いがいでの利用りよう

生薬きぐすり

薬用やくようとする部位ぶいは果実かじつと種子しゅしで、果実かじつは南瓜かぼちゃ（ナンカ）、乾燥かんそうした種子しゅしは南瓜かぼちゃ仁ひとし（ナンカニン）と称しょうして生薬きぐすりとする[9]。果実かじつは胃腸いちょうを温あたためて食欲しょくよくを増進ぞうしんし、疲労ひろう倦怠けんたい、食欲しょくよく不振ふしんに効果こうかがあるとされる[9]。また種子しゅしは条じょう虫ちゅう、回虫かいちゅう駆除くじょに用もちいられる[9]。民間みんかん療法りょうほうとしては、果実かじつは調理ちょうりして食たべるが、種子しゅしは1日にち量りょう5グラムを600 ccの水みずで煎せんじて、3回かいに分わけて服用ふくようする用法ようほうが知しられている[9]。また、種子しゅしを炒いって殻からを取とり除のぞいて食たべても同様どうようによいとも言いわれている[9]。

飼料しりょう

牛うしや豚ぶたの飼料しりょうとして使つかわれる。大型おおがた品種ひんしゅのアトランティックジャイアントは西洋せいようカボチャ系けいで、ハロウィンの時期じきにはくりぬいて「ジャック・オー・ランタン」の顔かおを作つくる際さいにも使つかわれる。

観賞かんしょう用よう

観賞かんしょう用ようのオモチャカボチャと呼よばれる品種ひんしゅはペポ種しゅに属ぞくし、これは果実かじつの形状けいじょうや色いろが様々さまざまであるためハロウィンやクリスマスの飾かざりに利用りようされる。また、アメリカで多おおく栽培さいばいされる果実かじつの大おおきなオレンジ色しょくの品種ひんしゅもペポ種しゅに属ぞくし、くりぬいてお化ばけの顔かおを掘ほったりする。

生産せいさん

日本にっぽん

 
日本にっぽんのカボチャの収穫しゅうかく量りょうと作付さくづけ面積めんせきの推移すいい（1973-2012年ねん）

生産せいさん量りょうは北海道ほっかいどうが最もっとも多おおく、次ついで鹿児島かごしま県けん、茨城いばらき県けんが続つづく[36]。一年中いちねんじゅう出回でまわっているが、露ろ地物ちぶつの旬しゅんは夏なつである[36]。鹿児島かごしま県けん産さんは5 - 6月と12月、茨城いばらき県けん産さんは6 - 7月がつ、青森あおもり県けん・秋田あきた県けん産さんが8月がつ、北海道ほっかいどう産さんは8月がつ - 11月頃ごろに多おおく出回でまわる[36]。

日本にっぽんにおける収穫しゅうかく量りょう上位じょうい10都道府県とどうふけん（2016年ねん）[57]

収穫しゅうかく量りょう順位じゅんい 都道府県とどうふけん 収穫しゅうかく量りょう(t) 作付さくづけ面積めんせき(ha)
1 北海道ほっかいどう 82,900 7,400
2 鹿児島かごしま 9,130 838
3 茨城いばらき 8,090 493
4 長野ながの 6,430 506
5 宮崎みやざき 5,150 221
6 長崎ながさき 4,950 526
7 千葉ちば 4,600 250
8 沖縄おきなわ 3,600 441
9 神奈川かながわ 3,480 216
10 山形やまがた 2,900 297
― 日本にっぽん計けい 185,300 16,000

日本にっぽん国外こくがい

 
世界せかいのカボチャ類るいの収穫しゅうかく量りょうと作付さくづけ面積めんせきの推移すいい（1961-2012年ねん）

このうちトンガでは、元々もともとカボチャの栽培さいばいは行おこなわれていなかったが、気候きこうがかぼちゃの生育せいいくに最適さいてきであることと、日本にっぽんでカボチャの需要じゅようが多おおいにもかかわらず収穫しゅうかくの出来できない12月頃ごろに収穫しゅうかく期きを迎むかえることに目めを付つけた日本にっぽんの商社しょうしゃが、1990年代ねんだいにカボチャ栽培さいばいを持もち込こんだ。その後ご、カボチャはトンガにとって、日本にっぽんや大韓民国だいかんみんこく向むけの主要しゅよう輸出ゆしゅつ品目ひんもくになり、栽培さいばいが推進すいしんされていった[58]。 2010年ねんに日本にっぽんがトンガから輸入ゆにゅうした産品さんぴんの金額きんがくは7114万まん円えんだったが、そのうちの77.2%%カボチャが占しめていた[59]とする文献ぶんけんもあるが、公的こうてきな資料しりょうである財務省ざいむしょうの貿易ぼうえき統計とうけいによると2010年ねんのトンガからの輸入ゆにゅう額がくの総額そうがくは、6926万まん1千せん円えんでこのうちがぼちゃが5495万まん2千せん円えんで79.3％であった。なお2020年ねんには、総額そうがく3930万まん5千せん円えん、うちかぼちゃは478万まん4千せん円えんで12.0％と金額きんがく、比率ひりつとも大幅おおはばに減少げんしょうしている。

日本にっぽんへの輸入ゆにゅう量りょうはニュージーランド産さんが最もっとも多おおく、その他たメキシコ、トンガが多おおい[36]。海外かいがい品ひんは通年つうねん輸入ゆにゅうされ日本にっぽん市場いちばの半分はんぶんを占しめているが、夏なつ・秋あきは国産こくさんが出回でまわるため、国内こくない生産せいさん量りょうが少すくなくなる11月 - 5月がつ期きに輸入ゆにゅう品ひんが多おおく出回でまわる[36]。

世界せかいのカボチャ類るい（pumpkins, squash and gourds）の収穫しゅうかく量りょう上位じょうい10か国こく（2019年ねん）[60]

収穫しゅうかく量りょう順位じゅんい 国くに 収穫しゅうかく量りょう（千せんt）
1 中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく 8376
2 ウクライナ 1346
3 ロシア 1196
4 スペイン 735
5 メキシコ 679
6 バングラデシュ 635
7 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく 610
8 トルコ 590
9 イタリア 569
10 インドネシア 523
― 世界せかい計けい 22901

国際こくさい貿易ぼうえきセンターによれば、2019年ねんのカボチャ類るい輸出ゆしゅつ量りょうは172万まん7000トンで、1位いがスペインの45万まん1000トン、2位いがメキシコの23万まん8000トンとなっている[60]。

メキシコ

メキシコは世界せかいのカボチャ類るい輸出ゆしゅつ量りょう第だい2位いである（2019年ねん時点じてん）[60]。

1980年代ねんだいに日本にっぽんからカボチャの種たねが導入どうにゅうされ、ソノラ州しゅうを中心ちゅうしんとしたカボチャの生産せいさんは順調じゅんちょうに拡大かくだいされ、メキシコから日本にっぽん向むけの主要しゅよう輸出ゆしゅつ産品さんぴんの1つになっている[60]。ただし、日本にっぽん国内こくないでのカボチャ需要じゅようが減少げんしょう傾向けいこうにあることから、日本にっぽん以外いがいの国くにへの輸出ゆしゅつの動うごきが模索もさくされている[60]。

メキシコで商業しょうぎょう栽培さいばいされているカボチャ類るいは、以下いかの5種しゅ[60]。

メキシコでは、セイヨウカボチャ種しゅとニホンカボチャ種しゅ、その他たの種類しゅるいのカボチャを混在こんざいして「カラバサ（calabaza）」と呼称こしょうしており、これはメキシコ農のう畜水産さん農村のうそん開発かいはつ食料しょくりょう省しょう（英語えいご版ばん）（SAGARPA）の統計とうけいにおいても同様どうようである[60]。

ソノラ州しゅうのカボチャ類るい作付さくづけ面積めんせきおよび生産せいさん量りょうのは、メキシコ全土ぜんどの約やく83%（2019年ねん）を占しめる最大さいだいのカボチャ類るい生産せいさん州しゅうとなっている[60]。

メキシコのカボチャ類るい栽培さいばいは、1980年ねん前後ぜんこうより日本にっぽんの青果物せいかぶつ専門せんもん商社しょうしゃや卸売おろしうり業者ぎょうしゃが、種苗しゅびょうメーカーとともに日本にっぽん国外こくがいの産地さんち開発かいはつに乗のり出だした際さいに始はじまったものであり、メキシコで栽培さいばいされている主おもな品種ひんしゅとしては、味あじ平ひらた、味あじ皇すめらぎ、こふき、えびす、みやこ、くりゆたか7などであり、生産せいさんされる品種ひんしゅは日本にっぽん市場いちばに合あわせたものとなっている[60]。

文化ぶんか

 
ジャック・オー・ランタン
 
カボチャ小豆あずき入いりのほうとうの例れいの1つ。
  • 日本にっぽんには冬至とうじにカボチャを食たべる風習ふうしゅうが全国ぜんこく各地かくちに残のこる[61][62][63]。ただし、この風習ふうしゅうは江戸えど時代じだいの記録きろくに無なく、明治めいじ時代じだい以降いこうの風習ふうしゅうとされる[62]。
  • アメリカの先住民せんじゅうみんの間あいだでは、冬ふゆカボチャ（英語えいご版ばん）・豆まめ・トウモロコシを密集みっしゅうさせてコンパニオンプランツとするスリーシスターズ農法のうほう（英語えいご版ばん）が行おこなわれていた。豆まめはトウモロコシを支柱しちゅうにツタを伸のばし、豆まめは窒素ちっそ固定こていを行おこない土地とちを肥沃ひよくにして、冬ふゆカボチャは地面じめんを覆おおうように育そだち水分すいぶんを保たもつ役割やくわりを担になった[64]。この3種しゅの植物しょくぶつは冬ふゆの間あいだでも保存ほぞんできる貴重きちょうな食物しょくもつでもあった[64]。
  • カナダのノバスコシア州しゅうウィンザー (ノバスコシア州しゅう)（英語えいご版ばん）では1999年ねんから毎年まいとし恒例こうれい行事ぎょうじとして「パンプキン・ボートレース」が行おこなわれ、このレースは最もっとも長距離ちょうきょりで競きそう「パンプキン・ボートレース」として知しられる[65]。

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

  1. ^ 「日本にっぽんカボチャ」につながる品種ひんしゅのカボチャの種たねが導入どうにゅうされたのが、1541年ねん頃ごろという説せつがいわれている[8]。
  2. ^ 土壌どじょうの保温ほおんや保湿ほしつ、あるいは雨天うてん時じの泥水どろみずの跳はね返かえりを予防よぼうする目的もくてきで、株かぶ元もとの地面じめんをポリエチレンシートで覆おおっておくこと。
  3. ^ サツマイモほどではないが、ジャガイモやサトイモ程度ていどのエネルギーがある[29]。

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関連かんれん項目こうもく

外部がいぶリンク

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