(Translated by https://www.hiragana.jp/)
フォークリフト - Wikipedia

フォークリフト

昇降しょうこう可能かのう荷役にやくようのつめ(フォーク)を車体しゃたい前面ぜんめんそなえた自動車じどうしゃ

フォークリフトForklift)とは、油圧ゆあつ利用りようして昇降しょうこうおよび傾斜けいしゃ可能かのう荷役にやくようのつめ(フォーク)を車体しゃたい前面ぜんめんそなえた荷役にやく自動車じどうしゃ[1]国際こくさい標準ひょうじゅん機構きこうでは、英語えいご: forklift truck呼称こしょうしている。

日本にっぽん産業さんぎょう規格きかくの JIS D 6201:2017は、「フォークなどを上下じょうげさせるマストをそなえたはししき荷役にやく運搬うんぱん車両しゃりょう 全般ぜんぱん呼称こしょう。」と規定きていしている。ハンドリフトなど産業さんぎょうよう車両しゃりょう区分くぶんするため「 1.フォークなどの貨物かもつ保持ほじする装置そうち装備そうびされている。2. マストを保有ほゆうする。3. 動力どうりょくって走行そうこう、フォークなどの昇降しょうこうをおこなう。」の3つの構造こうぞうたすものをフォークリフトと定義ていぎされている。[よう出典しゅってん]

1920年代ねんだいアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくエールクラークなどの複数ふくすう企業きぎょうによって開発かいはつされる。日本にっぽんでは1939ねん昭和しょうわ14ねん)に日本輸送機にほんゆそうき製作所せいさくしょ(ニチユ。げん三菱みつびしロジスネクスト)が「うで昇降しょうこう傾斜けいしゃがた運搬うんぱんしゃ」として開発かいはつしたが、普及ふきゅうはしなかった。だい世界せかい大戦たいせんのち進駐軍しんちゅうぐん武器ぶき砲弾ほうだんとうはこぶためにんだことにより注目ちゅうもくあつめ、それ以後いご日本にっぽん国内こくない様々さまざまなメーカーによって開発かいはつされるようになり、現在げんざいいた[2]。なお、日本輸送機にほんゆそうき製作所せいさくしょ開発かいはつした「うで昇降しょうこう傾斜けいしゃがた蓄電池ちくでんち運搬うんぱんしゃ」はなまり蓄電池ちくでんち動作どうさする運搬うんぱんしゃで、燃料ねんりょう統制とうせいガソリン入手にゅうしゅしにくかった戦時せんじ体制たいせいした事情じじょうから蓄電池ちくでんちにて動作どうさするようつくられていた。

フォークリフトの種類しゅるい

編集へんしゅう

JISが規定きていしているフォークリフトの種類しゅるい

編集へんしゅう

JIS D 6201は、つぎ種類しゅるい分類ぶんるいしている。

  1. 外観がいかん形状けいじょうによる分類ぶんるい
    • カウンターバランスフォークリフト
    • ストラドルフォークリフト
    • パレットスタッキングトラック
    • サイドフォークリフト
    • リーチフォークリフト
    • ウォーキーフォークリフト
    • ラテラルスタッキングトラック
    • さん方向ほうこうスタッキングトラック
    • オーダーピッキングトラック
    • ラフテレーンフォークリフト
    • マルチディレクションフォークリフト
    • プラットフォームスタッキングフォークリフト
  2. 動力どうりょくによる分類ぶんるい
  3. 車輪しゃりんタイプによる分類ぶんるい
    • ニューマチックしゃ
    • クッションしゃ
  4. 操縦そうじゅう方式ほうしきによる分類ぶんるい
    • 乗車じょうしゃしき
      • 座席ざせきしき
      • ぜんこう座席ざせきしき
      • よここう座席ざせきしき
    • たてせきしき
      • ぜんこうたてせきしき
      • よここうたてせきしき
    • 歩行ほこうしき
    • 無人むじんしき

日本にっぽん産業さんぎょう車両しゃりょう協会きょうかい統計とうけいじょうのフォークリフトの種類しゅるい

編集へんしゅう

一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん 日本にっぽん産業さんぎょう車両しゃりょう協会きょうかいは、つぎ区分くぶん統計とうけい発表はっぴょうしている。

  • エンジンしき
    • ガソリンエンジン
    • ディーゼルエンジン
  • バッテリーしき

ITAのフォークリフトの区分くぶん

編集へんしゅう

Industrial Truck Associationは、フォークリフトをつぎ種類しゅるい分類ぶんるいしている。世界せかいのフォークリフトの統計とうけいすべ下記かき分類ぶんるいでおこなわれている。

  • Class 1 Electric Motor Rider Truck - Counter balanceed
  • Class 2 Electric Motor Narrow isle Trucks
  • Class 3 Electric Pedestrian Trucks
  • Class 4 & 5 Interal Combustion Truck, Cushin and Pneumatic Tires

車両しゃりょう特徴とくちょう

編集へんしゅう
 
一般いっぱんてきなフォークリフト
 
バッテリーしきフォークリフト
(リーチリフト)
 
24トントップリフター
フォークリフトの派生はせいがた
  • 車体しゃたい前方ぜんぽうにフォーク(つめ)を具備ぐびしており、その「つめ」を荷物にもつ下部かぶパレットんで、げて運搬うんぱんする。
  • フォークを上昇じょうしょうさせるとともマスト支柱しちゅう)もびて上昇じょうしょうし、車体しゃたいたかさよりもたか場所ばしょ荷物にもつあつかうことができる。日本にっぽん国内こくないでは2だん伸縮しんしゅくマストで最大さいだいあげほど3メートルのものが標準ひょうじゅんであるが、しょう - 中型ちゅうがたでは3 - 4だん伸縮しんしゅく最大さいだいあげほど8メートルのものも使つかわれている。ISOコンテナようの30 - 45トンの機種きしゅでは2だん伸縮しんしゅく最大さいだいあげほど12 - 15メートルのものもある。ぎゃく少数しょうすう特殊とくしゅであるが、車体しゃたいたかさよりもひくみじかいマスト(ショートマスト)や伸縮しんしゅくしないマスト(モノマスト)をけたものや、車体しゃたいたか以下いかならフォークを上昇じょうしょうさせてもマストたかさが上昇じょうしょうしないもの(フリーリフトタイプ)もあり、トンネル工事こうじ天井てんじょうひく屋内おくない食品しょくひんない貨物かもつようエレベーターやコンテナない進入しんにゅうして荷役にやくする作業さぎょうゆかおけ荷役にやくしかおこなわない場所ばしょなどでもちいられている。
  • カウンターバランスしきフォークリフトではマストを前後ぜんごかたむける(チルト機能きのうゆうしており、リーチリフトではフォークのみを前後ぜんごかたむける機能きのうゆうしていて、荷重かじゅうるフォークのたわみや車体しゃたいぜんかたぶけしょうじても荷物にもつ水平すいへいたもったり、荷物にもつをマストりにんで走行そうこう荷物にもつすべちることを防止ぼうしするためにもちいられている。
  • タイヤチューブづけ空気くうきりタイヤをもちいるのが一般いっぱんてきであるが、およそ3トン以下いか小型こがた機種きしゅでは内部ないぶ軟質なんしつゴムを充填じゅうてんしたノーパンクタイヤも多用たようされている。リーチリフトでは鉄輪てつりん表面ひょうめんにゴムまたは、ウレタン樹脂じゅしけたソリッドタイヤもちいたものがだい多数たすうである。タイヤのいろ一般いっぱんてき自動車じどうしゃよう同様どうようくろおおいが、ゆかめん汚染おせんきら屋内おくない用途ようとではタイヤあとかないようしろまたはみどりなどのカラータイヤももちいられている。
  • 一般いっぱんてきこう操舵そうだであるため、ハンドル旋回せんかい方向ほうこう車両しゃりょう挙動きょどう内輪うちわ外輪がいりん)が普通ふつう自動車じどうしゃとはぎゃくになり、運転うんてんにはれが必要ひつよう自動車じどうしゃではられないミッドシップエンジン、フロント(MF)駆動くどうであるのも特徴とくちょう
  • リーチリフトの一部いちぶ機種きしゅでは荷重におもがわ車輪しゃりんきを任意にんい角度かくどえられるものもあり、はすぎょう真横まよこへの走行そうこう可能かのう木材もくざい鋼材こうざいなどのちょうしゃくぶつってせま通路つうろ横行おうこう進入しんにゅうするなど、サイドフォークリフトとおな機能きのうゆうしている。
  • ホイールベースみじかく、最大さいだいかじかくおおきいので小回こまわりがく。
  • 短距離たんきょり荷役にやく運搬うんぱんおも目的もくてきとしているため、最高さいこう速度そくどひくく、リーチリフトで11 km/h程度ていど、カウンターバランスしきでは小型こがたなフォークリフトで 20 km/h 程度ていど以下いか最大さいだい荷重かじゅうが10 tをえるような大型おおがたのフォークリフトでも 35 km/h 程度ていど以下いか機種きしゅおおい。(小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ公道こうどうでの法定ほうてい速度そくどは 15 km/h 以下いかと 35 km/h 未満みまん)。
  • ブレーキどき慣性かんせいによって荷物にもつ前方ぜんぽう転落てんらくする(あるいは車両しゃりょうごと転倒てんとうする)事故じこふせぐため、荷役にやく積載せきさい前進ぜんしん走行そうこうよりも後退こうたい走行そうこうのほうが安全あんぜんである。荷物にもつちいさく視界しかい確保かくほできる場合ばあい前進ぜんしん走行そうこうでもよいが、事業じぎょうしょによっては「前進ぜんしん禁止きんし」の規則きそくさだめていることもある。
  • パレットようフォーク以外いがいにも様々さまざまアタッチメント荷役にやく装置そうち)が製造せいぞう販売はんばいされており、それらを装着そうちゃくすることで様々さまざま荷物にもつ作業さぎょう対応たいおうできる。
  • クローラしきフォークリフトでは、整地せいちでのパレチゼーション可能かのうにする。小型こがたのものがおおく、最大さいだい荷重かじゅうは2000kg前後ぜんこうおおい。クローラのあしまわりはちょうしん旋回せんかい可能かのうなため、小回こまわりがもっとく。太陽光たいようこう発電はつでんしょ建設けんせつや、農業のうぎょうでのパレット運搬うんぱんもちいられるほか、屋外おくがい展示てんじじょうのブース設営せつえいなどにも使用しようされる。整地せいちでの荷役にやく作業さぎょう可能かのうなため、南極なんきょく昭和しょうわ基地きちなどにも配備はいびされている。

カウンターバランスしきフォークリフト

編集へんしゅう
 
前輪ぜんりんがトリプルタイヤのトップリフター

後部こうぶにカウンターウエイトをそなえる一般いっぱんてき形状けいじょうのフォークリフト。エンジンまたはバッテリーは車体しゃたい中央ちゅうおう運転うんてん座席ざせきした搭載とうさいしたものが一般いっぱんてきである。積載せきさいりょうは0.5 t - 40 tクラスまで存在そんざいする。トランスミッションマニュアルしきまたはトルコンしき選択せんたく可能かのう世界せかいだい2生産せいさん台数だいすうほこるLinde MHはハイドロ・スタティク・トランスミッション (HST)採用さいようしているものもある。基本きほんてきに4りん(タイヤ4ほん)であるが、小型こがた機種きしゅではこう1個いっことした3りんタイプもある。よこはばひろ荷物にもつあつか場合ばあい荷物にもつたかげる場合ばあいなど、左右さゆう安定あんてい許容きょよう荷重かじゅう制限せいげんされる用途ようとでは前輪ぜんりんダブルタイヤとして左右さゆう安定あんてい確保かくほし、許容きょよう荷重かじゅう増加ぞうかさせている。また、とくよこはばひろく、こうみがおこなわれるISO(海上かいじょう)コンテナをあつか車両しゃりょうには前輪ぜんりんトリプルタイヤのものもある。

カウンターバランスしき長所ちょうしょは、リーチしきより転倒てんとう安定あんてい車体しゃたい強度きょうどたかいうえに走行そうこう速度そくどやフォークの上昇じょうしょう速度そくどはやく、安全あんぜんせい作業さぎょう効率こうりつたかいことがげられる。また、リーチしきよりも高揚こうようほどかつだい荷重かじゅうのものを製造せいぞう可能かのうである。反面はんめん、リーチがたのフォークリフトにくらべて車体しゃたい寸法すんぽうおおきいので回転かいてん半径はんけいおおきくせまところ作業さぎょうせいおとめんがある。

リーチリフト

編集へんしゅう

マストが前後ぜんご移動いどう(リーチイン・リーチアウト)できることをおおきな特徴とくちょうとする、フォークリフトの種類しゅるいの1つである。最小さいしょう回転かいてん半径はんけいちいさく、倉庫そうこないなど狭隘きょうあい作業さぎょう場所ばしょにおいてひろもちいられている。国内こくないでは、最大さいだい積載せきさい荷重かじゅうが0.5 t - 3 tクラスが販売はんばいされている。カウンターバランスしきちがい、基本きほんてきにはりであるが、なかにはすわって操作そうさする製品せいひん存在そんざいする(海外かいがいではすわって運転うんてんするモデルが主流しゅりゅう座乗ざじょうしきともいわれる)。

リーチしき長所ちょうしょとしては、先述せんじゅつのようにカウンターウエイトしきより小回こまわりがく、動力どうりょく方式ほうしきがバッテリーしきため騒音そうおんちいさく空気くうき汚染おせんすくないてんげられるが、短所たんしょとしては、カウンターバランスしきよりも転倒てんとう安定あんていひくく、マスト剛性ごうせいひくいので荷物にもつたかげた場合ばあいゆらどうおおきく定置ていち効率こうりつわる転倒てんとうしやすい。駆動くどうが1りんかつみちちいさいので駆動くどうりょくちいさく路面ろめんれていたり凹凸おうとつると走行そうこう性能せいのういちじるしく低下ていかする。水平すいへいかつ平滑へいかつ仕上しあげられたゆかめん以外いがいでの走行そうこう困難こんなん構造こうぞうじょう傾斜地けいしゃち雨中うちゅうでの使用しよう危険きけん屋外おくがい荷役にやくにはてきさない。連続れんぞく稼働かどう時間じかん内燃ないねん機関きかんしきよりみじかい。おおきさやレイアウト都合つごうじょう内燃ないねん機関きかんしきへの対応たいおうむずかしい。バッテリーには定期ていきてきすい必要ひつよう初期しょき導入どうにゅうコストが高価こうかであるなど。充電じゅうでんようする電気でんき料金りょうきんどう能力のうりょくのエンジンしきフォークリフトの燃料ねんりょうよりやす場合ばあいおおいが、劣化れっかしたバッテリーのがえ費用ひよう高額こうがくになるので、運用うんようじょうきょうによってはライフサイクルコストがエンジンしきよりたかくなる。なお、「プラッター」とばれることもあるが、これは日本にっぽん最初さいしょにリーチしきバッテリーフォークリフトを開発かいはつした三菱みつびしロジスネクスト製品せいひん商標しょうひょうである。

リーチしき変種へんしゅとしてオーダーピッカーがある。運転うんてんせき車体しゃたいじょうではなく、フォークと一体化いったいかした構造こうぞうでフォークととも昇降しょうこうする構造こうぞうになっていて、運転うんてんしゃ手作業てさぎょう高所こうしょ荷物にもつをパレットにんだりフォークじょうパレットに積載せきさいした荷物にもつ高所こうしょえたりできるものである。

操作そうさけい

編集へんしゅう

一般いっぱんてき自動車じどうしゃおなじハンドル、ペダルのフォークとう操作そうさするためのレバーが存在そんざいする。ただし、ハンドルには片手かたて操作そうさしやすいようけられていることがおおいほか、トルクコンバーターしゃでもインチングペダルというクラッチベダルのようなもの存在そんざいし、ブレーキペダルが連動れんどうしてされるようになっているものがおおい。操作そうさレバーはながいものがすうほんならんでいるのが一般いっぱんてきだが、最近さいきん[いつ?]運転うんてんしゃ手元てもと操作そうさできるジョイスティックタイプも登場とうじょうしている。前者ぜんしゃ制御せいぎょバルブを直接ちょくせつ操作そうさするのにたいし、後者こうしゃ電気でんきてき遠隔えんかく制御せいぎょする。パーキングブレーキはふる車種しゃしゅにはレバーしきあたらしい車種しゃしゅにはペダルしきのものがある。工場こうじょうない利用りようされることからふる車種しゃしゅられることもおおく、照明しょうめいきボタンスイッチであるものもいまだに現役げんえき稼働かどうしている。

製造せいぞう企業きぎょうによる操作そうさ系統けいとうちがいを以下いかしるす。

  • ニチユトヨタでは、操作そうさレバーの配置はいちことなる(まえ後進こうしんレバーと、1・2そくレバー配置はいち左右さゆうぎゃく)。ニチユしき採用さいようしているメーカーがおおいが、後発こうはつメーカーであるトヨタは独自どくじ配列はいれつ標準ひょうじゅん仕様しようとして開発かいはつした。
  • 神鋼電機しんこうでんき製造せいぞうしていたモデルでも独自どくじのレバー配列はいれつ採用さいようしており、「神鋼しんこうしき」といわれた。
  • 日産にっさんのフォークリフトにはフォークの上下じょうげとチルトを1ほんのレバーにし、X操作そうさする1ほんレバーモデルがあった。現在げんざい日産にっさん日立ひたち、ニチユ、三菱みつびし統合とうごう会社かいしゃ、ロジスネクストの車両しゃりょう採用さいようされている。
  • したがってちがうメーカーのフォークリフトにりかえると、操作そうさ間違まちがうことがあるので注意ちゅうい必要ひつよう事業じぎょうしょによっては改造かいぞうして操作そうさ方法ほうほう変更へんこうしている場合ばあいもあるので、れたメーカーのものでも油断ゆだんはできない。

動力どうりょくげん

編集へんしゅう

フォークリフトの動力どうりょくげんは、「バッテリーしき」・「ガソリンエンジンしき」・「ディーゼルエンジンしき」の3つがおお使つかわれている。近年きんねんのエコ事情じじょうにより、「燃料ねんりょう電池でんちしき」でうごくフォークリフトも国内外こくないがい発売はつばいされつつある。

バッテリーしき普及ふきゅう

編集へんしゅう

乗用車じょうようしゃやトラックで電気でんき自動車じどうしゃがなかなか普及ふきゅうしないのとは対照たいしょうてきに、小型こがたフォークリフトでは以前いぜんからバッテリーしゃ普及ふきゅうしており、現在げんざいでは3トン以下いか小型こがたフォークリフト需要じゅようの50 %以上いじょうがバッテリーしゃである。(日本にっぽん産業さんぎょう車両しゃりょう協会きょうかい調しらべ)

  • 使用しよう環境かんきょう(換気かんきむずかしい、衛生えいせい環境かんきょうきびしいなど)によっては、排気はいきガスないことがおおきなアドバンテージとなる。
    • 冷凍れいとう倉庫そうこ食品しょくひん加工かこうじょう精密せいみつ部品ぶひん工場こうじょううちなど、排気はいきせない空間くうかんてきしている。
    • 「ガソリンエンジンしき」・「ディーゼルエンジンしき特有とくゆう排気はいきガスによる健康けんこう被害ひがいまったない。
  • 燃料ねんりょう運搬うんぱん保管ほかんなどが不要ふようなので、火災かさいなどの危険きけんせいひくく、危険きけんぶつあつか手間てまからない。
  • 電動でんどう騒音そうおん非常ひじょうちいさく静粛せいしゅくせいたかいので、住宅じゅうたく事業じぎょうしょ深夜しんや作業さぎょうおこな事業じぎょうしょてきしている。
  • 事業じぎょう所内しょない一定いってい範囲はんいだけで使用しようされることがおおく、長距離ちょうきょりはしるわけではないので、まんいちバッテリーれになっても、救援きゅうえん容易よういである。
  • 深夜しんや電力でんりょく割引わりびき料金りょうきん適用てきようされる事業じぎょうしょでは夜間やかん充電じゅうでんおこなえば、経済けいざいせい環境かんきょうせいたかい。
  • バッテリーのだい容量ようりょう小型こがた軽量けいりょうすすみ、内燃ないねんエンジンしゃくらべて遜色そんしょくない連続れんぞく稼働かどう時間じかんられるようになった。
  • エンジンおんすくなくしずかであることは場合ばあいによっては運転うんてんしゃ以外いがい作業さぎょうしゃがフォークリフトの接近せっきんづきにくい欠点けってんともなるため、その欠点けってんおぎなうために警告けいこくランプをあえてけることがおおい。

アタッチメント

編集へんしゅう
  • ISOコンテナをあつか業種ぎょうしゅ海運かいうん会社かいしゃJR貨物かもつなど)ではコンテナをげるスプレッダーづけ機種きしゅ使つかわれる。スプレッダーにはそらコンテナようのサイドスプレッダー(車体しゃたい左右さゆう2かしょのみをはまごう)と実入みいりコンテナようトップリフターぜん4かしょはまごう)がある。
  • 原木げんぼく丸太まるたざいあつか業種ぎょうしゅではフォークが上下じょうげおおきくダンプするヒンジドフォークが多用たようされている。ヒンジドフォークにバケットを装着そうちゃくすれば、おがくずとう比較的ひかくてき軽量けいりょうこなたいつぶたいすくげて運搬うんぱんすることも出来できる。
  • ドラム缶どらむかん運搬うんぱんにはドラム缶どらむかんようアタッチメント(ドラムクリッパー)を使用しようする。クリップドラム缶どらむかんえんけるようにげ、ろしたさいにはクリップからはずれるような仕掛しかけになっている。1もしくは2ほんずつげるフロントタイプと、4ほんずつげるセンタータイプがある。
  • ロールクランプの装着そうちゃくにより、ドラム缶どらむかん新聞しんぶん印刷いんさつよう原紙げんしなどおおきな円筒えんとうじょう荷物にもつをそのままつかげて運搬うんぱんしたり、げた荷物にもつ回転かいてんさせたりできるものもある。
  • トラックにけをおこな場合ばあいにフォークをすうじゅうセンチ程度ていど左右さゆううごかせるもの(サイドシフト)もある。
  • とくながい「つめ」が必要ひつよう場合ばあい、「つめ」に「サヤ」(さや)をけることがある。
  • 「シングル・ラム」まる棒状ぼうじょうの1ほんつめ側面そくめんまるあなゆうするケーブルドラムやうす鋼板こうはん出荷しゅっかコイルなどをパレットをもちいず直接ちょくせつ運搬うんぱんする場合ばあいてきする。
  • 本来ほんらい荷役にやく作業さぎょうではないが、積雪せきせつではメーカーオプションや部品ぶひんメーカー製品せいひん・ユーザが個別こべつ発注はっちゅうなどしたバケット・除雪じょせつブレードを取付とりつけて、会社かいしゃ敷地しきちないなどで除雪じょせつしゃわりにももちいられる。詳細しょうさいについてはスノーバケットこう参照さんしょう

車両しゃりょう登録とうろく課税かぜい関係かんけい

編集へんしゅう

構内こうない作業さぎょうだけにもちいて公道こうどう走行そうこうおこなわないフォークリフトでは、自動車じどうしゃ登録とうろくしてナンバープレート掲示けいじする義務ぎむい。事業じぎょうしゃがフォークリフトを取得しゅとくして市区しく町村ちょうそん登録とうろくせず軽自動車けいじどうしゃぜいおさめない場合ばあいは、固定こてい資産しさんぜい償却しょうきゃく資産しさんとして課税かぜいされる。小型こがた特殊とくしゅ軽自動車けいじどうしゃぜいほうやす場合ばあいがあるので、構内こうないだけをはしるフォークリフトでもナンバーを取得しゅとくすることがある。小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃふく軽自動車けいじどうしゃぜいは、公共こうきょう用途ようととう免除めんじょあるいは一部いちぶ減免げんめん規定きていのぞき、公道こうどう走行そうこう有無うむわずに課税かぜい対象たいしょうとなり、軽自動車けいじどうしゃぜい納付のうふした証票しょうひょうとしてナンバープレートが交付こうふされるからである。詳細しょうさいは、かく市区しく町村ちょうそん軽自動車けいじどうしゃぜい担当たんとう部署ぶしょわせのこと。なお、大型おおがた特殊とくしゅ場合ばあいは、運輸うんゆきょく運輸うんゆ支局しきょくなどでの登録とうろく必要ひつよう9ナンバー)。この場合ばあい自動車じどうしゃ重量じゅうりょうぜい対象たいしょうとなり、車検しゃけん必要ひつようで、固定こてい資産しさんぜい償却しょうきゃく資産しさん対象たいしょうとなる。構内こうない作業さぎょうしゃでナンバーがなければ償却しょうきゃく資産しさん課税かぜいされる。

操作そうさ必要ひつよう資格しかく

編集へんしゅう
 
トヨタL&F ジェネオの操作そうさけい

労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいほう免許めんきょとう

編集へんしゅう

労働ろうどう行為こうい業務ぎょうむ)としてフォークリフトを運転うんてん操縦そうじゅうするものは、運転うんてん操縦そうじゅうするフォークリフトの積載せきさい荷重におもおうじ、労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいほう規定きていする技能ぎのう講習こうしゅう受講じゅこう修了しゅうりょう証書しょうしょ所持しょじしたもの、または、特別とくべつ教育きょういくけたものでなければならない。また、道路どうろ交通こうつうほう適用てきようされる道路どうろまたは地所じしょ走行そうこう運転うんてんする場合ばあい車両しゃりょう登録とうろく区分くぶんおうじた自動車じどうしゃ運転うんてん免許めんきょしょう交付こうふけて、これを携帯けいたいしたものでなければならない。

  • 最大さいだい積載せきさい荷重かじゅう 1t以上いじょうのフォークリフトの運転うんてん業務ぎょうむ
    • 労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいほうだい61じょう規定きていするフォークリフト運転うんてん技能ぎのう講習こうしゅう受講じゅこうし、修了しゅうりょうしょう交付こうふけ、かつ、フォークリフト運転うんてん業務ぎょうむ従事じゅうじするさい修了しゅうりょうしょう携帯けいたいしていなければならない。

具体ぐたいてきには、日本にっぽん都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょう登録とうろく教習きょうしゅう機関きかん一覧いちらん実施じっしされる「フォークリフト運転うんてん技能ぎのう講習こうしゅう」の修了しゅうりょう義務ぎむづけられている。(罰則ばっそく事業じぎょうしゃは6月以下いか懲役ちょうえきまたは50まんえん以下いか罰金ばっきん従事じゅうじしゃは50まんえん以下いか罰金ばっきん

  • 最大さいだい積載せきさい荷重かじゅう1t未満みまんのフォークリフトの運転うんてん業務ぎょうむ
    • 上記じょうき、フォークリフト運転うんてん技能ぎのう講習こうしゅう修了しゅうりょうしょう携帯けいたいするもの、または、労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいほうだい59じょうだい3こう規定きていする特別とくべつ教育きょういく受講じゅこうしたものでなければならない。具体ぐたいてきには、事業じぎょうしゃ講習こうしゅう機関きかんでも)が実施じっしする「フォークリフト運転うんてん特別とくべつ教育きょういく」の受講じゅこう義務付ぎむづけられている。(罰則ばっそく事業じぎょうしゃは6月以下いか懲役ちょうえきまたは50まんえん以下いか罰金ばっきん
      • また、事業じぎょうしゃはこれら特別とくべつ教育きょういく記録きろくを3年間ねんかん保管ほかんしなければならない。(どうじょうもとづく労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい規則きそくだい38じょう

これらは、有害ゆうがいまたは危険きけんともな業務ぎょうむもの義務付ぎむづけられた資格しかく、または事業じぎょうしゃ労働ろうどうしゃ労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしおよび安全あんぜん衛生えいせい維持いじ必要ひつよう知識ちしき付与ふよする目的もくてき特別とくべつ教育きょういくであるため、たと私有地しゆうちであっても事業じぎょうしゃ指示しじしたおこな労働ろうどう行為こうい業務ぎょうむ)としてフォークリフトを運転うんてん操縦そうじゅうする場合ばあいには、これらの技能ぎのう講習こうしゅうまたは特別とくべつ教育きょういくけていなければならない。

技能ぎのう講習こうしゅう特別とくべつ教育きょういくは、道路どうろ交通こうつうほう運転うんてん免許めんきょとはべつのものである。よって、道交法どうこうほう自動車じどうしゃ運転うんてん免許めんきょだけでは作業さぎょう装置そうち使用しよううごかす)する運転うんてん操縦そうじゅう一切いっさいできず、また、労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいほう技能ぎのう講習こうしゅう修了しゅうりょうまたは特別とくべつ教育きょういく受講じゅこうだけでは、道路どうろ交通こうつうほう適用てきようされる道路どうろまたは地所じしょでフォークリフトを走行そうこう運転うんてんできない。

刑事けいじばつ事項じこうであっても、違反いはんしていれば行政ぎょうせい当局とうきょく検査けんさおよび行政ぎょうせい処分しょぶん対象たいしょうとなりうる。

なお、法令ほうれいじょうでは「フオークリフト」表記ひょうきとなっている。

公道こうどうとう通行つうこうする場合ばあい道路どうろ交通こうつうほうなど)

編集へんしゅう

まず、フォークリフトを道路どうろ交通こうつうほうだい2じょうだい1こう規定きていする道路どうろ、すなわち「公道こうどう」や、特定とくていひとしゃ自由じゆう通行つうこうすることができる場所ばしょなどではし運転うんてんさせる場合ばあいには、その種別しゅべつおうじ、運転うんてんしゃが、車両しゃりょう規格きかくおうじた道路どうろ交通こうつうほうじょう運転うんてん免許めんきょけていなければならない。(罰則ばっそく運転うんてんしゃは3ねん以下いか懲役ちょうえきまたは50まんえん以下いか罰金ばっきん事業じぎょうしゃりょうばっけい。)

  • 車体しゃたい寸法すんぽう最高さいこう速度そくどによって「大型おおがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ」と「新小しんこがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ」と「小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ」に分類ぶんるいされ、それぞれ必要ひつよう運転うんてん免許めんきょことなる。区分くぶんについては、「特殊とくしゅ自動車じどうしゃ」の項目こうもくの「道路どうろ交通こうつうほう特殊とくしゅ自動車じどうしゃ区分くぶん」にかんするこう参照さんしょう

さらに、道路どうろ運送うんそう車両しゃりょうほう特殊とくしゅ自動車じどうしゃ区分くぶんおうじ、フォークリフトが道路どうろ運送うんそう車両しゃりょう保安ほあん基準きじゅんたしていなければならない。また、道路どうろ運送うんそうほう自動車じどうしゃ登録とうろく(または臨時りんじ運行うんこう許可きょか)が完了かんりょうし、かつ有効ゆうこうでなければならない。具体ぐたいてきには、運輸うんゆきょくまたは自治体じちたい役場やくば交付こうふした有効ゆうこうなナンバープレートをただしくけたものでなければ、公道こうどうとうそうしてはならない。(登録とうろく対象たいしょうしゃは6月以下いか懲役ちょうえきまたは30まんえん以下いか罰金ばっきん自治体じちたい対象たいしょうしゃ番号ばんごうひょう表示ひょうじ義務ぎむ違反いはんなど)

フォークリフトに構内こうない作業さぎょうようほどこした改造かいぞうであって、道路どうろ運送うんそう車両しゃりょう保安ほあん基準きじゅんたしていないものは、公道こうどう走行そうこうには、保安ほあん基準きじゅんたすように現状げんじょう復旧ふっきゅうしなければならない。

さらに、当該とうがいフォークリフトにつき自動車じどうしゃ損害そんがい賠償ばいしょう責任せきにん保険ほけん加入かにゅうし、かつ有効ゆうこうであること、くわえて保険ほけん証明しょうめいしょ運転うんてんさい常時じょうじ携帯けいたいしていなければならない。(罰則ばっそく:1ねん以下いか懲役ちょうえきまたは50まんえん以下いか罰金ばっきん証明しょうめいしょ携帯けいたいは30まんえん以下いか罰金ばっきん

ほか、公道こうどうとうじょうはしする場合ばあい、フォークリフト(のフォーク)への荷物にもつ荷役にやく禁止きんし積載せきさい条件じょうけん違反いはん)、けんいん禁止きんし(けんいん条件じょうけん違反いはん)、作業さぎょうとう点灯てんとう禁止きんし整備せいび不良ふりょうとう)である。

刑事けいじばつ事項じこうであっても、違反いはんしていれば行政ぎょうせい当局とうきょく検査けんさおよび行政ぎょうせい処分しょぶん対象たいしょうとなりうる。

労働ろうどう災害さいがい

編集へんしゅう

フォークリフトに関連かんれんした労働ろうどう災害さいがいで、毎年まいとし50にん以上いじょういのちとしている[2]安全あんぜん衛生えいせい年鑑ねんかん統計とうけいデータ(2000ねん-2007ねん)によると、事故じこ原因げんいんは「はさまれ・まれ」の38%がもっとおおく、「墜落ついらく転落てんらく」(20%)、「激突げきとつされ」(18%)がつづいている。マストにからだはさまれる重大じゅうだい事故じこふせぐには、レバーの誤操作ごそうさにつながる危険きけん作業さぎょう運転うんてんだいからしてものるなど)をけることが重要じゅうようであるとともに、はなれせき操作そうさ無効むこうするデッドマン装置そうち有効ゆうこうである。

自主じしゅ検査けんさ

編集へんしゅう

労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい規則きそくだい151じょうの21にもとづき、1ねんえない期間きかんごとに「特定とくてい自主じしゅ検査けんさ」(法定ほうてい検査けんさ)が義務付ぎむづけられている。特定とくてい自主じしゅ検査けんさは、法定ほうてい検査けんさ資格しかくゆうする自主じしゅ検査けんさしゃおこな必要ひつようがある。

また、1かげつえない範囲はんいでの定期ていき自主じしゅ検査けんさおよび運転うんてんまえ始業しぎょうぜん点検てんけん義務付ぎむづけられている。定期ていき自主じしゅ検査けんさおよび始業しぎょうぜん点検てんけんおこなうのは自主じしゅ検査けんさしゃでなくてもよい。

 
日産にっさんのフォークリフト(アグレス)

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう
  1. ^ 意匠いしょう分類ぶんるい定義ていぎカード(G2) 特許庁とっきょちょう
  2. ^ a b 改訂かいてい フォークリフト運転うんてんしゃ教本きょうほん -技能ぎのう講習こうしゅうようテキスト-」 ちょ社団しゃだん法人ほうじん全国ぜんこく登録とうろく教習きょうしゅう機関きかん協会きょうかい

関連かんれん項目こうもく

編集へんしゅう

外部がいぶリンク

編集へんしゅう