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悪臭 - Wikipedia

悪臭あくしゅう(あくしゅう)とは、ヒトに知覚ちかくできる臭気しゅうきのうち不快ふかいなものをす。 公害こうがい対策たいさく基本きほんほう規定きていされた典型てんけいなな公害こうがいのひとつであるが、「不快ふかい」の定義ていぎおよ数値すうち困難こんなん騒音そうおん以上いじょう個人こじんおおきい感覚かんかく公害こうがいである。このこともあり、法令ほうれいによる規制きせい対象たいしょうとしての悪臭あくしゅうは、日常にちじょう生活せいかつでいうのとはいくぶんことなるものとなっている[1][2]

悪臭あくしゅうはな汚水おすい


嗅覚きゅうかく悪臭あくしゅう

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スカトールこう濃度のうどではくその、てい濃度のうどでははなにおいがする

ヒトの嗅覚きゅうかく五感ごかんのうちでもとく鋭敏えいびんであり、本能ほんのうてき原始げんしてき感覚かんかくとされ、解明かいめい領域りょういきおおい。腐敗ふはいした有機物ゆうきぶつはっする物質ぶっしつ悪臭あくしゅうかんじるのは、進化しんか過程かていしゅうによる危険きけん察知さっちや、食物しょくもつ状態じょうたい判断はんだんするため発達はったつしたものとかんがえられている。 臭気しゅうきとして知覚ちかくできる物質ぶっしつすうじゅうまんしゅはあるといわれ、日常にちじょうてきに「○○のにおい」とあらわされるものでも、その構成こうせい物質ぶっしつすうひゃくおよぶ。たとえばコーヒーかおりからは500しゅ物質ぶっしつかぞえられている。また、ヒトがなんらかの臭気しゅうきかんじたとき、それを不快ふかいかんじるかどうかは非常ひじょうはばひろく、様々さまざま要素ようそ影響えいきょうする。

  • 臭気しゅうきつよさや構成こうせい香水こうすい果物くだものなどのにおいは、つよすぎると悪臭あくしゅうになることがられている
  • 感覚かんかくとの補完ほかんさかな生臭なまぐささは通常つうじょう不快ふかいだが、市場いちば映像えいぞうせながらだと臨場りんじょうかんたかめる効果こうかとなる(バーチャルリアリティ
  • 体調たいちょう状況じょうきょう:いわゆる「になる」「にならない」で、時刻じこく頻度ひんどかんじているストレスおおきさなど、身体しんたいてき心理しんりてき状態じょうたいにより感覚かんかく左右さゆうされる
  • 習慣しゅうかん価値かちかんおおくの文化ぶんか悪臭あくしゅうはな発酵はっこう食品しょくひんなどを利用りようしているように、有益ゆうえきなものの特徴とくちょうぎないことをっていれば、不快ふかいかんおおきく低減ていげんされ、さらには好意こういてきめられもする(たとえばブルーチーズ納豆なっとうなど)
  • 嗅覚きゅうかく疲労ひろう順応じゅんのうおな悪臭あくしゅう曝露ばくろされつづけるとやがてかんじなくなり、これが長期間ちょうきかんつづくといったん無臭むしゅう状態じょうたい経由けいゆしてもかんじにくくなる

このため、悪臭あくしゅう定性的ていせいてき定量ていりょうてきにあらわすことは非常ひじょう困難こんなんであり、評価ひょうかから人間にんげん主観しゅかんはいすることができない。この問題もんだい解決かいけつ手段しゅだんとして期待きたいされている臭気しゅうきセンサー開発かいはつは、五感ごかん代替だいたいするセンサーのなかではもっとおくれている。これまでに半導体はんどうたい薄膜うすまく細胞さいぼうなどを利用りようしたものが考案こうあんされ、製品せいひん市販しはんされているものの、ヒトの嗅覚きゅうかくとくけにはいついておらず、用途ようとかぎられている。

悪臭あくしゅう物質ぶっしつ

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エタンチオール(エチルメルカプタン)。ガスに添加てんかされる悪臭あくしゅう物質ぶっしつ世界一せかいいちくさ物質ぶっしつとしてギネス認定にんていされている

アンモニア公衆こうしゅうトイレのくさい)、硫化りゅうかぶつ腐敗ふはいしゅう)、フェノールるいアルデヒドるいなどが代表だいひょうてき悪臭あくしゅう物質ぶっしつである。とく悪臭あくしゅうのする物質ぶっしつは、特定とくてい悪臭あくしゅう物質ぶっしつとして悪臭あくしゅう規制きせいほう指定していされている。 とく硫化りゅうかぶつ有機ゆうき硫黄いおう化合かごうぶつ)は濃度のうどたいする悪臭あくしゅうつよさが突出とっしゅつしており、ガスづけしゅうもちいられている[3]

発生はっせいげん

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釧路くしろのパルプ工場こうじょう
 
兵庫ひょうごけん篠山しのやま野焼のやき(野外やがい焼却しょうきゃく)。野焼のやきは悪臭あくしゅう苦情くじょう原因げんいんいちである

このほか、身近みぢか臭気しゅうき規模きぼちいさいが状況じょうきょうにより悪臭あくしゅうとなる。

[4]

苦情くじょう統計とうけい

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環境省かんきょうしょう悪臭あくしゅう苦情くじょう統計とうけいっており、れい年度ねんど状況じょうきょうつぎのとおりである[5]

  • 苦情くじょう件数けんすうは15,438けんで、前年度ぜんねんど3,418けん(28.4%)の増加ぞうか
  • 野外やがい焼却しょうきゃく野焼のや)が5,536けん全体ぜんたいの35.9%)をめ、サービスぎょうとうがそれにつづ
  • 野外やがい焼却しょうきゃく野焼のやき)への苦情くじょう件数けんすうは、前年度ぜんねんど1,943けん(54.1%)に大幅おおはば増加ぞうかしている
  • 苦情くじょう件数けんすうおお都道府県とどうふけん千葉ちばけん(1613けん)、東京とうきょう(1344けん)、愛知あいちけん(1299けん

対策たいさく

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サーマルオキシダイザー

悪臭あくしゅう気体きたいであるため、発生はっせいげん気密きみつせいたかめ、ダクトでおくし、サーマルオキシダイザーなどの無害むがい装置そうちおくむといった対策たいさくられる。 こうした処置しょち大掛おおがかりかつ高価こうかになるため、なかなか実行じっこうされないのが実情じつじょうである。

サーマルオキシダイザー

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ねつ悪臭あくしゅう分子ぶんし分解ぶんかいする装置そうち

煙突えんとつ

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腐食ふしょくせい毒性どくせいなど有害ゆうがいせい懸念けねんがない場合ばあいには、煙突えんとつもちいて高所こうしょ放出ほうしゅつ希釈きしゃく拡散かくさんする方法ほうほう有効ゆうこう場合ばあいがある。 煙突えんとつもちいた高所こうしょへの拡散かくさんは、悪臭あくしゅう防止ぼうしほうによりごう規制きせいとしてさだめられている。

法的ほうてき規制きせい

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悪臭あくしゅう防止ぼうしほう

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悪臭あくしゅう防止ぼうしほうは、当該とうがい法律ほうりつにおいて規定きていされた地域ちいき悪臭あくしゅう発生はっせい規制きせいするものである。 自治体じちたいちょう悪臭あくしゅう防止ぼうしする必要ひつようのあるエリアを指定していする。一般いっぱんてきには学校がっこう病院びょういん住宅じゅうたくがい住居じゅうきょ専用せんよう地域ちいき)といった地域ちいき指定していされる。 通常つうじょう工業こうぎょう地域ちいきはこの指定していからはずされ、悪臭あくしゅう規制きせい一切いっさい存在そんざいしないことがほとんどである。

ごう規制きせい

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工場こうじょうなどで発生はっせいする排気はいきは、通常つうじょう煙突えんとつつうじて高所こうしょ排出はいしゅつされ、拡散かくさんし、いずれ地上ちじょう落下らっかしてくる。 このとき悪臭あくしゅう程度ていどを以って基準きじゅんをクリアしているかどうかが判断はんだんされる。 つまり、規制きせい地域ちいきである工業こうぎょう地域ちいきでの排出はいしゅつであっても、最終さいしゅうてき規制きせい地域ちいきない悪臭あくしゅう検知けんちされた場合ばあい規制きせいをクリアしたとはみなさない。 これをごう規制きせいぶ。

所轄しょかつ省庁しょうちょう

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悪臭あくしゅう防止ぼうしほう所轄しょかつ環境省かんきょうしょうである。 環境省かんきょうしょうは、事業じぎょうしゃ臭気しゅうき対策たいさくのためにガイドブック、パンフレット、マニュアル、統計とうけいデータなどひろ公開こうかいしている[4]。 また、トラブルの調整ちょうせいやくとして総務そうむしょう公害こうがいとう調整ちょうせい委員いいんかい公害こうがい紛争ふんそう処理しょり制度せいど公害こうがい苦情くじょう相談そうだん窓口まどぐち設置せっちしている[6]

2つの規制きせい基準きじゅん

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悪臭あくしゅう悪臭あくしゅう防止ぼうしほうにより規制きせいされ、つぎの2つの規制きせい基準きじゅん設定せっていされている。

  • 特定とくてい悪臭あくしゅう物質ぶっしつ
  • 臭気しゅうき指数しすう

このどちらかの基準きじゅんのっと必要ひつようがある。(環境かんきょう基準きじゅん設定せっていされていない) どちらの規制きせい基準きじゅん採用さいようするかは、かく自治体じちたいゆだねられている。 抵触ていしょくしているかどうかは、発生はっせいげん特定とくていしたうえで、その敷地しきち境界きょうかい線上せんじょうでの測定そくていし、採用さいようした規制きせい基準きじゅん適合てきごうしているかどうかで判断はんだんされる。

臭気しゅうき指数しすう規制きせいへの

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特定とくてい悪臭あくしゅう物質ぶっしつは、とく臭気しゅうきつよいものを指定していしリストしたものであるが、すべてを網羅もうらできるわけではない。 リストにふくまれなくとも悪臭あくしゅうのする物質ぶっしつ無数むすう存在そんざいし、また一般いっぱんてき悪臭あくしゅうとされないものであっても濃度のうど頻度ひんどによっては悪臭あくしゅう公害こうがいとみなされる。 そのため、より広範こうはん規制きせい体系たいけいもとめられ新設しんせつされたものが臭気しゅうき指数しすう規制きせいである。 臭気しゅうき指数しすう規制きせいする物質ぶっしつ特定とくていせず、臭気しゅうき判定はんていなどのゆう資格しかくしゃ直接ちょくせつその空気くうきにおいをぎ、においのつよそのものを判定はんていする。 特定とくてい悪臭あくしゅう物質ぶっしつによる規制きせいでは対処たいしょできない広範こうはん悪臭あくしゅうたいして包括ほうかつてき規制きせいすることができるため、より有用ゆうようであるとかんがえられる。 そのため、環境省かんきょうしょう臭気しゅうき指数しすう規制きせいへのえを支援しえんしているが、ほとんどすすんでいない。 環境省かんきょうしょう統計とうけいによると、平成へいせい22ねん時点じてん全国ぜんこく自治体じちたいのうち、臭気しゅうき指数しすう規制きせいおこなっている自治体じちたいはわずか27%程度ていどである[7]

えがすすまない要因よういんとしては、特定とくてい悪臭あくしゅう物質ぶっしつふくまれない悪臭あくしゅう物質ぶっしつ放出ほうしゅつしている事業じぎょうしゃかかえている場合ばあい臭気しゅうき指数しすう規制きせいえてしまうとそうした事業じぎょうしゃ多額たがく費用ひようをかけて悪臭あくしゅう対策たいさくをする必要ひつようがあるため、難色なんしょくしめすケースがおおい。 2022ねん現在げんざいにおいてもパルプ工場こうじょう鋳物いもの工場こうじょうなどがある自治体じちたいにおいては、その周囲しゅうい工業こうぎょう地域ちいき、つまり悪臭あくしゅう防止ぼうしほう保護ほごされるべき地域ちいきであっても悪臭あくしゅうはあって当然とうぜんのものとされている。 そのため、そうした自治体じちたいでは臭気しゅうき指数しすうへのえはまったおこなわれていない。 ただし、昨今さっこん国民こくみん環境かんきょう意識いしきたかまりやSDGs企業きぎょう社会しゃかいてき責任せきにんなどの普及ふきゅう自治体じちたいへの苦情くじょう増加ぞうかにより、抜本ばっぽんてき対策たいさくである臭気しゅうき指数しすう規制きせいへのえはなされなくとも、業者ぎょうしゃがわ自主じしゅ規制きせいつとめて昭和しょうわ時代じだいよりは改善かいぜんされている傾向けいこうにある [8][9][10]

特定とくてい悪臭あくしゅう物質ぶっしつ

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法令ほうれいじょうは「不快ふかいなにおいの原因げんいんとなり、生活せいかつ環境かんきょうそこなうおそれのある物質ぶっしつ」とされているが、香料こうりょうとして食品しょくひん添加てんかぶつ利用りようされているものもある。

番号ばんごう 法令ほうれいでの名称めいしょう 別名べつめい ちゅう においの特徴とくちょう 有害ゆうがいせい臭気しゅうき関係かんけいする利用りようほうなど
1 アンモニア   2 公衆こうしゅう便所べんじょ げきぶつLC50 = 4200 ppm/1 h(ラット)、けししゅうざい嗅覚きゅうかく麻痺まひさせる)
2 メチルメルカプタン メタンチオール 0.004 くさったキャベツ糞尿ふんにょう LC50 = 670 ppm (ラット)
3 硫化りゅうか水素すいそ   0.06 くさったたまご LC50 = 440 ppm/4 h (ラット)
4 硫化りゅうかメチル ジメチルスルフィド 0.05 くさったタマネギいそ LC50 = 40000 ppm/4 h (ラット)、香料こうりょう(コーヒー、チョコレート)、
ガスのづけしゅう
5 硫化りゅうかメチル ジメチルジスルフィド 0.03 くさった野菜やさい、ニンニク LC50 = 800 ppm/4 h (ラット)、香料こうりょう(タマネギ、キャベツ)
6 トリメチルアミン N,N-ジメチルメタンアミン 0.03 くさったさかな、アンモニア LC50 = 7700 ppm (マウス)
7 アセトアルデヒド エタナール 0.1 青臭あおくさ刺激しげきホルマリン LC50 = 13000 ppm/4 h (ラット)、香料こうりょうヨーグルトじゅくした果物くだもの
8 プロピオンアルデヒド プロパナール 0.1 甘酸あまずっぱいげた刺激しげき 香料こうりょう新鮮しんせん果物くだもの
9 ノルマルブチルアルデヒド ブタナール 0.03 甘酸あまずっぱいげた刺激しげき 香料こうりょうリンゴセイヨウナシ
10 イソブチルアルデヒド   0.07 甘酸あまずっぱいげた刺激しげき 香料こうりょう果物くだもの
11 ノルマルバレルアルデヒド 1-ペンタナール 0.02 甘酸あまずっぱいげた刺激しげき 香料こうりょう
12 イソバレルアルデヒド 3-メチルブタナール 0.006 リンゴ 香料こうりょう果物くだもの
13 イソブタノール イソブチルアルコール 4 発酵はっこうした果実かじつ、バナナさま 香料こうりょう果物くだもの
14 酢酸さくさんエチル   7 リンゴ接着せっちゃくざい げきぶつ(シンナーをまるため指定してい)、
LC50 = 16000 ppm/6 h (ラット)、香料こうりょうイチゴじゅくしたオレンジ
15 メチルイソブチルケトン 4-メチル-2-ペンタノン 3 シンナー、樟脳しょうのう  
16 トルエン メチルベンゼン 30 ガソリンシンナー げきぶつ、LC50 = 4800 ppm/4 h (ラット)
17 スチレン   0.8 プラスチック LC50 = 2700 ppm/4 h (ラット)
18 キシレン ジメチルベンゼン 2 ガソリン げきぶつ、LC50 = 4300 ppm/4 h (ラット)
19 プロピオンさん プロパンさん 0.07 酸味さんみのある腐敗ふはい嘔吐おうとぶつ 食品しょくひんよう香料こうりょう
20 ノルマル酪酸 n-ブタンさん 0.002 あせくさい、馬糞ばふん  
21 ノルマルよしくささん ペンタンさん 0.002 むれた靴下くつしたあしうら  
22 イソよしくささん 3-メチルブタンさん 0.004 発酵はっこうしたチーズ、むれたあしつめあか  
  • ちゅう臭気しゅうき強度きょうどとして3(規制きせい基準きじゅん中央ちゅうおう)をあたえる物質ぶっしつ濃度のうどppm)。
  • 2–5は敷地しきちがい排出はいしゅつすい規制きせい。1972ねん1–5追加ついか、1976ねん6、7、17追加ついか、1990ねん19–22追加ついか、1994ねん8–16、18追加ついか
  • 19–22は、エステル化合かごうぶつ香料こうりょうとして利用りようされる。

臭気しゅうき指数しすう

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臭気しゅうき指数しすうとは、臭気しゅうき濃度のうど常用じょうよう対数たいすうを10ばいとし、感覚かんかくてき臭気しゅうき強度きょうどどう程度ていど数値すうちとなるようにしたもの。

臭気しゅうき指数しすう = log(臭気しゅうき濃度のうど) × 10

法令ほうれいでは、人間にんげん嗅覚きゅうかくでその臭気しゅうき感知かんちすることができなくなるまで希釈きしゃくした倍数ばいすう、から算出さんしゅつされる。 臭気しゅうきをヒトの嗅覚きゅうかく評価ひょうかしようとするこころみはふるく、20世紀せいきはじめ、ドイツのヘンドリク・ツワーデマーカー (Hendrik Zwaardemaker) にさかのぼる。日本にっぽんでは1975ねん東京とうきょう開発かいはつ使用しようしていたさんてん比較ひかくしきしゅうぶくろほう注目ちゅうもくされ、やがて全国ぜんこく展開てんかいされた。

測定そくてい方法ほうほう

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嗅覚きゅうかく検査けんさ合格ごうかくしたパネル(被験者ひけんしゃ)に、3つのふくろのうちどれかに希釈きしゃくした臭気しゅうき試料しりょうはいっているサンプルをわたし、どれにはいっているかててもらう。 パネルの正解せいかいりつが3ぶんの1まで低下ていかした時点じてんで、希釈きしゃくにより臭気しゅうきかんじられなくなったとなし、その希釈きしゃく倍率ばいりつ臭気しゅうき濃度のうどとする。

規制きせい歴史れきし

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パルプ工場こうじょう臭気しゅうき

かつて、都市としへの人口じんこう集中しゅうちゅう背景はいけいとして、工場こうじょうをはじめとする事業じぎょうじょうとう使用しようされる材料ざいりょう製品せいひん廃棄はいきぶつなどからはっする臭気しゅうき問題もんだいとなった。これにたいし、測定そくてい可能かのう悪臭あくしゅう物質ぶっしつ」をさだめ、その濃度のうどについてもうけた基準きじゅんもちい、被害ひがい評価ひょうかする手法しゅほうられた。規制きせいされている物質ぶっしつには、有毒ゆうどくなものも無害むがいなものもあるが、嗅覚きゅうかく刺激しげきつよかったり、悪臭あくしゅう被害ひがいまねきやすい状況じょうきょうから共通きょうつうして発生はっせいする物質ぶっしつのうち、定量ていりょうてき測定そくていできる物質ぶっしつえらばれている。

これにより、悪臭あくしゅうかんする苦情くじょう件数けんすう濃度のうど規制きせい導入どうにゅうとし2まんけんじゃくから20ねんとし1まんけんまで減少げんしょうしたものの、複数ふくすうまたは対象たいしょうがい物質ぶっしつによるふくあい臭気しゅうき原因げんいん物質ぶっしつ特定とくていできないことおおい)、増加ぞうかする都市としがた生活せいかつがた表現ひょうげんされるタイプの臭気しゅうき苦情くじょうへの対応たいおうには限界げんかいがあった。そこで、1996ねんから臭気しゅうき判定はんていによる測定そくていからもとめた臭気しゅうき指数しすうによる規制きせいおこなうこととなった。

しかしながら、この改正かいせいさかい全国ぜんこく悪臭あくしゅう苦情くじょう件数けんすう急増きゅうぞうし、2003ねんには過去かこ最悪さいあくとし2まん5せんけんたっした。その減少げんしょうし、2006年度ねんど実績じっせきは18805けんとなっている。なお、苦情くじょう急増きゅうぞうした背景はいけいには当時とうじ認識にんしきひろまった、野焼のやきによるダイオキシンるい生成せいせいへの警戒けいかいかんがあるとられる。

2000ねん環境庁かんきょうちょうは「におい環境かんきょう指針ししん」を策定さくていし、環境かんきょう基準きじゅんじゅんじるものとして、臭気しゅうき環境かんきょう目標もくひょう不快ふかいなにおいの低減ていげん臭気しゅうきかんするのぞましい環境かんきょう維持いじ達成たっせい)として定性的ていせいてき目標もくひょうだい部分ぶぶん地域ちいき住民じゅうみん日常にちじょう生活せいかつにおいて感知かんちしない程度ていど)を設定せっていした。また、定量ていりょうてき目標もくひょう設定せってい必要ひつよう数値すうち手段しゅだん開発かいはつ産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょおこなわれている。

出典しゅってん脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 悪臭あくしゅう公害こうがい特徴とくちょう問題もんだいてん
  2. ^ 公害こうがいにおける悪臭あくしゅう - 高知こうち公式こうしきホームページ
  3. ^ 都市としガスに「におい」をける「づけしゅうざい」とはどのようなものかりたい。 | ご家庭かていのおきゃくさまけFAQ
  4. ^ a b におい対策たいさく・かおり環境かんきょうについて | 大気たいき環境かんきょう自動車じどうしゃ対策たいさく | 環境省かんきょうしょう
  5. ^ 悪臭あくしゅう防止ぼうしほう施行しこうじょうきょう調査ちょうさ悪臭あくしゅう苦情くじょう統計とうけいデータ) | 大気たいき環境かんきょう自動車じどうしゃ対策たいさく | 環境省かんきょうしょう
  6. ^ 総務そうむしょう公害こうがいとう調整ちょうせい委員いいんかい騒音そうおん悪臭あくしゅうなどでおこまりのほう
  7. ^ 臭気しゅうき指数しすう規制きせい導入どうにゅう 参考さんこう事例じれいしゅう - 環境省かんきょうしょう
  8. ^ 臭気しゅうき指数しすう制度せいど導入どうにゅうのすすめ」パンフレット | 大気たいき環境かんきょう自動車じどうしゃ対策たいさく | 環境省かんきょうしょう
  9. ^ 悪臭あくしゅう苦情くじょう対応たいおう事例じれいしゅう
  10. ^ 悪臭あくしゅうたいする規制きせい方法ほうほう松戸まつど

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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