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分類学 - Wikipedia

分類ぶんるいがく

生物せいぶつ分類ぶんるいすることを目的もくてきとした生物せいぶつがくいち分野ぶんや
自然しぜん分類ぶんるいから転送てんそう

分類ぶんるいがく(ぶんるいがく、英語えいご: taxonomy)とは、生物せいぶつ分類ぶんるいすることを目的もくてきとした生物せいぶつがくいち分野ぶんや生物せいぶつ種々しゅじゅ共通きょうつうてき特徴とくちょうによって分類ぶんるい[1]体系たいけいてきにまとめ、生物せいぶつ多様たようせい理解りかいする。

なお、広義こうぎ分類ぶんるいがくでは無生物むせいぶつふくめた事物じぶつ観念かんねんふくめて)を対象たいしょうとする。歴史れきしてきには博物学はくぶつがくにその起源きげんがあり、ふるくは、鉱物こうぶつなどもその対象たいしょうとしたが、それらの分野ぶんや分類ぶんるいがくというかたち発展はってんすることがなかった。以下いか叙述じょじゅつでは狭義きょうぎ分類ぶんるいがく生物せいぶつ分類ぶんるいがく)についておこなう。

分類ぶんるいがくは、この存在そんざいする、あるいは存在そんざいしたすべての生物せいぶつをその対象たいしょうとする。現在げんざい存在そんざいしない生物せいぶつについては生物せいぶつがく分担ぶんたんするが、現在げんざい生物せいぶつ分類ぶんるいにもふかかかわりがあるため、それらはまとめてかんがえる必要ひつようがある。実際じっさいには、個々ここ分類ぶんるい学者がくしゃはそのなか特定とくてい分類ぶんるいぐん研究けんきゅう対象たいしょうとし、全体ぜんたい見渡みわたした分類ぶんるい体系たいけいをその対象たいしょうにすることのできるひとはあまりいない。

分類ぶんるいがく本来ほんらい進化しんかろんとは無関係むかんけいであったが、現在げんざいではちかいどうしをあつ分類ぶんるいぐん作成さくせいすることで系統けいとうじゅ作成さくせいされ、分類ぶんるいがく進化しんか理解りかいするじょう重要じゅうよう役割やくわりをもっている。

分類ぶんるいがく成立せいりつすること

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生物せいぶつ世界せかい分類ぶんるいがく成立せいりつすることは生物せいぶつ重要じゅうよう特徴とくちょうひとつである。分類ぶんるいがく成立せいりつするためには以下いかのようなことが必要ひつようであろう。

まず、生物せいぶつたねかれている。つまり、まず、生物せいぶつには、細部さいぶにわたっておな構造こうぞう機能きのうをもつ個体こたい複数ふくすう存在そんざいし、それらが生殖せいしょくによっておな構造こうぞう機能きのう個体こたいさい生産せいさんしている。しかも、それらとはちがった構造こうぞう機能きのうち、同様どうよう個体こたいさい生産せいさんするぐん存在そんざいし、それらのあいだにはっきりと見分みわけがつく。このようなぐんたねぶわけである。

つぎに、たねはそれぞれに固有こゆう特徴とくちょうつが、たねたがいにくらべたとき、基本きほんてき部分ぶぶんているが、細部さいぶことなったたねがみつけられる。それらをまとめることで、ある程度ていど基本きほんてきにはているたねをまとめられる。それをぞくんだり、んだり、とにかくそうしてつくったグループを見比みくらべると、それをさらにまとめることができ、このようにして、次第しだいおおきなぐんをつくることができる。それらのぐん分類ぶんるいぐんという。

実際じっさいにはすべての場合ばあいにこのようなことがみられるとはがたいが、だい部分ぶぶん場合ばあいにはそうである。このような事柄ことがら生物せいぶつ以外いがいのものではなかなか成立せいりつするものではない(さい生産せいさんされることをのぞいてもである)。分類ぶんるい学者がくしゃはそこになんらかの意味いみ存在そんざいすることをみとめ、ただしい分類ぶんるいをすれば、生物せいぶつ分類ぶんるいぐんあいだただしい関係かんけいをみつけることができることを確信かくしんする。その関係かんけいのことを類縁るいえん関係かんけい、それによっててられた分類ぶんるい体系たいけい自然しぜん分類ぶんるいぶ。類縁るいえん関係かんけい進化しんかという現象げんしょうによって理解りかいし、分類ぶんるい体系たいけいさい構成こうせいしようというかんがかた進化しんか分類ぶんるいがくである(現在げんざい世界せかいにも進化しんかろんれない人々ひとびとがおり、かれらはまたことなるかんがかたをする。創造そうぞう科学かがく参照さんしょう)。

分類ぶんるいがく歴史れきし

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人為じんい分類ぶんるい

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生物せいぶつおおきく仲間なかまけすることは古来こらい普通ふつうおこなわれてきたことであって、普通ふつう名詞めいしふくまれる生物せいぶつ名前なまえはすべてその過程かてい産物さんぶつである。この場合ばあい分類ぶんるい人間にんげん生活せいかつじょう都合つごうがよければそれでよいものである。このような分類ぶんるいほう人為じんい分類ぶんるいという。日本語にほんごでは、たとえば、ししといえば乳類にゅうるい対象たいしょうにしており、現在げんざい分類ぶんるいがくとほぼ一致いっちするが、「魚介ぎょかいるい」というと脊索せきさく動物どうぶつである魚類ぎょるい軟体動物なんたいどうぶつであるかいイカタコ節足動物せっそくどうぶつであるエビカニ棘皮動物きょくひどうぶつであるウニナマコまでもがそこにふくまれる。しかし、魚屋さかなやあつかわれるものというくくりとして、実用じつようてきには便利べんりなまとめかたである。

自然しぜん分類ぶんるい

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西洋せいよう博物学はくぶつがく歴史れきしのなかでは、どのような分類ぶんるいただしいのかが検討けんとうされつづけた。自然しぜん仕組しくみをただしく理解りかいすることへの欲求よっきゅうがそれをすすめ、あるいは世界せかいつくったかみ意志いしはかるためでもあったとおもわれる。そのようななかから、生物せいぶつ分類ぶんるいにはなに唯一ゆいいつただしいものがあるとかんがえられるようになった。たとえば、クジラ魚介ぎょかいるいではあるが、実際じっさいには魚類ぎょるいではなく乳類にゅうるい分類ぶんるいすべきだと判断はんだんするのである。それを自然しぜん分類ぶんるいという。ここから、分類ぶんるいがく自然しぜん分類ぶんるいさがもとめることがその目的もくてきになった。そのはじまりがカール・フォン・リンネであった。

なお、どのようなかた自然しぜん分類ぶんるいたるのかは最初さいしょ当然とうぜんわからないわけで、すでにある分類ぶんるい体系たいけい検討けんとうし、個々ここ生物せいぶつについての知識ちしきし、それをもってさらに体系たいけいさい検討けんとうすることをかえしてゆくことで、いつかはただしい自然しぜん分類ぶんるいにたどりくとかんがえる。当然とうぜん、その途中とちゅう段階だんかいでは自然しぜん分類ぶんるいではない分類ぶんるいほうられることになる。それは、その時点じてんでは分類ぶんるい重要じゅうようかんがえられた特徴とくちょうもとづいて分類ぶんるいされたものだが、後代こうだいからはこれを特定とくてい特徴とくちょうきずられ、あやまった判断はんだんもとづく人為じんい分類ぶんるいといわれることになる。

カール・リンネ

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リンネは分類ぶんるいがくちちともばれる。かれは、著書ちょしょSystema Naturae自然しぜん体系たいけい英語えいごばんにおいて、ふたつのおおきな貢献こうけんおこなった。

  • それまでにられていた動植物どうしょくぶつたねかんする知見ちけんをまとめ、階層かいそう構造こうぞうをもった分類ぶんるい体系たいけい構築こうちくした[2]
  • 学名がくめいのいわゆるめいほう確立かくりつしたこと。それまでは、西洋せいよう科学かがく進歩しんぽにつれ、次第しだいおおくの生物せいぶつしゅについてられると、それらを既存きそんたねあらたなかたり追加ついかして命名めいめいする場合ばあいおおく、複雑ふくざつ名前なまえつづける状態じょうたいがあった。リンネの方法ほうほうは、それらを見通みとおしよく整理せいりし、今後こんご新種しんしゅ追加ついかにも対応たいおうできるようにした[2]

分類ぶんるいがく位置いち

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分類ぶんるいがくは、その学問がくもんにおける位置いちづけが見方みかたによっておおきくわる。一方いっぽうでは博物学はくぶつがくてきで、網羅もうらてき記載きさいてき学問がくもんであり、ふるくさいものだとの見方みかたがある。これは往々おうおうにして生命せいめい科学かがく標榜ひょうぼうするような分野ぶんやからの視点してんである。このような分野ぶんやでは、生物せいぶつ個々ここたねなどはあまり重要じゅうようでなく、すべてに共通きょうつうするような生命せいめい基本きほんてき性質せいしつ関心かんしんがあり、それを解明かいめいするためには少数しょうすうモデル生物せいぶつさえあればよいのである。

他方たほう生態せいたいがくなど個々ここ生物せいぶつしゅかかわる分野ぶんやでは、すべてのはじまりが分類ぶんるいがくだとかんがえられている。かれらがあつか様々さまざま生物せいぶつが、いったいなにというであるかが確定かくていしなければ、それにかんして記録きろくすることすらできず、またその結果けっか他者たしゃのものと比較ひかくすることもできないからである。いわば分類ぶんるいがく生物せいぶつ戸籍こせきづくりを期待きたいされている。

しかし、分類ぶんるいがく他方たほうにおいてあらゆるその分野ぶんや成果せいかもとつくられる。古典こてんてきには形態けいたい重視じゅうしされ、このてん現在げんざいでもわらないが、生物せいぶつかんするあたらしい技術ぎじゅつ知見ちけんはすべて分類ぶんるいがく反映はんえいされる。比較ひかく解剖かいぼうがくからは器官きかん構造こうぞうが、発生はっせいがくすすめばたまごわり様式ようしき胚葉はいようが、生化学せいかがくすすめばアミノ酸あみのさん合成ごうせい経路けいろ脂肪酸しぼうさん成分せいぶん細胞さいぼうがくからは染色せんしょくたいが、分子ぶんし遺伝いでんがくからはDNA塩基えんき配列はいれつが、いずれも分類ぶんるいがく利用りようされ、そのたびに分類ぶんるい体系たいけい見直みなおしをける。

しかしながら分類ぶんるいがくはどうしてもふるめかしい学問がくもんおもわれがちである。やはりそんな世間せけん生命せいめい科学かがく分野ぶんや視線しせんがプレッシャーとなるのであろう、分類ぶんるい学者がくしゃには一定いってい憤懣ふんまんたくわえられているらしい。とある生物せいぶつ分類ぶんるいこうに、それがされたらしい以下いかのような文章ぶんしょうつけた[独自どくじ研究けんきゅう?]。 『分類ぶんるいがく見方みかたによっては古典こてんてきうつるかもしれないが、クラシックの音楽おんがくやバレーが芸術げいじゅつ表現ひょうげんつづけると同様どうように、分類ぶんるいがく生物せいぶつかい構成こうせいあらわつづける基盤きばんである』[3]

分類ぶんるい学者がくしゃ仕事しごと

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現実げんじつには、ほとんどの分類ぶんるい学者がくしゃはどれかの分類ぶんるいぐん専門せんもんとし、そのなかでたねあつかいをいじってそのときをごす。たね判断はんだんがしっかりしていることは分類ぶんるいがく基礎きそであるから、当然とうぜんではある。あたらしいたね記載きさいには厳格げんかく基準きじゅんもうけられているが、記載きさいしようとしているものがあたらしいしゅであるかどうかの判断はんだん当人とうにんまかせられざるをない。すでに記載きさいされていたものを記載きさいしてしまう場合ばあいもありるし、その進歩しんぽによって、こまかいことがわかって、すでに記載きさいされているたねこまかくけたり、統合とうごうする必要ひつよう場合ばあいもある。そのような作業さぎょう分類ぶんるい学者がくしゃ仕事しごとのかなりの部分ぶぶんめる。

ただしい分類ぶんるい模索もさくして、分類ぶんるい学者がくしゃ生物せいぶつのあらゆる形質けいしつ利用りようする。外形がいけい特徴とくちょう内部ないぶ構造こうぞう様々さまざま器官きかん構造こうぞう機能きのう、それらを検討けんとうし、あたらしい発見はっけんがあれば、それが分類ぶんるいにどのように使つかえるかをかんがえる。動物どうぶつ場合ばあい高次こうじ分類ぶんるいではからだ全体ぜんたい基本きほん構造こうぞう体制たいせい)や器官きかん構造こうぞうが、たね分類ぶんるいでは細部さいぶ形質けいしつ重要じゅうようされる。とくに、体内たいない受精じゅせいをするものでは生殖せいしょくとく交接こうせつ)の構造こうぞう重視じゅうしされることがおおい。同種どうしゅおもわれていたものが行動こうどう観察かんさつから別種べっしゅ判明はんめい、その形態けいたいじょう差異さいがみつかるという経過けいかをたどったもの複数ふくすうれいある(ホタルるいキムラグモなど)。

植物しょくぶつでは維管たばなどの基本きほんてき構造こうぞうほか生活せいかつたまきのありかたなども重視じゅうしされる。植物しょくぶついまだに進化しんかをつづけ、まだられていない植物しょくぶつもあるので分類ぶんるい完成かんせいしていないといわれている。藻類そうるいでは、かつては同化どうか色素しきそ種類しゅるい重視じゅうしされたが、現在げんざいではむちみどりたい構造こうぞうなど微細びさい構造こうぞう重点じゅうてんがあるようである。細菌さいきんるいでは物質ぶっしつ代謝たいしゃ能力のうりょく分類ぶんるいおこな場合ばあいおおい。近年きんねんでは、DNA-DNA分子ぶんし交雑こうざつほう16S rRNA系統けいとう解析かいせきなどでの分類ぶんるい比重ひじゅううつってきている。

形態けいたいてき特徴とくちょう注目ちゅうもくした記載きさいおもであったが、分子生物学ぶんしせいぶつがく発展はってん以降いこうDNA塩基えんき配列はいれつ比較ひかくすることによる分類ぶんるいおこなわれている(分子ぶんし系統けいとうがく)。その結果けっか古典こてんてき分類ぶんるい体系たいけいとは相容あいいれない場合ばあいおおくあり、現在げんざい流動的りゅうどうてき状態じょうたいにある。また、そのような発展はってんのなかから、原生げんせい生物せいぶつにおける系統けいとう次第しだいあきらかになり、それがかく生物せいぶつなかでの系統けいとう関係かんけいたいするこれまでの見方みかた完全かんぜんえためんがある。

分類ぶんるい学者がくしゃのありかた

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分類ぶんるいがくてき研究けんきゅうはもちろんそれ自体じたい関心かんしん対象たいしょうでありるが、手段しゅだん、ないしは途中とちゅう経過けいかとしてかんがえる場合ばあいもありる。たとえば、生態せいたいがくてき研究けんきゅう場合ばあい、その地域ちいき生物せいぶつしょうがある程度ていど以上いじょう判明はんめいしていないとまったくのつけようがない。したがって、まずは生物せいぶつしょう解明かいめい、つまり、分類ぶんるいがくからはじめなければならない。日本にっぽん動物どうぶつ生態せいたいがく初期しょき重鎮じゅうちんであった宮地みやじ伝三郎でんざぶろう淡水たんすい生態せいたいがく関心かんしんがあったが、そのために、まずその弟子でし日本にっぽん主要しゅよう淡水たんすい動物どうぶつ分類ぶんるいぐんって分類ぶんるいがく研究けんきゅうすすめさせた。

もっとも、手段しゅだんないし途中とちゅう経過けいかがいつのにか目的もくてきになってしまうれいもなくはない。トビムシ研究けんきゅうである吉井よしい良三りょうぞう生態せいたいがくてき研究けんきゅう目指めざし、そのために、まず分類ぶんるいをつけ、結局けっきょくこれが一生いっしょう仕事しごとになったむねべている。ササラダニ研究けんきゅうである青木あおき淳一じゅんいちもややたことをべた。

なお、生物せいぶつ学者がくしゃがどれかの分類ぶんるいぐん専門せんもんであることは、かつては当然とうぜんのことであった。

分類ぶんるい学者がくしゃかた

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分類ぶんるい学者がくしゃはそのかたとしておおきく2つにわかれるといわれる。分類ぶんるいぐんをできるだけこまかくけるかたと、できるだけおおきくまとめるかたである。前者ぜんしゃ細分さいぶん主義しゅぎしゃ(スプリッター)、後者こうしゃ一括いっかつ主義しゅぎしゃ(ランパー)とぶ。

分類ぶんるいがく種類しゅるい

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伝統でんとうてき分類ぶんるいがくではさまざまな形質けいしつうち、どれが重要じゅうよう形質けいしつであるかを判断はんだんするという方向ほうこうせいがあった。しかし、このような見方みかた一部いちぶ目立めだ形質けいしつだけを恣意しいてき重視じゅうしすることになる傾向けいこうがある。たとえば、鳥類ちょうるいはねつばさ存在そんざい重視じゅうしして爬虫類はちゅうるいべつ分類ぶんるいぐんとされてきたが、系統的けいとうてきには爬虫類はちゅうるいのなかにふくまれる(つまり普通ふつうにいう爬虫類はちゅうるい系統けいとうぐん - 正確せいかくには鳥類ちょうるいという1つのたん系統けいとうぐんのぞいたがわ系統けいとうぐん - である)。

これにたいし、できるだけおおくの形質けいしつあつかい、数量すうりょうてき比較ひかくして分類ぶんるいしようとする立場たちばひょうがた分類ぶんるいがく(または数量すうりょう分類ぶんるいがく)とばれる。この立場たちばはかならずしも進化しんかじょう系統けいとう重視じゅうししているわけではない。

一方いっぽう伝統でんとうてき方法ほうほうろん無視むしするわけではないが進化しんかてき系統けいとう重視じゅうしする立場たちば進化しんか分類ぶんるいがくばれる。これは日本語にほんごでは系統けいとう分類ぶんるいがくばれることもおおい。

さらに徹底てっていして、正確せいかく進化しんかてき系統けいとうのみにもとづいた分類ぶんるい目指めざ立場たちば分岐ぶんき分類ぶんるいがく(あるいは分岐ぶんきろん分岐ぶんきがく)とび、ヴィリー・ヘニッヒ(Willi Hennig)によって 1950 年代ねんだいから主張しゅちょうされた。これは英語えいごではPhylogenetic systematics(「系統けいとう分類ぶんるいがく」あるいは「系統けいとう体系たいけいがく」)ともばれるが、上記じょうき日本語にほんごでいう系統けいとう分類ぶんるいがくとはことなる立場たちばである。

なお、分岐ぶんきろんてき系統けいとうのみを重視じゅうしする生物せいぶつ命名めいめいほうとしてPhyloCode(ファイロコード)が提案ていあんされている。これは従来じゅうらい命名めいめいほうのようなぞくといった階層かいそう使つかわず、系統けいとうのみで生物せいぶつしゅ特定とくていする方法ほうほうである。

現在げんざいでは形質けいしつ発現はつげん大元おおもととなるとかんがえられる遺伝子いでんしのDNA配列はいれつ調しらべることが容易よういになり、これを比較ひかくして系統けいとう推定すいていする方法ほうほうである分子ぶんし系統けいとうがく急激きゅうげき発展はってんしている。

出典しゅってん

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  1. ^ 馬渡まわたりたかし輔 1998.
  2. ^ a b 伊藤いとう 2013, p4-5
  3. ^ ダニがく図鑑ずかん, p. 26.

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 高田たかだ伸弘のぶひろ, 高橋たかはしまもる, 藤田ふじた博己ひろみ, 夏秋なつあきゆうダニがく図鑑ずかん : える分類ぶんるい疫学えきがくきたたかしかん、2019ねんISBN 9784832610538全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:23282674https://id.ndl.go.jp/bib/029945927 
  • 馬渡まわたりたかし輔「分類ぶんるいがくとはなに」『日本にっぽん物理ぶつり學會がっかいだい53かんだい4ごう日本にっぽん物理ぶつり学会がっかい、1998ねん、266-273ぺーじdoi:10.11316/butsuri1946.53.266 
  • 伊藤いとうもとおのれ植物しょくぶつ分類ぶんるいがく東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱんかい、2013ねん3がつ25にち、1-18ぺーじISBN 978-4-13-062221-9 

関連かんれん文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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