この項目 こうもく では、魚 さかな について説明 せつめい しています。その他 た の用法 ようほう については「うつぼ 」をご覧 らん ください。
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名 めい 「
ウツボ 」は
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(2024年 ねん 6月 がつ )
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ウツボ (鱓(「魚偏 うおへん 」に「單 たん 」、本来 ほんらい はタウナギ を意味 いみ する漢字 かんじ ))は、ウナギ目 め ウツボ科 か (Muraenidae) に分類 ぶんるい される魚類 ぎょるい の総称 そうしょう 。日本 にっぽん ではその中 なか の一種 いっしゅ Gymnothorax kidako (Temminck et Schlegel , 1846 ) の標準 ひょうじゅん 和名 わみょう としても使 つか われる。
(動画 どうが ) ウツボ
温暖 おんだん な地域 ちいき の浅 あさ 海 うみ に生息 せいそく する海水 かいすい 魚 ぎょ で、鋭 するど い歯 は と大 おお きな口 くち を持 も つ大型 おおがた 肉食 にくしょく 魚 ぎょ でもある。
日本 にっぽん では南西諸島 なんせいしょとう 及 およ び、ここを通 とお り流 なが れる黒潮 くろしお が通 とお る海域 かいいき に多 おお くの種類 しゅるい が分布 ぶんぷ する。
和名 わみょう 「ウツボ」は、長 なが い体 からだ が矢 や を入 い れる容器 ようき 「靫 うつぼ 」(うつぼ)に似 に ているからという説 せつ [3] 、あるいは岩穴 いわあな に潜 ひそ む習性 しゅうせい から空洞 くうどう を意味 いみ する古語 こご 「うつほら」が転用 てんよう され「うつほ」を経 へ て「うつぼ」となったという説 せつ [4] もある。英語 えいご では "Moray " または "Moray eel " と呼 よ ばれる[5] 。
ウツボ類 るい の咽頭 いんとう 顎 あご 。口 くち を開 あ けると咽頭 いんとう 顎 あご が前 まえ に出 で る
大 おお きさは全長 ぜんちょう 20センチから4メートルまで幅広 はばひろ いが、全長 ぜんちょう 1メートル前後 ぜんこう の種類 しゅるい が多 おお い[要 よう 出典 しゅってん ] 。他 た のウナギ目 め 魚類 ぎょるい 同様 どうよう に体 からだ は前後 ぜんご に細長 ほそなが い円筒 えんとう 形 がた で、腹 はら 鰭 ひれ が退化 たいか し、背鰭 せびれ ・尾鰭 おびれ ・臀 しり 鰭 ひれ が一 いち 繋 つな がりになっている。ただしウツボ類 るい の体 からだ はいくらか上下 じょうげ に平 ひら たいものが多 おお く、腹 はら 鰭 ひれ のみならず胸 むね 鰭 ひれ も退化 たいか している[6] 。体 からだ 色 しょく は種 しゅ によって様々 さまざま で、多 おお くは生息 せいそく 環境 かんきょう に応 おう じた保護 ほご 色 しょく として地味 じみ な色 いろ をしているが、トラウツボのように単体 たんたい で見 み ると派手 はで な紋様 もんよう をもつものもある。中 なか にはハナヒゲウツボ のように鮮 あざ やかな体 からだ 色 しょく のものもいる。
口 くち は大 おお きく目 め の後方 こうほう まで達 たっ し、鋭 するど い歯 は が発達 はったつ する。種類 しゅるい によっては鼻先 はなさき が湾曲 わんきょく し、口 くち を完全 かんぜん に閉 と じることができないものもいる。なおウツボ類 るい は獲物 えもの を捕 とら えるための口 くち 顎 あご の奥 おく に、食 た べたものを食道 しょくどう に進 すす めるための「咽頭 いんとう 顎 あご 」を持 も っている。また魚 さかな の鼻孔 びこう は左右 さゆう に2対 たい あるが、ウツボ類 るい は2対 つい の鼻孔 びこう が鼻先 はなさき と目 め の近 ちか くに離 はな れてついている。鼻孔 びこう が管状 かんじょう に伸 の びた種類 しゅるい が多 おお く、ハナヒゲウツボでは花 はな びら状 じょう にもなる。鰓 えら 孔 あな は小 ちい さく目立 めだ たない。皮膚 ひふ は厚 あつ く、体 からだ のみならず鰭 ひれ までも覆 おお う[6] 。鱗 うろこ は微小 びしょう で皮下 ひか に埋 うず もれる。
キイロハギ に食 く いついたウツボの一種 いっしゅ (Gymnothorax undulatus )夜間 やかん 、マウイ島 とう 沿岸 えんがん の海中 かいちゅう にて撮影 さつえい
全 すべ てが温暖 おんだん な地域 ちいき の浅海 せんかい に生息 せいそく し、特 とく にサンゴ礁 さんごしょう や岩礁 がんしょう に生息 せいそく する種類 しゅるい が多 おお い。一部 いちぶ の種類 しゅるい はマングローブ を含 ふく む汽水域 すいいき や淡水 たんすい 域 いき にも侵入 しんにゅう する。表皮 ひょうひ が湿 しめ っていれば粘膜 ねんまく を介 かい した皮膚 ひふ 呼吸 こきゅう によって30分 ふん ほどは水中 すいちゅう でなくても活動 かつどう が可能 かのう なので(日本 にっぽん に居 い る種 たね でも)、強力 きょうりょく な嗅覚 きゅうかく で、潮 しお 溜 た まり に這 は い上 あ がって小 しょう 魚 さかな を狩 か ったり、岩場 いわば で魚 さかな をさばいている釣 つ り人 じん のところへ上 あ がってきたりすることがあり、注意 ちゅうい を要 よう する。
基本 きほん 的 てき には巣 す 穴 あな からあまり動 うご かず、岩 いわ 陰 かげ や洞窟 どうくつ に潜 ひそ んで獲物 えもの を待 ま ち伏 ぶ せるが、夜 よる になると海底 かいてい 近 ちか くを泳 およ ぎ回 まわ ることもある。食 しょく 性 せい は肉食 にくしょく 性 せい で、魚類 ぎょるい ・甲殻 こうかく 類 るい ・頭 あたま 足 あし 類 るい などの小 しょう 動物 どうぶつ を大 おお きな口 くち で捕食 ほしょく する。特 とく にタコ 類 るい にとっては有力 ゆうりょく な天敵 てんてき の一 ひと つとなっている[6] 。またテトラポッド や岩礁 がんしょう の食物 しょくもつ ピラミッドの頂点 ちょうてん である。
自分 じぶん より大 おお きな敵 てき が近 ちか づいた時 とき は大 おお きな口 くち を開 あ けて威嚇 いかく し、それでも敵 てき が去 さ らない場合 ばあい は咬 か みつく。毒 どく はないが歯 は は鋭 するど く顎 あご の力 ちから も強 つよ いので、人間 にんげん が咬 か みつかれると深手 ふかで を負 お うことになる。ウツボ類 るい の分布 ぶんぷ 域 いき では、潜水 せんすい や釣 つ り などの際 さい に十分 じゅうぶん な注意 ちゅうい が必要 ひつよう である。ただし見 み た目 め のイメージと違 ちが い臆病 おくびょう な所 ところ もあり、人間 にんげん の側 がわ から無用 むよう な攻撃 こうげき や接近 せっきん をしない限 かぎ りは積極 せっきょく 的 てき に噛 か み付 つ いてくることは少 すく ない。潜水 せんすい 中 ちゅう にウツボと遭遇 そうぐう した際 さい にはゆっくりと離 はな れれば攻撃 こうげき を受 う けることは少 すく ない。またダイバー が魚 さかな の切身 きりみ や魚肉 ぎょにく ソーセージ等 ひとし の餌 えさ を見 み せると、巣 す 穴 あな から出 で てきてそれに喰 く らいつくことがある。ダイバーに慣 な れたウツボの中 なか には巣 す 穴 あな から出 で てきて餌 えさ をねだったりする行動 こうどう も見 み られる。
他 た の動物 どうぶつ にとっては危険 きけん な肉食 にくしょく 魚 ぎょ ではあるが、ウツボ類 るい の周囲 しゅうい にはオトヒメエビ 、アカシマシラヒゲエビ 、ゴンズイ の若 わか 魚 さかな [7] 、ホンソメワケベラ [7] などの小 しょう 動物 どうぶつ が見 み られる。これらはウツボ類 るい の皮膚 ひふ 表面 ひょうめん や口 くち の中 なか の寄生虫 きせいちゅう を掃除 そうじ することでウツボ類 るい と相 あい 利 り 共生 きょうせい しており、ウツボ類 るい もこれらの小 しょう 動物 どうぶつ を捕食 ほしょく することはまずない。
また、イセエビ 類 るい とも相 あい 利 り 共生 きょうせい の関係 かんけい にあり、この場合 ばあい は、イセエビは天敵 てんてき であるタコから守 まも ってもらえ、ウツボの方 ほう は大 だい 好物 こうぶつ のタコがイセエビに吊 つ られて自分 じぶん から寄 よ ってきてくれるというものとなっている。
サンゴ礁 さんごしょう 付近 ふきん ではハタ類 るい と協力 きょうりょく して狩 か りを行 おこな うことも報告 ほうこく されている。またウツボ類 るい の食事 しょくじ のおこぼれにあずかろうと多 おお くの小 しょう 魚 さかな がウツボの採 と 餌 えさ についていくといった行動 こうどう も観察 かんさつ されている。
背鰭 せびれ と尻 しり 鰭 ひれ が体 からだ の大半 たいはん に及 およ ぶウツボ亜 あ 科 か と、鰭 ひれ が尾端 びたん 部 ぶ だけにあるキカイウツボ亜 あ 科 か に分 わ けられる[6] 。
ナミダカワウツボ Echidna rhodochilus Bleeker, 1863
全長 ぜんちょう 30センチほどの小型 こがた 種 しゅ 。インド太平洋 たいへいよう 熱 ねつ 帯域 たいいき に分布 ぶんぷ するが、日本 にっぽん では西表島 いりおもてじま 周辺 しゅうへん だけで生息 せいそく が確認 かくにん されている。環境省 かんきょうしょう レッドリスト では、2007年 ねん 版 ばん で絶滅 ぜつめつ 危惧 きぐ IA類 るい (CR) に指定 してい された。
成魚 せいぎょ は全身 ぜんしん が紫 むらさき 褐色 かっしょく だが、生 い きているときは体 からだ 表 ひょう が淡 あわ 緑色 みどりいろ の粘液 ねんえき で覆 おお われる。和名 わみょう は目 め の下 した に白 しろ い斑点 はんてん があって涙 なみだ を流 なが しているように見 み えることと、汽水域 すいいき に生息 せいそく することに由来 ゆらい する[6] 。
大 おお きく口 くち を開 あ けたトラウツボ
トラウツボ Enchelycore pardalis (Temminck et Schlegel, 1846)
全長 ぜんちょう 90cmほど。鼻孔 びこう が管状 かんじょう に伸 の びて鼻先 はなさき と目 め の上 うえ に角 かく のように突 つ き出 で る。顎 あご が上下 じょうげ とも湾曲 わんきょく していて口 くち を完全 かんぜん に閉 と じられず、鋭 するど い歯 は を剥 む き出 だ しにする[6] 。また、全身 ぜんしん に黒褐色 こっかっしょく で縁 えん 取 と られた白 しろ い斑点 はんてん があるのも特徴 とくちょう で、ウツボよりも鮮 あざ やかな体 からだ 色 しょく をしている。
インド太平洋 たいへいよう の熱帯 ねったい ・温 ゆたか 帯域 たいいき に分布 ぶんぷ し、日本 にっぽん では本州 ほんしゅう 中部 ちゅうぶ 以南 いなん に分布 ぶんぷ するが、沖縄 おきなわ 本島 ほんとう 以南 いなん の琉球 りゅうきゅう 列島 れっとう には分布 ぶんぷ しない。
地方 ちほう によっては食用 しょくよう にする。標準 ひょうじゅん 和名 わみょう は高知 こうち 県 けん での呼 よ び名 な に由来 ゆらい し、他 た の地方 ちほう 名 めい としてジャウツボ(高知 こうち ・和歌山 わかやま 県 けん )、コメウツボ(和歌山 わかやま 県 けん )などがある[9] 。
ウツボ Gymnothorax kidako (Temminck et Schlegel, 1846)
全長 ぜんちょう 80センチほど。全身 ぜんしん は黒褐色 こっかっしょく と黄色 おうしょく のまだら模様 もよう だが、全体 ぜんたい 的 てき に見 み ると幅 はば の狭 せま い横 よこ しま模様 もよう となり、日本 にっぽん 産 さん ウツボ類 るい の中 なか では最 もっと も横 よこ しま模様 もよう が多 おお い。また、尻 しり 鰭 ひれ の縁 えん が白 しろ いことでよく似 に たミナミウツボ G. chilospilus Bleeker, 1865 と区別 くべつ できる。
本州 ほんしゅう 中部 ちゅうぶ 以南 いなん から台湾 たいわん 、南シナ海 みなみしなかい まで北西 ほくせい 太平洋 たいへいよう に広 ひろ く分布 ぶんぷ するが、奄美 あまみ 大島 おおしま 以南 いなん の琉球 りゅうきゅう 列島 れっとう には分布 ぶんぷ しない[6] とされたが、慶 けい 良 りょう 間 あいだ 諸島 しょとう にはごく稀 まれ だが分布 ぶんぷ している。
日本 にっぽん で単 たん に“ウツボ”と呼 よ ぶ場合 ばあい この種 たね を指 さ すことが一般 いっぱん 的 てき で、他 た の種 たね のウツボが混在 こんざい して生息 せいそく ・水揚 みずあ げされる地域 ちいき では「マウツボ(真 ま 鱓)」「ホンウツボ(本 ほん 鱓)」と呼 よ ばれることもある。
地方 ちほう によっては食用 しょくよう にする。ナマダ(東京 とうきょう )、ジャウナギ(伊豆半島 いずはんとう )、ヘンビ(和歌山 わかやま 県 けん )、ヒダコ(愛媛 えひめ 県 けん )、キダカ(鹿児島 かごしま 県 けん )など多 おお くの方言 ほうげん 呼称 こしょう がある[9] 。種 たね 小名 しょうみょう "kidako "は神奈川 かながわ 県 けん 三崎 みさき 地区 ちく や長崎 ながさき 県 けん での呼称 こしょう 「キダコ」に由来 ゆらい する。キダカやキダコといった地方 ちほう 名 めい は、気 き が荒 あら いことを表 あらわ す「気 き 猛 たけし 」に由来 ゆらい するとされる[3] 。
ドクウツボ
ドクウツボ Gymnothorax javanicus (Bleeker, 1859)
体長 たいちょう 3メートルの記録 きろく がある大型 おおがた 種 しゅ で、鰓 えら 孔 あな が黒 くろ いことで近 きん 縁 えん 種 しゅ と区別 くべつ できる。インド洋 いんどよう と太平洋 たいへいよう の熱 ねつ 帯域 たいいき に広 ひろ く分布 ぶんぷ し、日本 にっぽん では琉球 りゅうきゅう 列島 れっとう で見 み られる。
食用 しょくよう にもされるが名 な の通 とお り大型 おおがた 個体 こたい はシガテラ 毒 どく を持 も つことがある[6] 。
モヨウタケウツボ Pseudechidna brummeri (Bleeker, 1858–59)
全長 ぜんちょう 80cmほどで、他 た のウツボ類 るい よりも体 からだ が非常 ひじょう に細長 ほそなが い。頭部 とうぶ に小 ちい さな黒点 こくてん が散 ち らばり、体 からだ の割 わり に背鰭 せびれ が高 たか い。
西太平洋 にしたいへいよう からインド洋 いんどよう の熱 ねつ 帯域 たいいき に分布 ぶんぷ し、日本 にっぽん では琉球 りゅうきゅう 列島 れっとう に分布 ぶんぷ するが、捕獲 ほかく 例 れい は少 すく ない[6] 。
ハナヒゲウツボ Rhinomuraena quaesita Garman, 1888
全長 ぜんちょう 1.2メートルほどで、他 た のウツボ類 るい より体 からだ が比較的 ひかくてき 細長 ほそなが い。鼻先 はなさき の鼻孔 びこう が花 はな びら状 じょう に広 ひろ がり、さらに下 しも 顎 あご にも2本 ほん の細 ほそ い髭 ひげ 状 じょう 突起 とっき を持 も つ。
奄美 あまみ 大島 おおしま 以南 いなん の西太平洋 にしたいへいよう 熱 ねつ 帯域 たいいき に分布 ぶんぷ し、サンゴ礁 さんごしょう に生息 せいそく する[6] 。
雄 ゆう 性 せい 先 さき 熟 じゅく の性 せい 転換 てんかん をすることも知 し られ、全身 ぜんしん が黒 くろ くて背鰭 せびれ が白 しろ い若 わか 魚 さかな が、体 からだ が青 あお く口先 くちさき と背鰭 せびれ が黄色 おうしょく のオスに成長 せいちょう し、更 さら に全身 ぜんしん 黄色 おうしょく のメスに成長 せいちょう する。
オナガウツボ
オナガウツボ Strophidon sathete (Hamilton, 1822)
体長 たいちょう 4メートルの記録 きろく があり、ウツボ類 るい 最長 さいちょう の種類 しゅるい とされる。他 た のウツボ類 るい よりも体 からだ が細長 ほそなが く、体 からだ 色 しょく は淡 あわ 褐色 かっしょく をしている[要 よう 出典 しゅってん ] 。
インド洋 いんどよう および西太平洋 にしたいへいよう に分布 ぶんぷ し、泥 どろ 質 しつ の海底 かいてい や河口 かこう 域 いき に生息 せいそく するが、内湾 ないわん や河川 かせん でみられることもある[10] 。
釣 つ り や延縄 はえなわ 、各種 かくしゅ の網 あみ など沿岸 えんがん 漁業 ぎょぎょう で漁獲 ぎょかく されることがあるが、鋭 するど い歯 は で網 あみ や釣 つ り糸 いと を切断 せつだん したり、暴 あば れて網 あみ をもつれさせたりする上 じょう 、水揚 みずあ げしても咬 か みついてくる危険 きけん が大 おお きいので十分 じゅうぶん に注意 ちゅうい を要 よう する。釣 つ り上 あ げた場合 ばあい には道 みち 糸 いと ごと切断 せつだん して逃 に がす釣 つ り人 じん もいる[11] 。
生息 せいそく するほとんどの地域 ちいき では利用 りよう されないが、食用 しょくよう にする地域 ちいき も各地 かくち に点在 てんざい する[9] 。日本 にっぽん では南 みなみ 房総 ぼうそう ・紀伊 きい 半島 はんとう ・四国 しこく ・九州 きゅうしゅう ・沖縄 おきなわ 、中国 ちゅうごく では福建 ふっけん 省 しょう ・広東 かんとん 省 しょう ・海南 かいなん 省 しょう などでウツボ漁 りょう が行 おこな われている。多 おお くは長 なが い筒 つつ 状 じょう の筌 (うけ)を多数 たすう 海底 かいてい に沈 しず めて漁獲 ぎょかく し、この中 なか に餌 えさ を入 い れて誘 さそ い込 こ む場合 ばあい もある。これらの筌は地方 ちほう によって「うつぼ篭 かご 」「戻 もど り篭 かご 」「もんどり」などと呼 よ ばれる。地域 ちいき によって食用 しょくよう にする種 たね には違 ちが いがある。ウツボ属 ぞく の魚 さかな でも骨 ほね などが多 おお く食用 しょくよう に適 てき さない種類 しゅるい やドクウツボのようにシガテラ 毒 どく を持 も つものもおり、大型 おおがた 個体 こたい を食用 しょくよう にする際 さい は咬 か みつきに加 くわ え中毒 ちゅうどく にも注意 ちゅうい が必要 ひつよう となる。
厚 あつ い皮 かわ と小骨 こぼね があって調理 ちょうり に手間 てま がかかるが、白身 しろみ で美味 びみ とされている。ハモ と同様 どうよう に骨 ほね 切 ぎ り を行 おこな うことが多 おお い。地方 ちほう により食 た べ方 かた も異 こと なる。日本 にっぽん ではウツボ、ドクウツボ 、トラウツボ などを漁獲 ぎょかく し、刺身 さしみ 、湯引 ゆび き 、たたき 、干物 ひもの 、蒲焼 かばやき 、煮 に 魚 ぎょ 、鍋 なべ 料理 りょうり 、天 てん ぷら 、佃煮 つくだに などで食用 しょくよう にする[6] [11] [12] 。千葉 ちば 県 けん 館山 たてやま 市 し 相浜 あいはま 地区 ちく では、房州 ぼうしゅう 弁 べん で「ナマダ」と呼 よ ばれ、開 ひら いてタワシ でこすったあと、塩漬 しおづ けして天 てん 日干 ひぼ しにする[13] 。和歌山 わかやま 県 けん 南部 なんぶ では正月 しょうがつ 料理 りょうり の食材 しょくざい として珍重 ちんちょう される。すさみ町 まち ではウツボの干物 ひもの を千切 せんぎ りにして唐揚 からあ げ にした後 のち 、水飴 みずあめ と醤油 じょうゆ のタレ を絡 から ませたウツボの揚 あ げ煮 に が間食 かんしょく 的 てき に食 た べられているが、サビウツボ やワカウツボ など、他 た の種 たね は小骨 こぼね が多 おお いなどの理由 りゆう で食用 しょくよう にされない[4] 。中国 ちゅうごく の広東 かんとん 料理 りょうり ではアセウツボ やマメウツボ などを「油 あぶら 追 おい 」(ヤウジョイ yau4jeui1)と称 しょう し、唐揚 からあ げやスープ などにする。
食用 しょくよう 以外 いがい にも、厚 あつ く丈夫 じょうぶ な皮膚 ひふ をなめし、皮革 ひかく として利用 りよう することがある[9] 。また、体 からだ 色 しょく が多種 たしゅ 多彩 たさい なこと、大 おお きな威嚇 いかく の動作 どうさ をすること、共生 きょうせい 動物 どうぶつ が多 おお いこと、前述 ぜんじゅつ したように餌 えさ に釣 つ られることなどから、スキューバダイビング などでは観察 かんさつ や撮影 さつえい の対象 たいしょう となりやすい。
フグ毒 どく への耐 たい 性 せい [ 編集 へんしゅう ]
ウツボは上記 じょうき のようにさまざまな海洋 かいよう 生物 せいぶつ を捕食 ほしょく するが、2020年 ねん には産卵 さんらん で海岸 かいがん に押 お し寄 よ せたクサフグ を襲 おそ う姿 すがた が頻繁 ひんぱん に確認 かくにん されるようになった。そこで、クサフグを丸呑 まるの みにした個体 こたい を広島大学 ひろしまだいがく が解析 かいせき したところ、その消化 しょうか が進 すす む胃 い の内壁 ないへき からフグ毒 どく が検出 けんしゅつ されたため、ウツボはフグ毒 どく への耐 たい 性 せい を持 も ち、フグを餌 えさ としている可能 かのう 性 せい が高 たか いという[14] 。
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