ヌン

ヌン Nun
原初げんしょの神かみ
水みずの神かみヌン Naunet and Nun
ヒエログリフ表記ひょうき	NuNaunet
信仰しんこうの中心地ちゅうしんち	ヘリオポリス ヘルモポリス
配偶はいぐう神しん	なし
親おや	なし （オグドアドに数かぞえられる場合ばあい、ヌンの女性じょせい名めいナウネトを伴侶はんりょとする）
兄弟きょうだい	なし
子供こども	アトゥム

ヌン（Nun）は、エジプト神話しんわにおける原初げんしょの神かみ。オグドアドの一いち柱はしら。

概要がいよう

「原初げんしょの水みず」と呼よばれ、あらゆる存在そんざいの起源きげんとされる。また、ヌンの名なはアトゥムの立たつ大地だいち「原初げんしょの丘おか」も指さす。ヘリオポリス創世そうせい神話しんわにおいて、ヌンの中なかから意志いしの力ちからによって創造そうぞう神しんアトゥムが誕生たんじょうしたと語かたられる。後のちにアトゥムとラーが習合しゅうごうしたことにより、ラーはヌンの中なかから意志いしの力ちからによって生うまれたという神話しんわも存在そんざいする。ヘルモポリス創世そうせい神話しんわにおいても、ヌンの名なは登場とうじょうし、こちらでは八神はっしん一体いったいの神かみ々オグドアドの一員いちいんとして語かたられている。

この名前なまえは、コプト語ごの Ⲛⲟⲩⲛ「abyss; deep」とも比較ひかくされている。

名前なまえは表音ひょうおん文字もじ nw

を3つ重かさねたものに決定けってい詞し「空そら」

および「水みず」

を加くわえることで表あらわされる。 表音ひょうおん文字もじ nn

もまた用もちいられる。

信仰しんこう

太陽たいようの神かみラーの舟ふねを支ささえるヌン

古代こだいエジプトにおいて、来世らいせと関かかわりを持もたないとされた死産しざんした赤あかん坊ぼうや罪人ざいにんの魂たましいはヌンのもとに送おくられ、死者ししゃの魂たましいが還かえる場所ばしょと信しんじられていた。

関連かんれん文献ぶんけん

• EAウォリスバッジ 、エジプト人じんの神かみ々：または、エジプト神話しんわの研究けんきゅう（1904）、vol。 1、283f。

関連かんれん項目こうもく

• クク - 原初げんしょの空間くうかんの神格しんかく化か、闇やみの神かみともされる。オグドアドでは対たいにカウケトが存在そんざいし、夜よると昼ひるをもたらす神かみとされる。

ヘリオポリス創世そうせい神話しんわ

• アトゥム - ヌンから生うまれた創造そうぞう神しん。
• ラー - アトゥムと習合しゅうごうした太陽たいよう神しん。

ヘルモポリス創世そうせい神話しんわ

• オグドアド - ヘルモポリスにおいて崇拝すうはいされた八はち柱はしらの神かみ々。

他た

• アブズ
• ベンベンストーン
• ノア
• マヌ語ご（ヒンズひんずー教きょう）
• ダヌ語ご（アスラ）
• テホム