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ウプウアウト

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ウプウアウト
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wpN31
t Z2ss
E18

ウプウアウトまたは、ウェプワウェト(Wepwawet, Upuaut, Wep-wawet, Wepawet, Ophois)は、後期こうきエジプト神話しんわにおける軍神ぐんしん

概要がいよう

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オオカミ姿すがたをしている。信仰しんこう中心ちゅうしんだったアシュートのギリシアめいであるリコポリス (Lycopolis) は「オオカミの都市とし」を意味いみしている。

そのは「みちひらもの」を意味いみする[1]軍隊ぐんたい進軍しんぐんするのにてきしたみちさが偵察ていさつ役目やくめたしたという解釈かいしゃくもある。

オオカミのようにありたいとかんがえたファラオ象徴しょうちょうとしてウプウアウトを使つかはじめ、のちにファラオにまつわる縁起物えんぎものとして神格しんかくされたものとみられる。またファラオの狩猟しゅりょうしたがったといわれ、その能力のうりょくから「かみよりも強力きょうりょくするど」としょうされた。

やがて戦争せんそう結果けっかとしてともむすけられ、死者ししゃたましい冥界めいかいへとみちびくためのみちひらものられるようになっていった。オオカミはジャッカルているため、ウプウアウトはアヌビスともむすけられるようになった。アヌビスはアシュートでも信仰しんこうされており、ウプウアウトはアヌビスの息子むすことされるようになった。

またウプウアウトをジャッカルだと場合ばあいがあり、結局けっきょくアヌビスと混同こんどうされることがおおくなり、セト息子むすこといわれるようにもなった[1]

信仰しんこう

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その信仰しんこう中心ちゅうしんは、うえエジプトアシュート(ヘレニズムからローマぞくしゅう時代じだいにかけてはリコポリスとばれた)だった。

シナイ半島しないはんとうつかったある碑文ひぶんでは、ウプウアウトがおうセケムケトだい3王朝おうちょう)の勝利しょうりのために「みちひらいた」としるしている[1]アビドスにあるセティ1せい神殿しんでんにはウプウアウトがられる[1]

ウプウアウト。

後期こうき古代こだいエジプト美術びじゅつにおいて、ウプウアウトはオオカミやジャッカルの姿すがた、オオカミやジャッカルが頭部とうぶ人間にんげん姿すがたえがかれている。ジャッカルの姿すがたえがかれる場合ばあいも、元々もともとがオオカミだったことを反映はんえいしてか、灰色はいいろまたはしろ毛皮けがわおおわれたかたちえがかれることがおおい。戦士せんし服装ふくそうえがかれる場合ばあいメイスゆみっている。

一般いっぱんにファラオを賛美さんびする目的もくてきのため、後期こうき神話しんわではウプウアウトがウアジェト聖域せいいきまれたという伝承でんしょう流布るふさせたといわれている。ウアジェトはしもエジプト最古さいこ守護神しゅごじんであり、その聖域せいいきしもエジプトの中心ちゅうしんにある。これによって、それまでうえエジプトでのみ信仰しんこうされていたウプウアウトがエジプト統一とういつ象徴しょうちょうとして王室おうしつ儀礼ぎれいまれた。

後期こうきピラミッド文書ぶんしょでは、ウプウアウトは「ラー」とばれている。これは、地平線ちへいせんからのぼってくる太陽たいよう天空てんくうを「ひらく」しゃたことに由来ゆらいするとかんがえられる[1]。また後期こうき葬送そうそう儀礼ぎれいでは、死者ししゃたましい冥界めいかいへとみちびくとされている[1]

脚注きゃくちゅう出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e f Pat Remler, Egyptian Mythology A to Z: A Young Readers Companion, Facts on File Inc., 2000. p.170