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フェルドーンの法則ほうそく

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

フェルドーンの法則ほうそく(フェルドーンのほうそく、えい: Verdoorn's law)は、長期ちょうきてきには生産せいさんせい生産せいさんりょう平方根へいほうこん比例ひれいして増加ぞうかするという法則ほうそく[1]。オランダの経済けいざい学者がくしゃペトルス・ヨハネス・フェルドールン由来ゆらいする。この法則ほうそくによれば、生産せいさんりょう加速度かそくどてき増加ぞうか生産せいさんせい改善かいぜんする。フェルドールンは、「長期ちょうきてきには、たとえば生産せいさんりょうやく10%増加ぞうかすると、労働ろうどう生産せいさんせいが4.5%増加ぞうかする」とべた[1]やく0.5のフェルドールン係数けいすうは、その実証じっしょう研究けんきゅうでも観察かんさつされている[2]日本語にほんごではバードーンの法則ほうそくとも記述きじゅつされることがある[3]

概要がいよう[編集へんしゅう]

フェルドールンの法則ほうそくは、生産せいさんせい生産せいさんりょうあいだ長期ちょうきてきせい相関そうかん関係かんけいのことであり、その相関そうかん係数けいすうは1949ねんにオランダの経済けいざい学者がくしゃのフェルドールンに推定すいていされた。

ここで、労働ろうどう生産せいさんせい成長せいちょうりつ生産せいさんりょう(あるいは付加ふか価値かち)の成長せいちょうりつはフェルドールン係数けいすうそとせいてき生産せいさんせい成長せいちょうである[4]

フェルドールンの法則ほうそくは、しん古典こてん成長せいちょうモデル (とくソロー=スワン・モデル英語えいごばん) で示唆しさされる「生産せいさんせい向上こうじょうおも科学かがく技術ぎじゅつ進歩しんぽによって説明せつめいされる」[5]という仮説かせつとはことなるかんがかたである。フェルドールンの法則ほうそく通常つうじょう成長せいちょう累積るいせき因果いんがモデルと関連かんれんしており、供給きょうきゅうがわではなく需要じゅようがわ蓄積ちくせき要因よういんとなる。

ニコラス・カルドアトニー・サールウォール英語えいごばんは、フェルドールンの法則ほうそくもとづいて輸出ゆしゅつ主導しゅどうがた成長せいちょうモデルを提示ていじした。輸出ゆしゅつ部門ぶもん拡大かくだいにより、輸出ゆしゅつ製品せいひん生産せいさん拡大かくだいし、生産せいさんせい改善かいぜんし、輸出ゆしゅつ部門ぶもん労働ろうどうしゃのスキルレベルが向上こうじょうする可能かのうせいがある。これにより、生産せいさんせいひく貿易ぼうえき部門ぶもんからより生産せいさんせいたか輸出ゆしゅつ部門ぶもんへの資源しげんさい配分はいぶん貿易ぼうえきざい価格かかく低下ていか国際こくさい競争きょうそうりょく向上こうじょうにつながる可能かのうせいがある。この生産せいさんせい変化へんかは、輸出ゆしゅつ拡大かくだい生産せいさんりょう増加ぞうかにつながる可能かのうせいがある。

トニー・サールウォールは、GDP成長せいちょうりつが「輸入ゆにゅう需要じゅよう所得しょとく弾力だんりょくせいたいする輸出ゆしゅつ成長せいちょうりつ比率ひりつ」をえることはないとしている。これは、GDPの成長せいちょう国際こくさい収支しゅうし均衡きんこうによって制限せいげんされることを意味いみする。この結果けっかは、サールウォールの法則ほうそく英語えいごばんとしてられています。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b Verdoorn's Law”. 2009ねん6がつ17にち閲覧えつらん sourced from Verdoorn, P J (June 1980), “Verdoorn's Law in Retrospect: A Comment”, Economic Journal (Royal Economic Society) 90 (358): 382–85, doi:10.2307/2231798, JSTOR 2231798, https://jstor.org/stable/2231798 
  2. ^ Kaldor (1966), p. 289
  3. ^ 伊藤いとうただしあきら地域ちいき経済けいざい循環じゅんかん地域ちいき産業さんぎょうにおけるうちはつてき活性かっせい」『政經せいけい論叢ろんそうだい82かんだい3-4ごう明治大学めいじだいがく政治せいじ経済けいざい研究所けんきゅうじょ、2014ねん3がつ、39-87ぺーじCRID 1050294584548162560hdl:10291/16750ISSN 0387-3285 
  4. ^ Sidhu, Hina (December 1999). “Application of Verdoorn's Law to the Small Scale Sector in India”. The Indian Economic Journal 47 (2): 104–108. doi:10.1177/0019466219990211. ProQuest 1292995662. 
  5. ^ Kaldor (1966), p. 290