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ブラジルの経済けいざい

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブラジルの旗 ブラジルの経済けいざい
会計かいけい年度ねんど 1がつ1にち - 12月31にち
貿易ぼうえき機関きかん WTO, メルコスール南米なんべい諸国しょこく連合れんごう
経済けいざい統計とうけい
GDP (2008ねん名目めいもく 1ちょう9940おくドル(だい10[1]
一人ひとりたりGDP(2008ねん推定すいてい、PPP)[1] 10,200ドル(だい102
GDP成長せいちょうりつ(2008ねん[1] 5.1%
部門ぶもんべつGDP(2008ねん推定すいてい[1] だいいち産業さんぎょう (6.7%)
だい産業さんぎょう (28.0%)
だいさん産業さんぎょう (65.3%)
インフレりつ(2008ねん推定すいてい[1] 5.7%
貧困ひんこんせん未満みまん人口じんこう(2005ねん[1] 31%
家計かけい収入しゅうにゅうあるいは消費しょうひにおけるさい上位じょうい/最下位さいかいパーセンタイルの割合わりあい(2007ねん[1] さい上位じょうい10%パーセンタイル: 1.1%
最下位さいかい10%パーセンタイル: 43%、
労働ろうどう人口じんこう(2008ねん[1] 9,365まんにん
部門ぶもんべつ労働ろうどう人口じんこう(2003ねん[1] だいいち産業さんぎょう (20%)
だい産業さんぎょう (14%)
だいさん産業さんぎょう (66%)
失業しつぎょうりつ(2006ねん推定すいてい[1] 7.9%
貿易ぼうえき相手あいてこく[1]
輸出ゆしゅつ 1,979おくドル(2008ねん推定すいてい
主要しゅよう相手あいてこく(2008ねん アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく 17.8%
中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく 11.5%
アルゼンチン 8.6%
オランダ 4.9%
ドイツ 4.5%
輸入ゆにゅう 1,731おくドル(2008ねん推定すいてい
主要しゅよう相手あいてこく(2008ねん アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく 14.9%
中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく 11.6%
アルゼンチン 7.9%
ドイツ 7.0%
財政ざいせい状況じょうきょう
国庫こっこ借入金かりいれきん GDPの36.9%(2008ねん推定すいてい[1]
海外かいがい債務さいむ(2008ねんまつ[1] 2,629おくドル
外貨がいか準備じゅんび(2008ねんまつ[1] 2,940おくドル
歳入さいにゅう NA
歳出さいしゅつ NA
経済けいざい援助えんじょ (ODA)

ブラジルの経済けいざいは、輸出ゆしゅつ指向しこうがた自由じゆう主義しゅぎ経済けいざいである。ブラジル国内こくないそう生産せいさんは1ちょう8000おくドルを世界せかいだい8でかつラテンアメリカ最大さいだい経済けいざい大国たいこくである。1人ひとりあたりの国民こくみん所得しょとくは2007ねんには、ようやく6000ドルに到達とうたつした。鉱工業こうこうぎょう分野ぶんやでは、みなみアメリカの生産せいさんやく5ぶんの3をめている。ブラジルの科学かがく技術ぎじゅつ発展はってんは、外資がいし導入どうにゅう誘致ゆうちすることに成功せいこうし、2007年度ねんどには、200おくドルの資金しきん流入りゅうにゅう成功せいこうした。

概要がいよう[編集へんしゅう]

ブラジルにおける農業のうぎょう分野ぶんやもまた、ダイナミックな成長せいちょうげている。ここ20年間ねんかん農業のうぎょう分野ぶんやはブラジルでもっと発展はってんげた分野ぶんやであった。農業のうぎょう分野ぶんやくわえ、鉱業こうぎょう部門ぶもん両輪りょうりんがブラジル経済けいざい牽引けんいんするとともに、1970年代ねんだい以来いらい、ブラジル経済けいざいなやませてきた累積るいせき債務さいむ問題もんだい解消かいしょう貢献こうけんしてきた。

ブラジルは、様々さまざま経済けいざい組織そしき活躍かつやくしている。たとえば、メルコスール南米なんべい共同きょうどうたい (SACN)、G20 developing nations, G8+5であり、Cairns Groupばれる19カ国かこく構成こうせいされる農業のうぎょう輸出ゆしゅつこく組織そしきである。貿易ぼうえき相手あいてこくは100カ国かこく以上いじょうのぼり、輸出ゆしゅつひんの74%が工業こうぎょうあるいははん工業こうぎょう製品せいひんである。主要しゅよう貿易ぼうえき相手あいてこくは、ドイツオランダ中心ちゅうしんとする欧州共同体おうしゅうきょうどうたい国々くにぐに (26%)、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく (24%)、メルコスールおよびラテンアメリカ諸国しょこく (21%)、アジア (12%) である。

ブラジルの科学かがく技術ぎじゅつ多岐たきわたり、潜水せんすいかん航空機こうくうきにまでおよんでいる。航空機こうくうき産業さんぎょうでは近年きんねん世界せかいだい4航空機こうくうきメーカー・エンブラエルが、小型こがたジェット機じぇっときリージョナルジェット)の販売はんばいすうばしている。また、ブラジルの自動車じどうしゃ工業こうぎょうは、1973ねんオイルショック契機けいきに、バイオマスエタノール燃料ねんりょうとする自動車じどうしゃ生産せいさん発達はったつしており、2008ねん現在げんざい世界せかい唯一ゆいいつ商用しょうようベースでエタノール自動車じどうしゃ生産せいさん成功せいこうしている。

ブラジルは、海底かいてい油田ゆでん開発かいはつにも精力せいりょくてきであり、ペトロブラス大西おおにしひろし沖合おきあいの海底かいてい油田ゆでん探索たんさく成功せいこうすることで、世界せかいトップレベルの企業きぎょう成長せいちょうし、鉄鉱てっこうせきにおける外需がいじゅヴァーレリオ・ティントBHPグループならぶトップメジャーに成長せいちょうさせた。

歴史れきし[編集へんしゅう]

1500年代ねんだいに、ポルトガル植民しょくみんとなって以来いらい、1930年代ねんだい後半こうはんまでは、ブラジル経済けいざいだいいち産品さんぴん輸出ゆしゅつ依存いぞんしてきた。ポルトガルは、みずからの帝国ていこく主義しゅぎ政策せいさくもとづき、ブラジルを原料げんりょう供給きょうきゅう位置いちづけていた。

統計とうけいかぎり、ブラジル経済けいざい安定あんていてき成長せいちょうしたとは到底とうていない。1947ねん以降いこう1人ひとりあたりのGDPはびてはいるが、1995ねん時点じてんでは、4,630ドルぎなかった。1968ねんから1973ねんにかけて、「ブラジルの奇跡きせき」とばれる高度こうど経済けいざい成長せいちょう達成たっせいしたが、だいいちオイル・ショックによって、外貨がいか準備じゅんび払底ふっていし、つねに、累積るいせき債務さいむ問題もんだいがブラジル経済けいざい足枷あしかせになってきた。、2003ねん大統領だいとうりょう就任しゅうにんしたルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ存在そんざいおおきい。

産業さんぎょう[編集へんしゅう]

ブラジル経済けいざいもっとおおきな比重ひじゅうめるのが65%をめるサービス産業さんぎょうである。つづいて工業こうぎょう部門ぶもん (21%)、農業のうぎょう部門ぶもん (7%) となる。しかし、9,700まんにんほどの労働ろうどうりょく人口じんこうの19%が農業のうぎょう従事じゅうじしているてん特色とくしょくがある。

だいいち産業さんぎょう[編集へんしゅう]

農業のうぎょう食糧しょくりょう生産せいさん[編集へんしゅう]

ブラジルの農業のうぎょう

1950ねんから2005ねんの55年間ねんかんで、ブラジルの人口じんこうは5,100まんにんから1おく8,000まんにんまでえた。この増加ぞうかりつは、毎年まいとし2%の人口じんこう増加ぞうかである。このような食料しょくりょう需要じゅよう増大ぞうだい背景はいけいに、ブラジルは農業のうぎょう生産せいさん増大ぞうだいのために、様々さまざま政策せいさくってきた。「真正しんせいみどり革命かくめい」とばれる運動うんどう展開てんかいされ、農業のうぎょうビジネスふく合体がったい創出そうしゅつ可能かのうとなった。だが、農地のうち拡大かくだい一方いっぽうで、アマゾンをふく森林地帯しんりんちたい環境かんきょう破壊はかいをも容認ようにんしたというまけ側面そくめんもあった。

ブラジルの輸出ゆしゅつ品目ひんもく上位じょういはいるものは、2006ねん現在げんざいでは、大豆だいずおよ大豆だいず関連かんれん製品せいひん(94.7おくドル)、食肉しょくにく(86.4おくドル)、はやし産品さんぴん(78.8おくドル)、砂糖さとう・エタノール(77.7おくドル)とつづく。輸出ゆしゅつ金額きんがくは、494.2おくドルにたっし、ブラジルの輸出ゆしゅつ金額きんがくの36%をめる。

大豆だいずかんしてえば、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく生産せいさんりょうほこる。この数字すうじは、世界せかい生産せいさんりょうやく4ぶんの1をになっている。最近さいきん15年間ねんかん生産せいさんりょうは3.5ばい拡大かくだい(1,539まんトン⇒5,341まんトン)となっており、耕地こうち面積めんせきは、1990ねんには974まんヘクタールだったものが2005ねんには、2,273まんヘクタール拡大かくだいしており、面積めんせきあたり生産せいさんせいも1.5トン/ヘクタールから2.4トン/ヘクタールとおおきく上昇じょうしょうした。おも生産せいさんは、パラナしゅうリオ・グランデ・ド・スルしゅうマット・グロッソしゅうマト・グロッソ・ド・スルしゅうである。

食肉しょくにくかんしてえば、2006ねん時点じてんアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくぐ、だい2牛肉ぎゅうにく生産せいさんりょうほこる。欧米おうべいうし海綿かいめんじょう脳症のうしょう (BSE) 発生はっせいにより、ブラジルの食肉しょくにく輸出ゆしゅつおおきく飛躍ひやくした。鶏肉とりにくは、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく中国ちゅうごくだい3生産せいさんりょうながらも、輸出ゆしゅつりょうかんしては、世界せかい1世界せかいシェアの40%)をめる。ブラジルの鶏肉とりにく生産せいさんつよみは、ヨーロッパ、アジアとことなり、生産せいさんとりインフルエンザ被災ひさい地域ちいきよりも距離きょりてきはなれていること、伝播でんぱ原因げんいんわたどり主要しゅよう生産せいさんのブラジル中西部ちゅうせいぶから南部なんぶにかけて渡来とらいしないというてんつよみをっている。そのなか中心ちゅうしんてき役割やくわりたしているのが、JBS S.A.ブラジル・フーズである。牛肉ぎゅうにく加工かこう出発しゅっぱつしたJBSは、企業きぎょう買収ばいしゅう実施じっしすることで、豚肉ぶたにく鶏肉とりにく事業じぎょうにも参入さんにゅうした。サディアとペルジゴンの経営けいえい統合とうごうによって誕生たんじょうするブラジル・フーズは、世界せかい鶏肉とりにく貿易ぼうえきりょうの25%をあつか[2]

砂糖さとう生産せいさんりょう世界せかいだい1(シェア20%)ということもいまのブラジル経済けいざい強靭きょうじんにしている。サトウキビ生産せいさんりょうの3おく8248まんトンは、世界せかいだい1である。サンパウロしゅう中心ちゅうしん栽培さいばいされるサトウキビは、肥料ひりょうのみでの生育せいいく可能かのうであるてん、1つのなえで1年間ねんかんに5かい収穫しゅうかく可能かのうであること、連作れんさく障害しょうがいがないこともつよみである。さらにバイオマスエタノールたいして、世界せかいてき需要じゅよう見込みこめることはブラジルの農業のうぎょうにとってかぜとなっている。

林業りんぎょう[編集へんしゅう]

かつてのブラジルの林業りんぎょうは、ブラジルボク天然てんねんゴム生産せいさん中心ちゅうしんであったが、近年きんねん衰退すいたいアマゾン川あまぞんがわ流域りゅういき天然てんねんりん資源しげんとした木材もくざい生産せいさん中心ちゅうしんとなっている。2005ねんFAO調査ちょうさによれば、木炭もくたん年間ねんかん生産せいさんりょうは8.8ひゃくまんトンで世界せかい1薪炭しんたんざい生産せいさんりょうは138ひゃくまんトンで世界せかいだい3丸太まるた生産せいさんりょうは239ひゃくまんトンで世界せかいだい4となっている。1990年代ねんだい以降いこう東南とうなんアジアなど木材もくざい生産せいさんこくおおくが、合板ごうはんなど付加ふか価値かちたか商品しょうひん生産せいさん注力ちゅうりょくしたのにくらべ、ブラジル国内こくない生産せいさん構造こうぞう変化へんかすくない。一方いっぽう林業りんぎょう経営けいえい以外いがいでも農地のうち開発かいはつなどの森林しんりん伐採ばっさい需要じゅよう相当そうとうすう存在そんざいし、年々ねんねん森林しんりんりつ減少げんしょう一途いっと辿たどっている。

だい産業さんぎょう[編集へんしゅう]

鉱業こうぎょう[編集へんしゅう]

ブラジルは、鉱物こうぶつ資源しげん豊富ほうふくにである。およそ72種類しゅるい鉱物こうぶつ産出さんしゅつされることでられている。とくにブラジルの鉱業こうぎょうにおいて、重要じゅうようせいしているのが、鉄鉱てっこうせきである。鉄鉱てっこうせき産出さんしゅつりょう中国ちゅうごくについで、世界せかいだい2であり、国内こくないでの鉄鋼てっこう生産せいさん相当そうとう規模きぼにあるにもかかわらず、輸出ゆしゅつ余力よりょくおおきいてん注目ちゅうもくされている。中国ちゅうごく日本にっぽんはブラジルに鉄鉱てっこうせき依存いぞんしている。ブラジルで鉄鉱てっこうせき産出さんしゅつ輸出ゆしゅつになっているのがヴァーレであり、BHPグループリオ・ティントアングロ・アメリカンならぶ4だい鉱物こうぶつメジャーに成長せいちょうげた。そのブラジルの鉄鋼てっこう生産せいさんりょうは、3,091まんトンで世界せかいだい10規模きぼほこる。1958ねん設立せつりつされたウジミナスは、しん日本にっぽん製鉄せいてつからの技術ぎじゅつ供与きょうよけながら成長せいちょうしてきた。

ブラジルは、オイル・ショック経験けいけんかてに、石油せきゆ輸入ゆにゅう依存いぞん経済けいざいであった経済けいざい改革かいかくおこなってきた。2006ねんには、ブラジル経済けいざい石油せきゆ自給じきゅう達成たっせい宣言せんげんし、ついには、石油せきゆ輸出ゆしゅつができるようになった。このことはペトロブラス中心ちゅうしんとする企業きぎょう大西おおにしひろし沖合おきあい(とくに、リオデジャネイロしゅう沖合おきあいのカンポス海域かいいき)における海底かいてい油田ゆでん探索たんさく貢献こうけんおおきい。カンポス海域かいいき深海しんかい油田ゆでん海底かいていやく2,000m以上いじょうであり、ブラジルの石油せきゆ生産せいさんやく7わりになっている。

それ以外いがい鉱物こうぶつ資源しげんで、世界せかいにおける埋蔵まいぞうりょうのシェアの上位じょういならべるとニオブ (96.4%)、タンタル (46.5%)、グラファイト (28.3%)、スズ (12.4%) となる。また、マンガンアルミニウムニッケルマグネシウムなども豊富ほうふ埋蔵まいぞうりょうほこっている。

工業こうぎょう[編集へんしゅう]

セルトンジーニョに所在しょざいするバイオマスエタノール工場こうじょう(ブラジル)

ブラジルは、ラテンアメリカにおいて、もっと発達はったつした工業こうぎょうこく側面そくめんもある。ブラジルの工業こうぎょう分野ぶんやは、自動車じどうしゃ鉄鋼てっこう石油せきゆ化学かがくコンピュータ航空機こうくうきおよぶ。経済けいざい発展はってんするにつれて、ブラジルおよ国籍こくせき企業きぎょう設備せつび投資とうし活発かっぱつしてきた。

ブラジルにおける自動車じどうしゃ工業こうぎょう中心ちゅうしんは、歴史れきしてきサンパウロしゅう集中しゅうちゅうしていたが、徐々じょじょにサンパウロしゅう以外いがいでの生産せいさん活発かっぱつとなっている。1990年代ねんだいには、フォード・モーターバイーアしゅう進出しんしゅつ開始かいしし、もともとブラジルの石油せきゆ化学かがく工業こうぎょう中心ちゅうしんであったこのしゅうでは、タイヤ産業さんぎょう発展はってんはじめている。ブリヂストンピレリといったタイヤ・メーカーの進出しんしゅつはじまっている。ブラジル国内こくないのシェアは、フォルクスワーゲンゼネラルモーターズフィアット国内こくない販売はんばい台数だいすうやく7わり生産せいさんしている。

ブラジルの自動車じどうしゃ工業こうぎょう特色とくしょくとして、ガソリンに25%のエタノール混合こんごうしたE25を使用しようした自動車じどうしゃ生産せいさん展開てんかいされていることである。フレックス燃料ねんりょうシステム搭載とうさいした自動車じどうしゃは、ボッシュなどが開発かいはつし、1990年代ねんだいには実用じつよう成功せいこうしていたが、実際じっさいに、商用しょうようベースに成功せいこうしたのは、フォルクスワーゲンのゴルフ採用さいようされたことにその理由りゆうをもとめることができる。

ブラジルにおける自動車じどうしゃ工業こうぎょうには地場じば資本しほん活躍かつやくしている。リオグランデ・ド・スルしゅう本社ほんしゃマルコポーロは、ボルボ、フォルクスワーゲンが製造せいぞうした基本きほん構造こうぞううえに、ボディーや座席ざせきせる車体しゃたいメーカーであり、2009ねん現在げんざいでは、ブラジルにおけるバス市場いちば25,000だいのうちのやく4わりめ、海外かいがいにも進出しんしゅつしている[3]

ブラジルにおける電気でんき電子でんし産業さんぎょうおおくはサンパウロしゅうマナウス集中しゅうちゅうしている。モトローラLG電子でんしサムスン電子でんし携帯けいたい電話でんわなどを生産せいさんしている。とくに、マナウスには、1967ねん自由じゆう貿易ぼうえき地域ちいき(ZFM)がもうけられており、様々さまざまぜいてきインセンティブがあたえられている。テレビDVDプレーヤーといったオーディオ製品せいひんなどを製造せいぞうする企業きぎょうはマナウスに進出しんしゅつする傾向けいこうたかく、ホンダソニーパナソニックといった日系にっけい企業きぎょうのみならず、フィリップスノキア工場こうじょう進出しんしゅつさせている。

飛行機ひこうき産業さんぎょうは、2000年代ねんだい以降いこうエンブラエルしゃ生産せいさんするてい価格かかく小型こがたがヒットし、周辺しゅうへん産業さんぎょうふくめて発展はってんつづけている。

発電はつでん[編集へんしゅう]

よるのイタイプダム

ブラジルの電力でんりょくおおくは、水力すいりょく発電はつでん依存いぞんしていて、国内こくない電力でんりょく需要じゅようの92%をまかなっている。発電はつでんりょうやく58,000メガワットであり、そのうち、世界せかい最大さいだいのダムになるパラナがわ水系すいけいイタイプダムでの発電はつでんりょうは12,600メガワットになる。さらに、リオデジャネイロ郊外こうがいには、アングラ原子力げんしりょく発電はつでんしょがあり10ねん以上いじょう稼動かどう実績じっせきがある。アングラだい2発電はつでんしょは、2002ねん完成かんせいし、アングラだい3発電はつでんしょは2008ねん完成かんせい予定よていである。この3つの発電はつでんしょ稼動かどうすることにより、電力でんりょく供給きょうきゅうりょうは5,000メガワットの増加ぞうか計画けいかくしている。

だいさん産業さんぎょう[編集へんしゅう]

金融きんゆうぎょう[編集へんしゅう]

ブラジルにおいて、金融きんゆうぎょう銀行ぎんこう主役しゅやくである。2007ねん勃発ぼっぱつしたサブプライムローン問題もんだい以降いこう先進せんしんこく金融きんゆう機関きかん破綻はたん、あるいは事実じじつじょう国有こくゆう自己じこ資本しほん毀損きそんせまられるなかで、もともと、国内こくない高金利こうきんり政策せいさく背景はいけいに、ブラジルの金融きんゆう機関きかんサブプライムローンへの投資とうしをほとんどしてこなかったことから、自己じこ資本しほんはまったくいたんでおらず、健全けんぜんである。そのなかでも、2008ねんにバンコ・イタウとウニバンコが合併がっぺいして誕生たんじょうしたイタウ・ウニバンコバンコ・ブラデスコブラジル銀行ぎんこうバンコ・サンタンデール・ブラジルが4だい銀行ぎんこうとして君臨くんりんする。2009ねん10月、バンコ・サンタンデール・ブラジルがニューヨーク証券しょうけん取引とりひきしょBM&F Bovespa株式かぶしき新規しんき公開こうかいしたが、調達ちょうたつした金額きんがくは、2009年度ねんどちゅう新規しんき公開こうかいでは最大さいだい規模きぼの114おくレアル(やく6,000おくえん)であり、このことが2016ねんリオデジャネイロオリンピック開催かいさい決定けっていというタイミングとあいまって、レアルへの資金しきん流入りゅうにゅう金融きんゆう取引とりひきぜい導入どうにゅうみちびいた[4]。4だい銀行ぎんこうのうち、ブラジル銀行ぎんこうのぞく3ぎょうがニューヨーク証券しょうけん取引とりひきしょ米国べいこく預託よたく証券しょうけんというかたち上場じょうじょうさせている。

通信つうしんぎょう[編集へんしゅう]

石油せきゆはペトロブラス、航空機こうくうき製造せいぞうはエンブラエルといったように、かつてのブラジルも通信つうしん事業じぎょうテレブラス独占どくせんであった。しかし、ぜん2しゃ民営みんえい実施じっししたように、テレブラスも分割ぶんかつ民営みんえいされた。通信つうしん事業じぎょう民営みんえい実施じっしされたのは、1998ねんのことであり、"Baby Bras"とばれる12しゃ分割ぶんかつされた。テレブラスの民営みんえいさいには、外資がいし積極せっきょくてき導入どうにゅうはかられ、スペインテレフォニカイタリアテレコム・イタリア・モービレ参入さんにゅうしている。また、12しゃ分割ぶんかつも、業界ぎょうかいない再編さいへんはめまぐるしく、Oiブランドで、携帯けいたい電話でんわ・インターネット事業じぎょうがけるテレマール・ノルテ・レステは、2009ねんに、固定こてい電話でんわがけていたブラジル・テレコム買収ばいしゅう完了かんりょうした。

そらうんぎょう[編集へんしゅう]

ブラジルには、かつて、ナショナル・フラッグの地位ちいめていたヴァリグ・ブラジル航空こうくうという航空こうくう会社かいしゃ存在そんざいした。しかし、ゴル航空こうくう(GOL)をはじめとする格安かくやす航空こうくう会社かいしゃやローカル路線ろせんから国内こくない幹線かんせん参入さんにゅうしたTAM航空こうくう(TAM)が台頭たいとうするなかで、ヴァリグは、2005ねん倒産とうさんし、ゴル航空こうくう子会社こがいしゃとして再建さいけんすすめている。現在げんざい、ブラジルのそらにぎるのはTAMとGOLの2しゃである。TAMは2008ねんスターアライアンス加盟かめいし、ヴァリグ退会たいかい以降いこう、スターアライアンスにとっての空白くうはく地帯ちたいであった南米なんべい地域ちいき航空こうくうネットワークをになう。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n CIA FACT BOOK”. 2009ねん10がつ3にち閲覧えつらん
  2. ^ 日経にっけいヴェリタス』 2009ねん12月6にち~12にちごう(だい91ごう) p.55 「再編さいへんすす世界せかい企業きぎょう続々ぞくぞく
  3. ^ 日経にっけいヴェリタス』 2009ねん12月6にち~12にちごう(だい91ごう) p.55 「バス製造せいぞう大手おおてマルコポーロ、海外かいがい8ヵ国かこく拠点きょてん
  4. ^ 日経にっけいヴェリタス』 2009ねん12月6にち~12にちごう(だい91ごう) p.56 「ルラ大統領だいとうりょう、「バブルこさない」」

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 二宮にのみや康史やすし『ブラジル経済けいざい基礎きそ知識ちしきJETRO、2007ねん 

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]