アカミミガメ

アカミミガメ
キバラガメ Trachemys scripta scripta
保全ほぜん状じょう況きょう評価ひょうか
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類ぶんるい
ドメイン : 真ま核かく生物せいぶつ Eukaryota 界さかい : 動物界どうぶつかい Animalia 門もん : 脊索せきさく動物どうぶつ門もん Chordata 亜あ門もん : 脊椎動物せきついどうぶつ亜あ門もん Vertebrata 綱つな : 爬虫綱つな Reptilia 目め : カメ目め Testudines 亜あ目め : 潜せん頸亜目め Cryptodira 上うえ科か : リクガメ上うえ科か Testudinoidea 科か : ヌマガメ科か Emydidae 亜あ科か : アミメガメ亜あ科か Deirochelyinae 属ぞく : アカミミガメ属ぞく Trachemys 種たね : アカミミガメ T. scripta
学名がくめい
Trachemys scripta (Schoepff, 1792)
シノニム
Testudo scripta Schoepff, 1792 Emys troostii Holbrook, 1836 Emys elegans Wied-Neuweid, 1839 Emys cumberlandensis Holbrook, 1840
和名わみょう
アカミミガメ
英名えいめい
Common slider red-eared terrapin

アカミミガメ (Trachemys scripta) は、爬虫綱つなカメ目めヌマガメ科かアカミミガメ属ぞくに分類ぶんるいされるカメ。アカミミガメ属ぞくの模も式しき種しゅ。別名べつめいミドリガメ（幼体ようたい）。

分布ぶんぷ

T. s. scripta キバラガメ

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく（サウスカロライナ州しゅう、ジョージア州しゅう、ノースカロライナ州しゅう、バージニア州しゅう南東なんとう部ぶ、フロリダ州しゅう北部ほくぶ）。

原はら記載きさいでは模も式しき標本ひょうほんが指定していされていないが、模も式しき標本ひょうほんの産地さんち（模も式しき産地さんち）はチャールストン周辺しゅうへん（サウスカロライナ州しゅう）と考かんがえられている。

T. s. elegans ミシシッピアカミミガメ

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく（アーカンソー州しゅう、イリノイ州しゅう、インディアナ州しゅう、オクラホマ州しゅう、オハイオ州しゅう、カンザス州しゅう南東なんとう部ぶ、テキサス州しゅう、ニューメキシコ州しゅう東部とうぶ、ミシガン州しゅう南部なんぶ、ミシシッピ州しゅう、ミズーリ州しゅう、ルイジアナ州しゅう）、メキシコ（コアウイラ州しゅう北東ほくとう部ぶ、タマウリパス州しゅう南部なんぶ、ヌエボ・レオン州しゅう北部ほくぶ）に自然しぜん分布ぶんぷ。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく（東部とうぶ、ハワイ州しゅう）、イスラエル、イタリア、インド、インドネシア、オーストラリア、エジプト、オランダ、カナダ南部なんぶ、キューバ、シンガポール、スペイン、大韓民国だいかんみんこく、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく、日本にっぽん、ベトナム、ポルトガル、マレーシア、南みなみアフリカ共和きょうわ国こく、メキシコ中部ちゅうぶなどに移入いにゅう・定着ていちゃく。

T. s. troostii カンバーランドキミミガメ

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく（アラバマ州しゅう北部ほくぶ、ケンタッキー州しゅう、テネシー州しゅうのカンバーランド川がわおよびテネシー川がわ上うえ流域りゅういき）

模も式しき産地さんちはカンバーランド川がわ（テネシー州しゅう）。

形態けいたい

最大さいだい甲かぶと長ちょう28センチメートル。オスよりもメスの方ほうが大型おおがたになる。背せ甲かぶとはやや扁平へんぺいかややドーム状じょうに盛もりあがり、上うえから見みると幅広はばひろい卵たまご形がた。項こう甲板かんぱんは細長ほそながい等とう脚あし台形だいけい。第だい1椎しい甲板かんぱんは縦たて幅はばと横よこ幅はばが等ひとしいか縦たて幅はばの方ほうがわずかに長ながいが、第だい2-5椎しい甲板かんぱんは縦たて幅はばより横よこ幅はばの方ほうが長ながい。椎しい甲板かんぱんにはあまり発達はったつしない筋すじ状じょうの盛もりあがり（キール）があるが、老齢ろうれい個体こたいでは消失しょうしつする。後部こうぶ縁えん甲板かんぱんの外縁がいえんはやや鋸のこ状じょうに尖とがる。腹はら甲かぶとの色彩しきさいは黄色おうしょく。 第だい十じゅう二に縁えん甲板かんぱんは分わかれる。

頭部とうぶは中型ちゅうがた。吻端はやや突出とっしゅつし、上顎じょうがくの先端せんたんがわずかに凹へこむ。四肢ししは頑丈がんじょう。頭部とうぶや頸部、四肢しし、尾おには黄色きいろい縦縞たてじまが入はいる。

オスの成体せいたいは吻端がより突出とっしゅつし、前肢ぜんしの爪つめが伸長しんちょうし湾曲わんきょくする。またオスの成体せいたいでは背せ甲かぶとや皮膚ひふの色彩しきさいが黒くろや暗くら褐色かっしょくになり、斑紋はんもんが消失しょうしつする（黒くろ化か、メラニズム）個体こたいもいる。少すくなくとも亜種あしゅミシシッピアカミミガメのメスの成体せいたいは後肢あとあしの爪つめが伸長しんちょうする。

T. s. scripta キバラガメ

最大さいだい甲かぶと長ちょう27-28センチメートル（より大型おおがた化かする可能かのう性せいもあり）。背せ甲かぶとの色彩しきさいは濃緑こみどり色しょくや暗くら黄色きいろで、甲板かんぱんごとに黄色きいろく太ふとい筋すじ模様もようが入はいる。腹はら甲かぶとには左右さゆうの喉のど甲板かんぱんにのみ、1つずつ輪状りんじょうの暗色あんしょく斑むらや暗色あんしょくの斑点はんてんが入はいる。

頭部とうぶや四肢しし、尾おの色彩しきさいは濃緑こみどり色しょくや暗くら黄色きいろで、縦縞たてじまはやや太ふとい。眼めと鼓膜こまくの間あいだにアルファベットの「S」字じやギリシャ文字もじの「Σしぐま」字じ状じょうの黄色きいろい斑紋はんもんが入はいる。

T. s. elegans ミシシッピアカミミガメ

最大さいだい甲かぶと長ちょう28センチメートル。背せ甲かぶとの色彩しきさいは淡あわ緑色みどりいろから濃緑こみどり色しょくで、黄色きいろく細ほそい複雑ふくざつな筋すじ模様もようが入はいる。腹はら甲かぶとには甲板かんぱんごとに大型おおがたの暗色あんしょく斑まだらが入はいり、斑紋はんもんが繋つながる個体こたいもいる。

頭部とうぶや四肢しし、尾おは緑りょくや濃緑こみどり色しょく、灰はい緑色みどりいろで、縦縞たてじまは非常ひじょうに細ほそい。吻端から頭頂とうちょう部ぶにかけての縦縞たてじまは他たの縦縞たてじまよりも太ふとく、赤あかみを帯おびる個体こたいもいる。四肢ししや尾おの縦縞たてじまは細ほそい。眼め後部こうぶから鼓膜こまく上部じょうぶにかけて赤あかや赤あか橙色だいだいいろのやや太ふとい筋すじ模様もようが入はいる。亜種あしゅ小名しょうみょうelegansは「優雅ゆうがな」の意い。

T. s. troostii カンバーランドキミミガメ

最大さいだい甲かぶと長ちょう21センチメートル。背せ甲かぶとは緑色みどりいろや濃緑こみどり色しょく、暗くら黄色きいろで、黄色きいろくやや細ほそい筋すじ模様もようが入はいる。腹はら甲かぶとには甲板かんぱんごとにやや小型こがたの暗色あんしょく斑まだらが入はいるが、繋つながることはない。

頭部とうぶや四肢しし、尾おの色彩しきさいは緑りょくや濃緑こみどり色しょく、灰はい緑色みどりいろで、縦縞たてじまは細ほそい。吻端から頭頂とうちょう部ぶにかけての縦縞たてじまは他たの縦縞たてじまよりも細ほそい。眼め後部こうぶから鼓膜こまく上部じょうぶにかけて黄色おうしょくや黄き橙色だいだいいろの筋すじ模様もようがある。

分類ぶんるい

近年きんねんまで14亜種あしゅが含ふくまれていたが、形態けいたいや生態せいたいから11亜種あしゅを独立どくりつ種しゅまたはその亜種あしゅとして分割ぶんかつし、以下いかの3亜種あしゅのみとする説せつが有力ゆうりょく。

• Trachemys scripta elegans (Wied-Neuwied, 1839) ミシシッピアカミミガメ Red-eared slider
• Trachemys scripta troostii (Holbrook,　1836) カンバーランドキミミガメ Cumberland slider
• Trachemys scripta scripta (Schoepff, 1792) キバラガメ Yellow-bellied slider

品種ひんしゅ改良かいりょう（ミシシッピアカミミガメ）

• アザンティック - 黄色おうしょく色素しきそ欠乏けつぼう。背せ甲かぶとの外縁がいえんや腹はら甲かぶとの色彩しきさい、鼓膜こまく上部じょうぶの筋すじ模様もようや縦縞たてじまが白しろい。
• アルビノ（チロシナーゼネガティブアルビノ） - 黒色こくしょく色素しきそ欠乏けつぼう。全身ぜんしんが黄色きいろく、瞳孔どうこうや鼓膜こまく上部じょうぶの筋すじ模様もようは赤あかい。

生態せいたい

流ながれの緩ゆるやかな河川かせん、湖みずうみ、池いけ沼ぬまなどに生息せいそくし、底そこ質しつが柔やわらかく水生すいせい植物しょくぶつが繁茂はんもし水深すいしんのある流ながれの緩ゆるやかな流水りゅうすい域いきや止とめ水域すいいきを好このむ。日光浴にっこうよくを好このんで行おこなう。冬季とうきになると冬眠とうみん（北部ほくぶ個体こたい群ぐん3-5か月げつ、南部なんぶ個体こたい群ぐん2-3か月げつ）するが、南部なんぶ個体こたい群ぐんでは冬季とうきでも気温きおんの高たかい日ひには活動かつどうする個体こたいもいる。

食しょく性せいは植物しょくぶつ食しょく傾向けいこうの強つよい雑食ざっしょくで、植物しょくぶつの葉は、花はな、果実かじつ、水草みずくさ、藻類そうるい、魚類ぎょるい、カエルおよびその幼生ようせい、水棲すいせいのヘビ、鳥類ちょうるい、昆虫こんちゅう、クモ、甲殻こうかく類るい、巻貝まきがい、二枚貝にまいがい、カイメン、ミミズ、動物どうぶつの死骸しがいなどを食たべる。幼体ようたいは動物どうぶつ食しょく傾向けいこうが強つよいが、成長せいちょうに伴ともない植物しょくぶつ食しょく傾向けいこうが強つよくなる。

繁殖はんしょく形態けいたいは卵生らんせい。周しゅう年ねん求愛きゅうあいや交尾こうびを行おこなうが（冬眠とうみん時じを除のぞくが、冬眠とうみんしない個体こたい群ぐんでは冬季とうきでも気温きおんの高たかい日ひならば交尾こうびを行おこなう）、主おもに春季しゅんきと秋季しゅうきに行おこなう。水中すいちゅうでオスは前肢ぜんしをメスの頭部とうぶの前まえで震ふるわせて求愛きゅうあいし、メスが動うごきを止とめると交尾こうびする。メスは精子せいしを数すう年ねんに渡わたり保存ほぞんする事ことが可能かのうで、交尾こうびした翌年よくねんでも保存ほぞんした精子せいしを用もちい卵たまごを産うむ事ことができる。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは4-7月がつに水辺みずべの地面じめんが露出ろしゅつした場所ばしょに穴あなを掘ほり、1回かいに2-23個この卵たまごを12-36日にちの間隔かんかくを空あけて年としに最大さいだい5回かい（通常つうじょうは2-3回かい）に分わけて産うむ。地面じめんが堅かたい場合ばあいは体内たいないに蓄たくわえた水みずを排泄はいせつし、地面じめんを湿しめらせてから穴あなを掘ほる。分布ぶんぷ域いき北部ほくぶの個体こたい群ぐんは年間ねんかんの産卵さんらん数すうが少すくない代かわりに1回かいに産うむ卵たまごの数かずが多おおく、南部なんぶの個体こたい群ぐんは年間ねんかんの産卵さんらん数すうが多おおい代かわりに1回かいに産うむ卵たまごの数かずが少すくない傾向けいこうがある。卵たまごは60-80日にちで孵化ふかする。飼育しいく下かでは25-25.5℃の環境かんきょう下かで平均へいきん93-100日にち、29.5-30℃の環境かんきょう下かで平均へいきん58-69日にちで孵化ふかした例れいがある。発生はっせい時じの温度おんどにより性別せいべつが決定けってい（温度おんど依存いぞん性せい決定けってい）し、22.5-27℃ではオスのみ、30℃ではメスのみが産うまれた例れいがある。北部ほくぶの個体こたい群ぐんは孵化ふかした幼体ようたいがそのまま地中ちちゅうで越冬えっとうし、翌よく春はるに地表ちひょうに現あらわれることもある。

基もと亜種あしゅはオスが甲かぶと長ちょう10-12センチメートル（生後せいご4-5年ねん）、メスが甲かぶと長ちょう16-23センチメートル（生後せいご5-8年ねん）で性せい成熟せいじゅくする。亜種あしゅミシシッピアカミミガメはオスが甲かぶと長ちょう10-11センチメートル（生後せいご2-5年ねん）、メスが甲かぶと長ちょう17-21.5センチメートル（生後せいご5年ねん以上いじょう）で性せい成熟せいじゅくする。

人間にんげんとの関係かんけい

開発かいはつによる生息せいそく地ちの破壊はかいや、ペット用ようの乱獲らんかくなどにより生息せいそく数すうは減少げんしょうしている。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは分布ぶんぷする多おおくの州しゅう、メキシコは国くに全体ぜんたいで、野生やせい個体こたいの採集さいしゅうは制限せいげんもしくは禁止きんしされている。

その一方いっぽう、生息せいそく地ち以外いがいではペットとして移入いにゅう・定着ていちゃくし、生態せいたい系けいへの影響えいきょう（アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく内ないでは亜種あしゅ間あいだ交雑こうざつによる遺伝子いでんし汚染おせん）が懸念けねんされている。種たねとしてIUCNの世界せかいの侵略しんりゃく的てき外来がいらい種しゅワースト100。欧州おうしゅう連合れんごうや大韓民国だいかんみんこくでは、輸入ゆにゅうが規制きせいされている。

外来がいらい種しゅ問題もんだい

2023年ねん6月がつより条件じょうけん付づけ特定とくてい外来がいらい生物せいぶつに指定していされ、3亜種あしゅすべて、野外やがいへの放出ほうしゅつ、販売はんばい目的もくてきの飼養しよう、輸入ゆにゅう等とうが禁止きんしされている。ただしペットとして個人こじんで飼育しいくしたり、知しり合あいに無償むしょうで譲ゆずり渡わたすことは禁止きんしされていない。

• これまでの経緯けいい

亜種あしゅミシシッピアカミミガメは、1950年代ねんだいから南部なんぶで養殖ようしょくが始はじまり、1960-1970年代ねんだいにかけてアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく内ないでも大量たいりょうの個体こたいが流通りゅうつうした。一方いっぽうで不衛生ふえいせいな環境かんきょうで飼育しいくされたことからサルモネラ菌さるもねらきんによる感染かんせん症しょうの原因げんいん（実際じっさいは食品しょくひんや他たの動物どうぶつが原因げんいんの感染かんせんも含ふくまれると考かんがえられている）とみなされ、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくではアメリカ食品しょくひん医薬品いやくひん局きょくにより1975年ねん以降いこうは本ほん種たねを含ふくむ4インチ（約やく10センチメートル）未満みまんのカメの輸入ゆにゅうや流通りゅうつうが規制きせいされた（教育きょういく用よう、実験じっけん用ようであれば流通りゅうつう可能かのうな場合ばあいもある）。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく内ないで流通りゅうつうが規制きせいされたため大量たいりょうの個体こたいが輸出ゆしゅつ（1960-1970年代ねんだいは年としあたり500万まん-1000万まん頭とう、1980年代ねんだい以降いこうは再ふたたび増加ぞうかし年ねんあたり300万まん-400万まん頭とう）されることになった。1980年代ねんだい以降いこうは日本にっぽんやフランスに多おおく輸出ゆしゅつされ、1990年代ねんだい半なかばには、日本にっぽんに年間ねんかん100万まん頭とう輸入ゆにゅうされていた。2006年ねんの動物どうぶつ愛護あいご法ほう改正かいせいなどにより流通りゅうつう量りょうは減少げんしょうしたが、その後ごも年間ねんかん10万まん頭とう前後ぜんこうが日本にっぽんに輸入ゆにゅうされ続つづけていた。

流通りゅうつうした幼体ようたいは、「ミドリガメ」の商品しょうひん名めいで販売はんばいされ、祭まつりの縁日えんにちで『カメすくい』の遊あそびとして定番ていばんになっていった。大量たいりょうに養殖ようしょくされ、中なかにはこうした種しゅと思おもわれる個体こたいが流通りゅうつうすることもある。容易よういに入手にゅうしゅでき、飼料しりょうで簡単かんたんに育そだてることができるが、成長せいちょうすると大おおきくなり長生ながいきもするので、野外やがいへと放出ほうしゅつされることが多おおい。

ミドリガメは日光浴にっこうよく場所ばしょを巡めぐり、ニホンイシガメと競合きょうごうする。

アカミミガメは在来ざいらい種しゅであるニホンイシガメと同様どうようの環境かんきょうで生育せいいくする。アカミミガメはニホンイシガメより、繁殖はんしょく力りょくが強つよいため、在来ざいらい種しゅのニホンイシガメの生育せいいく環境かんきょうを奪うばってしまう。また、水草みずくさを大量たいりょうに食たべることで、在来ざいらいの水生すいせい植物しょくぶつ、魚類ぎょるい、両生類りょうせいるい、甲殻こうかく類るいの生育せいいく環境かんきょうを奪うばう。レンコンの食害しょくがいや、日本にっぽんの各地かくちでみられる城跡じょうせきの堀ほりなどにおける、ハスの群生ぐんせいの消滅しょうめつとの関連かんれんも指摘してきされている。

上記じょうきの理由りゆうで、日本にっぽんでは種たねとして生態せいたい系けい被害ひがい防止ぼうし外来がいらい種しゅに選定せんていされている。また、生態せいたい学会がっかいにより日本にっぽんの侵略しんりゃく的てき外来がいらい種しゅワースト100にも選定せんていされている。

特定とくてい外来がいらい生物せいぶつに指定していされることも検討けんとうされたが、指定していされた場合ばあい、販売はんばい業者ぎょうしゃによる大量たいりょう遺棄いきや、他た種たねが代用だいようとして大量たいりょう流通りゅうつうすることが懸念けねんされていた。このことを踏ふまえ、2022年ねんの通常つうじょう国会こっかいで成立せいりつした「特定とくてい外来がいらい生物せいぶつによる生態せいたい系けい等とうに係かかる被害ひがいの防止ぼうしに関かんする法律ほうりつの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ」により、アカミミガメは、「条件じょうけん付づけ特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ」に指定していされた。2023年ねん6月がつ1日にちから、野外やがいへの放出ほうしゅつ、輸入ゆにゅう、販売はんばい、購入こうにゅう、頒布はんぷ等とうを許可きょかなしに行おこなうことが禁止きんしされた。

画像がぞう

• 
  亜種あしゅミシシッピアカミミガメ
  T. s. elegans
• 
  亜種あしゅミシシッピアカミミガメの幼体ようたい
• 
  亜種あしゅカンバーランドキミミガメ
  T. s. troostii

参考さんこう文献ぶんけん

• 海老えび沼ぬま剛つよし, 川添かわぞえ宣せん広ひろ『アメリカ大陸あめりかたいりくのミズガメ』誠まこと文ぶん堂どう新光しんこう社しゃ〈爬虫・両生類りょうせいるいビジュアルガイド〉、2005年ねん。ISBN 4416705158。CRID 1130282271365598208。 

関連かんれん項目こうもく

• ヌマガメ科か
  • アミメガメ亜あ科か
    • アカミミガメ属ぞく

外部がいぶリンク

• アカミミガメ - 環境省かんきょうしょう
• 侵入しんにゅう生物せいぶつデータベース ミシシッピアカミミガメ - 国立こくりつ環境かんきょう研究所けんきゅうじょ
• STOP!!アカミミガメ - 生態せいたい工房こうぼう