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さん次元じげんチェス

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

さん次元じげんチェス(さんじげんチェス)、または立体りったいチェス(りったいチェス)、3Dチェスとは変則へんそくチェスいちカテゴリ。通常つうじょうチェスこま次元じげんてきうごかすのにたいし、こまさん次元じげんてきうごかすものをす。

ふるくは19世紀せいき末期まっきから考案こうあんされていた。最古さいこのもののひとつに、ドイツのフェルディナント・マック(Ferdinand Maack)が1907ねん発明はつめいした「ラオムシャッハ」(Raumschach:直訳ちょくやくすると「空間くうかんチェス」)がある。これは5×5×5のばん使用しようした。マックが1919ねんにハンブルクで創立そうりつしたラオムシャッハのクラブはだい世界せかい大戦たいせんのころまで存続そんぞくしていた。に、チャールズ・ビーティが1946ねん考案こうあんした「トータル・チェス」などがある[1]

またサイエンス・フィクションにおいて未来みらいらしさを演出えんしゅつする小道具こどうぐとして登場とうじょうすることもある。

ラオムシャッハ[編集へんしゅう]

使用しようするこまは7種類しゅるい。すなわちポーン(P)、ビショップ(B)、ルーク(R)、ナイト(N)、クイーン(Q)、キング(K)、そしてラオムシャッハ独自どくじのユニコーン(U)である。

チェスばん立方体りっぽうたいを5×5×5に均等きんとうけたもので、125のマスからなる。

かく階層かいそう」は大文字おおもじで「A、B、C、D、E」とづけられる。れつくだりは(かずすくないが)通常つうじょうのチェスと同様どうよう小文字こもじの「a、b、c、d、e」と数字すうじの「1、2、3、4、5」であらわされる。そして、りょうプレイヤーのキングはAc1およびEc5から出発しゅっぱつする。つまりしろ地階ちかいくろ最上階さいじょうかい初期しょき位置いちである。

ルーク、ビショップ、ナイトはすべての平面へいめんにおいて、従来じゅうらいのチェスと同様どうよううごく。たとえばルークは前後ぜんご左右さゆう上下じょうげのいずれの方向ほうこうにもうごける。ビショップは立方体りっぽうたい外縁がいえん沿ってすすむ。ナイトは(0, 1, 2)をはじめとした24の距離きょり方向ほうこうぶ。ユニコーンは(1, 1, 1)、(1, -1, 1)、(1, 1, -1)、……の8方向ほうこう(Cc3にいるとしたら立方体りっぽうたいの8つの頂点ちょうてん方向ほうこう)へ任意にんい距離きょりだけ移動いどうできる。クイーンのうごきはルーク、ビショップ、ユニコーンをわせたものである。ポーンはまえいちマス、もしくはしろならうえへ・くろならしたいちマスすすめる。昇格しょうかくはそれ以上いじょううごけない位置いちまでたっしたときにきる。てきこまかた通常つうじょうのポーンのうごきをさん次元じげんてき拡張かくちょうしたものである。アンパッサン、キャスリングはい。

スタートレックの3Dチェス[編集へんしゅう]

こま形状けいじょうなどは実在じつざいするチェスとおなじだが、特徴とくちょうはチェスばん立体りったいてき配置はいちされているてんである。ばんは4×4のメインボード3まい、2×2のアタックボード4まいからなる。メインボードは2れつずつずれてかさなっている。アタックボードはしたにあるみじかぼうでメインボードの四隅よすみけるようになっており、ゲームちゅうこませたまま移動いどうさせることもできる。

公式こうしきなルールはないが、スタートレックのファンが考案こうあんしたルールが多数たすう存在そんざいしている。

上記じょうきほかに、スタートレック世界せかいには8×8×3のばん使つか立体りったいチェスもある。

その立体りったいチェス[編集へんしゅう]

立体りったいチェスのほかれいとしては、Gnu/Linuxようのプログラム"3dchess"があげられる。これは8×8×3のばんもちいる。中央ちゅうおうばんには通常つうじょうこまかれるが上下じょうげ盤面ばんめんにはプリンス(Prince)、プリンセス(Princess)、アベー(Abbey)、カノン(Cannon)、ガリー(Galley)という独自どくじこまかれる。同様どうように8×8×3のばん使つかうものにミレニアム3Dチェス(Millennium 3D Chess)がある。

アイザック・アシモフのSF短編たんぺん完全かんぜんにぴったり」[2]には、8×8×8の立体りったいチェスが登場とうじょうする。同様どうようのゲームは長編ちょうへん宇宙うちゅう小石こいし』においても言及げんきゅうされている。SFにおけるれいとしてはフランク・ハーバートの『デューン』シリーズに登場とうじょうする、チェオプスまたはピラミッド・チェスがある。これはピラミッドがたばんもちい、てきのキングに王手おうてをかけると同時どうじ自分じぶんのクイーンをピラミッドの頂点ちょうてんくことを目的もくてきとしたゲームである。ファンタジーの分野ぶんやではゲイリー・ガイギャックス著作ちょさくに、非常ひじょう特殊とくしゅされた立体りったいチェスであるドラゴン・チェス(dragon chess)が登場とうじょうする。

田中たなか芳樹よしきの『銀河ぎんが英雄えいゆう伝説でんせつ』にもさん次元じげんチェス登場とうじょうする。原作げんさく小説しょうせつでは詳細しょうさい描写びょうしゃかったが、アニメばんでは8×8のチェスばん上下じょうげに6×6のばんがある3そうゲームばん描写びょうしゃがなされた。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 松田まつだ道弘みちひろへん世界せかいのゲーム事典じてん』(東京とうきょうどう出版しゅっぱん、1989ねん)より。
  2. ^ アシモフ『変化へんかふうそうもとSF文庫ぶんこ(1986ねん)に収録しゅうろく

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]