スタディは、現代のルールのチェスよりも昔から存在していた。シャトランジのスタディは9世紀の手稿本に見られるし、ルイス・ラミレス・ルセナやペドロ・ダミアーノ(15世紀後半と16世紀前半)などによる現代チェスの初期の稿にもスタディが含まれている。しかしこれらのスタディには、局面を実戦に近づけるために、実際の解答には無関係な飾り駒を含むものが多い(現代のスタディでは決して含まれない)。これらの局面は、さまざまな名前で呼ばれていた。たとえばダミアーノは「subtelties」と呼んでいた。これを初めて「スタディ」の名で呼んだのは、ヨセフ・クリングとベルンハルト・ホルヴィッツが1851年に出版した『Chess Studies』と思われる。同書は現代のエンドゲームスタディの嚆矢と見なされることがある。スタディという形式は19世紀後半に芸術へと昇華していったと考えられており、この点では特に、A. A. トロイツキー、アンリ・リンクといった作局家(composer)が重要である。
John Beasley and Timothy Whitworth, Endgame Magic (Batsford, 1996) ISBN 0805047271- スタディの手引きとなる本。
Flemish miniatures. 123 chess endgame studies, composed, compiled and published by Ignace Vandecasteele, Julien Vandiest and Roger Missiaen, 1998, ARVES ‘book of the year’ 1997, ISBN 90-901161-2-5 - フレミッシュ・エンドゲーム・コミュニティの3人によるスタディ。
360 Brilliant and Instructive End Games, by A. A. Troitzky, 1968, Dover Pubns. ISBN 0-486-21959-3 - トロイツキーによる360問のスタディと2個のナイト対1個のポーンの解析。
A. J. Roycroft, Test Tube Chess (Faber, 1972),ISBN 978-0811717342 - スタディの概観を示す。433問の例題付き。入手困難。