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完全かんぜん被覆ひふく問題もんだい

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

完全かんぜん被覆ひふく (perfect matching)かんする問題もんだいおおくは組合くみあわろんグラフ理論りろんなどの離散りさん数学すうがくかかわりがある。

定義ていぎ

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頂点ちょうてん集合しゅうごうをV、あたり集合しゅうごうを E = {(i,j)| i,j ⊆ V} とすると、むかいグラフGは G = (V,E) とける。グラフGの被覆ひふく (matching) Mとは、(i,j), (r,s) ⊆ M ならばi, j, r, sがすべことなる頂点ちょうてんとなる、という条件じょうけんたすEの部分ぶぶん集合しゅうごうのことである。頂点ちょうてん集合しゅうごうVの要素ようそかずが2kで、被覆ひふく (matching) Mがk要素ようそ場合ばあい、Mは完全かんぜん (perfect) であるという。

チェスばん完全かんぜん被覆ひふく

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普通ふつうのチェスばんは8×8の64のマスがある。チェスばんとなう2マスをおおうことのできるドミノ十分じゅうぶんあたえられたとする。チェスばんつぎのように32のドミノをならべることは可能かのうかをかんがえる。

  • ドミノ同士どうしかさならないようにする。
  • ドミノはチェスばんの2マスをおおう。
  • チェスばんすべてのマスをおおうようにする。

このようなならかたをドミノによるチェスばんの「完全かんぜん被覆ひふく(perfect matching)」とう。これは簡単かんたんならかた問題もんだいで、すぐに様々さまざま完全かんぜん被覆ひふくつくれるだろう。大変たいへんではあるがことなる完全かんぜん被覆ひふくかずかぞえることもできる。ちなみにそのかずは、1961ねんにフィッシャー(Fischer)によって12988816わかっている。また3×3のばん完全かんぜん被覆ひふくがない。すくなくともたてよこのどちらかが偶数ぐうすう場合ばあいならば、つまり、チェスばんのマスかず偶数ぐうすう場合ばあいならば、そのチェスばん完全かんぜん被覆ひふくっている。一般いっぱんてきにはm×nのmnマスで完全かんぜん被覆ひふく存在そんざいするかについて議論ぎろんされる。また、フィッシャーはm×nのチェスばんことなる完全かんぜん被覆ひふくかずかぞえるための三角さんかく関数かんすうによる一般いっぱんてき公式こうしきいだした。

ダイマー問題もんだい

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ダイマー (dimer) はモノマーとばれる分子ぶんしが2つ重合じゅうごうしたかたち分子ぶんし意味いみする。ダイマー模型もけいはダイマーのさまざまな配置はいちCにかんする状態じょうたい

定義ていぎされる統計とうけい力学りきがくてき模型もけいである。統計とうけい力学りきがくてきおもみ (Boltzmann weight) e-E(C) が1の場合ばあいにはダイマー配置はいちかぞ問題もんだいになる。2グラフの言葉ことばもちいれば、ダイマー模型もけい以下いかのように定式ていしきされる。

  • 2グラフG = (V1,V2,E)を指定していする。
  • かくあたり(i,j) ⊆ E = V1×V2たいして統計とうけい力学りきがくてきおもみ (Boltzmann weight) w(i,j)を指定していする。
  • 分配ぶんぱい関数かんすう Z = Z(G) を以下いかのようにさだめる。PはGの完全かんぜん被覆ひふく (perfect matching) 全体ぜんたい集合しゅうごうあらわす。

関連かんれん項目こうもく

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