通信 チェス
概要 [編集 ]
- OTBチェス: 「over-the-board chess」のこと。
対局 者 とボードを挟 んで、リアルタイムにプレイする通常 のチェスを指 す。 通信 チェス: 「Correspondence chess」のこと。一般 郵便 ・E メール・専用 サーバなどの通信 手段 を用 いて行 われる。
通信 チェスにも長 い歴史 がある。通信 手段 に電報 、FAX、伝書鳩 などが使用 された事 もあった。- ゲームの
勝敗 はすべて管理 組織 に報告 され、レイティングや次 の対局 などに反映 される。 通信 チェスの世界 最大 の組織 は、ICCF(国際 通信 チェス連盟 )[1]である。日本 では、ICCF公認 のJCCA(日本 通信 チェス協会 )[2]が管理 している。- JCCAは、
以前 はJPCA(日本 郵便 チェス協会 )[3]と呼 ばれていた。 - インターネットが
普及 する以前 は郵便 でのやりとりが多 かったため、日本 では「郵便 チェス」の名 で親 しまれていた。現在 はE メールやWebサーバを使用 しての対局 が多 くなり、変更 された組織 の正式 名称 にあわせて「通信 チェス」と呼 ばれている。
詳細 [編集 ]
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/fc/Postcard-for-correspondence-chess.jpg/180px-Postcard-for-correspondence-chess.jpg)
通信 チェスでは、OTBチェスと同様 に持 ち時間 が決 められている。例 えば日本 の郵便 戦 の場合 は、「10手 ごとに30日 の考慮 時間 」となっている。対局 時計 の代 わりに、郵便 局 が押 す「消印 」などが消費 日数 の証拠 になる。通常 トーナメント戦 は、3人 以上 の「組 (グループ)」をつくり総 当 り(ラウンドロビン)で行 なわれる。1人 の相手 と1ゲームを行 なうシングルラウンドロビンと、1人 の相手 と白黒 を同時 平行 してゲームを行 なうダブルラウンドロビンがある。- ダブルラウンドロビンの
実例 :
4人 で1組 (対戦 相手 は各自 3名 )、1人 の相手 と白黒 を同時 に対局
→ 3x2=6局 のゲームを、各自 が同時 平行 してプレイする。
- ダブルラウンドロビンの
- ゲーム
中 に休暇 を申請 する事 も可能 である。通常 、暦年 あたり合計 30日 の休暇 が取得 できる。
また病気 などの場合 には、さらに特別 休暇 30日 が取得 できる。
対局 方法 [編集 ]
サーバ |
Webサーバを |
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特徴 [編集 ]
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対局 は同 時刻 に行 われず、双方 が一 手 一 手 異 なる時 間 帯 にプレイする。持 ち時間 が時間 (Hour)ではなく、日数 (Day)単位 で規定 されている。- ゲームの
対局 中 でも、書籍 やデータベース・ソフトの利用 が公認 されている。
通信 チェスの長所 は、外出 せずに遠隔 地 のプレイヤーと対戦 できる点 である。仕事 が忙 しかったり病気 だったりしても、国内 だけでなく世界中 の人々 とチェスをプレイできる。- ゲーム
期間 が長 いので、指 し手 以外 の様々 な情報 のやり取 りも可能 である。 通信 チェスでは、ある程度 の管理 能力 と根気 が必要 となる。返事 が待 ち遠 しくて我慢 できない性格 の人 には、あまり通信 チェスは向 いていない。- ICCFの
国際 戦 では、英語 力 も必要 になる。ICCFからの連絡 は、すべて英文 となっている。 郵便 戦 やE メール戦 では、指 し手 を書 き間違 えても直 ちに「負 け」となるわけではない。ルールに従 って、違反 した側 の持 ち時間 が削 られる。
評価 (通信 チェス・郵便 チェス)[編集 ]
歴史 [編集 ]
- (
年代 不 詳 ) 18世紀 ユーゴスラビアの商人 vsヴェニス人 で対局 。[7] - (
年代 不 詳 ) フレデリック2世 vsヴォルテールで対局 。[7] - 1824
年 都市 間 で通信 チェスが開催 。(アムステルダムvsロッテルダム、ロンドンvsエディンバラ)[7] - 1834
年 ~1836年 パリ対 ロンドン・ウェストミンスター・クラブのマッチ開催 。パリが2:0で勝利 [9] 。[10] - 1844
年 ワシントンvsボルチモアの、大都市 間 での電報 チェス。[7] - 1889
年 ~1890年 OTBの世界 選手権 を行 なったシュタイニッツとチゴリンが、電報 を使 ったマッチを行 なう。シュタイニッツが2:0で勝利 。[10] - 1928
年 最初 の国際 組織 IFSB[11]創立 。[7]
19( |
フランス | Christophe Léotard |
---|---|---|
20( |
フィンランド | Pertti Lehikoinen |
21( |
オランダ | Joop J. van Oosterom |
22(ウェブ |
ロシア | Aleksandr Surenovich Dronov |
23(ウェブ |
ドイツ | Ulrich Stephan |
24(ウェブ |
スロバキア | Marjan Šemrl |
- 1935
年 ~1939年 最初 の通信 チェス・オリンピック開催 。
(18カ国 参加 。ハンガリーが優勝 。)[7] - 1935
年 ICCFの前身 であるIFSBが国際 通信 マスターのタイトルを設置 [12]。最初 にそのタイトルを得 た25人 の中 には、アレヒン、ボゴリュボフ、ケレス、グリュンフェルド、マローツィ(Maroczy)、バロー(Balogh)、エリスカセス(Eliskases) らがいる。[10]
- 1936
年 通信 世界 選手権 のために、実行 委員 会 が7人 のメンバーにより結成 される。このうちの一人 にOTB世界 チャンピオンのアレヒンがいる。第 二 次 世界 大戦 が始 まって、この選手権 は行 なわれずに終了 。[10] - 1945
年 消失 したIFSBに代 わり、ICCF(国際 通信 チェス連盟 )創立 。[7] - 1947
年 ICCFにより第 1回 世界 通信 チェス選手権 の予選 スタート。[10] - 1950
年 その決勝 トーナメントがスタートし、オーストラリアの C. Purdy が第 1回 世界 チャンピオンになる。[10]
タイトル |
|
---|---|
ICCF GM | |
ICCF GM | |
ICCF SIM | |
ICCF IM | |
ICCF IM | |
アジア・アフリカチャンピオン |
- 1954
年 ディックホフ記念 トーナメント開催 。L.シュミット(独 )が優勝 。[7] - 1965
年 JPCA(JCCAの前身 )がICCFに加盟 。[10] - 1966
年 日本 初 の通信 チェスの日本 選手権 が行 なわれる。[10] - 1970
年 宇宙船 ソユーズ9号 vs(地上 の)ソビエト連邦 の技術 者 で対局 。初 の「宇宙 vs地球 」対局 の所要 時間 は6時 間 、結果 はドロー。[7] - 1997
年 2月 ICCF初 のE メール招待 トーナメント「ペリカン・メモリアル」開催 。[10] - 2002
年 JPCAが第 1回 E メール日本 選手権 を開催 。[13] - 2004
年 ICCFでWebサーバ戦 が開始 となる。[14] - 2008
年 ICCFですべてのE メール・トーナメントを廃止 。[ICCF Confress 2008 Minutes]
注釈 ・出典 [編集 ]
- ^ ICCF:International Correspondence Chess Federation
- ^ JCCA:Japan Correspondence Chess Association
- ^ JPCA:Japan Postal Chess Association
- ^
厳密 にいえば、前回 の相手 の手 と今回 の自分 の手 を書 いて送付 する。相手 の指 し手 が予想 できる場合 は、それに対 する応手 を書 いて送 っても良 い。 - ^ この
部分 の出典 については、1996年 から2005年 に発行 された専門 誌 『Chess Mail』が挙 げられる。トーナメント表 などに対局 期間 の記載 あり。なお、現在 この専門 誌 は休刊 (廃刊 )している。 - ^ この
対局 期間 の出典 については、ICCFのトーナメント表 を参照 。全 ゲームの7割 から8割 が、およそ1年 以内 に終了 している。 - ^ a b c d e f g h i j k l フランソワ・ル・リヨネ
著 『チェスの本 』成 相 恭二 訳 白水 社 ISBN 4-560-05603-X - ^
有田 謙二 著 『チェス小 百科 』河出書房新社 ISBN 4-309-72176-1 - ^ パリ・チームが
用 いたディフェンス(1. e4 e6 2. d4 d5) が、このマッチ後 にフレンチ・ディフェンスと呼 ばれるようになった。 - ^ a b c d e f g h i 『ICCF Gold』 2002
年 ICCF発行 - ^ Internationale Fernschachbunder
- ^ 1935
年 、Fernschach誌 に発表 - ^ JPCAのウェブサイト(
英語 版 )より。 - ^ ICCFの
公式 サイトより。