千田せんだ荘そう

千田せんだ荘そう（ちだのしょう）は、中世ちゅうせいの下総しもうさ国こく匝瑳そうさ郡ぐんにあった荘園しょうえん。現在げんざいの千葉ちば県けん香取かとり郡ぐん多古たこ町まち付近ふきんに相当そうとうする。

概要がいよう

古代こだいの匝瑳そうさ郡ぐんが匝瑳そうさ北条ほうじょう荘そうと匝瑳そうさ南条なんじょう荘そうとに分割ぶんかつされたなかで、匝瑳そうさ北条ほうじょう荘そうの北西ほくせい部ぶが千田せんだ荘そうとして独自どくじに立たて荘そうされたものと考かんがえられている。

『吾妻あづま鏡きょう』治ち承うけたまわ4年ねん9月14日にち条じょうに「下総しもふさ国こく千田荘領家判官代親政」とみえるのが千田せんだ荘そうの初はつ見みであり、藤原ふじわら親政しんせい（千田せんだ親政しんせい）は皇すめらぎ嘉門かもん院いん判官ほうがん代だいとされているので、当とう荘そうと皇すめらぎ嘉門かもん院いんとの関係かんけいが想定そうていされる。また『吾妻あづま鏡きょう』文治ぶんじ2年ねん3月12日にち条じょう「関東かんとう御ご知行ちぎょう国々くにぐに内ない乃具未済みさい庄しょう々注文ちゅうもん」にもみえるが、下総しもうさ国こくでは当とう荘そうと八幡やはた荘そうのみ荘園しょうえん領主りょうしゅの記載きさいがない。

治ち承うけたまわ・寿ことぶき永ひさしの乱らんの後のち八幡はちまん荘そうとともに千葉ちば氏しの拠点きょてん所領しょりょうとなり、藤原ふじわら親政しんせいを生なま虜とりこりにした常胤つねたね嫡孫ちゃくそん成なり胤たねの娘むすめである千田せんだ尼にから甥おいの泰たい胤たね、その娘むすめから宗そう胤たねへと継承けいしょうされた。だが肥前ひぜん国こく小城おぎ郡ぐんで没ぼっした父ちち頼よりゆき胤たねに代かわって宗そう胤たねが九州きゅうしゅうに赴おもむいた間あいだに、弟おとうとの胤たね宗むねに千葉ちば氏しの家督かとくを横領おうりょうされてしまった。当とう荘そうを本拠ほんきょとした宗そう胤たねの長男ちょうなん胤たね貞さだは、折おりしも勃発ぼっぱつした南北なんぼく朝あさの戦たたかいに際さいし北朝ほくちょう方ほうについて、建たて武たけし2年ねん（1335年ねん）には胤たね宗むねの子こ貞胤さだたねの本拠ほんきょ千葉ちば荘そうを攻せめた。これに対たいし貞胤さだたね方かたは当とう荘そうを蹂躙じゅうりんし、この騒乱そうらんは下総しもふさ国こく中ちゅうに波及はきゅうしたという。そして南朝なんちょう方かたの新田にった義貞よしさだの軍ぐんに属ぞくした貞胤さだたねは、建たて武たけし3年ねん（1336年ねん）10月がつに足利尊氏あしかがたかうじの軍ぐんに降伏ごうぶくした。しかし、胤たね貞さだは下総しもふさへの帰途きと同年どうねん11月19日にちに三河みかわ国こくで病没びょうぼつし、降伏ごうぶくした貞胤さだたねは北きた朝方あさがたに寝返ねがえって胤たね宗むねの子孫しそんが千葉ちば氏し宗家そうけを称しょうして存続そんぞくした。そのため宗むね胤たねの次男じなん胤たね泰やすしの子孫しそんは九州きゅうしゅう千葉ちば氏しとして活路かつろを見出みいだしたが、宗家そうけの地位ちいを失うしなった下総しもうさの千田せんだ氏しは衰退すいたいしていった。

その後ご、享とおる徳とく4年ねん（1455年ねん）享とおる徳とくの乱らんで、原はら胤たね房ぼうに襲おそわれた千葉ちば胤たね直じき・胤たね宣せん親子おやこが当とう荘そうに逃のがれ多た古城こじょうと志摩しま城しろに立たて籠こもるが馬うま加か康かん胤たねに討うたれて千葉ちば氏し宗家そうけの嫡流ちゃくりゅうが滅亡めつぼうした。落城らくじょうに際さいし志摩しま城しろを脱出だっしゅつした胤たね直じきの弟おとうと胤たね賢けんも南みなみの小堤こづつみ城しろで自刃じじんして果はてたが、胤たね賢けんは2人ふたりの子こ実じつ胤たねと自じ胤たねを八幡はちまん荘そうまで落おとさせた。八幡やはた荘そうに落おちのびた実じつ胤たねと自じ胤たねはさらに武蔵むさし国こくに逃のがれて武蔵むさし千葉ちば氏しとなった。

関連かんれん項目こうもく

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