園田そのだ安あん賢けん

園田そのだ安あん賢けん

園田そのだ 安あん賢けん（そのだ やすかた、1850年ねん10月6日にち（嘉よしみ永ひさし3年ねん9月1日にち） - 1924年ねん（大正たいしょう13年ねん）8月がつ7日にち）は、幕末ばくまつの薩摩さつま藩士はんし、明治めいじから大正たいしょう期きの内務ないむ・警察けいさつ官僚かんりょう・政治せいじ家か・実業じつぎょう家か。貴族きぞく院いん議員ぎいん、宮中きゅうちゅう顧問こもん官かん、男爵だんしゃく。警視総監けいしそうかん（第だい8代だい・第だい10代）、北海道庁ほっかいどうちょう長官ちょうかん（第だい8代だい）。

経歴けいれき

薩摩さつま藩士はんし・園田そのだ良りょう右みぎ衛門えもんの長男ちょうなんとして生うまれる。戊辰戦争ぼしんせんそうには慶応けいおう4年ねん5月（1868年ねん）から北陸ほくりく征討せいとう軍ぐんに伍長ごちょうとして従軍じゅうぐんし、戦傷せんしょうを受うけた。明治めいじ4年ねん10月（1871年ねん）、東京とうきょう府ふ取締とりしまり組ぐみ組頭くみがしらとなり、さらに司法省しほうしょう大だい警部けいぶとなり1874年ねん2月がつに退官たいかん。徴集ちょうしゅう小隊しょうたい半はん隊長たいちょうとして台湾たいわん出兵しゅっぺいに従軍じゅうぐんした。

1875年ねん（明治めいじ8年ねん）6月がつ、警視庁けいしちょう14等とう出仕しゅっしとして再度さいど、警察官けいさつかんとなる。1877年ねん（明治めいじ10年ねん）4月がつ、陸軍りくぐん歩兵ほへい中尉ちゅうい兼けん警部けいぶとして、西南せいなん戦争せんそうに抜刀ばっとう隊たい巡査じゅんさ部隊ぶたいの長ちょうとして従軍じゅうぐんし、戦傷せんしょうを受うけた。

1882年ねん（明治めいじ15年ねん）4月がつ、石川いしかわ県警けんけい部長ぶちょうに就任しゅうにんし、その後ご、石川いしかわ県けん大だい書記官しょきかん。警視庁けいしちょう二に等とう警視けいし兼けん内務ないむ少しょう書記官しょきかんに異動いどう。1884年ねん（明治めいじ17年ねん）4月がつから1886年ねん4月がつまで各国かっこく警察けいさつの状況じょうきょう視察しさつのため欧米おうべいに出張しゅっちょうし、帰国きこく後ごその報告ほうこくを『泰西たいせい見聞けんぶん誌し』として出版しゅっぱんした。以後いご、警視庁けいしちょう第だい三さん局長きょくちょう、滋賀しが県けん書記官しょきかん、警視けいし副ふく総監そうかん兼けん第だい三さん局長きょくちょうなどを歴任れきにんし、1891年ねん（明治めいじ24年ねん）4月がつに警視総監けいしそうかんに就任しゅうにん。1896年ねん（明治めいじ29年ねん）6月がつ5日にち、男爵だんしゃくを叙爵じょしゃくし、同年どうねん9月がつに退官たいかんした。

1897年ねん（明治めいじ30年ねん）7月がつ10日とおか、貴族きぞく院いん男爵だんしゃく議員ぎいんに選出せんしゅつされ、1911年ねん（明治めいじ44年ねん）7月がつ9日にちまで在任ざいにん。1898年ねん（明治めいじ31年ねん）1月がつ、警視総監けいしそうかんに再任さいにんされ、その後ご、北海道庁ほっかいどうちょう長官ちょうかん、宮中きゅうちゅう顧問こもん官かんを歴任れきにん。

その後ご、帝国ていこく国債こくさい株式会社かぶしきがいしゃ社長しゃちょう、共生きょうせい銀行ぎんこう頭取とうどりを務つとめた。

栄典えいてん

位階いかい

• 1886年ねん（明治めいじ19年ねん）7月がつ8日にち - 正せい六ろく位い
• 1891年ねん（明治めいじ24年ねん）4月がつ21日にち - 従したがえ四よん位い
• 1896年ねん（明治めいじ29年ねん）
  • 4月がつ10日とおか - 正せい四よん位い
  • 12月21日にち - 従したがえ三さん位い

勲章くんしょう等とう

• 1884年ねん（明治めいじ17年ねん）11月13日にち - 勲くん四よん等とう旭日きょくじつ小しょう綬章じゅしょう
• 1891年ねん（明治めいじ24年ねん）6月がつ27日にち - 勲くん三さん等とう瑞宝章ずいほうしょう
• 1895年ねん（明治めいじ28年ねん）10月がつ31日にち - 勲くん二に等とう瑞宝章ずいほうしょう
• 1906年ねん（明治めいじ39年ねん）4月がつ1日にち - 勲一等くんいっとう旭日大綬章あさひだいじゅしょう・明治めいじ三さん十じゅう七なな八はち年ねん従軍じゅうぐん記章きしょう
• 1915年ねん（大正たいしょう4年ねん）11月がつ10日とおか - 大礼たいれい記念きねん章あきら（大正たいしょう）

著作ちょさく

• 『泰西たいせい見聞けんぶん誌し』博聞はくぶん社しゃ、1887年ねん。

親族しんぞく

• 長女ちょうじょ タツ（初代しょだい小樽おたる区長くちょう金子かねこ元三郎もとさぶろうに嫁とつぐ）
• 二男じなん 園田そのだ実みのる（海軍かいぐん少将しょうしょう・男爵だんしゃく）
• 二女じじょ 冨美子とみこ（第一だいいちホテル創業そうぎょう者しゃ土屋つちや計けい左右さゆうに嫁とつぐ）

参考さんこう文献ぶんけん

• 『貴族きぞく院いん要覧ようらん（丙へい）』昭和しょうわ21年ねん12月がつ増ぞう訂てい、貴族きぞく院いん事務じむ局きょく、1947年ねん。
• 衆議院しゅうぎいん・参議院さんぎいん編へん『議会ぎかい制度せいど百ひゃく年ねん史し - 貴族きぞく院いん・参議院さんぎいん議員ぎいん名鑑めいかん』1990年ねん。
• 秦はた郁いく彦編へん『日本にっぽん近きん現代げんだい人物じんぶつ履歴りれき事典じてん』東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱん会かい、2002年ねん。
• 千田せんだ稔みのる『華族かぞく総覧そうらん』講談社こうだんしゃ〈講談社こうだんしゃ現代新書げんだいしんしょ〉、2009年ねん。

日本にっぽんの爵位しゃくい
先代せんだい 叙爵じょしゃく	男爵だんしゃく 園田そのだ（安あん賢けん）家か初代しょだい 1896年ねん - 1924年ねん	次代じだい 園田そのだ実みのる