山田やまだ花子はなこ (漫画まんが家か)

山田やまだ 花子はなこ
本名ほんみょう	高市たかいち 由美ゆみ
生誕せいたん	(1967-06-10) 1967年ねん6月がつ10日とおか 東京とうきょう都と千代田ちよだ区く神田駿河台かんだするがだい
死没しぼつ	(1992-05-24) 1992年ねん5月24日にち（24歳さい没ぼつ） 東京とうきょう都と日野ひの市し百草もぐさ団地だんち1-5-3棟むね
国籍こくせき	日本にっぽん
職業しょくぎょう	漫画まんが家か 歌手かしゅ
活動かつどう期間きかん	1982年ねん-1992年ねん
ジャンル	ガロ系けい
代表だいひょう作さく	『神かみの悪あくフザケ』 『嘆なげきの天使てんし』 『花咲はなさきける孤独こどく』 『魂たましいのアソコ』 『からっぽの世界せかい』 『自殺じさつ直前ちょくぜん日記にっき』
受賞じゅしょう	なかよしギャグまんが大賞たいしょう佳作かさく ヤングマガジン月間げっかん新人しんじん漫画まんが賞しょう ちばてつや賞しょうヤング部門ぶもん佳作かさく

山田やまだ 花子はなこ（やまだ はなこ、1967年ねん6月がつ10日とおか - 1992年ねん5月24日にち）は、日本にっぽんの漫画まんが家か。本名ほんみょう、高市たかいち 由美ゆみ（たかいち ゆみ）。旧きゅう筆名ひつめいは裏町うらまちかもめ、山田やまだゆうこ。

概要がいよう

自身じしんのいじめ体験たいけんをベースに人間にんげん関係かんけいにおける抑圧よくあつ、差別さべつ意識いしき、疎外そがい感かんをテーマにしたギャグ漫画まんがを描えがいて世よの中なかの矛盾むじゅんを問とい続つづけた。中学ちゅうがく2年生ねんせいの時ときから患わずらっていた人間にんげん不信ふしんが悪化あっか、1992年ねん3月がつには精神分裂病せいしんぶんれつびょう（現げん：統合とうごう失調しっちょう症しょう）と診断しんだんされる。2ヵ月かげつ半はんの入院にゅういん生活せいかつを経へて同年どうねん5月23日にちに退院たいいん。翌よく24日にち夕刻ゆうこく、団地だんち11階かいから投身とうしん自殺じさつ。24歳さい没ぼつ。

著作ちょさくに『神かみの悪あくフザケ』『嘆なげきの天使てんし』『花咲はなさきける孤独こどく』『魂たましいのアソコ』『からっぽの世界せかい』『自殺じさつ直前ちょくぜん日記にっき』がある。

実妹じつまいは漫画まんが編集へんしゅう者しゃの高市たかいち真紀まき。

生涯しょうがい

誕生たんじょうから中学ちゅうがく進学しんがくまで（1967年ねん6月がつ～1980年ねん3月がつ）

百草もぐさ団地だんち

1967年ねん6月がつ、東京とうきょう都と千代田ちよだ区く三楽さんらく病院びょういんでトロツキストの著述ちょじゅつ家か高市たかいち俊しゅん皓あきらの長女ちょうじょとして生うまれる。よく眠ねむる大人おとなしい赤あかん坊ぼうだったという。

3歳さいの時ときに世田谷せたがや区く経堂きょうどうから南多摩みなみたま郡ぐん多摩たま町まち（現げん・多摩たま市し）和田わだの百草もぐさ団地だんちに転居てんきょし、そこで21歳さいまで育そだつ。内気うちきな子供こどもで友達ともだちと遊あそぶよりも独ひとりで空想くうそうしたり、絵えを描えがいたり図鑑ずかんや絵本えほんを読よむことを好このんだ。絵本えほんは特とくに、ひとりぼっちのおおかみの子供こどもが仲間なかまを探さがして歩あるくが何処どこにも入いれず、「やっぱりおれはおおかみだから、おおかみとして生いきていくさ」というストーリーの『やっぱりおおかみ』（佐々木ささきマキ著ちょ/福音館書店ふくいんかんしょてん）がお気きに入いりで表紙ひょうしがボロボロになるほど繰くり返かえし読よんでいた。また自分じぶんでも画用紙がようしを束たばねホチキスで綴とじ、子こリスを主人公しゅじんこうにした絵本えほんを何なん作さくも創つくっていた。1974年ねん4月がつ、多摩たま市立しりつ竜りゅうヶ峰ほう小学校しょうがっこう入学にゅうがく。小学生しょうがくせい時代じだいは、父親ちちおやの影響えいきょうで赤塚あかつか不二夫ふじお、楳図うめずかずお、小林こばやしよしのり、里中さとなか満智子まちこ、新田にったたつお、ジョージ秋山あきやま、藤子とうこ不二雄ふじお、日野ひの日出ひので志こころざし、水木みずきしげるらの漫画まんがに熱中ねっちゅう。それらの漫画まんが本ほんに貸出かしだしカードを作つくり、「マンガ図書館としょかん」と称しょうして友人ゆうじんに貸かし出だしていた。低てい学年がくねん時じに好すきだった遊あそびは、友人ゆうじんや妹いもうとの真紀まきと楽器がっきの演奏えんそうや自作じさくの劇げきや歌うたをカセットテープに録音ろくおんする事ことだった。また、動物どうぶつ好すきでペットをたくさん飼かっていた（その様子ようすは著作ちょさく内ないでも見みることが出来できる）。

中学生ちゅうがくせい時代じだい（1980年ねん4月がつ～1983年ねん3月がつ）

1980年ねん4月がつ、多摩たま市立しりつ和田わだ中学校ちゅうがっこう入学にゅうがく。中学ちゅうがく2年生ねんせいの時とき、いじめが原因げんいんでリストカットを繰くり返かえし、やがてガス自殺じさつを図はかる。意識いしきを失うしなって倒たおれている所ところを家族かぞくに発見はっけんされ、救急きゅうきゅう車しゃで運はこばれ一命いちめいを取とり留とめる。以来いらい、人間にんげん不信ふしんになる。いじめは高校こうこう時代じだいも続つづき、「山田やまだ花子はなこ」としての処女しょじょ作さく『神かみの悪あくフザケ』のメイン・テーマとなった（もう一ひとつの主要しゅようなテーマは、彼女かのじょの恋愛れんあい経験けいけんから来くる、「恋愛れんあいとは強つよい者ものが弱よわい者ものを捕獲ほかくして、欲望よくぼうの対象たいしょうにするもの」である）。

裏町うらまちかもめ時代じだい（1982年ねん～1984年ねん）

1982年ねん3月がつ、『なかよし』（講談社こうだんしゃ）の「なかよしまんがスクール」に『となりの花子はなこさん』を山田やまだゆうこ名義めいぎで投稿とうこう、編集へんしゅう部ぶから好評こうひょうを得えるも入選にゅうせんせず。引ひき続つづき『私わたしの中学校ちゅうがっこう生活せいかつ物語ものがたり』『新しん･中学生ちゅうがくせい日記にっき』『花子はなこ先生せんせい』 などのギャグ作品さくひんを投稿とうこうするが、いずれも入選にゅうせんを逃のがす。中学ちゅうがく3年生ねんせいの秋あき、投稿とうこう7作さく目めとなる『明あかるい仲間なかま』（裏町うらまちかもめ名義めいぎ）が講談社こうだんしゃ「なかよしギャグまんが大賞たいしょう」佳作かさくに入選にゅうせん。この入選にゅうせん作さくは『なかよしデラックス』1983年ねん1月がつ号ごうに掲載けいさいされ、15歳さいで漫画まんが家かデビューを果はたす。

デビューと同どう時期じきに立川たちかわ女子じょし高等こうとう学校がっこうに進学しんがくするも、学校がっこう生活せいかつに馴染なじめず不ふ登校とうこうになる。一方いっぽうで『なかよしデラックス』1983年ねん4月がつ号ごうに『大山おおやま家かのお子様こさま方かた』を掲載けいさい、同誌どうし83年ねん5月がつ号ごうからは『人間にんげんシンボーだ』の連載れんさいを開始かいしする。この頃ころの漫画まんがは、「いしいひさいち調しらべ」のギャグ漫画まんがであったが、基本きほん的てきに暗くらくひねくれた作風さくふうであり、編集へんしゅう部ぶは読者どくしゃ投稿とうこうコーナー“なかよし「かもめのネクラ大賞たいしょう」係がかり”を設置せっち、毎回まいかい誌面しめんには「ネクラ大賞たいしょう」に選えらばれた読者どくしゃによる恨うらみ節ぶしが掲載けいさいされていた。連載れんさいはギャグ路線ろせんを維持いじするも、シュールでブラックな内容ないようが多おおくなり、84年ねん6月がつ号ごうを以もって連載れんさい終了しゅうりょう。その後ごは『なかよし』に作品さくひんを発表はっぴょうする事ことは無なく「山田やまだ花子はなこ」として再さいデビューするまで商業しょうぎょう誌しでの新作しんさくは途絶とだえることになる。

1984年ねん頃ころ、佐々木ささきマキの漫画まんがを読よむため、『ガロ』のバックナンバーを購入こうにゅうしたのを切きっ掛かけに蛭子えびす能収よしかず、丸尾まるお末広すえひろ、花輪はなわ和一かずいち、鴨沢かもざわ祐ゆう仁ひとし、鈴木すずき翁おきな二に、山野やまの一はじめ、つげ義春よしはる、石川いしかわ次郎じろう、みぎわパンなど青あお林堂はやしどう発行はっこうの単行本たんこうぼんを収集しゅうしゅうし始はじめる。特とくに根本ねもと敬たかしの漫画まんがに傾倒けいとう。根本こんぽんが主宰しゅさいしていた「幻まぼろしの名めい盤ばん解放かいほう同盟どうめい」のイベントにもしばしば参加さんか。また自分じぶんで購入こうにゅうできない根本こんぽんの作品さくひんが載のっているエロ本ほんは、父親ちちおやに依頼いらいして購入こうにゅうしてもらうほどのめりこんでいた。この頃ころ、根本こんぽんに「根本ねもと敬たかし大だい先生せんせい様さま」と書かいて送おくったファンレターが切きっ掛かけで青あお林堂はやしどうの山ノ井やまのい靖やすしを紹介しょうかいされ、『ガロ』に投稿とうこうを始はじめる。

山田やまだゆうこ時代じだい（1984年ねん～1987年ねん）

1984年ねん2月がつに山田やまだゆうこに改名かいめいすると同時どうじに高校こうこうを1年ねん時じで中退ちゅうたい。1984年ねん4月がつに通信つうしん制せい高校こうこうの学校がっこう法人ほうじん日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかい学園がくえんへ2年ねん時じで編入へんにゅう学がくして、同時どうじに長谷川はせがわ集しゅう平たいらの絵本えほん学校がっこうに通かようが、後のちに通信つうしん制せい高校こうこうを中退ちゅうたい。また高杉たかすぎ弾だん（伝説でんせつ的てき自販機じはんき本ほん『Jam』『HEAVEN』初代しょだい編集へんしゅう長ちょう）の著書ちょしょ『メディアになりたい』（JICC出版しゅっぱん局きょく）を読よんだことから編集へんしゅうにも興味きょうみを持もち、編集へんしゅうデザインの勉強べんきょうをするため大だい検けんを取得しゅとくし、1986年ねん4月がつに日本にっぽんデザイン専門せんもん学校がっこうグラフィックデザイン科かに入学にゅうがくする。引ひき続つづき『ガロ』に投稿とうこうを続つづけるが入選にゅうせんできず落胆らくたん、『週刊しゅうかんヤングマガジン』に投稿とうこうを始はじめる。

この頃ころより江戸川えどがわ乱歩らんぽ、太宰だざい治おさむ、筒井つつい康隆やすたか、夢野ゆめの久作きゅうさく、新美にいみ南吉なんきち、稲垣足穂いながきたるほ、フランツ・カフカ、アルベール・カミュなどの小説しょうせつを愛読あいどく。桑田くわた二郎じろうの『魂たましいの目め』（けいせい出版しゅっぱん）を読よんでからは般若心経はんにゃしんぎょうに傾倒けいとうする。またインディーズの音楽おんがくにも興味きょうみを持もち、筋肉きんにく少女しょうじょ帯たい、空手からてバカボン、電気でんきグルーヴ、人間にんげん椅子いす、死しね死しね団だん、人生じんせい、有頂天うちょうてん、たま、木魚もくぎょ、マサ子まさこさん、劇団げきだん健康けんこう、ケラ、ハルメンズ、あぶらだこ、ヒカシューなどナゴムレコードの音楽おんがくに傾倒けいとう、特とくに大槻おおつきケンヂの影響えいきょうを受うける。筋肉きんにく少女しょうじょ帯たいや空手からてバカボンの楽曲がっきょくを作品さくひんタイトルに採用さいようしたり、自身じしんの代表だいひょう作さくである『神かみの悪あくフザケ』の主人公しゅじんこうに「大槻おおつきたまみ」という名前なまえを付つけるなど大槻おおつきのファンであった事ことが作中さくちゅうからも伺うかがえる。他ほかにも戸川とがわ純じゅん、あがた森もり魚ぎょ、原はらマスミ、Phew、泯比沙子いさご、町田まちだ町まち蔵ぞう、遠藤えんどうミチロウ、ジョン・ウォーターズの影響えいきょうを受うける。

自みずからもバンドを始はじめようと叔父おじにギターを習ならうが、指ゆびが細ほそくて弦つるが押おさえられず、ギターを諦あきらめキーボードに転向てんこう。音楽おんがく雑誌ざっしでバンドのメンバーを募つのる。後のちに、デモテープを自主じしゅ制作せいさくレーベルの「楽たのしい音楽おんがく」に送おくり、主宰しゅさいの加藤かとう良一りょういちから連絡れんらくを受うける。レコードデビューは実現じつげんしなかったが、一いち度どだけ加藤かとうの事務所じむしょに妹いもうとの真紀まきと共ともに訪おとずれ、「学校がっこうにも何処どこにも仲良なかよしの友達ともだちがいなくて妹いもうとの真紀まきだけが自分じぶんにとってのかけがえのない親友しんゆう」である事ことなどを加藤かとうに打うち明あける。後のちに加藤かとうは彼女かのじょの印象いんしょうを、「明あかるくて暗くらいとっても感受性かんじゅせい豊ゆたかな女おんなの子こだった」と述のべている。その後ご、音楽おんがくバンド「グラジオラス」を真紀まきと結成けっせいし、1986年ねんから山田やまだ花子はなこ名義めいぎでライブハウスに数すう回かい出演しゅつえんする。

1987年ねん7月がつに個人こじん誌し『グラジオラス』を発行はっこう。また同人どうじん誌し『天国てんごく』を絵本えほん学校がっこうの友人ゆうじん2人にんと制作せいさくする（山田やまだは4編へんの漫画まんがを寄稿きこう）。

山田やまだ花子はなことして再さいデビュー（1987年ねん～1991年ねん）

1987年ねん8月がつ、『週刊しゅうかんヤングマガジン』の月間げっかん新人しんじん漫画まんが賞しょうで『人ひとでなし』が奨励しょうれい賞しょうに入選にゅうせん。同年どうねん10月がつに、山田やまだ花子はなことしてのデビュー作さく『神かみの悪あくフザケ』を発表はっぴょうし、ちばてつや賞しょう佳作かさく入選にゅうせんする。選評せんぴょうに「好すき嫌きらいはともかく一度いちど読よむと強つよく印象いんしょうに残のこる作品さくひん。けっして美うつくしいとは言いえない女おんなの子こが主人公しゅじんこうの暗くらいムードが漂ただようこの短編たんぺんは、はたして作者さくしゃの悪意あくいなのかやさしさなのか? 今後こんごの展開てんかいが楽たのしみ」とある。

1988年ねん1月がつから翌よく89年ねん2月がつまで『週刊しゅうかんヤングマガジン』で『神かみの悪あくフザケ』を連載れんさい。一部いちぶで熱狂ねっきょう的てきなファンを生うんだ一方いっぽう、読者どくしゃアンケートでワースト1位いを記録きろくする。連載れんさい終了しゅうりょう後ごもコラム『山田やまだ花子はなこのバッチリ行いこうぜ!!』を1991年ねんまで連載れんさいする。また『漫画まんがスカット』（みのり書房しょぼう）で1988年ねん8月がつ号ごうから1990年ねん6月がつ号ごうまで『至福しふくを肥こやせ!子供こどもたち』を連載れんさい、『リイドコミック』『パチンカーワールド』『ヤングチャンピオン』などでも連載れんさいを持もつ。

1989年ねん3月がつ、日本にっぽんデザイン専門せんもん学校がっこうを卒業そつぎょう。東中野ひがしなかののアパートを契約けいやくして独立どくりつする。同年どうねん5月がつには初はつの単行本たんこうぼんとなる『神かみの悪あくフザケ』が講談社こうだんしゃより刊行かんこうされる。この頃ころ、青あお林堂はやしどうでアルバイトをしていた妹いもうとの真紀まきが、青あお林堂はやしどうの長井ながい勝一かついちに単行本たんこうぼんを紹介しょうかいした事ことが切きっ掛かけとなり、憧あこがれの雑誌ざっしであった『ガロ』で1989年ねん8月がつ号ごうから1992年ねん2･3月がつ合併がっぺい号ごうまで毎月まいつき作品さくひんを発表はっぴょうする。また『ガロ』を通つうじて漫画まんが家かの友沢ともざわミミヨやみぎわパンと交流こうりゅうを持もっていた。

1990年ねん8月がつ、青あお林堂はやしどうより二に冊さつ目めの単行本たんこうぼん『嘆なげきの天使てんし』が刊行かんこうされる。この頃ころ、劇団げきだん健康けんこうを主宰しゅさいするケラリーノ・サンドロヴィッチから漫画まんが家か三さん名めいの原作げんさくによるオムニバス戯曲ぎきょく「愛あいと死し」 の脚本きゃくほん依頼いらいを受うけ歓喜かんきする。上演じょうえん後ご、演劇えんげき専門せんもん誌し『演劇えんげきぶっく』1991年ねん4月がつ号ごうの特集とくしゅう記事きじ中ちゅうで、主宰しゅさいのケラは「リアルさと冷つめたさがいい」と評価ひょうかした。同年どうねんには石丸いしまる元もと章あきらのラジオ番組ばんぐみ『未来みらい派はラジオ 電波でんぱデリック』（CBCラジオ）に出演しゅつえんし、自作じさくの漫画まんがを朗読ろうどくする。また、当時とうじよみうりテレビで生放送なまほうそうのバラエティ番組ばんぐみ『ざまぁKANKAN!』にて同名どうめいのコーナーが設もうけられ、いじめ等とうで苦くるしむ中高生ちゅうこうせいから届とどいた手紙てがみをスタジオで読よみ上あげるなど、いじめ問題もんだいを視聴しちょう者しゃとともに考かんがえる取とり組くみが見みられた。

1991年ねん、竹中たけなか直人なおと監督かんとくの『無能むのうの人ひと』やテレビ神奈川てれびかながわの『ファンキートマト'91』内ないの根本ねもと敬たかしによるレギュラーコーナー「世紀せいき末まつ特殊とくしゅ漫画まんが教室きょうしつ」に出演しゅつえん。バラエティ番組ばんぐみ『天才てんさい・たけしの元気げんきが出でるテレビ!!』（日本にほんテレビ）にも「全まったく笑わらわない女性じょせい」として出演しゅつえんした事ことがある。メディア露出ろしゅつが増ふえる一方いっぽう、無気力むきりょくになり、秋あき頃ごろ、青あお林堂はやしどうに原稿げんこうを持もって来きた際さいに、同社どうしゃに勤つとめる妹いもうとの真紀まきに「漫画まんがを描えがく気力きりょくがない」と漏もらす。また、頻繁ひんぱんにメモをつける、話はなしの途中とちゅうに突然とつぜん立たち去さる等ひとし、奇行きこうが目立めだつ様ようになる。7月の日記にっきには「友人ゆうじんも恋人こいびとも親おやも兄弟きょうだいもいらない。天涯孤独てんがいこどくでいい」とある。

晩年ばんねん（1992年ねん）

没ぼつ地ちとなった住宅じゅうたく・都市とし整備せいび公団こうだん（現げん・都市とし再生さいせい機構きこう）百草もぐさ団地だんち1-5-3棟むね

1991年ねん6月がつの日記にっきに「漫画まんがは自由じゆうに描えがけるエロ本ほんやガロに描えがく。生計せいけいはバイトで立たてる。」とあるように、10以上いじょうの面接めんせつで落おとされた結果けっか、91年ねん7月がつ頃ごろから飯田橋いいだばしの喫茶店きっさてん「白百合しらゆり」で漫画まんが家かであることを隠かくしてアルバイトをしていたが、注文ちゅうもんを覚おぼえられないなどの理由りゆうから解雇かいこされた。

解雇かいこ通告つうこく後ごの1992年ねん2月がつ25日にち、長ながかった髪かみを自分じぶんでバッサリ切きり、何なん日にちも着替きがえていない服ふくのまま、アルバイト先さきの最寄駅もよりえきである飯田橋いいだばし駅えき付近ふきんで放心ほうしん状態じょうたいで長時間ちょうじかん佇たたずんでいるところを麹こうじ町まち警察けいさつ署しょに保護ほごされた。連絡れんらくを受うけた妹いもうとの高市たかいち真紀まきが迎むかえに行いきアパートに連つれて帰かえるが、異常いじょうを感かんじた真紀まきは実家じっかに連絡れんらく。その日ひのうちに両親りょうしんが実家じっかに連つれて帰かえるが、翌日よくじつには東中野ひがしなかののアパートに出戻でもどり、解雇かいこされた飯田橋いいだばしの喫茶店きっさてんで「何なにとかもう一度いちど雇やとってほしい」と懇願こんがんし、タイムカードを押おして働はたらこうとするが制止せいしされる。それでも店みせを離はなれようとしなかった。

2月がつ28日にち夕刻ゆうこく、麹こうじ町まち警察けいさつ署しょより高市たかいち俊しゅん皓あきら宅たくに再度さいど連絡れんらくが入はいる。署しょによると、解雇かいこ通告つうこく後ごも従業じゅうぎょう員いん待合室まちあいしつに居座いすわっているので、すぐ引ひき取とりに来きて欲ほしいとの事ことであった。両親りょうしんが「白百合しらゆり」に着ついた時とき、マスクをして厚手あつでのコートを着きた彼女かのじょが一番いちばん奥おくの客席きゃくせきに小ちいさくなって座すわっており、か細ぼそい声こえで父親ちちおやに「みんなが私わたしをいじめるの」と漏もらす。父親ちちおやは彼女かのじょが着用ちゃくようしていたマスクについて「より目めになって口くちが突つき出でる精神分裂病せいしんぶんれつびょうの症状しょうじょう“犬いぬ顔がお”を隠かくすためではないか」と述のべている。

両親りょうしんは彼女かのじょを実家じっかに連つれて帰かえるが、翌よく29日にち朝あさ、台所だいどころで尿にょう失禁しっきんした上うえ、シャワーを浴あびた後のちに屋内おくないを裸はだかで走はしり回まわるなど錯乱さくらん状態じょうたいになり、救急きゅうきゅう病院びょういんで応急おうきゅう処置しょちを受うける。この時とき、小学校しょうがっこうの教師きょうしである母親ははおやの書棚しょだなからいじめや登校とうこう拒否きょひに関かんする本ほんを取とり出だして床ゆかに投なげ出だしながら「お前まえはこうゆう本ほんを読よんで子供こどもをいじめているんだろ。こうゆう本ほんが児童じどうをダメにしてるんじゃ。お前まえには主体性しゅたいせいがないのか。自分じぶんの考かんがえというものがないのか。お前まえが一番いちばんいじめをやっている」と激はげしくなじる。4月がつ18日にち付づけの日記にっきには「キチガイになったフリすれば、追おい出だされてアパートに帰かえれると思おもった。でも、そのことはもう私わたしにはどーでもいいことだった。そんな風ふうに考かんがえたってことは、私わたしがキチガイになったってことだから」とある。

しかし、錯乱さくらんした彼女かのじょは、むしろ子供こどものような笑顔えがおを父親ちちおやに対たいして見みせていたという。また、入院にゅういん前後ぜんこうの彼女かのじょは「より目め」の状態じょうたいになっており、これは彼女かのじょの少女しょうじょ時代じだいの特技とくぎでもあったことから、父親ちちおやは後のちに「あの時とき由美ゆみは、無邪気むじゃきで天真爛漫てんしんらんまんだった子供こどもの頃ころに帰かえって、陽気ようきにはしゃいでいたようにも思おもえる。しかし、むろんその時ときはそんな余裕よゆうは全まったくなかった」と回想かいそうしている。

3月3日にち、3時じ間あいだ余あまりかけて『魂たましいのアソコ』を制作せいさく。作品さくひんは「夢ゆめと希望きぼうは子供こどもを惑まどわすハメルンの笛ふえ吹ふき いつも裏切うらぎられてもういやッ! でも歩あるいて行いけば幸福こうふくがつかまるかも 私わたしって何なにて甘あまいんだろう」と結むすばれている。

翌よく3月4日にち、精神分裂病せいしんぶんれつびょうの診断しんだんにより、多摩たま市しの桜ヶ丘さくらがおか記念きねん病院びょういんに入院にゅういん。入院にゅういん中ちゅうは徐々じょじょに回復かいふくの兆きざしを見みせ、漫画まんがが描えがけるほどに回復かいふくする。3月27日にち付づけの日記にっきには「漫画まんが家か・山田やまだ花子はなこはセミの抜ぬけ殻がら。詩人しじん・鈴木すずきハルヨとして再さい出発しゅっぱつする」とある。3月30日にちには、妹いもうとの真紀まきと共同きょうどうで『アーメンソーメン冷ひやソーメン』を鈴木すずきハルヨの名義めいぎで制作せいさくする。入院にゅういん中ちゅうに制作せいさくした遺作いさく『4つ葉はのクローバー』は奇くしくもデビュー作さく『忘わすれもの』と同おなじテーマを扱あつかっていた。

5月3日にち付づけの日記にっきには「退院たいいんしたらバイト見みつけて独立どくりつする。合間あいまぬってマンガ制作せいさくする」との記述きじゅつがある。しかし、退院たいいん前日ぜんじつの5月22日にち付づけの日記にっきに「召めされたい理由りゆう」と題だいしたメモを書かき遺のこす。数すう年間ねんかんに亘わたって書かき続つづけてきたノート20冊さつ分ぶんに及およぶ日記にっきの本体ほんたい部分ぶぶんは、この日ひを以って終おわっている。

［召めされたい理由りゆう］
①いい年ねんこいて家事かじ手伝てつだい。やっかい者しゃ、ゴクツブシ、体からださい悪わるい
②友人ゆうじん1人にんもできない（まがもたない）クラいから
③将来しょうらいの見通みとおし暗くらい、つとめ先さきがみつからない（いじめられる）
④もうマンガかけない＝生いきがいが無ない
⑤家族かぞくにごはん食たべさせられる→太ふとるのがイヤ
⑥もう何なにもヤル気きがない、すべてがひたすらしんどい（無気力むきりょく、脱力だつりょく感かん）
⑦「存在そんざい不安ふあん症しょう」の発作ほっさが苦くるしい

•落おちる前まえの最後さいごシーン景色けしき•(百ひゃく草くさ団地だんち1-5-3棟むね11階かい)

1992年ねん5月23日にち、桜ヶ丘さくらがおか記念きねん病院びょういんを退院たいいん。翌よく24日にち夕刻ゆうこく、日野ひの市し百草もぐさの百草もぐさ団地だんち11階かいから投身とうしん自殺じさつ。24歳さい没ぼつ。彼女かのじょの死しを報ほうじる新聞しんぶん記事きじには「多摩たま市し内うちの無職むしょくA子こさん」とだけ記しるされていた。墓所はかしょは第だい二に南多摩みなみたま霊園れいえん。

団地だんち11階かいから飛とび降おり死しぬ
二に十じゅう四よん日にち夜よる、日野ひの市し百草もぐさ、住宅じゅうたく・都市とし整備せいび公団こうだん「百草もぐさ団地だんち」一いち街まち区く五ごの三さんで、女性じょせいが二に階かい屋根やね部分ぶぶんに倒たおれているのを住民じゅうみんが見みつけ、一いち一いち〇番ばん通報つうほうした。この女性じょせいは多摩たま市内しないの無職むしょくA子こさん（二に四よん）で、間まもなく死亡しぼうした。十じゅう一いち階かいの通路つうろにいすが置おいてあり、このいすを使つかって手てすりを乗のり越こえ飛とび降おりたらしい。（日野ひの署しょ調しらべ） — 当時とうじの新聞しんぶん記事きじより

没後ぼつご

彼女かのじょの死後しご、『ガロ』1992年ねん8月がつ号ごうにて緊急きんきゅう追悼ついとう特集とくしゅうが組くまれた。根本ねもと敬たかしを筆頭ひっとうに蛭子えびす能収よしかず、内田うちだ春菊しゅんぎく、花輪はなわ和一かずいち、丸尾まるお末広すえひろ、井口いぐち真しん吾われ、安彦やすひこ麻あさ理絵りえ、みぎわパン、友沢ともざわミミヨ、原はらマスミ、大宮おおみやイチ、赤田あかだ祐一ゆういち、ケラ、マディ上原うえはら、ジーコ内山うちやま、石川いしかわ次郎じろう、湯村ゆむら輝彦てるひこ、竹中たけなか直人なおと、高市たかいち俊しゅん皓あきら、高市たかいち裕子ゆうこ、手塚てづか能理子のりこらが追悼ついとうの言葉ことばを寄よせ、漫画まんが界かい以外いがいでも彼女かのじょの死しを悼いたんだ筋肉きんにく少女しょうじょ帯たいの大槻おおつきケンヂ、電気でんきグルーヴの石野いしの卓球たっきゅう、たまの知久ともひさ寿ひさし焼しょうと石川いしかわ浩司こうじ、チェッカーズの武内たけうち享とおるなど彼女かのじょが傾倒けいとうしていた数すう多おおくのミュージシャンが追悼ついとう文ぶんを寄稿きこうした。

彼女かのじょが敬意けいいを抱だいていたと言いわれる“特殊とくしゅ漫画まんが家か”の根本ねもと敬たかしは『ガロ』1992年ねん10月がつ号ごうの特集とくしゅう「特殊とくしゅ漫画まんが博覧はくらん会かい」にて恐おそれ山やまへ出向でむきイタコの口寄くちよせを行おこなった。降くだ霊れいした彼女かのじょは「私わたしは仕事しごとのことだけが原因げんいんであんなことをしたんです。立派りっぱなお葬式そうしきもあげてもらって…誰だれも恨うらんではないからね。わかったでしょ」と話はなす。この様子ようすは青あお林堂はやしどうから発売はつばいされていたビデオ『因果いんが境界きょうかい線せん』にも収録しゅうろくされている。

親交しんこうがあった俳優はいゆうで演出えんしゅつ家かのジーコ内山うちやまは、1992年ねんに追悼ついとう芝居しばい『魂たましいのアソコ』（主演しゅえん：サブリナ・ブルネイ）を上演じょうえん。2002年ねんには、彼女かのじょの漫画まんがを原作げんさくにした同名どうめいの自主じしゅ映画えいが『魂たましいのアソコ』を構想こうそう10年ねんの歳月さいげつをかけ製作せいさくしている。この映画えいがには芸人げいにんの鳥肌とりはだ実みと前衛ぜんえい芸術げいじゅつ家かの立島たてしま夕子ゆうこが主演しゅえんで参加さんかしており、全国ぜんこく70箇所かしょ以上いじょうで上映じょうえいされた。

1993年ねん刊行かんこうの『完全かんぜん自殺じさつマニュアル』（鶴見つるみ済わたる著ちょ/太田出版おおたしゅっぱん）の「投身とうしん自殺じさつ」の項目こうもくでは彼女かのじょの晩年ばんねんから自じ死しに至いたるまでが取とり上あげられている。生前せいぜんはメモ魔まであったと言いわれ、遺のこした日記にっきやメモの多おおくは没後ぼつご刊行かんこうされた『自殺じさつ直前ちょくぜん日記にっき』（太田出版おおたしゅっぱん）および作品さくひん集しゅう『魂たましいのアソコ』（青あお林りん工藝こうげい舎しゃ）にまとめられており、彼女かのじょがどのような葛藤かっとうの末すえ、飛とび降おり自殺じさつをするに至いたったかを知しることが出来できる。なかでも1996年ねん刊行かんこうの『自殺じさつ直前ちょくぜん日記にっき』はベストセラーとなり各かく方面ほうめんから大おおきな反響はんきょうを呼よぶなど、漫画まんが家か・山田やまだ花子はなこの名前なまえが広ひろく知しられるきっかけとなった。本書ほんしょは父親ちちおや編集へんしゅうによる私家版しかばん『山田やまだ花子はなこ日記にっき』を太田出版おおたしゅっぱんが再さい編集へんしゅうしたもので、1998年ねんには同社どうしゃより『自殺じさつ直前ちょくぜん日記にっき 完全かんぜん版ばん』として再さい刊行かんこうされ、2014年ねんには鉄人てつじん社しゃより復元ふくげん版ばんとなる『自殺じさつ直前ちょくぜん日記にっき 改あらため』が赤田あかだ祐一ゆういちの責任せきにん編集へんしゅうで再さい出版しゅっぱんされた。

作品さくひんの特色とくしょく

スター・システムを採用さいようしており、「大槻おおつきたまみ」「河合かわい桃子ももこ」「中村なかむらヒヨ子よね」「山本やまもとヨーコ」「栗山くりやまマサエ」「八木やぎマサヒコ」といった定番ていばんのキャラクターが登場とうじょうする。『なかよし』時代じだいの作品さくひんは、友達ともだちのいない子この人付ひとづき合あいや、人ひとと話はなしたりする時ときの悩なやみや苦くるしみなど不器用ぶきような人生じんせいを送おくっている人ひとたちを滑稽こっけいに描えがいた不条理ふじょうり4コマ漫画まんががほとんどで、「日記にっきまんが」と自称じしょうしたこれらの漫画まんが群ぐんは、漫画まんが家か養成ようせい専門せんもん学校がっこうの講師こうしから「ヤマもなければオチもない」と評価ひょうかされていた。なお、この時代じだいの作品さくひんは、かつて青あお林堂はやしどうから限定げんてい販売はんばいされた作品さくひん集しゅう『魂たましいのアソコ』に収録しゅうろくされている。

『なかよし』時代じだいは丸まるっこい古典こてん的てきギャグ漫画まんが調ちょうの画風がふうだが『神かみの悪あくフザケ』などでは荒々あらあらしくギクシャクした線せんに変化へんかしており、作品さくひんの内容ないようもより深ふかく人間にんげんの業ごうや闇やみを掘ほり返かえすような方向ほうこうに進すすんだ。

根本ねもと敬たかしは「山田やまだ花子はなこは実じつは絵えが非常ひじょうに上手うまく、どんな絵えでも描えがける」と評価ひょうかしている。しかし表面ひょうめん的てきな絵柄えがらの猥雑わいざつさやストーリー展開てんかいの不条理ふじょうりさなどから、作品さくひんの真価しんかを理解りかいできない者ものも多おおかったと見みられ、漫画まんが家かとして順風じゅんぷう満まん帆ほの歩あゆみだったとは言いい難がたい部分ぶぶんもある。山田やまだ花子はなこが一貫いっかんして描えがき続つづけた共通きょうつうのテーマは、人間にんげんのエゴイズムと不器用ぶきような人間にんげんが抱かかえている闇やみや苦くるしみであった。

エピソード

• 10万まん円えんの布団ふとんを買かわされた経験けいけんがある。
• 藤子とうこ不二雄ふじお作品さくひんは『魔ま太郎たろうがくる!』を愛読あいどくしていた。
• 白夜書房びゃくやしょぼうのパーティで巧たくみな一人ひとりコントを演えんじた事ことがある。
• イベントなど人前ひとまえに出でるときにはベレー帽ぼうにセせーラらー服ふくの恰好かっこうで登場とうじょうする事ことが多おおかった。
• 幻まぼろしの名めい盤ばん解放かいほう同盟どうめいが発掘はっくつした『男女だんじょ物語ものがたり』という歌謡かよう曲きょくを非常ひじょうに好このんで聴きいていた。
• 大変たいへんな遅筆ちひつで2ページの漫画まんがを描えがくのに36時じ間あいだも掛かかった事ことがあるという。作品さくひんも1-4ページや8ページほどの短編たんぺんが殆ほとんどで、生涯しょうがいを通とおして一般いっぱん的てきなストーリー漫画まんがを描えがく事ことは無なかった。
• 彼女かのじょが尊敬そんけいしていた根本ねもと敬たかしの漫画まんがには、気弱きよわで善良ぜんりょうないじめられ役やくの「村田むらた藤吉とうきち」と、いつも独善どくぜん的てきに振ふる舞まい村田むらた一家かずやを苦くるしめる「吉田よしだ佐吉さきち」という二人ふたりの主人公しゅじんこうが毎回まいかい登場とうじょうする。父親ちちおやの高市たかいち俊しゅん皓あきらは大泉おおいずみ実成さねなりのインタビューで「どうも由美ゆみは藤吉ふじよしは自分じぶんであると同時どうじに、根本ねもとさんも藤吉ふじよしである、と思おもい込こんでたフシがあるんですよ」と答こたえており、また父親ちちおやは『自殺じさつ直前ちょくぜん日記にっき』の後書あとがきでも「山田やまだ花子はなこの内面ないめんでは『私わたし＝村田むらた藤吉とうきち＝根本ねもと敬たかし』であったに違ちがいない。しかし、実際じっさいには、根本ねもと氏しの観察かんさつの対象たいしょうが常つねに他者たしゃだったのに対たいして、山田やまだ花子はなこの観察かんさつの対象たいしょうは専もっぱら自分じぶん自身じしんだった」と作さく劇げき上じょうにおける根本こんぽんと山田やまだの決定的けっていてきな違ちがいについて指摘してきしている。これに関かんして彼女かのじょの友人ゆうじんで漫画まんが家かの友沢ともざわミミヨは「根本ねもとさんが上うえから見みていた『佐吉さきち―藤吉ふじよし』関係かんけいを、彼女かのじょの場合ばあいは自みずからマンガにはまっていって『藤吉ふじよし』になり切きることで、身動みうごきがとれなくなったのでは」と推察すいさつしている。
• 彼女かのじょの日記にっきには、自身じしんの徹底てっていした悲観ひかん主義しゅぎを「破滅はめつ型がた自虐じぎゃくナルシズム」と名付なづけて他人事たにんごとのように客観きゃっかん視しして扱あつかうことで「生いきる事ことの絶望ぜつぼう」を乗のり越こえようとしていた記述きじゅつがある。一方いっぽうで根本ねもと敬たかしは彼女かのじょの自殺じさつについて「実じつは山田やまだ花子はなこは、絶望ぜつぼう、絶望ぜつぼう、絶望ぜつぼうに次つぐ絶望ぜつぼう、更さらに幾いくつかの絶望ぜつぼうを越こえた果はてに、燦然さんぜんと輝かがやく桃源郷とうげんきょうがある事ことを予見よけんしていた節ふしもあるのだが、生いきながらえたままそこに辿たどり着つくには、気力きりょく、体力たいりょく共ども、余あまりにしんどかったわけだ」と語かたっている。
• 山田やまだ花子はなこがデビューした当時とうじ､漫画まんが家かの弘ひろし兼けん憲史けんじと対談たいだんをすることがあった。その時ときのエピソードを『ハロー張はりネズミ 24―&ハリネズミ交遊こうゆう録ろく』 (ヤングマガジンコミックス)1996年ねん出版しゅっぱん165頁ぺーじのパート14「ハロー悪わるふざけ山田やまだ花子はなこ」と『からっぽの世界せかい』(青あお林りん工藝こうげい舎しゃ)1998年ねん出版しゅっぱん131頁ぺーじの「対談たいだん」にそれぞれの視点してんで漫画まんが化かしている。
• 自殺じさつ直前ちょくぜんまで入院にゅういんしていた病院びょういんで外泊がいはく許可きょかの出でた帰かえり道みち、彼女かのじょは童謡どうようの『春はるの小川おがわ』をよく口くちずさんだという。入院にゅういん中ちゅう制作せいさくされた作品さくひん『アーメンソーメン冷ひやソーメン』にも『春はるの小川おがわ』の歌詞かしが全文ぜんぶん転載てんさいされている。これについて青あお林りん工藝こうげい舎しゃ社長しゃちょうの手塚てづか能理子のりこは「特殊とくしゅ漫画まんが家かといわれながらも、山田やまだ花子はなこがこの世よで自分じぶん以外いがいに愛あいしたものは、植物しょくぶつや小しょう動物どうぶつ、童謡どうようや童話どうわだった。この両方りょうほうの世界せかいを固かたく結むすび付つけていたのは、まさに山田やまだ花子はなこの誰だれにも負まけないくらいに天てん晴ばれな業ごうの深ふかさである」と単行たんこう本ほん『神かみの悪あくフザケ』の解説かいせつで述のべている。
• 彼女かのじょは自殺じさつの前日ぜんじつ、じっとマンダラを一時いちじ間あいだぐらい見みていたという。

刊行かんこう本ほん

• 神かみの悪あくフザケ
  • 『神かみの悪あくフザケ』（講談社こうだんしゃ 1989年ねん5月がつ）ISBN 4061765566
  • 『神かみの悪あくフザケ（改訂かいてい版ばん）』（青あお林堂はやしどう 1995年ねん11月）ISBN 4792602610
  • 『定本ていほん 神しんの悪あくフザケ』（青あお林りん工藝こうげい舎しゃ 2000年ねん5月がつ）ISBN 488379055X
• 嘆なげきの天使てんし
  • 『嘆なげきの天使てんし』（青あお林堂はやしどう 1990年ねん8月がつ）ISBN 4792602009
  • 『嘆なげきの天使てんし』（青あお林りん工藝こうげい舎しゃ 1999年ねん11月）ISBN 4883790452
• 花咲はなさきける孤独こどく
  • 『花咲はなさきける孤独こどく』（青あお林堂はやしどう 1993年ねん1月がつ）ISBN 4792602270
  • 『改訂かいてい版ばん 花咲はなさきける孤独こどく』（青あお林りん工藝こうげい舎しゃ 2000年ねん9月がつ）ISBN 4883790576
• 魂たましいのアソコ
  • 『魂たましいのアソコ』（青あお林堂はやしどう 1996年ねん7月がつ）
  • 『改訂かいてい版ばん 魂たましいのアソコ』（青あお林りん工藝こうげい舎しゃ 2009年ねん7月がつ）ISBN 4883792935
• からっぽの世界せかい
  • 『からっぽの世界せかい』（青あお林りん工藝こうげい舎しゃ 1998年ねん1月がつ）ISBN 4883790010
• 自殺じさつ直前ちょくぜん日記にっき
  • 『自殺じさつ直前ちょくぜん日記にっき』（太田出版おおたしゅっぱん 1996年ねん6月がつ）ISBN 4872332814
  • 『自殺じさつ直前ちょくぜん日記にっき 完全かんぜん版ばん』（太田出版おおたしゅっぱん 1998年ねん10月がつ）ISBN 4872334191
  • 『自殺じさつ直前ちょくぜん日記にっき 改あらため』（鉄人てつじん社しゃ 2014年ねん2月がつ）ISBN 4904676998

作品さくひんリスト

漫画まんが作品さくひん

1982年ねん（昭和しょうわ57年ねん）

• となりの花子はなこさん（未み発表はっぴょう）
• 私わたしの中学校ちゅうがっこう生活せいかつ物語ものがたり（未み発表はっぴょう）
• 絵日記えにっき（未み発表はっぴょう）
• 新しん･中学生ちゅうがくせい日記にっき（未み発表はっぴょう）
• 花子はなこ先生せんせい（未み発表はっぴょう）

1983年ねん（昭和しょうわ58年ねん）

• 明あかるい仲間なかま（講談社こうだんしゃ『なかよしデラックス』1月がつ号ごう掲載けいさい）※入選にゅうせん作さく
• 大山おおやま家かのお子様こさま方かた（講談社こうだんしゃ『なかよしデラックス』4月がつ号ごう掲載けいさい）※デビュー作さく
• 人間にんげんシンボーだ（講談社こうだんしゃ『なかよしデラックス』83年ねん5月がつ号ごう～84年ねん6月がつ号ごう連載れんさい）※83年ねん6月がつ号ごうを除のぞく

1984年ねん～1986年ねん（昭和しょうわ59年ねん～昭和しょうわ61年ねん）

• タケシくんはえらい!（雑誌ざっし未み発表はっぴょう）
• 山田やまだゆうこのスクスク高校生こうこうせい-電車でんしゃ通学つうがくの巻まき-（雑誌ざっし未み発表はっぴょう）
• 情なさけない少女しょうじょ（雑誌ざっし未み発表はっぴょう）

1987年ねん（昭和しょうわ62年ねん）

• ごんぎつね（雑誌ざっし未み発表はっぴょう）
• 人ひとでなし（講談社こうだんしゃ『週刊しゅうかんヤングマガジン』月間げっかん新人しんじん漫画まんが賞しょう奨励しょうれい賞しょう入選にゅうせん作品さくひん）
• 下校げこう時刻じこく（未み発表はっぴょう）
• 神かみの悪あくフザケ（ちばてつや賞しょう佳作かさく入選にゅうせん作品さくひん）
• 天国てんごく（同人どうじん誌し）
• グラジオラス（個人こじん誌し）

1988年ねん（昭和しょうわ63年ねん）

• 神かみの悪あくフザケ（講談社こうだんしゃ『週刊しゅうかんヤングマガジン』88年ねん1月がつ4日にち号ごう～90年ねん2月がつ6日にち号ごう連載れんさい）※山田やまだ花子はなこ名義めいぎのデビュー作さく
• 至福しふくを肥こやせ!子供こどもたち（みのり書房しょぼう『漫画まんがスカット』88年ねん8月がつ号ごう～90年ねん6月がつ号ごう連載れんさい）※各かく単行本たんこうぼんに抜粋ばっすいして収録しゅうろく
• つくし（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』93年ねん7月がつ号ごう掲載けいさい）※88年ねん6月がつ制作せいさく
• 会話かいわ（みのり書房しょぼう『漫画まんがスカット』掲載けいさい）
• 続ぞく・会話かいわ（みのり書房しょぼう『漫画まんがスカット』掲載けいさい）

1989年ねん（昭和しょうわ64年ねん／平成へいせい元年がんねん）

• まじめな少女しょうじょと不良ふりょう少年しょうねん（講談社こうだんしゃ『週刊しゅうかんヤングマガジン』掲載けいさい年月日ねんがっぴ不明ふめい）※89年ねん3月がつ制作せいさく
• 夢見ゆめみる女おんなの子こ日記にっき（清きよし出版しゅっぱん『ピンクハウス』5月がつ号ごう～7月がつ号ごう連載れんさい）※5月がつ号ごう掲載けいさい分ぶん単行たんこう本ほん未み収録しゅうろく
• ある愛あいのかたち（講談社こうだんしゃ『週刊しゅうかんヤングマガジン』掲載けいさい年月日ねんがっぴ不明ふめい）※89年ねん7月がつ制作せいさく
• 逆恨さかうらみ（講談社こうだんしゃ『週刊しゅうかんヤングマガジン』掲載けいさい年月日ねんがっぴ不明ふめい）※89年ねん7月がつ制作せいさく
• 修羅しゅらの図鑑ずかん（講談社こうだんしゃ『週刊しゅうかんヤングマガジン』5月がつ8･15日にち合併がっぺい号ごう～8月がつ14日にち号ごう連載れんさい）
• 男心おとこごころ（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』8月がつ号ごう掲載けいさい）※『ガロ』入選にゅうせん作品さくひん
• 待まち合あわせ（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』9月がつ号ごう掲載けいさい）
• 対人たいじんの基本きほん（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』9月がつ号ごう掲載けいさい）
• 乙女おとめのワルツ（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』10月がつ号ごう掲載けいさい）
• トモダチ（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』11月がつ号ごう掲載けいさい）※単行本たんこうぼん未み収録しゅうろく
• いちょうの実み（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』12月がつ号ごう掲載けいさい）
• 花子はなこの女子高じょしこう生せい日記にっき（『ピンクハウス』89年ねん9月がつ号ごう～92年ねん3月がつ号ごう連載れんさい）※91年ねん2月がつ号ごうを除のぞく
• ゴキブリと少女しょうじょ（飛鳥新社あすかしんしゃ『ポップティーン』11月がつ号ごう掲載けいさい）※単行本たんこうぼん未み収録しゅうろく
• 桃色ももいろルンバ（竹たけ書房しょぼう『シンバット』89年ねん12月がつ号ごう～翌よく90年ねん5月がつ号ごう連載れんさい）※90年ねん1月がつ号ごう掲載けいさい分ぶん以外いがい単行たんこう本ほん未み収録しゅうろく

1990年ねん（平成へいせい2年ねん）

• OLヒットパレード-にちようびの巻まき（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』93年ねん7月がつ号ごう掲載けいさい）
• OLヒットパレード-地下ちか世界せかいのヒロインの巻まき（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』93年ねん7月がつ号ごう掲載けいさい）
• MYWAY（単行本たんこうぼん『嘆なげきの天使てんし』描えがき下おろし）
• パンクスに対たいする若わかき日ひの幻想げんそう（飛鳥新社あすかしんしゃ『ポップティーン』1月がつ号ごう掲載けいさい）
• 俗物ぞくぶつ天使てんし（竹たけ書房しょぼう『シンバット』2月がつ号ごう～4月がつ号ごう連載れんさい）
• チュウリップ幻術げんじゅつ（白夜書房びゃくやしょぼう『パチンカーワールド』90年ねん2月がつ号ごう～91年ねん10月がつ号ごう連載れんさい）※一部いちぶ単行たんこう本ほん未み収録しゅうろく
• 修羅しゅらの図鑑ずかん（地上ちじょう編へん）（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』1月がつ号ごう掲載けいさい）
• 絵え物語ものがたり・桃子ももこの初恋はつこい（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』2･3月がつ号ごう掲載けいさい）
• イオナ、私わたしは美うつくしい（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』4月がつ号ごう掲載けいさい）
• 卒業そつぎょう式しき—信しんじるものは救すくわれない—（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』5月がつ号ごう掲載けいさい）
• ジョン&ミーコ（竹たけ書房しょぼう『シンバット』5月がつ号ごう掲載けいさい）
• マリアの肛門こうもん（リイド社しゃ『リイドコミック』90年ねん5月がつ28日にち号ごう～91年ねん11月25日にち号ごう連載れんさい）
• みんな燃もえてしまえ（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』6月がつ号ごう掲載けいさい）
• ラブレター（雑誌ざっし未み発表はっぴょう）
• 子こリスの兄妹きょうだい（7月がつ制作せいさく 雑誌ざっし未み発表はっぴょう）
• 構想こうそう4年ねん「マサエの発狂はっきょう」改あらためメ オタンチン（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』7月がつ号ごう掲載けいさい）
• オタンチン・シリーズ バチあたり（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』8月がつ号ごう掲載けいさい）
• オタンチン・シリーズ 問題児もんだいじ（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』9月がつ号ごう掲載けいさい）
• おたんちんシリーズ ナチュラル・キッド（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』10月がつ号ごう掲載けいさい）
• オタンチン・シリーズ バカの時代じだい（増刊ぞうかん号ごう）（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』11月がつ号ごう掲載けいさい）
• オタンチン・シリーズ（最終さいしゅう回かい）馬鹿ばかは死しんでも治なおらない（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』12月がつ号ごう掲載けいさい）
• 天上天下てんじょうてんげ唯我独尊ゆいがどくそん その1 神様かみさまの言いう通とおり（雑誌ざっし未み発表はっぴょう）
• 天上天下てんじょうてんげ唯我独尊ゆいがどくそん その2 世界せかいはウソつき（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』92年ねん8月がつ号ごう掲載けいさい）

1991年ねん（平成へいせい3年ねん）

• こども天国てんごく・ピーナッツ（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』1月がつ号ごう掲載けいさい）
• 給食きゅうしょく（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』2･3月がつ号ごう掲載けいさい）
• 社会しゃかいの窓まどシリーズ 入学にゅうがく式しき（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』4月がつ号ごう掲載けいさい）
• 社会しゃかいの窓まどシリーズ 日直にっちょく同士どうしの会話かいわ（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』5月がつ号ごう掲載けいさい）
• いとしのヒヨコ（ミニコミ「chot」vol.2）
• 社会しゃかいの窓まどシリーズ にちようび（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』6月がつ号ごう掲載けいさい）
• 社会しゃかいの窓まどシリーズ 悲かなしきダメ人間にんげん（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』7月がつ号ごう掲載けいさい）
• おふくろさん（冬樹ふゆき社しゃ『月光げっこう文化ぶんか2』8月がつ号ごう掲載けいさい）※単行本たんこうぼん未み収録しゅうろく
• 社会しゃかいの窓まどシリーズ 親子おやこの会話かいわ（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』8月がつ号ごう掲載けいさい）
• 運命うんめいの方程式ほうていしき（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』9月がつ号ごう掲載けいさい）※単行本たんこうぼん未み収録しゅうろく
• 社会しゃかいの窓まどシリーズ あっちの世界せかい（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』9月がつ号ごう掲載けいさい）
• 幸福こうふくの科学かがくシリーズ まねっこコジキ（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』10月がつ号ごう掲載けいさい）
• 幸福こうふくの科学かがくシリーズ 男女だんじょ物語ものがたり（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』11月がつ号ごう掲載けいさい）
• 幸福こうふくの科学かがくシリーズ タマミの見張みはり番ばん（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』12月がつ号ごう掲載けいさい）
• ナルシス日記にっき（竹たけ書房しょぼう『別冊べっさつ近代きんだい麻雀まーじゃん』12月がつ号ごう掲載けいさい）※単行本たんこうぼん未み収録しゅうろく

1992年ねん（平成へいせい4年ねん）

• ノゾミカナエタマエ（秋田あきた書店しょてん『ヤングチャンピオン』1月がつ8日にち号ごう～5月がつ14日にち号ごう連載れんさい）
• 幸福こうふくの科学かがくシリーズ あかんたれ（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』1月がつ号ごう掲載けいさい）
• あかんたれシリーズ 世渡よわたりたくみ君くん（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』2･3月がつ号ごう掲載けいさい）
• ガード下かの靴くつみがき（冬樹ふゆき社しゃ『月光げっこう文化ぶんか3』2月がつ号ごう）
• 魂たましいのアソコ（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』8月がつ号ごう掲載けいさい）
• アーメンソーメン冷ひやソーメン（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』8月がつ号ごう掲載けいさい）※鈴木すずきハルヨ名義めいぎ
• 4つ葉はのクローバー（青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』8月がつ号ごう掲載けいさい）※遺作いさく

音楽おんがく作品さくひん

山田やまだ花子はなこは妹いもうとの高市たかいち真紀まきと音楽おんがく活動かつどうも行おこなっていた。彼女かのじょが遺のこした音源おんげんは1996年ねんに青あお林堂はやしどうから限定げんてい販売はんばいされた作品さくひん集しゅう『魂たましいのアソコ』に付属ふぞくのCDとして収録しゅうろくされている。

• 猿さる少女しょうじょマリア
• フランシーヌの場合ばあい
• グラジオラスのテーマ
• 海うみと百ひゃく合ごうのアリア（小学校しょうがっこう低てい学年がくねん頃ごろに友達ともだちと録音ろくおんした創作そうさく劇げき、歌うた、合奏がっそう、お喋しゃべり等とうと、19歳さいの時ときに自主じしゅ制作せいさくレーベル「クリちゃんレコード」へ送おくったデモテープで構成こうせい）※1995年ねんにトライアルランテープスより制作せいさく・発売はつばい

参考さんこう文献ぶんけん

• 青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』1992年ねん8月がつ号ごう「追悼ついとう/山田やまだ花子はなこ」
• 青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』1992年ねん10月がつ号ごう「特殊とくしゅ漫画まんが博覧はくらん会かい」
• 青あお林堂はやしどう『月刊げっかん漫画まんがガロ』1993年ねん7月がつ号ごう「山田やまだ花子はなこ一いち周忌しゅうきを迎むかえて」
• 石川いしかわ元はじめ『隠蔽いんぺいされた障害しょうがい－マンガ家か・山田やまだ花子はなこと非ひ言語げんご性せいLD』、岩波書店いわなみしょてん、2001年ねん9月がつ - ISBN 4-00-022112-4
  • 本書ほんしょの出版しゅっぱんに関かんしては、石川いしかわが「山田やまだ花子はなこの評伝ひょうでん」を執筆しっぴつしたいと遺族いぞくに伝つたえ、それに応おうじて遺族いぞくが資料しりょうを提供ていきょうした。だが、石川いしかわが執筆しっぴつしたのは「精神せいしん医学いがくの研究けんきゅう書しょ」であった。そのため、遺族いぞくとの間あいだに紛議ふんぎが生しょうじ、この本ほんは絶版ぜっぱん・廃棄はいき処分しょぶんとなった。
• 石丸いしまる元もと章あきら「いじめられっ子こマンガ家か山田やまだ花子はなこはなぜ死しんだか?」扶桑社ふそうしゃ『SPA!』1992年ねん7月がつ8日にち号ごう
• 大泉おおいずみ実成さねなり『消きえたマンガ家か』太田出版おおたしゅっぱん、1996年ねん8月がつ。ISBN 4-87233-292-X。 
• 山田やまだ花子はなこ『からっぽの世界せかい』青あお林りん工藝こうげい舎しゃ 1998年ねん1月がつ - ISBN 4-88379-001-0
• 山田やまだ花子はなこ『自殺じさつ直前ちょくぜん日記にっき－完全かんぜん版ばん』（『QJブックス』7）太田おおた出版しゅっぱん 1998年ねん10月がつ - ISBN 4-87233-419-1
• 山田やまだ花子はなこ『嘆なげきの天使てんし』青あお林りん工藝こうげい舎しゃ 1999年ねん11月 - ISBN 4-88379-045-2
• 山田やまだ花子はなこ『花咲はなさきける孤独こどく』改訂かいてい版ばん 青あお林りん工藝こうげい舎しゃ 2000年ねん9月がつ - ISBN 4-88379-057-6
• 山田やまだ花子はなこ『魂たましいのアソコ』改訂かいてい版ばん 青あお林りん工藝こうげい舎しゃ 2009年ねん7月がつ - ISBN 978-4-88379-293-1
• 青あお林りん工藝こうげい舎しゃ『アックス』Vol.69「山田やまだ花子はなこ再さい検証けんしょう」2009年ねん6月がつ - ISBN 4-88379-292-7
• “娘むすめが遺のこした日記にっきと漫画まんがで「教育きょういく」見詰みつめ直なおす”. 読売新聞よみうりしんぶん・東京とうきょう夕刊ゆうかん: p. 14. (1992年ねん12月25日にち) 
• “漫画まんが家かの自殺じさつ 傷きずつくのがこわい「やさしさ」世代せだいの若者わかものたち”. 朝日新聞あさひしんぶん・朝刊ちょうかん: p. 23. (1996年ねん4月がつ6日にち) 

関連かんれん項目こうもく

• 自殺じさつ・自決じけつ・自害じがいした日本にっぽんの著名ちょめい人物じんぶつ一覧いちらん

外部がいぶリンク

• 山田やまだ花子はなこの自殺じさつ
• 山田やまだ花子はなこ作品さくひんリスト
• 山田やまだ花子はなこプロジェクト
• 没後ぼつご20年ねん 山田やまだ花子はなこ回顧かいこ祭さい
• 山田やまだ花子はなこ没ぼつ後ご21年ねん 誰だれか花子はなこを想おもえはざる
• 没後ぼつご22年ねんを経へてなお支持しじされる、漫画まんが家か・山田やまだ花子はなこの生いき様ざま
• 真しんの芸術げいじゅつ家かの生なま、そして死し —漫画まんが家か・山田やまだ花子はなこを偲しのぶ—
• ブックギャラリーポポタム 山田やまだ花子はなこ回顧かいこ祭さいのようす
• 荒あら岡おか保志やすし「誰だれにも救すくえなかったオタンチンに再ふたたび愛あいを」
• 山田やまだ花子はなこ「自殺じさつ直前ちょくぜん日記にっき改あらため」紹介しょうかい文ぶん（根本ねもと敬たかし／2014年ねん3月がつ16日にち） - ウェイバックマシン（2017年ねん4月がつ13日にちアーカイブ分ぶん）