押川おしかわ則のり吉きち

押川おしかわ則のり吉きち（おしかわのりきち、1863年ねん 2月がつ7日にち（文久ぶんきゅう2年ねん12月19日にち） - 1918年ねん（大正たいしょう7年ねん）2月がつ18日にち）は、日本にっぽんの農のう商務しょうむ・内務ないむ官僚かんりょう、政治せいじ家か。官選かんせん県知事けんちじ、製鉄せいてつ所しょ長官ちょうかん、貴族きぞく院いん議員ぎいん。林野りんや整理せいり審査しんさ会長かいちょう、日本にっぽん大だい博覧はくらん会かい評議ひょうぎ員いん、大礼たいれい準備じゅんび委員いいんなども務つとめた。位階いかいおよび勲等くんとうは従したがえ三さん位い・勲一等くんいっとう。

経歴けいれき

薩摩さつま藩士はんし・押川おしかわ乙おつ五ご郎ろうの長男ちょうなん・千代ちよ太郎たろうとして生うまれる。1880年ねん6月がつ、東京とうきょう農林のうりん学校がっこうを卒業そつぎょう。1883年ねん3月、農のう商務省しょうむしょう御用ごよう掛かけとして出仕しゅっし。同年どうねん6月がつ、農学のうがく士し・農芸のうげい化か学士がくしの学位がくいを取得しゅとく。

1885年ねん7月がつ、新潟にいがた県けん御用ごよう掛かけに就任しゅうにん。1887年ねん4月がつ、農のう商務しょうむ属ぞくとして本省ほんしょうに復帰ふっき。1888年ねん5月から1891年ねん9月がつまで、仏ふつ国こく巴里ぱり府ふ万まん国大こくだい博覧はくらん会かい事務じむ官かん補ほなどとしてヨーロッパに駐在ちゅうざいした。帰国きこく後ご、1892年ねん3月がつに農のう商務しょうむ技師ぎしとなる。

1895年ねん5月、陸軍りくぐん省しょう雇員こいん・大本営だいほんえい付づけとして台湾たいわんに赴任ふにん。同月どうげつ、台湾たいわん総督そうとく府ふが設置せっちされ、民政みんせい局きょく殖産しょくさん部ぶ農務のうむ課長かちょう心得こころえに就任しゅうにん。さらに、兼けん参事官さんじかん心得こころえ、民政みんせい局きょく殖産しょくさん部長ぶちょうを歴任れきにんした。

1897年ねん12月、山形やまがた県けん知事ちじに就任しゅうにん。以後いご、大分おおいた県けん・長野ながの県けん・岩手いわて県けん・熊本くまもと県けんの各かく知事ちじを歴任れきにん。1908年ねん7月がつ、農のう商務しょうむ次官じかんに就任しゅうにん。1911年ねん8月がつ24日にち、貴族きぞく院いん勅みことのり選せん議員ぎいんに任にんじられ^[1]、死去しきょするまで在任ざいにんした。1912年ねん12月、内務ないむ次官じかんに就任しゅうにん。

1914年ねん7月がつ、製鉄せいてつ所しょ長官ちょうかんとなり、1915年ねんには日本にっぽん鉄鋼てっこう協会きょうかいの発起人ほっきにんに名なを連つらねた。

しかし1918年ねん2月がつ9日にち、衆議院しゅうぎいん予算よさん委員いいん会かいで、官営かんえい八幡やはた製鉄せいてつ所しょの鋼はがね片へん払はらい下さげが問題もんだい化かし、収賄しゅうわい事件じけんの発覚はっかくにより東京とうきょう府ふ下大崎しもおおさき長者ちょうじゃ丸まるの自邸じていで2月がつ18日にち縊死いしした^[2]。墓所はかしょは青山あおやま霊園れいえんにある。

栄典えいてん

位階いかい

1906年ねん（明治めいじ39年ねん）1月がつ31日にち - 従したがえ四よん位い^[3]
1913年ねん（大正たいしょう2年ねん）4月がつ10日とおか - 従したがえ三さん位い^[4]

勲章くんしょう等とう

1896年ねん（明治めいじ29年ねん）3月31日にち - 勲くん六ろく等とう単たん光こう旭日きょくじつ章あきら^[5]
1906年ねん（明治めいじ39年ねん）4月がつ1日にち - 勲くん三さん等とう旭日きょくじつ中ちゅう綬章じゅしょう^[6]
1911年ねん（明治めいじ44年ねん）8月がつ24日にち - 勲くん二に等とう瑞宝章ずいほうしょう^[7]
1915年ねん（大正たいしょう4年ねん）
- 11月7日にち - 勲一等くんいっとう瑞宝章ずいほうしょう^[8]
- 11月10日にち - 大礼たいれい記念きねん章あきら^[9]

訳書やくしょ

押川おしかわ外そと訳やく、ウヰルリヤム・ユアット著ちょ『牧畜ぼくちく全書ぜんしょ』上下じょうげ、農のう商務省しょうむしょう農務のうむ局きょく、1887年ねん。

親族しんぞく

妻つま愛あい:鹿児島かごしま県けん士族しぞく黒田くろだ清きよし妹いもうと。1953年ねん11月27日にち没ぼつ。享年きょうねん76歳さい。
男おとこ一いち郎ろう官僚かんりょう
娘むすめ幸代さちよ（上田うえだ万平まんぺい・宮城みやぎ県知事けんちじの妻つま）

脚注きゃくちゅう

^ 『官報かんぽう』第だい8454号ごう、明治めいじ44年ねん8月がつ25日にち。
^ 押川おしかわ則のり吉きち『近世きんせい自殺じさつ者しゃ列伝れつでん』(宮武みやたけ外骨がいこつ, 1931)
^ 『官報かんぽう』第だい6774号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1906年ねん2月がつ1日にち。
^ 『官報かんぽう』第だい207号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1913年ねん4月がつ11日にち。
^ 『官報かんぽう』第だい3861号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1896年ねん5月がつ15日にち。
^ 『官報かんぽう』号外ごうがい「叙任じょにん及辞令れい」1907年ねん3月がつ31日にち。
^ 『官報かんぽう』第だい8454号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1911年ねん8月がつ25日にち。
^ 『官報かんぽう』第だい1218号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1916年ねん8月がつ21日にち。
^ 『官報かんぽう』第だい1310号ごう・付録ふろく「辞令じれい」1916年ねん12月13日にち。

参考さんこう文献ぶんけん

秦はた郁いく彦編へん『日本にっぽん近きん現代げんだい人物じんぶつ履歴りれき事典じてん』東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱん会かい、2002年ねん。
歴代れきだい知事ちじ編纂へんさん会かい編へん『新編しんぺん日本にっぽんの歴代れきだい知事ちじ』歴代れきだい知事ちじ編纂へんさん会かい、1991年ねん。
衆議院しゅうぎいん・参議院さんぎいん編へん『議会ぎかい制度せいど百ひゃく年ねん史し - 貴族きぞく院いん・参議院さんぎいん議員ぎいん名鑑めいかん』1990年ねん。
やまだあつし『押川おしかわ則のり吉きちと台湾たいわん総督そうとく府ふ殖産しょくさん部ぶ（1895～1897）』《人間にんげん文化ぶんか研究けんきゅう第だい17号ごう 2022年ねん1月がつ》名古屋市立大学なごやしりつだいがく大学院だいがくいん、2022年ねん。

外部がいぶリンク

八幡やはた製鉄せいてつ所しょと押川おしかわ則のり吉きち『歴史れきし写真しゃしん. 大正たいしょう7年ねん4月がつ號ごう』（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）

公職こうしょく
先代せんだい床次とこなみ竹二郎たけじろう	内務ないむ次官じかん第だい17代だい：1912 - 1913	次代じだい水野みずの錬太郎れんたろう

[1] 『官報かんぽう』第だい8454号ごう、明治めいじ44年ねん8月がつ25日にち。

[2] 押川おしかわ則のり吉きち『近世きんせい自殺じさつ者しゃ列伝れつでん』(宮武みやたけ外骨がいこつ, 1931)

[3] 『官報かんぽう』第だい6774号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1906年ねん2月がつ1日にち。

[4] 『官報かんぽう』第だい207号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1913年ねん4月がつ11日にち。

[5] 『官報かんぽう』第だい3861号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1896年ねん5月がつ15日にち。

[6] 『官報かんぽう』号外ごうがい「叙任じょにん及辞令れい」1907年ねん3月がつ31日にち。

[7] 『官報かんぽう』第だい8454号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1911年ねん8月がつ25日にち。

[8] 『官報かんぽう』第だい1218号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1916年ねん8月がつ21日にち。

[9] 『官報かんぽう』第だい1310号ごう・付録ふろく「辞令じれい」1916年ねん12月13日にち。

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典拠てんきょ管理かんりデータベース
全般ぜんぱん	ISNI VIAF
国立こくりつ図書館としょかん	日本にっぽん