猿さる蟹かに合戦かっせん (芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ)

猿さる蟹かに合戦かっせん
作者さくしゃ	芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ
国くに	日本にっぽん
言語げんご	日本語にほんご
ジャンル	掌編しょうへん、パロディー
発表はっぴょう形態けいたい	雑誌ざっし掲載けいさい
初出しょしゅつ情報じょうほう
初出しょしゅつ	『婦人ふじん公論こうろん』1923年ねん3月がつ号ごう
刊本かんぽん情報じょうほう
収録しゅうろく	『芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ全集ぜんしゅう 第だい3巻かん』
出版しゅっぱん元もと	岩波書店いわなみしょてん
出版しゅっぱん年月日ねんがっぴ	1927年ねん
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「猿さる蟹かに合戦かっせん」（さるかにかっせん）は、芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけの掌編しょうへん。日本にっぽんの民話みんわ「さるかに合戦かっせん」を元もとにしたパロディー作品さくひんである。よく知しられた民話みんわの語かたられざる後日ごじつ談だんという体裁ていさいを取とっている。見事みごと仇かたき討うちを成なし遂とげた蟹かにと仲間なかま達たちだが、猿さるを殺害さつがいした咎とがめで蟹かには死刑しけいに処しょせられるという内容ないよう。

出版しゅっぱん

1923年ねん（大正たいしょう12年ねん）に、中央公論社ちゅうおうこうろんしゃが発行はっこうする婦人ふじん・女性じょせい誌し『婦人ふじん公論こうろん』3月がつ号ごうに発表はっぴょうされた。

あらすじ

蟹かには臼うす、蜂はち、卵たまごと共ともに、蟹かにの柿かきを奪うばった挙あげ句く、まだ熟じゅくしていない柿かきを投なげつけ殺ころした、猿さるに復讐ふくしゅうし、痛いためつけ殺ころして仇かたきを取とった。だが、お伽噺とぎばなしでは話はなされていないことだが、彼等かれらはその後ご、警官けいかんに捕縛ほばくされ投獄とうごくされる。そして裁判さいばんの結果けっか、主犯しゅはんの蟹かには死刑しけいに、共犯きょうはん者しゃは無期むき徒刑とけいの判決はんけつを受うける。

新聞しんぶん雑誌ざっしの輿論よろん、学識がくしき者しゃ、宗教しゅうきょう界かいなど各かく方面ほうめんからも蟹かに達たちに冷つめたく批判ひはん的てきな意見いけんが寄よせられ、死刑しけいは滞とどこおりなく執行しっこうされた。残のこされた蟹かにの妻つまは売笑ばいしょう婦ふとなり、長男ちょうなんは心しんを改あらため株かぶ屋やで働はたらきはじめ、次男じなんは小説しょうせつ家かとなった。三男さんなんは蟹かに以外いがいの何者なにものにもなれず、やがて握にぎり飯めしを拾ひろうが、木きの梢こずえには一いち匹ひきの猿さるがいた。その先さきの話はなしは、もしも猿さると戦たたかったら蟹かには天下てんかに殺ころされることは事実じじつだと話者わしゃは語かたり、「君きみたちもたいてい蟹かになんですよ」と締しめくくる。

収録しゅうろく書籍しょせき

電子でんし書籍しょせき以外いがいで文庫ぶんこ版ばん、新書しんしょ版ばん等とうの形式けいしきで出版しゅっぱんされているものを挙あげる。

『芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ全集ぜんしゅう 5』

1987年ねん、筑摩書房ちくましょぼう〈ちくま文庫ぶんこ あ-3-5〉ISBN 4-480-02085-3 , ISBN 978-4-480-02085-7

『蜘蛛くもの糸いと・杜もり子こ春はる・トロッコ : 他た十じゅう七なな篇へん』

1990年ねん、岩波書店いわなみしょてん〈岩波いわなみ文庫ぶんこ 緑みどり 70-7〉ISBN 4-00-310707-1 , ISBN 978-4-00-310707-2

2013年ねん、岩波書店いわなみしょてん〈ワイド版ばん岩波いわなみ文庫ぶんこ 358〉ISBN 978-4-00-007358-5

『蜘蛛くもの糸いと 杜もり子こ春はる : ほか』

2003年ねん、教育きょういく出版しゅっぱん〈読よんでおきたい日本にっぽんの名作めいさく 2〉ISBN 4-316-80040-X , ISBN 978-4-316-80040-0

『林はやし修おさむの「今こん読よみたい」日本にっぽん文学ぶんがく講座こうざ』

2013年ねん、宝島社たからじましゃ〈宝島たからじまSUGOI文庫ぶんこ Dは-4-3〉ISBN 978-4-8002-4322-5

外部がいぶリンク

• 『猿さる蟹かに合戦かっせん』：新字しんじ新しん仮名かめい - 青空あおぞら文庫ぶんこ