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かみしん微笑びしょう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
かみしん微笑びしょう
作者さくしゃ 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ
くに 日本の旗 日本にっぽん
言語げんご 日本語にほんご
ジャンル 短編たんぺん小説しょうせつ
発表はっぴょう形態けいたい 雑誌ざっし掲載けいさい
初出しょしゅつ情報じょうほう
初出しょしゅつしん小説しょうせつ1922ねん1がつごう
刊本かんぽん情報じょうほう
収録しゅうろくはるふく
出版しゅっぱんもと 春陽しゅんようどう
出版しゅっぱん年月日ねんがっぴ 1923ねん5月
ウィキポータル 文学ぶんがく ポータル 書物しょもつ
テンプレートを表示ひょうじ

かみしん微笑びしょう』(かみがみのびしょう)は、芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ小説しょうせつ1922ねん大正たいしょう11ねん)に『しん小説しょうせつ』にて発表はっぴょうされた。芥川あくたがわ小説しょうせつのジャンル「切支丹きりしたんぶつ」のひとつ。宣教師せんきょうしオルガンティーノが、記紀きき神話しんわかみから、「外国がいこくから伝来でんらいした文化ぶんかもとに、独自どくじ文化ぶんかつくげる」日本人にっぽんじん特性とくせいまなぶというストーリー。いわば「日本人にっぽんじんろん」をモチーフにした作品さくひんである。

あらすじ[編集へんしゅう]

京都きょうと南蛮寺なんばんじ夕暮ゆうぐれのにわある宣教師せんきょうしオルガンティーノは、いようの不安ふあんおそわれていた。かずじゅう年来ねんらい布教ふきょう活動かつどうみのり、いま日本にっぽん国内こくないキリシタンまんかぞえるほどにまでえた。しかし、このくにいわから草木くさきいたるまで、いようのい「霊気れいき」にちている。われらが「でうす如来にょらい」は、それにてようか……。庭先にわさき枝垂しだざくらるたびに、不安ふあんつのるばかりだった。

おののくオルガンティーノは「でうす如来にょらい」に夕暮ゆうぐれの祈祷きとうささげ、日本にっぽん神霊しんれいたたか自身じしんへの加護かごもとめる。その瞬間しゅんかんかれ目前もくぜん異様いよう光景こうけいひろげられる。それは、記紀きき神話しんわ天岩戸あまのいわと」の場面ばめんだった。衝撃しょうげきけたオルガンティーノは卒倒そっとうし、深夜しんやになってようやく意識いしきもどす。「このくにれいたたかうのは存外ぞんがいむずかしい」とおののくかれみみに、どこからか「けですよ!」というこえこえてくる。

翌日よくじつ、3、4にんさむらい入信にゅうしんもとめてきた。あらたな信者しんじゃたオルガンティーノは機嫌きげんなおし、天主教てんしゅきょう勝利しょうり確信かくしんする。そんなかれまえに、奇妙きみょう老人ろうじんあらわれる。くび勾玉まがたまをかけたかれ正体しょうたいは、日本にっぽん古代こだいかみだった。そのかみはオルガンティーノにかたりかける。

「あなたは天主教てんしゅきょう日本にっぽんひろめようとしていますね。それもわるいことでもないかもしれません。しかしでうすもこのくにては、きっと最後さいごにはけてしまいますよ。」

オルガンティーノは反論はんろんこころみるがそのかみえてしまった。

備考びこう[編集へんしゅう]

  • 天岩戸あまのいわと場面ばめんてんあきら大神おおがみ登場とうじょうする場面ばめんでは、別名べつめいの「大日だいにち孁貴」(おおひるめのむち)がもちいられている。執筆しっぴつ当時とうじ世相せそうでは、皇祖こうそしんてんあきら大神おおがみ」を登場とうじょうさせるのはさわりがあったためである。
  • 作品さくひん登場とうじょうする日本にっぽんかみは、このようにかたる。
わたし先日せんじつ西国さいこく上陸じょうりくしたギリシア船乗ふなのりに出会であいました。…いまではひゃくごうわか名乗なのっているそうです。」

古代こだいギリシア詩人しじんホメロスかた叙事詩じょじしオデュッセイア」(英語えいごめい・ユリシーズ)が室町むろまち時代ときよ日本にっぽん伝来でんらいして翻案ほんあんされ、「ひゃくごうわか大臣だいじん」の物語ものがたりまれた、とのせつしたがったエピソードだが、このせつ現在げんざいでは否定ひていされている。

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]