硫化りゅうか鉄てつ(II)

硫化りゅうか鉄てつ(II)
識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう	12068-85-8
特性とくせい
化学かがく式しき	FeS
モル質量しつりょう	87.911 g/mol
外観がいかん	黒色こくしょく固体こたい
密度みつど	4.84 g/cm3
融点ゆうてん	1194 °C
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・常つね圧あつ (100 kPa) におけるものである。

硫化りゅうか鉄てつ(II)（りゅうかてつ(II)、Iron(II) sulfide）は、組成そせい式しき FeS の無機むき化合かごう物ぶつである。粉末ふんまつの硫化りゅうか鉄てつ(II)は自然しぜん発火はっか性せい物質ぶっしつである。

硫黄いおうと鉄てつとを反応はんのうさせると得えられる。

${\ce {S8(s)\ + 8Fe(s) -> 8FeS(s)}}$

硫化りゅうか鉄てつの種類しゅるい

硫化りゅうか鉄てつにはいくつかのはっきり区別くべつされた種類しゅるいが存在そんざいする。

• 磁硫鉄鉱てっこう(Fe_1-xS)は、Desulfovibrionales細菌さいきんの排出はいしゅつ物ぶつで作つくられる鉱物こうぶつで、フェリ磁性じせいを持もつ。
• トロイリ鉱こう(FeS)は、磁硫鉄鉱てっこうによく似にた鉱物こうぶつであるが、強つよ磁性じせいを持もたない。
• マッキーノ鉱こう(Fe_1+xS)は、不安定ふあんていな鉱物こうぶつで、層状そうじょうの構造こうぞうを持もつ。
• 黄鉄鉱おうてっこう(FeS₂)は、金かねのような光沢こうたくを持もち、「愚者ぐしゃの黄金おうごん」とも呼よばれる。

実験じっけん利用りよう

加熱かねつすると硫化りゅうか鉄てつに化合かごうする。中学ちゅうがく理科りかの実験じっけんでは、硫黄いおうと鉄てつ粉こを混まぜ合あわせたものを試験管しけんかん(または筒つつ状じょうにしたアルミニウム箔はく)に入いれて加熱かねつし、硫化りゅうか鉄てつ(II) を得えるという実験じっけんが行おこなわれることが多おおい。

${\ce {Fe\ + S -> FeS}}$

希まれ塩酸えんさんや希まれ硫酸りゅうさんと混合こんごうすると硫化りゅうか水素すいそが生成せいせいする。

${\ce {FeS\ + 2HCl -> H2S\ + FeCl2}}$

${\ce {FeS\ + H2SO4 -> H2S\ + FeSO4}}$

参考さんこう文献ぶんけん

• D. Vaughan, J. Craig, (1978) Mineral Chemistry of Metal Sulfides, Cambridge University Press. ISBN 0-521-21489-0

関連かんれん項目こうもく

• 硫化りゅうか鉄てつ
• 硫化りゅうか鉄てつ(III)