塩化えんか鉄てつ(III)

塩化えんか鉄てつ(III)
塩化えんか鉄てつ(III) 六ろく水みず和物あえもの
一般いっぱん情報じょうほう
IUPAC名めい	塩化えんか鉄てつ(III)
別名べつめい	塩化えんか第だい二に鉄てつ，第だい二に塩化えんか鉄てつ
組成そせい式しき	FeCl3
式しき量りょう	162.22
形状けいじょう	黒褐色こっかっしょく六ろく方ぽう晶あきら結晶けっしょうまたは粉末ふんまつ（無む水物みずもの） 黄き褐色かっしょく単たん斜はす結晶けっしょうまたは粉末ふんまつ（六ろく水みず和物あえもの）
CAS登録とうろく番号ばんごう	7705-08-0
性質せいしつ
密度みつどと相そう	2.804 g/cm3, 固体こたい
水みずへの溶解ようかい度ど	92 g/100 mL (20 °C)
アセトンへの溶解ようかい度ど	63 g/100 mL (18 °C)
融点ゆうてん	282 °C（無む水物みずもの）
沸点ふってん	351 °C（無む水物みずもの）

塩化えんか鉄てつ(III)（えんかてつ(III)、Iron(III) chloride）は、組成そせい式しき FeCl₃の無機むき化合かごう物ぶつである。かつては塩化えんか第だい二に鉄てつ（えんかだいにてつ、ferric chloride）とも呼よばれた。金属きんぞく光沢こうたくがある。融点ゆうてんは 302 ℃。アルコールやエーテルに可か溶である。潮解ちょうかい性せいがある。水みず和物あえものは黄き褐色かっしょく（写真しゃしん）を呈ていする。水みずに溶とかすと赤褐色せきかっしょくの溶液ようえきとなる。

塩化えんか鉄てつ(II)が酸素さんそや空気くうきにより酸化さんかされ生成せいせいしたものは、不ふ均ひとし化かおよび加水かすい分解ぶんかいにより酸化さんか鉄てつ(III) や水酸化すいさんか鉄てつ(III)、塩基えんき性せい塩化えんか鉄てつ(III) の沈殿ちんでんが発生はっせいする。

結晶けっしょう状態じょうたいのものは強つよい酸化さんか力ちからを有ゆうする。濃厚のうこうな水溶液すいようえきでも酸化さんか作用さようを示しめすので、プリント基板きばんや銅どう版画はんがのエッチング剤ざいとして利用りようされている。

フェノール類るいに加くわえると呈てい色しょくするため、それらの検出けんしゅつに用もちいられる。ヘキサシアニド鉄てつ(II) 酸さんカリウムとの反応はんのうで濃こ青色あおいろ沈殿ちんでんが生成せいせいする。

塩化えんか第だい二に鉄てつの2004年度ねんど日本にっぽん国内こくない生産せいさん量りょうは 35万まん6472トン、工業こうぎょう消費しょうひ量りょうは 2万まん9314トンである。

生成せいせい

塩化えんか鉄てつ(II)と塩素えんその反応はんのうで生成せいせいされる。

${\ce {2FeCl2\ + Cl2 -> 2FeCl3}}$

または、塩化えんか鉄てつ(II)・二酸化にさんか硫黄いおう・塩化えんか水素すいその反応はんのうで生成せいせいされる。

${\ce {32FeCl2\ + 8SO2\ + 32HCl -> 32FeCl3\ + S8\ + 16H2O}}$

反応はんのう

塩化えんか鉄てつ(III)と酸化さんか鉄てつ(III)を約やく350 ℃まで加熱かねつするとオキシ塩化えんか鉄てつになる。

${\ce {FeCl3 + Fe2O3 -> 3FeOCl}}$

3価かの鉄てつイオンが銅どうから電子でんしを受うけ取とり2価かになり、銅どうは銅どうイオンになる。塩化えんか鉄てつ(III)は塩化えんか鉄てつ(II)になる。このプロセスをエッチングに利用りようする。

${\ce {FeCl3 + Cu -> FeCl2 + CuCl}}$

${\ce {FeCl3 + CuCl -> FeCl2 + CuCl2}}$

関連かんれん項目こうもく

• 塩化えんか鉄てつ(II)

外部がいぶリンク

• 国際こくさい化学かがく物質ぶっしつ安全あんぜん性せいカード 塩化えんか鉄てつ(III)(無む水物みずもの) (ICSC:1499) 日本語にほんご版ばん(国立こくりつ医薬品いやくひん食品しょくひん衛生えいせい研究所けんきゅうじょによる), 英語えいご版ばん
• 塩化えんか鉄てつ (III) 六ろく水みず和物あえもの JISK8142:2018