騎士 道
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/12/Victor_Vasnetsov_-_Knight_at_the_Crossroads_-_Google_Art_Project.jpg/280px-Victor_Vasnetsov_-_Knight_at_the_Crossroads_-_Google_Art_Project.jpg)
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![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/9a/Edmund_blair_leighton_accolade.jpg/200px-Edmund_blair_leighton_accolade.jpg)
概要 [編集 ]
起源 と歴史 [編集 ]
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中世 盛期 騎士 道 [編集 ]
- PROWESS:
優 れた戦闘 能力 - COURAGE:
勇気 、武 勇 - DEFENSE:
教会 や弱者 の守護 - HONESTY:
正直 さ、高潔 さ - LOYALTY:
誠実 、忠誠 心 - CHARITY:
寛大 さ、気前 よさ、博愛 精神 - FAITH:
信念 、信仰 - COURTESY:
礼節 正 しさ
騎士 道 の書 [編集 ]
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/39/The_Order_of_Chivalry_Cover_Page.jpg/220px-The_Order_of_Chivalry_Cover_Page.jpg)
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騎士 の起源 [編集 ]
博愛 心 、忠誠 心 、品格 、正義 、そして真実 が世 に陰 る時 、残虐 さ、暴力 、不実 と偽 りが姿 を表 す。そして世 に秩序 を戻 すために選 ばれし者 こそ、騎士 である。愛 と尊敬 、それは憎 しみと不 正義 の対極 である。騎士 は、その気高 い勇気 、善 い振 る舞 い、寛大 さ、そして名誉 をもって、人々 より愛 され畏敬 される存在 たらねばならない。そうして騎士 は、愛 によって博愛 と秩序 を世 に回復 させ、畏敬 によって、正義 と真実 を世 に取 り戻 すのである。
騎士 の責務 [編集 ]
騎士 たる者 の責務 、それは聖 なる普遍 の教会 の信仰 を護 り支 えることである。それは自 らの主君 に仕 え、これを護 ることである。それは封土 を護 り、自 らへの畏 れを生 じさせ、庶民 が働 き土地 を耕 すよう保護 することである。それは婦女子 を、寡婦 を、孤児 を、病 める者 を、衰弱 せし者 を護 ることである。それは自 らの城 と馬 を保 ち、道 を防衛 し、土地 を耕 す者 たちを護 ることである。それは盗人 を、賊 を、悪人 を探 し出 し罰 することである。そして
正義 こそが、全 ての騎士 がその身 を捧 げるべき理念 である。騎士 道 を敬 うことは智慧 を愛 することであり、危険 や死 を顧 みず内 なる勇気 を武勇 として発露 することは、騎士 道 の教 えに従 うことである。
同僚 が盗 みを働 くことを許 し、それを助 ける騎士 は、その責務 に背 くものと知 れ。盗人 である騎士 たち、彼等 が真 に盗 んでいるのは金銭 でも財宝 でもなく、騎士 道 の気高 き名誉 である。
従 騎士 の試験 [編集 ]
騎士 への叙任 を望 む従 騎士 につき、相応 しい試験 を実施 せねばならないのは全 く当然 である。まず試験 官 は、従 騎士 に対 し、神 を愛 し、畏敬 するかを問 わねばならない。そして騎士 の序列 に加 わろうとする従 騎士 には、騎士 道 を貫 く者 にもたらされる重大 な責任 と危険 とを良 く知 らせねばならない。騎士 とは、自 らの死 の危機 より、人々 からの非難 と不名誉 を恐 れるべき存在 なのだから。
騎士 に授 けられる武具 の意味 [編集 ]
騎士 に授 けられる剣 、それはアダムの原罪 を背負 いし主 が磔 られた、十字架 の象徴 である。騎士 に授 けられる槍 、それは真実 の象徴 である。真実 とは、曲 がりなく一様 で、不実 を貫 き事実 に到達 するものなのだから。騎士 に授 けられる兜 、それは騎士 が不名誉 を恐 れるべきことの象徴 である。騎士 に授 けられる拍車 、それは騎士 が騎士 道 の気高 き名誉 を守 るために備 えるべき勤勉 さと素早 さの象徴 である。騎士 が跨 がる鞍 、それは騎士 の揺 るがぬ勇気 と騎士 道 の持 つ重 い責務 の象徴 である。
騎士 たる者 の美徳 と善行 [編集 ]
卓絶 した勇気 、それこそ騎士 が人々 の上 に立 つ者 として選 ばれた理由 である。加 えて比類 なき立 ち居振 る舞 いと躾 もまた、騎士 に求 められる素養 である。忠誠 、真実 、忍耐 、寛容 、良識 、謙虚 、慈悲 、そしてそれに類 する美徳 もまた、騎士 道 に欠 かせぬものである。騎士 は公共 の利益 を愛 さねばならない。なぜなら、社会 とは騎士 により創設 され確立 されたものなのだから。
騎士 の名誉 [編集 ]
騎士 とは、祭壇 にその身 を献 げる聖職 者 を除 き、この世 のあらゆる身分 より誉 れ高 い身分 である。故 に、実際 には土地 の不足 から難 しいものの、全 ての騎士 には領主 たる権利 がある。騎士 道 の美徳 を備 えず、騎士 でない者 は、国 の王 たる、君 主 たる資格 も主君 たる資格 も持 たない。
騎士 の十戒 [編集 ]
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/33/Leon_Gautier%27s_Chivalry_Book_Cover.jpg/220px-Leon_Gautier%27s_Chivalry_Book_Cover.jpg)
フランスの
第 一 の戒律 汝 、須 らく教会 の教 えを信 じ、その命令 に服従 すべし[編集 ]
何人 も、洗礼 を受 けクリスチャンになることなくして騎士 になることは出来 ない。信仰 の中 に信仰 のために死 ぬことこそが騎士 の義務 であり、この戒律 を地上 で守 ったものは、天国 において絶対 的 名誉 と共 に聖 なる花 の芳香 に包 まれ報 われる。
第 二 の戒律 汝 、教会 を護 るべし[編集 ]
第 二 の戒律 は第 一 の戒律 を補完 するものであり、キリストの戦士 たちは常 にこの文言 を守 ることを求 めらる。騎士 とは、教会 の教 えを守護 する戦士 であり、その血 は一 滴 残 さず聖 なる教会 の守護 に流 されねばならない。
第 三 の戒律 汝 、須 らく弱 き者 を尊 び、かの者 たちの守護 者 たるべし[編集 ]
第 三 の戒律 において「弱 き者 」は教会 を含 むがそれに留 まらない概念 であり、騎士 には世 の中 のあらゆる弱者 を守護 する任務 が与 えられる。騎士 は、特 に神 に仕 える聖職 者 、女性 と子供 、寡婦 、そして孤児 の守護 者 たらねばならない。
第 四 の戒律 汝 、その生 まれし国家 を愛 すべし[編集 ]
騎士 は生 まれ故郷 の街 や、自 らの領地 への狭 い愛着 心 でなく、国 全 てを愛 する「愛国心 」を持 たねばならない。
第 五 の戒律 汝 、敵 を前 にして退 くことなかれ[編集 ]
第 五 の戒律 は戦場 おいて繰 り返 し発揮 された戒律 であり、当時 の騎士 たちは「臆病者 たるより死 を選 べ――一人 の臆病者 が全 軍団 を怯 ませる!」「敵 の撃滅 か我 らの全滅 、それ以外 になし!」と唱和 した。また剣 に対 して飛 び道具 である投 げ槍 や弓 は臆病者 の騎士 が使 う武器 と見 做され、「初 めに弓引 く者 に不幸 あれ。かの者 は肉弾 戦 に能 わぬ臆病者 なのだ」という警句 も残 されている。
第 六 の戒律 汝 、異教徒 に対 し手 を休 めず、容赦 をせず戦 うべし[編集 ]
騎士 道 の武勇 の発露 として唯一 正当 性 を持 つのは、それを異教徒 相手 に発揮 した時 だけである。異教徒 の侵略 を食 い止 めるために戦 い、また時 には十字軍 として敵 地 に侵攻 することは、騎士 の最高 の献身 であり貢献 であった。
第 七 の戒律 汝 、神 の律 法 に反 しない限 りにおいて、臣従 の義務 を厳格 に果 たすべし[編集 ]
第 七 の戒律 が教 えるのはあらゆる封建 的 義務 の遂行 と、主君 に対 する揺 るがぬ忠誠 心 である。臣下 は主君 に対 し、その命令 が詐 害 行為 でなく、そして信仰 、教会 、弱 き者 を害 するものでない限 り、万事 において服従 する義務 を有 する。
第 八 の戒律 汝 、嘘 偽 りを述 べるなかれ、汝 の誓言 に忠実 たるべし[編集 ]
騎士 は偽 りに警戒 し、そして嘘 を述 べることは唾棄 すべきことと知 らねばならない。
第 九 の戒律 汝 、寛大 たれ、そして誰 に対 しても施 しを為 すべし[編集 ]
寛大 さこそ騎士 道 の本質 の一 つである。寄進 や贈答 ほど偉大 なことはなく、騎士 は救貧 院 や病院 の建設 や、貧 しい部下 への寄付 など、進 んで喜 びを持 って手放 さねばならない。
第 十 の戒律 汝 、いついかなる時 も正義 と善 の味方 となりて、不正 と悪 に立 ち向 かうべし[編集 ]
騎士 とは、常 に助 けを求 められているがごとく耳 を傾 ける者 である。そして騎士 は秩序 の守護 者 、不 正義 の復讐 者 なることをゆめ忘 れてはならない。
その他 文献 [編集 ]
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/ec/Maltese-Cross-Heraldry.svg/200px-Maltese-Cross-Heraldry.svg.png)
十字架 の4つの腕 は基本 的 な道徳 を表 し、それぞれ慎重 さ、節制 、正義 、不屈 の精神 を意味 する。8つの尖 った角 は山上 の垂 訓 の8つの恵 みを表 し、それぞれ謙虚 、思 いやり、礼儀 、献身 、慈悲 、清 らかさ、平和 、忍耐 を意味 する。
(テンプル
騎士 団 の騎士 たちは)主 の戦争 を戦 うことが許 された、疑 いようのないキリストの戦士 なり。…彼 らがキリストの為 に死 を選 ぶ行為 も、敵 に死 を与 える行為 も、それは栄光 以外 の何 物 にもあらず、ましてや罪 には断 じてあらず! キリストの戦士 たちが携 える剣 は飾 りではない。それは不道徳 を浄化 し、正義 に栄光 をもたらすものなり。悪人 に死 をもたらすは殺人 にあらず、敢 えてこの表現 を用 いらば、異教徒 を征 する誅殺 なり!
また、シャルトル
この
上 なく聖 なる主 、全能 の父 よ…あなたは邪 まな者 の悪意 を砕 き正義 を守 るために剣 を使 うのを、我々 にお許 しになりました…どうか貴方 の前 にいるこの下僕 の心 を善 に向 けさせ、この剣 であろうと他 の剣 であろうと、不正 に他人 を傷 つけるためには決 して使 わせないようになさってください。この下僕 に、常 に正義 と善 を守 るために剣 を抜 かせてください。
近世 騎士 道 [編集 ]
フランスのエレノア・アクラエムは、このロマンス
この
武士 道 と騎士 道 [編集 ]
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なお、その
関連 した作品 [編集 ]
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/20/Don_Quijote_and_Sancho_Panza.jpg/200px-Don_Quijote_and_Sancho_Panza.jpg)
文学
- ミュージカル
酔 いどれ公爵 (1985年 )
脚注 [編集 ]
注釈 [編集 ]
出典 [編集 ]
- ^ Francis Warre-Cornish (1908). Chivalry. Swan Sonnenschein & Co., Lim.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n レオン・ゴーティエ (2020
年 1月 ).武田 秀太郎 . ed.騎士 道 .中央公論 新 社 - ^ From Sarmatia to Alania to Ossetia: The Land of the Iron People | GeoCurrents
- ^ トマス・ブルフィンチ
野上 弥生子 訳 『中世 騎士 道 物語 』岩波書店 - ^ アンドレア・ホプキンズ.
西洋 騎士 道 大全 .東洋 書林 - ^ 「
神道 にあらず儒道 にあらず仏道 にあらず、神 儒仏 三 道 融和 の道念 にして、中古 以降 専 ら武門 に於 て其著しきを見 る。鉄太郎 (鉄舟 )これを名付 けて武士 道 と云 ふ」山岡 鉄舟 ・勝 海舟 『武士 道 』(慶応 四 年 )
参考 文献 [編集 ]
- アンドレア・ホプキンス『
西洋 騎士 道 大全 』東洋 書林 (2005/11/10) - トマス・ブルフィンチ
野上 弥生子 訳 『中世 騎士 道 物語 』岩波書店 - グランド・オーディン
著 堀越 孝一 監訳 『西洋 騎士 道 事典 』原 書房 新渡戸 稲造 著 矢内 原 忠雄 訳 『武士 道 』岩波 文庫 李 登輝 『「武士 道 」解題 -ノーブレス・オブリージュとは』小学館 - レオン・ゴーティエ
著 武田 秀太郎 編 訳 『騎士 道 』中央公論 新 社
関連 項目 [編集 ]
騎士 武勲 詩 黄金 律 報徳 思想 決闘 従 士 制度 ・封建 制 ・荘園 騎士 団 騎士 修道 会 - スイス
傭兵 - フトゥッワ
- サラーフッディーン -
十字軍 期 、イスラムの騎士 道 と謳 われた。長身 で是非 のはっきりした行動 的 なリチャード獅子 心 王 とは対照 的 に、細身 で内気 で謙虚 であり学者 然 としていた。 - 30
人 の戦 い -百 年 戦争 中 のエピソード。騎士 道 精神 の発露 と謳 われた。
行動 規範
修身 ・道徳 教育 ・倫理 - マナー・
品位 (人品 )・儀礼 ・プロトコル・しつけ - ノブレス・オブリージュ
武士 道 - フルーシーヤ - アラビア
圏 における騎士 の行動 規範 六芸 -古代 中国 で上流 階級 が修 める事 とされた内容 :礼節 ・音楽 ・弓術 ・馬術 ・六書 ・数学
外部 リンク[編集 ]
- パラディン(
フランス語 版 ウィキペディア) 主 な宗教 に共通 する価値 観 - ウェイバックマシン(2007年 11月29日 アーカイブ分 )- Cavalleria medievale