Berkeley Open Infrastructure for Network Computing

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（BOINCから転送てんそう）
BOINC
macOS上うえで動作どうさするBOINC Manager 7.6.22
開発元かいはつもと カリフォルニア大学だいがくバークレー校こう
初版しょはん 2002年ねん4月がつ10日とおか (22年ねん前まえ) (2002-04-10)
最新さいしん版ばん
7.16.11 Windows

2020年ねん9月がつ2日にち (3年ねん前まえ) (2020-09-02)

7.16.13 macOS 2020年ねん11月26日にち (3年ねん前まえ) (2020-11-26)

7.4.22 Linux 2014年ねん9月がつ17日にち (9年ねん前まえ) (2014-09-17)

7.4.53 Android 2016年ねん7月がつ3日にち (7年ねん前まえ) (2016-07-03)

最新さいしん評価ひょうか版ばん
7.16.6 Linux

2020年ねん4月がつ5日にち (4年ねん前まえ) (2020-04-05)

7.16.3 Android 2019年ねん10月がつ10日とおか (4年ねん前まえ) (2019-10-10)

リポジトリ
ウィキデータを編集
プログラミング
言語げんご		 C++ (client/server)
PHP (project CMS)
Java/Kotlin (Android client)
対応たいおうOS Windows
macOS
Linux
Android
種別しゅべつ

グリッド・コンピューティング

ボランティア・コンピューティング
ライセンス GNU Lesser General Public License[1]
Project licensing varies
公式こうしきサイト boinc.berkeley.edu
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Berkeley Open Infrastructure for Network Computing（バークレー・オープン・インフラストラクチャ・フォー・ネットワーク・コンピューティング）、略称りゃくしょう BOINC（ボインク、発音はつおん [bɔɪŋk] – "oink"と韻いんを踏ふむ[2]）は、ボランティア・コンピューティングとグリッド・コンピューティングのためのオープンソースのミドルウェア・システムである。もともとはSETI@homeプロジェクト（2020年ねん3月がつ31日にち終了しゅうりょう）をサポートするために開発かいはつされたが、数学すうがく、言語げんご学がく、医学いがく、分子生物学ぶんしせいぶつがく、気候きこう学がく、環境かんきょう科学かがく、宇宙うちゅう物理ぶつり学がくなどの多様たような分野ぶんやで、他たの分散ぶんさんアプリケーションのためのプラットフォームとして一般いっぱん化かされた[3]。BOINCは、研究けんきゅう者しゃが世界中せかいじゅうの複数ふくすうのパーソナルコンピュータの膨大ぼうだいな処理しょり資源しげん（英語えいご版ばん）を利用りようできるようにすることを目的もくてきとしている。

BOINCの開発かいはつは、カリフォルニア大学だいがくバークレー校こうの宇宙うちゅう科学かがく研究所けんきゅうじょ(en:Space Sciences Laboratory, SSL)に拠点きょてんを置おき、SETI@homeのリーダーでもあるデビッド・P・アンダーソン（英語えいご版ばん）(David P. Anderson)が率ひきいるチームから始はじまった[4]。高性能こうせいのう分散ぶんさんコンピューティング・プラットフォームとして、BOINCは、2020年ねん3月がつ17日にち時点じてんで、世界中せかいじゅうの約やく137,805人にんのアクティブな参加さんか者しゃと791,443台だいのアクティブなコンピュータ (ホスト) を集あつめ、平均へいきん41.548ペタフロップスで処理しょりする[5] (スーパーコンピュータTOP500リスト上じょうの個々ここのスーパーコンピュータと比較ひかくした場合ばあい、世界せかいで5番目ばんめに大おおきな処理しょり能力のうりょくとなる)。全米ぜんべい科学かがく財団ざいだん (NSF) は、SCI/0221529[6]、SCI/0438443[7]、SCI/0721124[8]の各かく賞しょうを通つうじてBOINCに資金しきんを提供ていきょうしている。ギネス世界せかい記録きろくでは、BOINCは世界せかい最大さいだいの計算けいさんグリッドとしてランク付づけしている[9]。

BOINCのコードは、Microsoft Windows、macOS、Android[10]、Linux、FreeBSD[11]を含ふくむ様々さまざまなオペレーティングシステム上じょうで動作どうさする。BOINCはGNU Lesser General Public License (LGPL)の条件じょうけんでリリースされたフリーソフトウェアである。

BOINC の特徴とくちょう[編集へんしゅう]

参加さんか者しゃ側がわからみた特徴とくちょう[編集へんしゅう]

参加さんか者しゃが最初さいしょに導入どうにゅうするのは、後述こうじゅつする BOINC クライアントであるが、ここではクライアント側がわソフトウェアの構造こうぞうから説明せつめいを始はじめる。 まず、参加さんか者しゃ側がわに配置はいちされるクライアント・ソフトウェアが稼動かどうするのに必須ひっすな部分ぶぶんは以下いかの2つである。

  • (a) アプリケーション: 分散ぶんさんコンピューティング・プロジェクトのそれぞれが目的もくてきとする計算けいさんをする部分ぶぶん
  • (b) コア・クライアント: どのプロジェクトでも使つかう共通きょうつう部分ぶぶん（運用うんようサーバとの送受信そうじゅしん機能きのうや 上記じょうきの(a)部分ぶぶんから呼よび出だすライブラリ機能きのう）

前者ぜんしゃ(a)アプリケーションは、各かくプロジェクトのサーバから参加さんか者しゃ側がわへダウンロードされて複数ふくすうプロジェクトが共存きょうぞんできる。

上記じょうきの必須ひっす部分ぶぶん (a)+(b) に加くわえて、操作そうさを楽らくにするための GUI が追加ついかできる。GUI 部分ぶぶんと、(a)、そして(b)はこのように構造こうぞう上じょう分離ぶんりされているが、今いまではほとんどのプラットフォーム向むけにそれぞれ GUI が用意よういされている。このため参加さんか者しゃからみると GUI がオプションであるとは意識いしきされていないことがほとんどである。配布はいふに際さいしても (b)コア・クライアントと GUI は一体いったいとして配くばられているので、コア・クライアント+ GUI を BOINC クライアントと呼よぶことが多おおい。つまり、

  • (c) BOINC クライアント: コア・クライアント+ GUI 部分ぶぶん

である。たとえば、Windows用ようや、macOS用ようの標準ひょうじゅんGUI版はんの BOINC クライアントがある。GUI の中なかには、機能きのうを絞しぼったシンプルな画面がめんと細こまかい操作そうさのできる Advanced View の 2層そう構造こうぞうになっているものもある。 コア・クライアントには、スクリーンセイバーを組込くみこむ仕組しくみが用意よういされており、旧来きゅうらいの SETI@home でもあったようなグラフィカルな動作どうさ画面がめんが表示ひょうじされる。スクリーンセイバーは アプリケーションごとに用意よういするものなので、スクリーンセイバーが表示ひょうじされないプロジェクトもある。以下いかではBOINC クライアントを、主おもにコア・クライアント + GUI の意味いみで使つかうが、さらにおおまかに、(a)も集合しゅうごう的てきに含ふくめたクライアント側がわソフトウェア全体ぜんたいを意味いみすることもある。

BOINC ベースの分散ぶんさんコンピューティングプロジェクトへの参加さんか者しゃは、まず BOINC クライアントを入手にゅうしゅし、プロジェクトへの参加さんか登録とうろくは BOINC クライアントを通つうじて行おこなう [12]。参加さんか登録とうろくが終おわるとただちにそのプロジェクトのアプリケーションと最初さいしょの仕事しごとが自動的じどうてきにダウンロードされ、運用うんようが始はじまる仕組しくみである。アプリケーションの新あたらしいバージョンがリリースされた際さいも、BOINC クライアントが自動的じどうてきにダウンロードする。稼動かどうの一時いちじ停止ていしや再開さいかい、プロジェクトからの脱退だったいは、BOINC クライアント上じょうで指示しじできる。

複数ふくすうのプロジェクトに同時どうじに参加さんかする場合ばあいも、BOINC クライアント上じょうから参加さんか手続てつづきをすればよい。同時どうじに稼動かどうできるプロジェクトは CPUコア1つ(INTELCPUのHTが有効ゆうこう時じは二に分ぶんの一ひとつ)につき一いちプロジェクトのみだが、一定いってい時間じかんごとに BOINC クライアントが自動的じどうてきにプロジェクトを切きり替かえる。

BOINC クライアントの設定せっていや各かくプロジェクトの設定せってい、プロジェクト間あいだの稼動かどう比率ひりつの設定せっていは、現状げんじょうでは BOINC クライアント上じょうからは設定せっていできない。プロジェクトのウェブサイトに設もうけられたユーザーページ上じょうで設定せってい変更へんこうし、後のちほど変更へんこう情報じょうほうを BOINC クライアントに取とり込こむ方法ほうほうが採とられている。

プロジェクト側がわからみた特徴とくちょう[編集へんしゅう]

サーバ運用うんようの手法しゅほうが確立かくりつしているため、新あらたにプロジェクトを起おこす際さいに一いちからインフラ部分ぶぶんを整備せいびする労力ろうりょくを要ようしない。また、関連かんれんプログラムはオープンソース化かされている。

SETI@home で得えられた分散ぶんさんコンピューティングの運用うんようノウハウを他たの科学かがく研究けんきゅうにも役立やくだてることを主眼しゅがんとしているため、サーバ運用うんようの省力しょうりょく化かを念頭ねんとうに置おいて開発かいはつされている。通常つうじょう、分散ぶんさんコンピューティングでは計算けいさん結果けっかの信頼しんらい性せいを高たかめるため、同一どういつの仕事しごとを複数ふくすうの参加さんか者しゃに配布はいふして返却へんきゃくされた計算けいさん結果けっかを比較ひかくしている。この、仕事しごとの複製ふくせい → 配布はいふ → 計算けいさん結果けっかの回収かいしゅう → 真偽しんぎ判定はんてい → 参加さんか者しゃへの功績こうせき値ちの付与ふよ → 不要ふようファイルの抹消まっしょう、という一連いちれんの運用うんようが自動じどう化かされている。

旧きゅうSETI@home では、終了しゅうりょう直前ちょくぜんの仕事しごとを複製ふくせいしておき不正ふせいに功績こうせき値ちを稼かせぐチート行為こういが問題もんだいとなったが、個々ここの仕事しごとがどの参加さんか者しゃのどのコンピュータに配布はいふされたかを把握はあくしている BOINC ではこのようなことはない。

BOINC クライアントでは、自身じしんが走はしっているコンピュータの情報じょうほうを細こまかく調しらべてプロジェクト側がわに申告しんこくしている。これにより、特定とくていのプラットフォームや CPU の計算けいさん能力のうりょく、プロジェクトに提供ていきょうするメモリやハードディスク容量ようりょうの多寡たかによって、参加さんかの可否かひや配布はいふする仕事しごとの軽重けいちょうを選択せんたくできるようになっている。

設計せっけいと構造こうぞう[編集へんしゅう]

BOINCは、プロジェクト主催しゅさい者しゃが運営うんえいするサーバーシステムと、ボランティアが所有しょゆうするコンピュータ上じょうで動作どうさするクライアントソフトウェアで構成こうせいされ、相互そうごに通信つうしんして作業さぎょう単位たんい(ワークユニット; Work Unitと呼よぶ)を分配ぶんぱいおよび処理しょりし、結果けっかを返却へんきゃくする仕組しくみになっている。

プロジェクトサーバシステム[編集へんしゅう]

プロジェクト主催しゅさい者しゃのサーバは、次つぎのような構成こうせいをとる。

  • プロジェクト・バックエンドサーバ 参加さんかクライアントに配布はいふするプログラムや計算けいさんユニットをデータサーバに供給きょうきゅうする、また参加さんか者しゃから送おくられてきた計算けいさん結果けっかを処理しょりするサーバ
  • BOINCサーバ群ぐん
    • スケジューリングサーバ群ぐん 参加さんかクライアントと通信つうしんを行おこなう。
    • 計算けいさんユニット、計算けいさん結果けっか、参加さんか者しゃアカウントを管理かんりする関係かんけいデータベースサーバ
    • バックエンドサーバとBOINCサーバ群ぐんを連携れんけいするユーティリティ
    • プロジェクト参加さんか者しゃや開発かいはつ者しゃのためのWebインタフェース
    • データサーバ群ぐん 参加さんかクライアントへのファイル配信はいしんと計算けいさん結果けっかの収集しゅうしゅうを行おこなう。これらの通信つうしんはHTTPを使つかって行おこなう。

クライアントソフトウェア[編集へんしゅう]

SETI@homeプロジェクトに取とり組くんでいるBOINCマネージャ(v 7.6.22)
詳細しょうさいは「BOINCクライアント-サーバ技術ぎじゅつ」を参照さんしょう
BOINCマネージャのアイコン

BOINCは本質ほんしつ的てきに、コンピュータで未み使用しようのCPUやGPUのサイクルを科学かがく計算けいさんに利用りようできるソフトウェアであり、個人こじんが自分じぶんのコンピュータを使つかわない分ぶんをBOINCが利用りようする。2008年ねん末まつ、BOINCの公式こうしきウェブサイトでは、NVIDIAが科学かがく計算けいさんにGPUを利用りようするCUDAと呼よばれるシステムを開発かいはつしたと発表はっぴょうした。NVIDIAの支援しえんにより、現在げんざい、BOINCベースのいくつかのプロジェクト (SETI@home、MilkyWay@homeなど) では、CUDAを使用しようしてNVIDIAのGPU上じょうで動作どうさするアプリケーションが含ふくまれるようになった。2009年ねん10月がつから、BOINCはATI/AMDファミリのGPUのサポートも追加ついかした。これらのアプリケーションは、以前いぜんのCPUのみのバージョンよりも2倍ばいから10倍ばい速はやく動作どうさする。7.xプレビュー版ばんでは、AMD Radeonグラフィックカードを搭載とうさいしたMac OS XコンピュータのGPUサポート (OpenCL経由けいゆ) が追加ついかされた。

ユーザインタフェース[編集へんしゅう]

BOINCは、リモートプロシージャコール (RPC)、コマンドライン、BOINCアカウントマネージャからリモートで制御せいぎょできる。

BOINCマネージャには現在げんざい、アドバンストビューと簡易かんいGUIという2つの「ビュー」がある。グリッドビューは冗長じょうちょうだったため、6.6.xクライアントでは削除さくじょされた。

簡易かんいGUIの外観がいかん(スキン)は、ユーザが独自どくじのデザインを作成さくせいできるように、ユーザがカスタマイズすることができる。

モバイルアプリケーション[編集へんしゅう]

Android用ようのBOINCアプリも存在そんざいし、スマートフォン、タブレット、KindleなどのAndroid端末たんまつを所有しょゆうしている全すべての人ひとが、未み使用しようのコンピューティングパワーを共有きょうゆうすることができる。ユーザは、アプリの利用りよう可能かのうなプロジェクトリストから、支援しえんしたい研究けんきゅうプロジェクトを選択せんたくすることができる。

デフォルトでは、デバイスがWiFiネットワークに接続せつぞくされ、充電じゅうでんされており、バッテリーの充電じゅうでんが少すくなくとも90％以上いじょうの場合ばあいにのみ、アプリケーションはコンピューティングを許可きょかする[13]。これらの設定せっていの一部いちぶは、ユーザのニーズに合あわせて変更へんこうできる。ただし、すべてのBOINCプロジェクトが利用りようできるわけではなく[14]、一部いちぶのプロジェクトはすべてのバージョンのAndroid OSに対応たいおうしていなかったり、作業さぎょうが断続だんぞく的てきであったりする。現在げんざい利用りよう可能かのうなプロジェクトと対応たいおうするプラットフォームは、BOINCプロジェクトのWebサイトに掲載けいさいされている[14]。

アカウントマネージャ[編集へんしゅう]

BOINCアカウントマネージャは、複数ふくすうのコンピュータ (CPU) とオペレーティングシステムにわたって、複数ふくすうのBOINCプロジェクトアカウントを管理かんりするアプリケーションである。アカウントマネージャーは、BOINCを初はじめて利用りようするユーザや、複数ふくすうのコンピュータを複数ふくすうのプロジェクトに参加さんかさせているユーザ向むけに設計せっけいされている。アカウントマネージャーのコンセプトは、GridRepublicとBOINCが共同きょうどうで考案こうあん・開発かいはつしたものである。現在げんざいおよび過去かこのアカウントマネージャーは次つぎの通とおりである：

  • BAM! (BOINC Account Manager) -  2006年ねん5月がつ30日にちに公開こうかいされた最初さいしょの公開こうかいアカウントマネージャー
  • GridRepublic（英語えいご版ばん） - アカウント管理かんりに関かんしては、シンプルな状態じょうたいを維持いじし、きちんとした状態じょうたいを維持いじするという考かんがえに従したがっている
  • Charity Engine（英語えいご版ばん）(チャリティーエンジン) - 非ひ営利えいりのアカウントマネージャーを雇やとい、懸賞けんしょうの抽選ちゅうせんや継続けいぞく的てきなチャリティー募金ぼきん活動かつどうを利用りようして、人々ひとびとのグリッドへの参加さんか意欲いよくを高たかめる
  • Dazzler (ダズラー) - オープンソースのアカウントマネージャー、制度せいど的てきな経営けいえい資源しげんを楽らくにする

クレジットシステム[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「BOINCクレジットシステム」を参照さんしょう

BOINCクレジットシステムは、クレジットを付与ふよする前まえに結果けっかを検証けんしょうすることで、不正ふせい行為こういを避さけるように設計せっけいされている。

  • クレジット管理かんりシステムは、ユーザが科学かがく的てきにも統計とうけい的てきにも正確せいかくな結果けっかを返かえしていることを確認かくにんするのに役立やくだつ。
  • オンライン分散ぶんさんコンピューティングは、ほとんどボランティアの努力どりょくによって成なり立たっている。このような理由りゆうから、プロジェクトは新規しんきユーザ、長期ちょうきユーザ、引退いんたいするユーザの複雑ふくざつで変動へんどう性せいのある組くみ合あわせに依存いぞんしている。

歴史れきし[編集へんしゅう]

  • 2000年ねん - SETI@homeの今後こんごの計画けいかくとして、SETI@home IIを計画けいかく中ちゅうであることを表明ひょうめい。
  • 2002年ねん8月がつ - BOINCを開発かいはつ中ちゅうであることを表明ひょうめい。
  • 2003年ねん
    • 4月がつ - United Devices社しゃ(UD)から、BOINCのソースコードの公開こうかい差さし止とめを求もとめて訴訟そしょうを起おこされる。開発かいはつ主任しゅにんのデビッド・アンダーソン博士はかせがかつてUD社しゃに勤つとめていたことを理由りゆうに、UD社しゃの企業きぎょう秘密ひみつを流用りゅうようしてUD社しゃの脅威きょういとなるソフトウェアを開発かいはつしていると主張しゅちょう。
    • 7月がつ - UD社しゃとの和解わかいが成立せいりつ。完全かんぜんなオープンソースでの配布はいふを断念だんねんし、商用しょうよう利用りようを不可ふかとするライセンスにすることで合意ごうい[15]。
  • 2004年ねん
    • 6月がつ
      • SETI@home/BOINCを一般いっぱん公開こうかい。
      • Climateprediction.netがBOINCを採用さいよう。
      • Predictor@homeがBOINCを採用さいよう。
    • 9月 - LHC@homeがBOINCを採用さいよう。
    • 11月 - Einstein@HomeがBOINCを採用さいよう。
  • 2005年ねん
    • 1月がつ - UD社しゃとの和解わかいが期限切きげんぎれを迎むかえ、Lesser GPLのライセンスでの配布はいふが可能かのうとなる。
    • 6月がつ
      • Rosetta@homeがBOINCを採用さいよう。
      • SETI@homeのウェブサイトをSETI@home/BOINCのものに差さし替かえ。半年はんとしの移行いこう期間きかんを設もうけてSETI@homeクラシックを運用うんよう終了しゅうりょうすることを宣言せんげん。
    • 11月 - SETI@homeクラシックを1ヶ月かげつ後ごに運用うんよう終了しゅうりょうすると表明ひょうめい。
    • 12月 - SETI@homeクラシックが運用うんよう終了しゅうりょう。
  • 2013年ねん7月がつ - Android用ようBOINCクライアント公開こうかい[16][17]。
  • 2020年ねん3月がつ31日にち - SETI@home/BOINC運用うんよう終了しゅうりょう。

プロジェクト一覧いちらん[編集へんしゅう]

現在げんざいアカウント作成さくせい・稼働かどう可能かのうなもの[編集へんしゅう]

オープンβべーたのプロジェクトも含ふくむ。

天文学てんもんがく[編集へんしゅう]

気候きこう学がく[編集へんしゅう]

地震じしん学がく[編集へんしゅう]

数学すうがく[編集へんしゅう]

物理ぶつり学がく[編集へんしゅう]

化学かがく[編集へんしゅう]

構造こうぞう生物せいぶつ学がく[編集へんしゅう]

分子生物学ぶんしせいぶつがく[編集へんしゅう]

疫学えきがく[編集へんしゅう]

認知にんち科学かがく[編集へんしゅう]

計算けいさん機き科学かがく[編集へんしゅう]

アニメーションレンダリング[編集へんしゅう]

パズル[編集へんしゅう]

テスト、その他た[編集へんしゅう]

  • Gerasim@home
  • Pirates@Home
    • テストプロジェクト。もともとはEinstein@homeのスクリーンセーバ用よう画像がぞうを制作せいさくするプロジェクトだったが、現在げんざいは分散ぶんさんコンピューティングについて理解りかいするための学習がくしゅう教材きょうざいに転用てんようされている。
  • VTU@home
    • テストプロジェクト。本格ほんかく的てきなプロジェクトを立たち上あげる前まえの運用うんよう習熟しゅうじゅくで、素因数そいんすう分解ぶんかいの単純たんじゅんな総そう当あたり式しきによる素数そすう探索たんさくを行おこなうダミーワークが配布はいふされている。

オムニバス[編集へんしゅう]

参加さんか者しゃの募集ぼしゅうを停止ていし中ちゅうのもの[編集へんしゅう]

クローズドβべーた、あるいは参加さんか者しゃ数すうを限定げんていして運用うんようしているプロジェクト群ぐん。

運用うんようにむけて準備じゅんび中ちゅうのもの[編集へんしゅう]

参加さんか者しゃ登録とうろくは可能かのうなものの、まだワークの配布はいふが始はじまっていないプロジェクト。

活動かつどうを休止きゅうし中ちゅうのもの[編集へんしゅう]

長期ちょうきに渡わたって運用うんよう停止ていししていたり、運営うんえい側がわが休止きゅうしを宣言せんげんしたプロジェクト。

BOINCの技術ぎじゅつをベースにした分散ぶんさんコンピューティングプロジェクト[編集へんしゅう]

World Community Grid[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「World Community Grid」を参照さんしょう

IBM社しゃの支援しえんの下した、複数ふくすうの医療いりょう系けいプロジェクトを展開てんかいしている。既すでにいくつかのプロジェクトが完了かんりょう、もしくはフェーズ2に移行いこうしている。

United Devices社しゃのシステムで運用うんようされているプロジェクトであったが、UD社しゃのクライアントのサポートは2008年ねん6月がつで中止ちゅうしされ[19]、一方いっぽうこれと平行へいこうして2005年ねん11月からBOINCクライアントからも参加さんかできるようになり、現在げんざいはBOINCクライアントのみのサポートとなった[20]。当初とうしょは脇役わきやく的てきな扱あつかいでBOINCからの参加さんか方法ほうほうも解わかりづらかったが、grid.org の終了しゅうりょう前後ぜんこうから主客しゅかくが逆転ぎゃくてんし、ウェブサイトでの参加さんか登録とうろく後ごに現あらわれるクライアントダウンロードページでも BOINCクライアントが上位じょういに表示ひょうじされるなど、UDクライアントの方ほうが脇わきへと追おいやられているという変遷へんせんもあった。

WCGサイトからの参加さんか手続てつづきは通常つうじょうとは若干じゃっかん異ことなるが、これは初心者しょしんしゃに対たいする配慮はいりょからWCGプロジェクトに参加さんかした状態じょうたいでのインストールになっていることによる。そのため、BOINCでWCGに参加さんかする場合ばあいは、WCGサイトからインストールするのが最もっとも簡単かんたんで手間てまがかからない。またBOINCクライアントは最新さいしん版ばんが使用しようされており、インストール後ごにWCG以外いがいのプロジェクトを追加ついかする場合ばあいも特とくに制限せいげんはなく、別途べっとBOINCに参加さんかした人ひととの差異さいはないと言いって良よい。

2007年ねん10月3日にちBOINCクライアントからの功績こうせき値ちは68.8%に達たっし、2008年ねん6月26日にちには100%となり、UDクライアントは使命しめいを終おえた。

特徴とくちょうとしてはBOINCでの功績こうせき値ち（クレジット）とは別べつに、過去かこのUDクライアントによる功績こうせき値ちとの整合せいごう性せいを取とる必要ひつよう性せいからポイント（1クレジット＝7ポイント）による功績こうせき値ち集計しゅうけいを行おこなっている。なおBOINC Stats等とうでは、BOINCクライアントによる功績こうせき値ちのみが通常つうじょうのクレジットで集計しゅうけいされる。

グラフィック表示ひょうじ可能かのう。（ただしグラフィックサイズは640×480px）

BOINCと違ちがい、プロジェクト単位たんいでのユーザー登録とうろくではなく、World Community Gridで1つのアカウントを作成さくせいする仕組しくみである。1つのアカウントの元もとでWCG全すべてのプロジェクトに参加さんかするか、個々ここのプロジェクトに参加さんかするかの選択せんたく設定せっていも行おこなえる。またWCGでは新規しんきプロジェクトの始動しどうと終了しゅうりょうが比較ひかく的てきに頻繁ひんぱんに行おこなわれるが、新規しんきプロジェクトを自動的じどうてきに追加ついかする設定せっていがプロファイル設定せっていに存在そんざいし、これにより自動じどうで参加さんかプロジェクトを増ふやせる。

  • FightAIDS@Home （2005年ねん11月21日にち発足ほっそく）- HIVの新あたらしい候補こうほ薬やくの特定とくてい。
  • Human Proteome Folding - Phase 2（ヒトたんぱく質しつ解析かいせきフェーズ 2 2006年ねん6月23日にち発足ほっそく） - 特定とくていのヒト・タンパク質たんぱくしつと病原びょうげんタンパク質たんぱくしつの分解ぶんかい構造こうぞうを得えることとタンパク質たんぱくしつ構造こうぞう予測よそくの限界げんかい探索たんさく。生物せいぶつ学がく的てきなことと生物せいぶつ物理ぶつり的てきなことへも対処たいしょ。
  • Help Conquer Cancer（がん撲滅ぼくめつ支援しえん 2007年ねん11月6日にち発足ほっそく） - がん治療ちりょうのためのたんぱく質しつ解析かいせき。
  • Help Fight Childhood Cancer（ファイト!小児しょうにがんプロジェクト 2009年ねん3月16日にち発足ほっそく） - 神経しんけい芽め腫しゅに関連かんれんする3つの特定とくていのタンパク質たんぱくしつと、それを不ふ活かつ化かさせる為ための薬剤やくざい候補こうほとの仮想かそう結合けつごう実験じっけん。千葉ちば県けんがんセンター及および千葉大学ちばだいがくの研究けんきゅう者しゃが主宰しゅさい。
  • Help Cure Muscular Dystrophy - Phase 2（筋きんジストロフィー治療ちりょう支援しえんフェーズ2 2009年ねん5月13日にち発足ほっそく） - 神経しんけい筋すじ疾患しっかんを引ひき起おこす遺伝子いでんしに対応たいおうするタンパク質たんぱくしつの分子ぶんしモデリング解析かいせき。
  • The Clean Energy Project - Phase （2010年ねん6月がつ30日にち発足ほっそく） - 炭素たんそベースの光ひかり発電はつでん効率こうりつを高たかめる新しん素材そざいの探索たんさく。ハーバード大学だいがくの化学かがく・生物せいぶつ化学かがく部ぶが主催しゅさい。当初とうしょはLinux版ばんのみで開始かいし。
  • Computing for Clean Water：（2010年ねん9月がつ20日はつか発足ほっそく） - 新あらたなフィルター素材そざいでの効率こうりつ的てきな水みず分子ぶんしの流ながれの様相ようそう探索たんさく。低てい価格かかく、高こう効率こうりつの水みず浄化じょうかフィルター開発かいはつを目標もくひょうとする。
  • Drug Search for Leishmaniasis （2011年ねん9月がつ7日にち発足ほっそく）- リーシュマニア症しょうの治療ちりょう法ほうに結むすびつく有望ゆうぼうな合成ごうせい物ぶつの探索たんさく。コロンビア共和きょうわ国こくメデジン市しのアンティオキア大学だいがくの研究けんきゅう者しゃが主催しゅさい。

なお、最新さいしんのプロジェクト状況じょうきょうについてはWorld Community Gridを参照さんしょう。

cell computing βべーたirth[編集へんしゅう]

BOINCをベースに運用うんようされている商用しょうようプロジェクト。2008年ねん3月がつ末まつをもってすべての活動かつどうを終了しゅうりょうした。cell computing βべーたirthの項こうも参照さんしょうのこと。

BOINC標準ひょうじゅんクライアントからの参加さんかはできないが、cell computing βべーたirthのクライアントから各かくBOINCプロジェクトへの参加さんかは可能かのう。ただしクライアントがBOINCクライアント ver.4をベースとしているため、ver.5以降いこうのクライアントを前提ぜんていとしたBOINCプロジェクトには参加さんかできない。

  • CHRONOS
    • ヒトゲノム染色せんしょく体たい間あいだ法則ほうそく性せい解明かいめいプロジェクト
  • sekigahara（セキガハラ）
    • 関ヶ原せきがはらの合戦かっせん映像えいぞう製作せいさくプロジェクト

BBC Climate Change Experiment[編集へんしゅう]

ClimatePrediction.netのBBC協賛きょうさん版ばん。1920年ねんから2080年ねんまでの160年間ねんかんもの気候きこう変動へんどうをシミュレートする。

ウェブサイトでは独自どくじクライアントをダウンロードするよう誘導ゆうどうされるが、BOINC標準ひょうじゅんクライアントからも問題もんだいなく参加さんかできる。

ワークの配布はいふは2007年ねん1月がつで打うち切きられ、運用うんよう結果けっかをもとにイギリス本国ほんごくで特番とくばんが放映ほうえいされた（ダイジェスト版ばんはYouTubeで閲覧えつらん可能かのう[21]。既すでに参加さんか者しゃ登録とうろくは終了しゅうりょうしており、現在げんざいは解析かいせき中ちゅうワークの返却へんきゃくのみ受うけ付つけている）。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ BOINC is now distributed under the Lesser GPL, BOINC, University of California, Berkeley, (2005-01-15), オリジナルの2016-03-04時点じてんにおけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20160304185434/https://boinc.berkeley.edu/legal.html 2012年ねん8月がつ19日にち閲覧えつらん。 
  2. ^ “Rosetta@home”. YouTube. Rosetta@home (2007年ねん1月がつ7日にち). 2015年ねん8月がつ26日にち閲覧えつらん。
  3. ^ Scoles, Sarah. “A Brief History of SETI@Home” (英語えいご). The Atlantic. https://www.theatlantic.com/science/archive/2017/05/aliens-on-your-packard-bell/527445/ 2017年ねん6月がつ1日にち閲覧えつらん。 
  4. ^ Anderson, David P. (2020-03-01). “BOINC: A Platform for Volunteer Computing” (英語えいご). Journal of Grid Computing 18 (1): 99–122. doi:10.1007/s10723-019-09497-9. ISSN 1572-9184. https://doi.org/10.1007/s10723-019-09497-9. 
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  6. ^ Research and Infrastructure Development for Public-Resource Scientific Computing, The National Science Foundation
  7. ^ SCI: NMI Development for Public-Resource Computing and Storage, The National Science Foundation
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  11. ^ “Manual sites of FreeBSD system” (2015年ねん1月がつ2日にち). 2020年ねん7月がつ23日にち閲覧えつらん。
  12. ^ BOINC クライアントのバージョン4までは、まずプロジェクトのウェブサイト上じょうで参加さんか登録とうろくを行おこない、メールで送おくられてきたアカウントキーを BOINC クライアントに入力にゅうりょくする必要ひつようがあった。一部いちぶプラットフォームではバージョン5 以降いこうの BOINC クライアントが提供ていきょうされておらず、ウェブサイト上じょうでの参加さんか登録とうろくページは現在げんざいも残のこされている。
  13. ^ “Android FAQ”. BOINC. UC Berkeley (2018年ねん4月がつ12日にち). 2018年ねん6月がつ29日にち閲覧えつらん。
  14. ^ a b “Projects”. BOINC. 2020年ねん7月がつ23日にち閲覧えつらん。
  15. ^ “Why the BOINC public license has been modified”. University of California (2003年ねん7月がつ25日にち). 2017年ねん9月がつ21日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2017年ねん9月がつ21日にち閲覧えつらん。
  16. ^ “BOINCプロジェクトがAndroidに対応たいおう - スマホで新星しんせいの発見はっけんや病気びょうき研究けんきゅうを支援しえん”. マイナビニュース (2013年ねん7月がつ25日にち). 2019年ねん2月がつ26日にち閲覧えつらん。
  17. ^ “SETI@home開発かいはつ者しゃの新あらたな挑戦ちょうせん：今度こんどはAndroid端末たんまつで｜WIRED.jp”. WIRED.jp. 2019年ねん2月がつ26日にち閲覧えつらん。
  18. ^ “Bart de Smit - ABC triples”. www.math.leidenuniv.nl. 2022年ねん10月がつ14日にち閲覧えつらん。
  19. ^ Community Advisor (2008年ねん6月がつ4日にち). “2008年ねん6月がつ26日にちをもってUDクライアントからBOINCクライアントに全すべて移行いこう完了かんりょう” (英語えいご). World Community Grid. 2009年ねん1月がつ11日にち閲覧えつらん。
  20. ^ “World Community GridのBOINCクライアントの使用しよう開始かいし2005年ねん11月” (英語えいご). World Community Grid. 2009年ねん1月がつ11日にち閲覧えつらん。
  21. ^ climateprediction.net - Results Programme Documentary - YouTube

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

  • Berkeley Open Infrastructure for Network Computing（英語えいご）
    • BOINC の開発かいはつ元もとサイト。BOINC クライアントの配布はいふのほか、BOINC に関かんする詳細しょうさいな解説かいせつを参加さんか者しゃ・プロジェクト運営うんえい者しゃ双方そうほうにむけて公開こうかいしている。
  • SETI@homeによるBOINC開発かいはつ時じの記事きじ

チュートリアル(使つかい方かたの指導しどう)[編集へんしゅう]

外部がいぶ統計とうけいサイト[編集へんしゅう]

ウィキメディア・コモンズには、Berkeley Open Infrastructure for Network Computingに関連かんれんするカテゴリがあります。
  • BOINCstats（英語えいご）
    • 各かく BOINC プロジェクトが XML データで提供ていきょうする貢献こうけん値ちデータを定期ていき収集しゅうしゅうし、個人こじん別べつ・チーム別べつ・国くに別べつでのランキング、貢献こうけん値ち獲得かくとくの履歴りれきやランキング変動へんどう履歴りれきの提供ていきょうを行おこなう統計とうけいサイトのひとつ。プロジェクト横断おうだんでの功績こうせき値ち合算がっさんにも対応たいおうしており完成かんせい度どが高たかい。
  • All Project Stats（英語えいご）
現在げんざい活動かつどうしているプロジェクト
ベータ版ばんのプロジェクト
アルファ版ばんのプロジェクト
将来しょうらい予想よそうされているプロジェクト
休止きゅうし中ちゅう・終了しゅうりょうしたプロジェクト
ツールと技術ぎじゅつ
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