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The Scholars : 發陰私詩人被打　歎老景寡婦尋夫 - Chinese Text Project
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《發はつ陰かげ私わたし詩人しじん被ひ打だ　歎老景けい寡婦かふ尋ひろ夫おっと》

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1 發はつ陰かげ私わたし詩し... :
話はなし說せつ牛うし玉だま圃看見み牛うし浦うら跌在水裏すいり，不ふ成なり模樣もよう，叫さけべ小しょう廝叫轎子先さき送おく他た回かい去さ。牛うし浦うら到いた了りょう下か處しょ，惹了一いち肚子的てき氣き，把わ嘴くちばし骨こつ都と著ちょ坐すわ在ざい那な裏うら。坐すわ了りょう一いち會かい，尋ひろ了りょう一雙乾鞋襪換了。道士どうし來らい問とえ可か曾喫飯めし，又また不ふ好このみ說せつ是ぜ沒ぼつ有ゆう，只ただ得とく說せつ喫了，足そく足あし的てき饑ひだる了りょう半天ばんてん。牛うし玉だま圃在萬まん家いえ喫酒，直ちょく到いた更さら把わ天てん纔回來らい，上うえ樓ろう又また把わ牛うし浦うら數すう說せつ了りょう一いち頓とみ。牛うし浦うら不ふ敢回言ごと，彼此ひし住じゅう下か。

2 發はつ陰かげ私わたし詩し... :
次つぎ日び，一天いってん無事ぶじ。第だい三さん日にち，萬家又有人來請，牛うし玉だま圃吩咐牛浦うら看み著ちょ下か處しょ，自己じこ坐すわ橋はし子こ去さ了りょう。牛うし浦うら同どう道士どうし喫了早さ飯めし。道士どうし道どう：「我わが要よう到いた舊きゅう城しろ裏うら木蘭もくれん院いん一個師兄家走走。牛うし相しょう公おおやけ，你在家か裏うら坐すわ著ちょ罷やめ。」牛うし浦うら道どう：「我わが在家ありいえ有ゆう甚事，不ふ如也同どう你去頑頑。」當とう下した鎖くさり了りょう門もん，同どう道士どうし一いち直進ちょくしん了りょう舊きゅう城しろ，一いち個こ茶ちゃ館かん內坐下か。茶ちゃ館かん裏うら送おく上うえ一いち壺つぼ乾いぬい烘茶，一いち碟透糖とう，一いち碟梅豆まめ上じょう來らい。喫著，道士どうし問とい道どう：「牛うし相しょう公おおやけ，你這位い令れい叔祖可か是ぜ親房ちかふさ的てき？一向いっこう他た老人ろうじん家か在ざい這裏，不ふ見み你相公こう來らい。」牛うし浦うら道どう：「也是路上ろじょう遇ぐう著ちょ，敘起來らい聯れん宗むね的てき。我わが一向在安東縣董老爺衙門裏。那な董ただし老爺ろうや好こう不ふ好こう客きゃく！記き得う我わが一初到他那裏時候，纔送了りょう帖じょう子こ進しん去さ，他た就連忙せわし叫さけべ兩個りゃんこ差さ人じん出來でき請我的てき轎。我わが不ふ曾坐轎，卻騎的てき是ぜ個こ驢うさぎうま。我わが要よう下した驢うさぎうま，差さ人じん不ふ肯，兩りょう個人こじん牽了我が的てき驢うさぎうま頭あたま，一路走上去；走はし到いた暖だん閣かく上じょう，走はし的てき地ち板いた格かく登のぼり格かく登とう的てき一路いちろ響ひびき。董ただし老爺ろうや已やめ是ぜ開ひらけ了りょう宅たく門もん，自己じこ迎むかい了りょう出來でき，同どう我が手しゅ攙著手しゅ，走はし了りょう進しん去さ，留とめ我わが住じゅう了りょう二に十じゅう多た天てん。我わが要よう辭じ他た回かい來らい，他た送おく我わが十じゅう七なな兩りょう四よん錢ぜに五ご分ふん細ほそ絲いと銀子ぎんす，送おく我わが出で到いた大だい堂上どうじょう，看み著しる我わが騎き上うえ了りょう驢うさぎうま，口裏くちうら說せつ道どう：『你別處しょ若わか是ぜ得意とくい，就罷了りょう；若わか不得意ふとくい，再來さいらい尋ひろ我が。』這樣人じん真ま是ぜ難なん得とく！我わが如今還かえ要よう到いた他た那な裏うら去さ。」道みち土ど道どう：「這位老爺ろうや，果然かぜん就難得とく了りょう！」牛うし浦うら道どう：「我わが這東家か萬まん雪ゆき齋とき老爺ろうや，他た是ぜ甚麼いんも前まえ程ほど？將來しょうらい幾いく時じ有ゆう官かん做？」道士どうし鼻はな子こ裏うら笑わらい了りょう一聲いっせい道どう：「萬まん家いえ，只ただ好こう你令叔祖敬重けいちょう他た罷やめ了りょう！若わか說せつ做官，只ただ怕紗帽ぼう滿天まんてん飛ひ，飛ひ到いた他た頭上ずじょう，還かえ有人ゆうじん摭了他た的てき去さ哩まいる！」牛うし浦うら道どう：「這又奇き了りょう！他た又また不ふ是ぜ娼優隸卒，為ため甚那紗しゃ帽ぼう飛とべ到いた他た頭上ずじょう還かえ有人ゆうじん撾了去さ？」道士どうし道どう：「你不知道ともみち他た的てき出身しゅっしん麼？我わが說せつ與あずか你。你卻不可ふか說せつ出來でき。萬家他自小是我們這河下萬有旗程家的書童，自じ小しょう跟在書房しょぼう伴とも讀。他た主しゅ子こ程ほど明あかり卿きょう見み他た聰明そうめい，到いた十じゅう八九歲上就叫他做小司客。」牛うし浦うら道どう：「怎麼樣さま叫さけべ做小司し客きゃく？」道士どうし道どう：「我わが們這裏うら鹽しお商人しょうにん家か，比ひ如託一個朋友在司上行走，替がえ他た會かい官かん，拜はい客きゃく，每年まいとし幾いく百ひゃく銀子ぎんす辛からし俸：這叫做『大だい司つかさ客きゃく』。若わか是ぜ司し上じょう有ゆう些零碎事情じじょう，打だ發はつ一個家人去打聽料理：這就叫さけべ做『小しょう司つかさ客きゃく』了りょう。他た做小司し客きゃく的てき時じ侯こう，極きょく其停當とう，每年まいとし聚幾兩りょう銀子ぎんす，先さき帶たい小しょう貨，後來こうらい就弄窩子。不ふ想そう他た時運じうん好このみ，那な幾いく年ねん窩價陡長，他た就尋了りょう四よん五ご萬まん銀子ぎんす，便びん贖了身み出來でき，買かい了りょう這所房子ふさこ，自己じこ行ぎょう鹽しお；生せい意い又また好こう，就發起ほっき十じゅう幾いく萬まん來らい。萬有旗程家已經折了本錢，回かい徽州去さ了りょう，所以ゆえん沒ぼつ人じん說せつ他た這件事ごと。去年きょねん萬まん家いえ娶めと媳婦，他た媳婦也是個こ翰林かんりん的てき女兒じょじ，萬家費了幾千兩銀子娶進來。那な日大にちだい吹大打だ，執事しつじ燈籠どうろう就擺了りょう半はん街まち，好こう不ふ熱鬧ねっとう！到いた第だい三さん日にち，親おや家か要よう上うえ門もん做朝，家いえ裏うら就唱戲おどけ，擺酒。不ふ想そう他た主しゅ子こ程ほど明あかり卿きょう清きよし早さ上うえ就一乘轎子抬了來，坐すわ在ざい他た那な廳ちょう房ぼう裏うら。萬まん家いえ走はし了りょう出來でき，就由不ふ的てき自己じこ跪著，作さく了りょう幾いく個こ揖，當時とうじ兌了一いち萬まん兩りょう銀子ぎんす出來でき，纔餬的てき去さ了りょう，不ふ曾破相しょう。」正せい說せつ著ちょ，木蘭もくれん院いん裏うら走出はしりで兩個りゃんこ道どう土ど來らい，把わ這道士し約やく了りょう去さ喫齋，道士どうし告別こくべつ去さ了りょう。

3 發はつ陰かげ私わたし詩し... :
牛うし浦うら自己じこ喫了幾いく杯はい茶ちゃ，走回はしりまわ下しも處しょ來らい。進すすむ了子りょうこ午うま宮みや，只見ただみ牛うし玉だま圃已經けい回かい來らい，坐すわ在ざい樓ろう底そこ下か，桌上擺著幾いく封ふう大だい銀子ぎんす，樓門ろうもん還かえ鎖くさり著ちょ。牛うし玉だま圃見牛うし浦うら進しん來らい，叫さけべ他た快かい開ひらけ了りょう樓門ろうもん，把わ銀子ぎんす搬上樓ろう去さ；抱だき怨牛浦うら道どう：「適てき纔我叫さけべ看み著ちょ下か處しょ，你為甚麼いんも街がい上じょう去さ胡えびす撞！」牛うし浦うら道どう：「適てき纔我站在門口かどぐち，遇ぐう見み敝縣的てき二に公おおやけ在ざい門口かどぐち過か。他見たけん我わが就下了りょう轎子，說せつ道どう：『許もと久ひさし不ふ見み』，要よう拉ひしげ到いた船上せんじょう談だん談だん，故こ此去了りょう一いち會かい。」牛ぎゅう玉たま圃見他た會かい官かん，就不說せつ他た不ふ是ぜ了りょう，因いん問とい道どう：「你這位い二に公おおやけ姓せい甚麼いんも？」牛うし浦うら道どう：「他姓たせい李り，是ぜ北きた直人ただびと。──便びん是ぜ這李二に公おおやけ，也知道どう叔公。」牛ぎゅう玉たま圃道：「他た們在官ざいかん場じょう中ちゅう，自然しぜん是ぜ聞我的てき名めい的てき。」牛うし浦うら道どう：「他た說せつ也認得とく萬まん雪ゆき齋とき先生せんせい。」牛ぎゅう玉たま圃道：「雪ゆき齋とき也是交滿天下でんか的てき。」因いん指ゆび著ちょ這個銀子ぎんす道どう：「這就是ぜ雪ゆき齋とき家か拿來的てき。因いん他た第だい七なな位い如夫人じん有ゆう病びょう，醫い生せい說せつ是ぜ寒かん症しょう，藥くすり裏うら要用ようよう一いち個こ「雪ゆき蝦えび蟆ぶと」。在ざい揚あげ州しゅう出いで了りょう幾いく百ひゃく銀子ぎんす也沒處しょ買かい，聽見說せつ蘇州そしゅう還かえ尋ひろ的てき出來でき，他た拿三さん百兩銀子托我去買。我わが沒ぼつ的てき功夫いさお，已やめ在ざい他た跟前舉薦了りょう你。你如今いま去さ走はし一いち走はし罷やめ，還かえ可か以賺的てき幾いく兩りょう銀子ぎんす。」牛うし浦うら不ふ敢違拗こじれ。當夜とうや牛うし玉だま圃買了りょう一いち隻せき雞和些酒，替がえ他た餞はなむけ行ぎょう，在ざい樓ろう上じょう喫著。牛うし浦うら道どう：「方ほう纔有一句話正要向叔公說，是ぜ敝縣李すもも二に公おおやけ說せつ的てき。」牛ぎゅう玉たま圃道：「甚麼いんも話ばなし？」牛うし浦うら道どう：「萬雪齋先生算同叔公是極好的了，但ただし只ただ是ぜ筆墨ひつぼく相しょう與あずか，他家たけ銀ぎん錢ぜに大事だいじ，還かえ不ふ肯相託たく。李り二に公おおやけ說せつ，他た生平おいだいら有ゆう一いち個こ心腹しんぷく的てき朋友ほうゆう，叔公如今只ただ要よう說せつ同どう這個人こじん相好そうごう，他た就諸事しょじ放心ほうしん，一切いっさい都と托たく叔公。不ふ但ただし叔公發はつ財ざい，連れん我わが做姪孫まご的てき將來しょうらい都と有ゆう日子にっし過か。」牛ぎゅう玉たま圃道：「他た心腹しんぷく朋友ほうゆう是ぜ那な一いち個こ？」牛うし浦うら道どう：「是ぜ徽州程ほど明あかり卿きょう先生せんせい。」牛ぎゅう玉たま圃笑道どう：「這是我わが二に十じゅう年ねん拜はい盟めい的てき朋友ほうゆう，我わが怎麼不ふ認みとめ的てき。我わが知道ともみち了りょう。」喫完了かんりょう酒しゅ，各自かくじ睡ねむ下した。次つぎ日び，牛うし浦うら帶たい著ちょ銀子ぎんす，告つげ辭じ叔公，上船じょうせん往蘇州しゅう去さ了りょう。

4 發はつ陰かげ私わたし詩し... :
次つぎ日び，萬まん家いえ又また來らい請酒，牛ぎゅう玉たま圃坐橋きょう子こ去さ。到いた了りょう萬まん家いえ，先さき有ゆう兩りょう位い鹽しお商しょう坐すわ在ざい那な裏うら：一いち個こ姓せい顧，一いち個こ姓せい汪ひろし。相あい見み作づく過か了りょう揖，那な兩個りゃんこ鹽しお商しょう說せつ都と是ぜ親戚しんせき，不ふ肯僭牛うし玉だま圃的坐すわ，讓ゆずる牛うし玉だま圃坐在ざい首席しゅせき。喫過了りょう茶ちゃ，先さき講こう了りょう些窩子こ長ちょう跌的話ばなし，抬上席せき來らい，兩りょう位い一いち桌。奉たてまつ過か酒さけ，頭とう一いち碗わん上じょう的てき「冬ふゆ蟲ちゅう夏なつ草そう」萬雪齋請諸位喫著，說せつ道どう：「像ぞう這樣東西とうざい，也是外方そっぽ來らい的てき。我わが們揚州しゅう城ぐすく裏うら偏へん生せい多た，一いち個こ「雪ゆき蝦えび蟆ぶと」就偏生せい尋ひろ不出來ふでき！」顧鹽商しょう道どう：「還かえ不ふ曾尋著ちょ麼？」萬まん雪ゆき齋とき道どう：「正せい是ぜ；揚あげ州しゅう沒ぼつ有ゆう，昨日きのう纔託玉だま翁おきな令れい姪めい孫まご到いた蘇州そしゅう尋ひろ去さ了りょう。」汪ひろし鹽しお商しょう道どう：「這樣希まれ奇き東西とうざい，蘇州そしゅう也未必有；只ただ怕還要よう到いた我わが們徽州しゅう舊家きゅうか人家じんか尋ひろ去さ，或ある者もの尋ひろ出來でき。」萬まん雪ゆき齋とき道どう：「這話不ふ錯；一切いっさい的てき東西とうざい，是ぜ我わが們徽州しゅう出で的てき好このみ。」顧鹽商しょう道どう：「不ふ但東たんとう西出にしで的てき好このみ，就是人物じんぶつ也出在ざい我わが們徽州しゅう。」牛ぎゅう玉たま圃忽然しか想起そうき，問もん道どう：「雪ゆき翁おう，徽州有ゆう一位程明卿先生是相好的麼？」萬まん雪ゆき齋とき聽了，臉就徘紅，一句いっく也答不出來ふでき，牛ぎゅう玉たま圃道：「這是我わが拜はい盟めい的てき好こう弟おとうと兄けい。前日ぜんじつ還かえ有ゆう書しょ子こ與あずか我わが，說せつ不日ふじつ就要到いた揚あげ州しゅう，少しょう不ふ的てき要よう與あずか雪ゆき翁おう敘一敘。」萬雪齋氣的兩手冰冷，總そう是ぜ一いち句く話ばなし也說不出來ふでき。顧鹽商しょう道どう：「玉たま翁おう，自じ古いにしえ相しょう交滿天下でんか，知ち心こころ能のう幾いく人にん！我わが們今日び且喫酒しゅ，那な些舊話ばなし也不必談他た罷やめ了りょう。」當とう晚ばん勉強べんきょう終おわり席せき，各自かくじ散ち去ざ。牛うし玉だま圃回到いた下しも處しょ，幾いく天てん不ふ見み萬まん家來けらい請。那な日在ひあり樓ろう上じょう睡ねむ中ちゅう覺さとし，一いち覺醒かくせい來らい，長ちょう隨ずい拿封書しょ子こ上じょう來き，說せつ道どう：「這是河下かわしも萬老爺家送來的，不等ふとう回かい書しょ去さ了りょう。」牛ぎゅう玉たま圃拆開ひらけ來らい看み：
「刻下こっか儀ぎ徵ちょう王おう漢かん策さく舍しゃ親おや令れい堂どう太ふとし親しん母はは七なな十じゅう大壽だいず，欲求よっきゅう先生せんせい做壽文ぶん一いち篇へん，並なみ求もとめ大だい筆ふで書寫しょしゃ。望もち即そく命いのち駕が往伊處しょ。至囑ししょく！至囑ししょく！」

5 發はつ陰かげ私わたし詩し... :
牛ぎゅう玉たま圃看了りょう這話，便びん叫さけべ長ちょう隨ずい叫さけべ了りょう一いち隻せき草そう上じょう飛とべ，往儀徵ちょう去さ。當とう晚ばん上船じょうせん。次つぎ早はや到いた丑うし壩上岸がん，在米ざいべい店てん內問王おう漢かん策さく老爺ろうや家か。米べい店てん人じん說せつ道どう：「是ぜ做埠頭ふとう的てき王おう漢かん家か？」他た在ざい法ほう雲くも街がい朝あさ東ひがし的てき一個新門樓子裏面住。」牛ぎゅう玉たま圃走到いた王家おうけ，一いち直進ちょくしん去さ，見み三間みつま敞たかし廳ちょう，廳ちょう中間なかま椅子いす上うえ亮あきら著ちょ一幅一幅的金字壽文；左邊さへん窗まど子こ口こう一いち張はり長ちょう桌，一個秀才低著頭在那裏寫，見み牛うし玉だま圃進廳ちょう，丟下筆ひつ，走はし了りょう過か來らい。牛うし玉だま圃見他た穿ほじ著しる繭紬けんちゅう直ちょく裰，胸むね前ぜん油あぶら了りょう一塊ひとかたまり，就喫了りょう一驚いっきょう。那な秀才しゅうさい認みとめ得え牛うし玉だま圃，說せつ道どう：「你就是ぜ大觀たいかん樓ろう同どう烏がらす龜かめ一いち桌喫飯めし的てき，今日きょう又また來らい這裏做甚麼いんも？」牛ぎゅう玉たま圃上前ぜん同どう他た吵鬧。王おう漢かん策さく從したがえ裏面りめん走出はしりで來らい，向こう那な秀才しゅうさい道どう：「先生せんせい請坐，這個不ふ與あずか你相干ひ。」那な秀才しゅうさい自在じざい那な邊あたり坐すわ了りょう。王おう漢かん策さく同どう牛うし玉だま圃拱一いち拱手こうしゅ，也不作さく揖，彼かれ此坐下か，問もん道どう：「尊みこと駕が就是號ごう玉だま圃的麼？」牛ぎゅう玉たま圃道：「正せい是ぜ。」王おう漢かん策さく道どう：「我わが這裏就是萬まん府下ふか店てん。雪ゆき翁おきな昨日きのう有ゆう書しょ子來こらい，說せつ尊みこと駕が為ため人じん不ふ甚端方かた，又また好こう結ゆい交匪類るい，自今じこん以後いご，不ふ敢勞尊みこと了りょう。」因いん向こう帳とばり房ぼう裏うら稱しょう出で一兩銀子來遞與他，說せつ道どう：「我わが也不留とめ了りょう，你請尊みこと便びん罷やめ。」牛ぎゅう玉たま圃大怒いか，說せつ道どう：「我わが那な希まれ罕這一いち兩りょう銀子ぎんす！我わが自じ去さ和わ萬まん雪ゆき齋とき說せつ！」把わ銀子ぎんす摜在椅子いす上じょう。王おう漢かん策さく道どう：「你既不要ふよう，我わが也不強きょう。我わが倒たおせ勸すすむ你不要ふよう到いた雪ゆき齋とき家か去さ。雪ゆき齋とき也不能會のうかい。」牛ぎゅう玉たま圃氣忿忿的てき走はし了りょう出で去ざ。王おう漢かん策さく道どう：「恕じょ不ふ送おく了りょう。」把手とって一いち拱，走はし了りょう進しん去さ。

6 發はつ陰かげ私わたし詩し... :
牛ぎゅう玉たま圃只得とく帶たい著ちょ長ちょう隨したがえ在ざい丑うし壩尋一いち個こ飯店はんてん住じゅう下か，口口くちぐち聲聲こえごえ只ただ念ねん著ちょ：「萬雪齋這狗頭，如此可か惡あく！」走はし堂どう的てき笑わらい道どう：「萬雪齋老爺是極肯相與人的，除じょ非ひ你說出で他た程ほど家か那な話頭わとう來らい，纔不尷尬。」說せつ罷やめ，走はし過去かこ了りょう。牛うし玉だま圃聽在ざい耳みみ朵裏，忙せわし叫さけべ長ちょう隨したがえ去ざ問とい那な走はし堂どう的てき。走はし堂どう的てき方かた如此這般しゃはん說せつ出で：「他た是ぜ程ほど明あかり卿きょう家か管かん家か，最さい怕人揭挑他た這個事ごと；你必定說ていせつ出來でき，他た纔惱的てき。」長ちょう隨ずい把わ這個話ばなし回かい覆くつがえ了りょう牛うし玉だま圃，牛ぎゅう玉たま圃纔省しょう悟道ごどう：「罷やめ了りょう！我わが上うえ了りょう這小畜生ちくしょう的てき當とう了りょう！」當とう下した住じゅう了りょう一いち夜や。次つぎ日び，叫さけべ船せん到いた蘇州そしゅう去さ尋ひろ牛うし浦うら。上船じょうせん之これ後ご，盤ばん纏まとい不足ふそく，長ちょう隨ずい又また辭去じきょ了りょう兩個りゃんこ，只ただ剩あま兩個りゃんこ粗そ夯漢子かんし跟著，一直來到蘇州，找在虎とら邱藥材ざい行ぎょう內。牛うし浦うら正坐せいざ在ざい那な裏うら，見み牛うし玉だま圃到，迎むかい了りょう出來でき，說せつ道どう：「叔公來らい了りょう？」牛ぎゅう玉たま圃道：「『雪ゆき蝦えび蟆ぶと』可か曾有？」牛うし浦うら道どう：「還かえ不ふ曾有。」牛ぎゅう玉たま圃道：「近日きんじつ鎮江有ゆう一いち個人こじん家か有ゆう了りょう，快かい把わ銀子ぎんす拿來同どう著ちょ買かい去さ。我が的てき船せん就在閶門外がい。」當とう下した押著他た拿了銀子ぎんす同上どうじょう了りょう船せん，一路いちろ不ふ說せつ出で；走はし了りょう幾いく天てん，到いた了りょう龍りゅう袍ほう洲しゅう地方ちほう，是これ個こ沒ぼつ人煙じんえん的てき所在しょざい。是ぜ日び，喫了早さ飯めし，牛ぎゅう玉たま圃圓睜兩眼め，大だい怒いか道みち：「你可曉あかつき的てき我わが要よう打だ你哩！」牛うし浦うら嚇慌了りょう道どう：「做孫子まごこ的てき又また不ふ曾得罪ざい叔公，為ため甚麼いんも要よう打だ我わが呢？」牛ぎゅう玉たま圃道：「放ひ你的狗いぬ屁へ！你弄的てき好こう乾坤けんこん哩まいる！」當とう下した不ふ由よし分ぶん說せつ，叫さけべ兩個りゃんこ夯漢把わ牛うし浦うら衣裳いしょう剝盡了りょう，帽子ぼうし鞋襪都と不ふ留とめ，拿繩子こ綑起來らい，臭におい打だ了りょう一いち頓とみ，抬著往岸上じょう一いち摜，他た那な一隻船就扯起篷來去了。

7 發はつ陰かげ私わたし詩し... :
牛うし浦うら被ひ他た摜的發はつ昏，又また慣倒在ざい一個糞窖子跟前，滾たぎ一滾就要滾到糞窖子裏面去；只ただ得とく忍にん氣き吞聲，動どう也不敢動。過か了りょう半日はんにち，只見ただみ江こう裏うら又また來らい了りょう一いち隻せき船せん。那な船せん到いた岸きし就住了りょう，一個客人走上來糞窖子裏面出恭。牛うし浦うら喊他救命きゅうめい。那な客人きゃくじん道どう：「你是何なん等とう樣さま人じん？被ひ甚人剝了衣裳いしょう，綑倒在ざい此？」牛うし浦うら道どう：「老ろう爹，我わが是ぜ蕪かぶら湖みずうみ縣けん的てき一いち個こ秀才しゅうさい。因よし安東あんどう縣けん董ただし老爺ろうや請我去さ做館，路上ろじょう遇ぐう見み強盜ごうとう，把わ我が的てき衣裳いしょう行李こうり都と打だ劫こう去さ了りょう，只ただ饒にょう的てき一命いちめい在ざい此。我わが是ぜ落難的てき人じん，求もとめ老ろう爹救我わが一いち救すくい！」那な客人きゃくじん驚おどろき道どう：「你果然しか是ぜ安東あんどう縣けん董ただし老爺ろうや衙門裏うら去さ的てき麼？我わが就是安東あんどう縣けん人じん，我わが如今替がえ你解了りょう繩なわ子こ。」看み見み他た精せい赤あか條條じょうじょう，不ふ像ぞう模樣もよう，因いん說せつ道どう：「相あい公おおやけ且站著ちょ，我わが到いた船上せんじょう取と個こ衣ころも帽ぼう鞋襪來らい與あずか你穿著ちょ，好こう上船じょうせん去さ。」當とう下した果然かぜん到いた船上せんじょう取と了りょう一いち件けん布衣ふい服ふく，一雙いっそう鞋，一いち頂いただき瓦かわら楞帽，與あずか他た穿ほじ戴起來らい，說せつ道どう：「這帽子ぼうし不ふ是ぜ你相公こう戴的，如今且權戴著；到いた前ぜん熱鬧ねっとう所在しょざい，再さい買方かいかた巾はば罷やめ。」牛うし浦うら穿ほじ了りょう衣服いふく，下しも跪謝那な客人きゃくじん。扶了起おこり來らい，同どう到いた船ふね裏うら，滿まん船客せんきゃく人じん聽了這話，都と喫一驚いっきょう，問もん：「這位相しょう公おおやけ尊みこと姓せい？」牛うし浦うら道どう：「我わが姓せい牛うし。」因いん拜はい問とい：「這位恩人おんじん尊みこと姓せい？」那な客人きゃくじん道どう：「在ざい下した姓せい黃き，就是安東あんどう縣けん人じん。家いえ裏うら做個小生こも意い，是ぜ戲おどけ子こ行頭ぎょうとう經けい紀き。前日ぜんじつ因いん往南京なんきん去さ替がえ他た們班裏うら人買ひとかい些添的てき行頭ぎょうとう，從したがえ這裏過か，不ふ想そう無む意中いちゅう救すくい了りょう這一位相いそう公こう。你既是ぜ到いた董ただし老爺ろうや衙門裏うら去さ的てき，且同我わが到いた安東あんどう，在ざい舍しゃ下か住じゅう著ちょ，整理せいり些衣服ふく，再往さいおう衙門裏うら去さ。」牛うし浦うら深謝しんしゃ了りょう，從したがえ這日就喫這客人的じんてき飯めし。

8 發はつ陰かげ私わたし詩し... :
此時天氣てんき甚熱，牛うし浦うら被ひ剝了衣服いふく，在日ざいにち頭あたま下か綑了半日はんにち，又また受了糞くそ窖あなぐら子こ裏うら薰かおる蒸ふけ的てき熱氣ねっき，一いち到いた船上せんじょう，就害起おこり痢疾來らい。那な痢疾又また是ぜ禁きん口こう痢，裏うら急きゅう後ご重じゅう，一天到晚都痢不清，只ただ得え坐すわ在ざい船尾せんび上じょう，兩手りょうて抓つめ著しる船板ふないた由ゆかり他た痾。痾到三さん四よん天てん，就像一いち個こ活かつ鬼おに。身上しんじょう打だ的てき又また發はつ疼，大腿だいたい在ざい船ふね沿坐成なり兩りょう條じょう溝みぞ。只ただ聽得艙內客人きゃくじん悄悄しょうしょう商議しょうぎ道どう：「這個人こじん料りょう想そう是ぜ不ふ好こう了りょう。如今還かえ是ぜ趁他有ゆう口氣こうき，送おく上じょう去さ；若死わかじに了りょう，就費力りょく了りょう。」那な位い黃き客人きゃくじん不ふ肯。他た痾到第だい五ご天上てんじょう，忽ゆるがせ然しか鼻はな子こ裏うら聞見一いち陣じん菉豆香が，向こう船ふね家か道どう：「我わが想そう口こう菉豆湯ゆ喫。」滿まん船人ふなびと都と不ふ肯。他た說せつ道どう：「我わが自家じか要よう喫，我わが死し了りょう也無怨！」眾人沒ぼつ奈何いかん，只ただ得とく攏了岸がん，買かい些菉豆まめ來らい煮に了りょう一いち碗わん湯ゆ，與あずか他た喫過。肚裏とり響ひびき了りょう一いち陣じん，痾出一いち拋大屎，登とう時じ就好了りょう。扒進艙來謝しゃ了りょう眾人，睡ねむ下しも安息あんそく。養やしなえ了りょう兩りょう天てん，漸やや漸やや復元ふくげん。到いた了りょう安東あんどう，先住せんじゅう在ざい黃き客人きゃくじん家か。黃き客人きゃくじん替かえ他た買かい了りょう一いち頂いただき方かた巾はば，添了件けん把わ衣服いふく，一雙いっそう靴くつ，穿ほじ著しる去さ拜はい董ただし知ち縣けん。董ただし知ち縣けん果然かぜん歡喜かんき，當とう下した留とめ了りょう酒しゅ飯めし，要よう留とめ在ざい衙門裏面りめん住じゅう。牛うし浦うら道どう：「晚生ばんせい有ゆう個こ親戚しんせき在ざい貴き治ち，還かえ是ぜ住じゅう在ざい他た那な裏うら便意べんい些。」董ただし知ち縣道けんどう：「這也罷やめ了りょう。先生せんせい住じゅう在ざい令れい親おや家か，早晚そうばん常つね進すすむ來らい走はし走はし，我わが好こう請教。」牛うし浦うら辭じ了りょう出來でき，黃き客きゃく人見ひとみ他た果然かぜん同どう老爺ろうや相しょう與あずか，十分じゅうぶん敬重けいちょう。牛うし浦うら三日兩日進衙門去走走，借か著ちょ講こう詩し為ため名めい，順じゅん便びん撞兩處しょ木き鐘がね，弄ろう起おこり幾いく個こ錢ぜに來らい。黃き家か又また把わ第だい四個女兒招他做個女婿，在ざい安東あんどう快活かいかつ過か日子にっし。

9 發はつ陰かげ私わたし詩し... :
不ふ想そう董ただし知ち縣けん就陞任しょうにん去さ了りょう，接せっ任にん的てき是ぜ個こ姓せい向むこう的てき知ち縣けん，也是浙江せっこう人じん。交代こうたい時候じこう，向むかい知とも縣けん問とい董ただし知ち縣けん可か有ゆう甚麼いんも事ごと託たく他た。董ただし知ち縣道けんどう：「倒たおせ沒ぼつ甚麼いんも事ごと。只ただ有ゆう個こ做詩的てき朋友ほうゆう，住じゅう在ざい貴き治ち，叫さけべ做牛市し衣ころも。老ろう寅とら臺たい清しん目め一いち二に，足そく感かん盛もり情じょう。」向むかい知とも縣けん應諾おうだく了りょう。董ただし知ち縣けん上京じょうきょう去さ，牛うし浦うら送おく在ざい一いち百ひゃく里さと外がい，到いた第だい三さん日にち纔回家か。渾家告訴こくそ他た道みち：「昨日きのう有ゆう個人こじん來らい，說せつ是ぜ你蕪湖こ長房ながぶさ舅しゅうと舅しゅうと，路みち過か在ざい這裏看み你。我わが留とめ他た喫了個こ飯めし去さ了りょう。他た說せつ下か半年はんとし回かい來らい，再來さいらい看み你。」牛うし浦うら心裏しんり疑惑ぎわく：「並なみ沒ぼつ有ゆう這個舅しゅうと舅しゅうと。不知ふち是ぜ那な一いち個こ？且等他た下した半年はんとし來き再さい處しょ。」

10 發はつ陰かげ私わたし詩し... :
董ただし知ち縣けん一路到了京師，在ざい吏部投了とうりょう文ぶん，次じ日び過か堂どう掣籤。這時馮琢庵あん已やめ中ちゅう了りょう進士しんし，散ち了りょう部ぶ屬ぞく，寓ぐう處しょ就在吏部門口かどぐち不ふ遠とお。董ただし知ち縣けん先さき到いた他た寓ぐう處しょ來らい拜はい，馮主事しゅじ迎むかい著ちょ坐すわ下した，敘了寒さむ溫ぬる。董ただし知ち縣けん只ただ說得せっとく一いち句く：「貴き友とも牛うし布衣ふい在ざい蕪かぶら湖こ甘露かんろ庵あん裏うら……，」不ふ曾說這一いち番ばん交情こうじょう，也不曾說到いた安東あんどう縣けん曾會著ちょ的てき一番いちばん話ばなし，只見ただみ長ちょう班はん進すすむ來らい跪著稟道：「部ぶ裏うら大人おとな升ます堂どう了りょう。」董ただし知ち縣連けんれん忙せわし辭じ別べつ了りょう去さ，到いた部ぶ就掣了りょう一個貴州知州的籤，匆匆そうそう束たば裝そう赴任ふにん去さ了りょう，不ふ曾再會かい馮主事しゅじ。

11 發はつ陰かげ私わたし詩し... :
馮主事しゅじ過か了りょう幾いく時じ，打だ發はつ一個家人寄家書回去，又また拿出十じゅう兩りょう銀子ぎんす來らい，問もん那な家か人道じんどう：「你可認みとめ得え那な牛うし布衣ふい牛うし相しょう公家くげ？」家人かじん道どう：「小しょう的てき認みとめ得う。」馮主事しゅじ道どう：「這是十じゅう兩りょう銀子ぎんす，你帶回かい去さ送おく與あずか牛うし相しょう公的こうてき夫人ふじん牛うし奶奶，說せつ他た的てき丈夫じょうふ現在げんざい蕪かぶら湖こ甘露かんろ庵あん裏うら。寄よせ個こ的てき信しんじ與あずか他ほか，不可ふか有ゆう誤あやま。這銀子ぎんす說せつ是ぜ我が帶たい與あずか牛うし奶奶盤ばん纏まとい的てき。」管かん家か領りょう了りょう主命しゅうめい，回かい家か見み了りょう主しゅ母はは，辦理家か務つとむ事ごと畢，便びん走はし到いた一いち個こ僻へき巷ちまた內，──一扇籬笆門關著。管かん家か走はし到いた門口かどぐち，只見ただみ一いち個こ小兒しょうに開門かいもん出來でき，手て裏うら拿了一個筲箕出去買米。管かん家か向こう他た說せつ是ぜ京きょう裏うら馮老爺じい差さ來らい的てき。小兒しょうに領りょう他た進すすむ去さ站在客きゃく坐すわ內，小兒しょうに就走進しん去さ了りょう；又また走はし了りょう出來でき問とい道どう：「你有甚說話ばなし？」管かん家か問とい那な小兒しょうに道どう：「牛うし奶奶是ぜ你甚麼いんも人じん？」那な小兒しょうに道どう：「是ぜ大だい姑娘くーにゃん。」管かん家か把わ這十兩銀子遞在他手裏，說せつ道どう：「這銀子ぎんす是ぜ我家わがや老爺ろうや帶たい與あずか牛うし奶奶盤ばん纏まとい的てき。說せつ你家牛うし相しょう公おおやけ現在げんざい蕪かぶら湖こ甘露かんろ庵あん內，寄よせ個こ的てき信しんじ與あずか你，免めん得え懸がか望もち。」小兒しょうに請他坐すわ著しる，把わ銀子ぎんす接せっ了りょう進しん去さ。管かん家か看み見み中間ちゅうかん懸かか著しる一軸稀破的古畫，兩りょう邊あたり貼は了りょう許多きょた的てき斗と方かた，六張破丟不落的竹椅；天井てんじょう裏うら一いち個こ土臺どだい子こ，臺子だいす上じょう一いち架か藤花ふじはな，藤花ふじはな旁つくり邊べ就是籬ませ笆門。坐すわ了りょう一いち會かい，只見ただみ那な小兒しょうに捧ささげ出いずる一いち杯はい茶ちゃ來らい，手て裏うら又また拿了一いち個こ包子かねこ，包つつみ了りょう二に錢ぜに銀子ぎんす，遞與他た道みち：「我家わがや大だい姑しゅうと說せつ：『有ゆう勞ろう你，這個送おく給きゅう你買茶ちゃ喫。到いた家いえ拜はい上じょう太ふと太ふとし，到いた京きょう拜はい上じょう老爺ろうや，多謝たしゃ，說せつ的てき話ばなし我わが知道ともみち了りょう。』」管かん家か承うけたまわ謝しゃ過か，去さ了りょう。

12 發はつ陰かげ私わたし詩し... :
牛うし奶奶接せっ著ちょ這個銀子ぎんす，心裏しんり悽惶起おこり來らい，說せつ：「他た恁大年紀としのり，只管ひたすら在外ざいがい頭あたま，又また沒ぼっ個こ兒女じじょ，怎生是ぜ好こう！我わが不ふ如趁著ちょ這幾兩りょう銀子ぎんす，走はし到いた蕪かぶら湖みずうみ去さ尋ひろ他た回かい來らい，也是一場いちじょう事ごと！」主意しゅい已やめ定てい，把わ這兩間あいだ破やぶ房子ふさこ鎖くさり了りょう，交與鄰居看守かんしゅ，自己じこ帶たい了りょう姪めい子こ，搭船一路來到蕪湖。找到浮橋うきはし口こう甘露かんろ庵あん，兩りょう扇おうぎ門もん掩著。推開進しん去さ，韋馱菩薩ぼさつ面前めんぜん，香爐こうろ，燭臺しょくだい，都と沒ぼつ有ゆう了りょう。又また走はし進すすむ去さ，大だい殿上てんじょう槅子倒たおせ的てき七なな橫よこ八はち豎，天井てんじょう裏うら一個老道人坐著縫衣裳，問もん著しる他ほか，只ただ打だ手勢てぜい，原はら來らい又また啞又聾ろう。問とい他た這裏面めん可か有ゆう一いち個こ牛うし布衣ふい，他た拿手指しゅし著ちょ前頭まえがしら一いち間あいだ屋や裏うら。牛うし奶奶帶たい著ちょ姪めい子こ復ふく身み走出はしりで來らい，見み韋馱菩薩ぼさつ旁つくり邊べ一いち間あいだ屋や，又また沒ぼっ有門ありかど。走はし了りょう進しん去さ，屋や裏うら停とま著しる一いち具ぐ大だい棺かん材ざい，面前めんぜん放ひ著しる一張三隻腿的桌子，歪いびつ在ざい半はん邊へん。棺かん材ざい上じょう頭あたま的てき魂たましい旛也不ふ見み了りょう，只ただ剩あま了りょう一いち根ね棍。棺かん材ざい貼は頭上ずじょう有ゆう字じ，又また被ひ那な屋上おくじょう沒ぼつ有ゆう瓦かわら，雨あめ零下れいか來らい，把わ字じ跡あと都と剝落了りょう，只ただ有ゆう「大明だいめい」兩りょう字じ，第だい三さん字じ只ただ得え一いち橫よこ。牛うし奶奶走はし到いた這裏，不覺ふかく心しん驚おどろき肉にく顫，那な寒かん毛根もうこん根ね都と豎起來らい。又また走はし進すすむ去さ問とい那な道人どうじん道どう：「牛うし布衣ふい莫不是ぜ死し了りょう？」道人どうじん把手とって搖ゆら兩りょう搖ゆら，指ゆび著ちょ門外もんがい。他た姪めい子道しどう：「他た說せつ姑しゅうと爺じい不ふ曾死，又また到いた別べつ處しょ去さ了りょう。」牛うし奶奶又また走はし到いた庵あん外がい，沿街細ほそ問とい，人にん都と說せつ不ふ聽見他た死し；一直問到吉祥寺郭鐵筆店裏。郭かく鐵筆てっぴつ道どう：「他た麼？而今到いた安東あんどう董ただし老爺ろうや任にん上じょう去さ了りょう。」牛うし奶奶此番得どく著ちょ實じつ信しんじ，立たて意い往安東ひがし去さ尋ひろ。只ただ因いん這一いち番ばん，有ゆう分ぶん教きょう：錯中有ちゅうう錯，無む端はし更さら起おこり波瀾はらん；人外じんがい求人きゅうじん，有意ゆうい做成交結。不知ふち牛うし奶奶曾到安東あんどう去さ否いや，且聽下か回かい分解ぶんかい。

URN: ctp:rulin-waishi/23