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くちばし - Wikipedia

くちばしくちばし、喙、觜)とは、鳥類ちょうるいしょく器官きかんで、上下じょうげあご突出とっしゅつし、くち周辺しゅうへんがひとつながりの角質かくしついたによってかたくなったもの。頭部とうぶほか部分ぶぶんからなめらかにつづくものもあるが、鳥類ちょうるいではそのあいだ区別くべつがある。くちびるのような柔軟じゅうなんせいがないが、かたいためにくなどするさいには効果こうかおおきい。一般いっぱんにはとりのそれをす。

鳥類ちょうるい様々さまざまなくちばしの形状けいじょう
とりあたま解説かいせつ
5.鼻孔びこう
6.うえくちばし
7.したくちばし
8.あごせん
13.くちばし
くちばしのながさの測定そくてい
むしべるとりおおくみられるくちばし(rictal bristle)。

概説がいせつ

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食物しょくもつべるための器官きかんとしては動物どうぶつくちひとつであるが、鳥類ちょうるいでは前肢ぜんし付属ふぞくとしての機能きのうたないため、くちばしは食物しょくもつさがしてべるえさほかにも、多様たよう機能きのうつ。づくろい(グルーミング)、ものをつまむ、捕食ほしょく対象たいしょうふくほか動物どうぶつ殺傷さっしょう求愛きゅうあい行為こういひな(ひな)にたいする給餌きゅうじなどである。そのため、くちばしのかたちはそのとり生活せいかつふかつながりがあり、それによって、くちばしのかたち様々さまざま適応てきおうしめす。したがって、くちばしのかたちとりおおきな特徴とくちょうであり、ハシマガリチドリオオハシとりヘラサギ仲間なかまなどのとりは、非常ひじょう特殊とくしゅ形状けいじょうのくちばしをっていることからそのけられている。また、ハチドリなどにもわったかたちのくちばしのものがある。

鳥類ちょうるい以外いがいにも、哺乳類ほにゅうるいカモノハシ爬虫類はちゅうるい一部いちぶられ、恐竜きょうりゅうにもくちばしをったものがいた(後述こうじゅつ)。

また、鳥類ちょうるい以外いがい生物せいぶつ一般いっぱんにおいても、先端せんたん開口かいこうとくしている場合ばあいに、それをくちばしじょうというれいがある。たとえばサヨリダツにおいて上下じょうげのあごの先端せんたんがそれぞれ単独たんどくしたものをクチバシという。タツノオトシゴのように上下じょうげわせてつつのようにびる場合ばあいにはという。イルカにもクチバシがあり、これはイルカとクジラ区別くべつてんとされることがある。

スゲぞく植物しょくぶつでははて胞にくちばしがあるかどうかは重要じゅうよう特徴とくちょうとされる。

種類しゅるい

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  Generalist/雑食ざっしょく イエガラス
Insect catching/しょくちゅう英語えいごばん コサメビタキ
Grain eating/穀物こくもつしょく ウソ
Coniferous-seed eating/しょくまつ イスカくちばしたがちがいになっており、まつすのにてきす。
Nectar feeding/しょくみつ Nectarinia英語えいごばん
Fruit eating/しょくはて サンショクキムネオオハシ果実かじつしょく動物どうぶつ英語えいごばんかた果物くだものくだけるようにふとながい。
Chiseling キタタキかわいだり、みきたたいてあなけるのにてきす。
Dip netting カッショクペリカン。くちばしのしたのどぶくろち、さかなをそこにらえられる。
Surface skimming クロハサミアジサシ水面すいめんびながら、くちばし水中すいちゅうしょうさかなをすくう。
Scything ソリハシセイタカシギ
Probing トキハシゲリ
Filter feeding ベニイロフラミンゴ。クシじょうになったくちばしで水中すいちゅうしてしょく[1]
Aerial fishing ヒメヤマセミ
Pursuit fishing ウミアイサくちばしたいら鋸歯きょしじょうえんをもち、水中すいちゅう微生物びせいぶつをろしてしょくす。
Scavenging/腐肉ふにくしょく キガシラコンドル英語えいごばん
Raptorial/食肉しょくにく たか猛禽もうきんるい

構造こうぞう

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鳥類ちょうるいのくちばしは、たねによってそのおおきさ、形状けいじょうにかなりのちがいがある。飛行ひこうするために重量じゅうりょうすこしでも軽減けいげんするため、通常つうじょう中空ちゅうくうもしくは多孔たこうせいほねでできている。くちばしの表面ひょうめんうす角質かくしつケラチン)でおおわれており、表面ひょうめんほねあいだには血管けっかん神経しんけいとおったそうがある。ガチョウハクチョウ一部いちぶにはくちばしのうえにコブがある場合ばあいがある。

くちばしには鼻孔びこうばれる2つのあながあり、それらは呼吸こきゅうのためにくちばしの内側うちがわへとつうじている。また、セキセイインコなど一部いちぶとりには、うえくちばし根元ねもとろうまく(ろうまく)とばれる柔軟じゅうなん肉質にくしつ部分ぶぶん存在そんざいし、鼻孔びこうはそこにひらいている。キーウィは、とりことなりくちばしのさき鼻孔びこうがあり、とりよりすぐれた嗅覚きゅうかく[2]

一部いちぶとりはくちばしのさき非常ひじょうかたく、おおきなおとらしたり獲物えものころしたりすることなどに使つかわれる。カモなどのとりはくちばしに神経しんけいかよっているため触覚しょっかくがあり、れたことをかんじることができる。くちばしは、使つかうことで磨耗まもうしても、とりきているかぎ再生さいせいしていく。

くちばしはとはことなり、咀嚼そしゃく使用しようするとりはほとんどいない。とり食物しょくもつまるみし、砂嚢さのうですりつぶす。

鳥類ちょうるい以外いがいのくちばし

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鳥類ちょうるい以外いがいでも、突出とっしゅつして硬質こうしつ口器こうきにくちばしとばれるものがある。

はく亜紀あきまつ大量たいりょう絶滅ぜつめつ前後ぜんごして、くち形状けいじょうからくちばしへ進化しんかしていた鳥類ちょうるいは、頭部とうぶかるくなったうえに荒廃こうはいした地上ちじょうのこっていた植物しょくぶつ種子しゅしってべることができたため、ったままの鳥類ちょうるい小型こがた恐竜きょうりゅうなどにくらびやすかったとの仮説かせつを、日本にっぽん国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかん標本ひょうほん資料しりょうセンター・分子ぶんし生物せいぶつ多様たようせい研究けんきゅう資料しりょうセンターちょう真鍋まなべしん紹介しょうかいしている[3]

脚注きゃくちゅう出典しゅってん

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  1. ^ ベニイロフラミンゴ”. 福岡ふくおか動物どうぶつえん. 2023ねん10がつ28にち閲覧えつらん
  2. ^ こえをあげるキーウィ”. nakigoe.jp. 天王寺てんのうじ動物どうぶつえん. 2023ねん10がつ24にち閲覧えつらん
  3. ^ [サイエンスReport]はく亜紀あき大量たいりょう絶滅ぜつめつ しょうエネがた生物せいぶつ のこ読売新聞よみうりしんぶん朝刊ちょうかん2020ねん1がつ26にち(くらしサイエンスめん)オンラインばん会員かいいん限定げんてい

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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