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ゲノム編集 - Wikipedia

ゲノム編集へんしゅう

遺伝子いでんし工学こうがくてき手法しゅほういち

ゲノム編集へんしゅう(ゲノムへんしゅう、えい: genome editing)は、部位ぶい特異とくいてきヌクレアーゼ利用りようして、おもどおりに標的ひょうてき遺伝子いでんし改変かいへんする技術ぎじゅつである。部位ぶい特異とくいてきヌクレアーゼとしては、2005ねん以降いこう開発かいはつ発見はっけんされた、ZFN(ズィーエフエヌ、または、ジンクフィンガーヌクレアーゼ)、TALEN(タレン)、CRISPR/Cas9(クリスパー・キャスナイン)を中心ちゅうしんとしている。従来じゅうらい遺伝子いでんし工学こうがく遺伝子いでんし治療ちりょう比較ひかくして、非常ひじょう応用おうよう範囲はんいひろ[1]

NHGRIによるCRISPR/Cas9のイメいめジ図じず

概要がいよう 編集へんしゅう

ゲノム編集へんしゅうのための部位ぶい特異とくいてきヌクレアーゼとして、ZFN (Zinc-Finger Nuclease)[2]、TALEN (Transcription Activator-Like Effector Nuclease)[3]、CRISPR (Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats)/Cas9 (Crispr Associated protein 9)[4]げられる。

これらの部位ぶい特異とくいてきヌクレアーゼに共通きょうつうする特徴とくちょうは、特定とくてい配列はいれつねらってDNA切断せつだんおこない、これにより意図いとてきなDNAの改変かいへん可能かのうとすることにある。DNA切断せつだんのちは、細胞さいぼう本来ほんらい機能きのうによりDNA修復しゅうふくこる。このさい特定とくてい配列はいれつ断片だんぺんとしてあたえると、切断せつだん挿入そうにゅうするノックイン可能かのうとなる。ノックインをさせずに修復しゅうふくおこなったとしても、配列はいれつわらないかぎり、DNA切断せつだんなんでもかえされるため、変異へんい発生はっせいする。これを利用りようして、特定とくてい遺伝子いでんし機能きのうめるノックアウトにも活用かつようされる。

部位ぶい特異とくいてきヌクレアーゼのなかで、とくこう効率こうりつとされるのはCRISPR/Cas9であり、2015ねん時点じてんでゲノム編集へんしゅうかんする研究けんきゅう主流しゅりゅうである[5]。しかし一方いっぽうこう効率こうりつであることの代償だいしょうとして、CRISPR/Cas9では標的ひょうてき部位ぶいではない場所ばしょをも改変かいへんしてしまうオフターゲットとばれる現象げんしょう発生はっせいしやすい[6]。このオフターゲットがしょうじると、がんひとし疾患しっかん発症はっしょうするおそれがあるため、オフターゲットを改善かいぜんする研究けんきゅうすす[7]

ゲノム編集へんしゅうは『ネイチャー・メソッズ』において2011ねんのメソッズ・オブ・ザ・イヤーにかがやいた[8]。2015ねんにはCRISPR/Cas9の研究けんきゅうノーベルしょう候補こうほわれていた[9]

歴史れきしについて 編集へんしゅう

遺伝子いでんし工学こうがくは、1972ねんポール・バーグらが細菌さいきん感染かんせんするウイルスのDNAを、サル感染かんせんするウイルスのDNAに挿入そうにゅうすることに成功せいこうしたことにはじまる[10][11]よく1973ねんには、ハーバート・ボイヤーとスタンリー・ノーマン・コーエンがこの技術ぎじゅつ生物せいぶつしゅにも適用てきようする[12]。1970年代ねんだい後半こうはんには、遺伝子いでんし工学こうがくによるインスリン量産りょうさんされる。しかし、これら従来じゅうらい遺伝子いでんし工学こうがくにはおおきな課題かだいが2つあった。特定とくてい遺伝子いでんし操作そうさする正確せいかくせい欠如けつじょと、遺伝子いでんし配列はいれつ生物せいぶつしゅらない適用てきようという応用おうようせい欠如けつじょである。

1990年代ねんだいになり、DNAを特定とくてい位置いち切断せつだんできるタンパク質たんぱくしつである制限せいげん酵素こうそ発展はってんするにともない、正確せいかくせい問題もんだい解決かいけつされた。応用おうようせい欠如けつじょほうも、2005ねん以降いこう各種かくしゅのゲノム編集へんしゅう技術ぎじゅつ登場とうじょうにより解決かいけつされる。

2012ねん8がつ、CRISPRが、原核げんかく生物せいぶつへのゲノム編集へんしゅうにも活用かつようしうることをエマニュエル・シャルパンティエジェニファー・ダウドナらが見出みいだ[10][4]かれらは、レンサ球菌きゅうきんのRNAを、CRIPRのガイドRNAとして活用かつようすることにも成功せいこうする。これにより、CRISPR/Cas9によるこう効率こうりつのゲノム編集へんしゅう可能かのうとなる[13]かく生物せいぶつのゲノム編集へんしゅうへのCRISPR/Cas9の応用おうようフェン・チャン可能かのうにして技術ぎじゅつ特許とっきょ取得しゅとくした[14]

2014ねん中国ちゅうごくにおいてCRISPR/Cas9による世界せかいはつ遺伝子いでんし改変かいへんサル誕生たんじょうする[15]よく2015ねんおなじく中国ちゅうごくでCRISPR/Cas9をもちいた世界せかいはつヒト受精卵じゅせいらん遺伝子いでんし操作そうさおこなわれ、国際こくさいてき物議ぶつぎかも[5][16]。この実験じっけん主導しゅどうしたJunjiu Huang(ぐん就)らが使つかったのは、にん治療ちりょう目的もくてき体外たいがい受精じゅせいにおいて、2つの精子せいし受精じゅせいした異常いじょう受精卵じゅせいらんで、元々もともと廃棄はいきされるものであった。Huangらの報告ほうこくでは、ねらった遺伝子いでんしおもどおりにきかえられたのは86ちゅう4のみであり、オフターゲットがきた受精卵じゅせいらんもあった[17]。そのため、技術ぎじゅつてき改善かいぜん必要ひつようせいしるしている[18]。HuangはNatureにより2015ねんの10にんえらばれる[19]。この研究けんきゅう契機けいきに、ヒト受精卵じゅせいらんたいするゲノム編集へんしゅう倫理りんりあらたな課題かだいとなる[20]

2016ねん中国ちゅうごく政府せいふだい135カ年かねん計画けいかくでゲノム編集へんしゅう国家こっか戦略せんりゃく位置付いちづけ、同年どうねん2れいのヒト受精卵じゅせいらんのゲノム編集へんしゅう中国ちゅうごくおこなわれる[21]。また10がつには、世界せかいはつのゲノム編集へんしゅう臨床りんしょう試験しけん[22][23]よく2017ねん3がつには、世界せかいはつの“正常せいじょうな”ヒト受精卵じゅせいらんへのゲノム編集へんしゅう[24]中国ちゅうごくおこなわれる。2018ねん時点じてん中国ちゅうごくでは86にん遺伝子いでんしがCRISPR/Cas9によって改変かいへんされる[25]同年どうねん11がつ26にちには南方みなかた科技かぎ大学だいがくけんふく教授きょうじゅが、ゲノム編集へんしゅうした双子ふたご女児じょじと娜娜英語えいごばん」の誕生たんじょう発表はっぴょうする。ゲノム編集へんしゅう後天こうてんせい免疫めんえき不全ふぜん症候群しょうこうぐん(AIDS)にたいせいたせるためだと主張しゅちょうされたが、後述こうじゅつするように世界せかいてき波紋はもんんだ[26][27]

かくヌクレアーゼについて 編集へんしゅう

2015ねん技術ぎじゅつ水準すいじゅんにおけるかくヌクレアーゼの比較ひかく[28]
ZFN TALEN Platinum TALEN CRISPR/Cas9
DNA結合けつごうドメイン ジンクフィンガー TALE TALE(改良かいりょうがた ガイドRNA
DNA切断せつだんドメイン FokI FokI FokI Cas9
部位ぶい選択せんたく自由じゆう 限定げんていてき ちゅう程度ていど ちゅう程度ていど ほぼ全部ぜんぶ
ヌクレアーゼの構築こうちく 困難こんなん ちゅう程度ていど 容易ようい 容易ようい
インビボでの試験しけん 困難こんなん 困難こんなん 困難こんなん 容易ようい
ターゲッティング効率こうりつ ちいさい ちゅう程度ていど おおきい おおきい
オフターゲット ちいさい ちいさい ちいさい おおきい
多重たじゅう 困難こんなん 困難こんなん 困難こんなん 容易ようい
実験じっけん効率こうりつ ちゅう程度ていど ちゅう程度ていど おおきい おおきい
実験じっけん費用ひよう ちゅう程度ていど ちゅう程度ていど てい価格かかく

CRISPR/Cas9について 編集へんしゅう

原核げんかく生物せいぶつにおいて発見はっけんされた獲得かくとく免疫めんえき機構きこうをCRISPR/Casシステムという。このシステムのうち、Cas9ばれるヌクレアーゼと、標的ひょうてきとなるDNA配列はいれつみちびくガイドRNAとをふくごうし、これをDNAの改変かいへん応用おうようした技術ぎじゅつをCRISPR/Cas9という。

ZNF、TALENが各々おのおのひとつのタンパク質たんぱくしつであるのにたいして、CRISPR/Cas9では、ガイドRNAとCas9という2つの別々べつべつ分子ぶんし構成こうせいされるのが特徴とくちょうてきである。DNAの標的ひょうてき部位ぶい相補そうほてき配列はいれつをガイドRNAに用意よういするので、ガイドRNAは標的ひょうてき部位ぶい特異とくいてき結合けつごうできる。そうするとガイドRNAとDNAをおおうようにCas9タンパク質たんぱくしつ結合けつごうして、DNAを切断せつだんする。Cas9自体じたい使つかまわしができて、ねらいにおうじてガイドRNAだけを作成さくせいすれば[29]

CRISPR/Cas9は、のヌクレアーゼのなか部位ぶい特異とくいせいひくさと、それによるオフターゲットが課題かだいである。オフターゲットの多寡たかは、DNA修復しゅうふく機構きこうあいどう末端まったん結合けつごう (NHEJ) か、あいどうくみ修復しゅうふく (Homology Directed Repair: HDR) であるかによってもことなる[30]。HDRのほうがNHEJよりもオフターゲットとして安全あんぜんだが、手間てまがかかるうえ、たがいに使用しよう条件じょうけんかぎられる。それを克服こくふくするために、ニッカーゼ改変かいへんがたCasをもちいて、標的ひょうてきごとに2種類しゅるいのガイドRNAをあたえるという手法しゅほう開発かいはつされた[31][7]。また、NHEJとHDRの競合きょうごう改善かいぜん手段しゅだんとして、NHEJの抑制よくせいざいとなるSCR7[32]が、HDRの促進そくしんざいとしてL755,507[33]があり、ぎゃくのNHEJの促進そくしんざいとしてはAzidothymidine (AZT)[33]げられる。

ゲノム編集へんしゅう対象たいしょうとするかくないのDNAにアクセスするために、Cas9とガイドRNAを細胞さいぼうないさらかくないへと導入どうにゅうしなければならない。そのための導入どうにゅう媒体ばいたい、つまりベクターとしてプラスミドウイルス使用しようされる[34]。プラスミドや、ベクターをかいさず直接的ちょくせつてきタンパク質たんぱくしつかたち導入どうにゅう[35]する方法ほうほうとしては、エレクトロポレーションほうがある[36]。2015ねん現在げんざい技術ぎじゅつ水準すいじゅんでは、どの導入どうにゅう手段しゅだん効率こうりつたかいかは一概いちがいにはえないことがおおく、実験じっけんてき確認かくにんすることがおおい。また、プラスミドについては、営利えいりのリポジトリが存在そんざいする[37]

ガイドRNAの設計せっけいツール、またライブラリーとばれる製品せいひん各社かくしゃから販売はんばいされている[38][36]国内こくないでは、ライフサイエンス統合とうごうデータベースセンター (DBCLS) がCRISPRdirectというガイドRNAの設計せっけいツールを提供ていきょうしている[39][40]

まさしく配列はいれつ導入どうにゅうされ、余分よぶん挿入そうにゅうかけしつがないことを確認かくにんするためのプロトコルが提案ていあんされ、また、検証けんしょうよう製品せいひん販売はんばいされている[41][36]

TALENについて 編集へんしゅう

 
TALENの原理げんり説明せつめい
 
TALENをもちいたゲノム編集へんしゅう代表だいひょうてきなワークフロー。

TALEN英語えいごばん日本語にほんご転写てんしゃ活性かっせい因子いんしさまエフェクターヌクレアーゼともばれる。制限せいげん酵素こうそであるFok1をDNA切断せつだんドメインとして、植物しょくぶつ病原びょうげん細菌さいきんキサントモナスぞく (Xanthomonas) から分泌ぶんぴつされるTALEタンパク質たんぱくしつのDNA結合けつごうドメインを融合ゆうごうさせた人工じんこう酵素こうそである[42][43]

TALEタンパク質たんぱくしつからるDNA結合けつごうドメインは34程度ていどアミノ酸あみのさん繰返くりかえ構造こうぞうをとっている。この繰返くりかえしの単位たんいをモジュールとよぶ。そのなかで、アミノ酸あみのさんだい12と13可変かへんとなっており、標的ひょうてき配列はいれつ結合けつごうする部分ぶぶんで「反復はんぷく可変かへんざんもと」(RVD) とばれる。TALENは原理げんり説明せつめいなかしめしたように、L TALENとR TALENのペアとして、標的ひょうてきDNAの反対はんたいくさりにそれぞれ結合けつごうする必要ひつようがある。つまり、FokIが切断せつだん活性かっせいしめすためには、TALENが適切てきせつ距離きょり維持いじしてりょうからだ形成けいせいする必要ひつようがある。TALENにおけるミスマッチ寛容かんようやオフターゲット活性かっせいはほとんど報告ほうこくされておらず、たか特異とくいせい特徴とくちょうである[42][44]

Golden Gateほうでは、10モジュールのアセンブリをもちいてTALENプラスミド構築こうちくする[45]。これに改良かいりょうくわえて、高速こうそくかつ簡便かんべんこう活性かっせいなTALENを作成さくせいする手法しゅほう開発かいはつされ、Platinum TALENと名付なづけられた[46][47][48]おも改良かいりょうてんは、作成さくせいしたプラスミドの活性かっせい評価ひょうか哺乳ほにゅう動物どうぶつ培養ばいよう細胞さいぼうおこなえること、モジュールのアセンブリにおける失敗しっぱいげんじるため6または4モジュールのアセンブリをもちいること、切断せつだん活性かっせい向上こうじょうさせたこと、活性かっせい向上こうじょうしたにもかかわらず細胞さいぼう毒性どくせいさない工夫くふうがなされたことである[42]

広島大学ひろしまだいがくでは、TALENやCRISPR/Cas9により外来がいらい遺伝子いでんし挿入そうにゅうする手法しゅほうとしてあいどうくみもちいるさいに、あいどうくみ活性かっせいひく細胞さいぼうしゅ生物せいぶつしゅでは、挿入そうにゅう効率こうりつひくいという問題もんだいてんがあったところを、あいどうくみえに依存いぞんしない遺伝子いでんし挿入そうにゅうほう(マイクロホモロジー媒介ばいかいせいまつはし結合けつごう:MMEJ)をもちいる手法しゅほう開発かいはつし、PITChシステムと名付なづけ、プロトコルとして発表はっぴょうした[49][50][51]

なお、TALENはCellectis Groupによる登録とうろく商標しょうひょうとのこと[52]

ZFNについて 編集へんしゅう

 
ZFNをもちいたHRおよびNHEJによる改変かいへん

ZFNはジンクフィンガードメインとDNA切断せつだんドメインから人工じんこう制限せいげん酵素こうそである。ジンクフィンガードメインは任意にんいのDNA塩基えんき配列はいれつ認識にんしきするように改変かいへん可能かのうで、これによってジンクフィンガーヌクレアーゼが複雑ふくざつなゲノムちゅう単一たんいつ配列はいれつ標的ひょうてきとすることが可能かのうとなる。

おう用例ようれいについて 編集へんしゅう

以下いかおう用例ようれいには、研究けんきゅう途上とじょうのものをふくむ。

2021ねん9がつ15にち、ゲノム編集へんしゅう技術ぎじゅつ使つかって品種ひんしゅ改良かいりょうしたトマトの販売はんばいがインターネットじょうはじまった。ゲノム編集へんしゅうをした食品しょくひん一般いっぱん販売はんばい日本にっぽん国内こくないはじめて[79]

2021ねん9がつ17にち、ゲノム編集へんしゅう技術ぎじゅつ使つかって肉付にくづきをよくしたマダイが「ゲノム編集へんしゅう食品しょくひん」としてくにとどられた。ゲノム編集へんしゅう食品しょくひんとどは2020ねん12月、「GABA」の蓄積ちくせきりょう通常つうじょうよりやく5ばいたかめたトマトにつづいて2れい[80]

2021ねん10がつ29にち京都きょうと大学だいがくはつのバイオ企業きぎょうがゲノム編集へんしゅう成長せいちょう速度そくどはやめたトラフグをゲノム編集へんしゅう食品しょくひんとしてくにとどやく販売はんばい開始かいしした[81]

危険きけんせい規制きせいについて 編集へんしゅう

ヒトの受精卵じゅせいらんひとし生殖せいしょく細胞さいぼう応用おうようされかねない、デザイナーベビー[82]へとつながるのではないかとの、倫理りんりてき懸念けねんがもたれていた[83]が、ゆかさせる操作そうさ国際こくさいてき学会がっかい合意ごういにより自主じしゅ規制きせいされることになった[84]ただし、定期ていきてき規制きせい見直みなおすべきともべられている[85]

2015ねん12月に米国べいこくワシントンD.C.ひらかれただい1かいヒトゲノム編集へんしゅうかんする国際こくさい会議かいぎ(International Summit on Human Genome Editing)では、同年どうねん4がつ中国ちゅうごくおこなわれたヒトはい遺伝子いでんし操作そうさ念頭ねんとう現時点げんじてん受精卵じゅせいらんにゲノム編集へんしゅうをしてどもを誕生たんじょうさせることは無責任むせきにんだとしておこなうべきではないというかんがえを表明ひょうめいしていた[86][87]。しかし、2018ねん11月に香港ほんこん開催かいさいだい2かい会議かいぎで、中国ちゅうごく研究けんきゅうしゃ世界せかいはじめてゲノムを編集へんしゅうしたあかちゃんをつくしたと主張しゅちょうして世界せかい衝撃しょうげきあた[88]、さらにこの研究けんきゅうしゃヒト免疫めんえき不全ふぜんウイルス(HIV)へのたいせいあたえることを目的もくてきとしたこの遺伝子いでんし操作そうさのう機能きのう認知にんち能力のうりょく強化きょうかをもたらしたとする動物どうぶつ実験じっけん言及げんきゅうしていたことから人間にんげん強化きょうか一種いっしゅである知能ちのう増幅ぞうふくおこなった可能かのうせい懸念けねんされ[89][90]日本にっぽん医師いしかい日本にっぽん学会がっかいなど日本にっぽん各国かっこく学会がっかいもこの行為こうい非難ひなんする事態じたいになった[91]同日どうじつ中国ちゅうごく科学かがく技術ぎじゅつしょうは、遺伝子いでんし編集へんしゅう実験じっけんへの関与かんよしゃ活動かつどう中止ちゅうし命令めいれい[92]、その中国ちゅうごく当局とうきょく調査ちょうさ臨床りんしょう実験じっけんあかちゃんの実在じつざい確認かくにんされてあかちゃんは広東かんとんしょう政府せいふ医学いがくてき監視かんしかれることとなった[93]。また、アメリカの著名ちょめい科学かがくしゃ中国ちゅうごく政府せいふにはこの実験じっけん資金しきんめん研究けんきゅうめん協力きょうりょくしたとする疑惑ぎわくがった[94][95]。これをけ、同年どうねん12がつ世界せかい保健ほけん機関きかん(WHO)はゲノム編集へんしゅう国際こくさい基準きじゅん作成さくせい目指めざしてゲノム編集へんしゅう問題もんだいてん検証けんしょうする専門せんもん委員いいんかい設置せっちすることを発表はっぴょうした[96][97]

2018ねん11月時点じてんにおける各国かっこくのヒトの受精卵じゅせいらんたいするゲノム編集へんしゅうへの規制きせいじょうきょう以下いかとおりである[86]

  • ドイツフランス - 法律ほうりつにより禁止きんし
  • イギリス - 基礎きそ研究けんきゅうみとめ、母体ぼたいもどしてどもを誕生たんじょうさせることは制限せいげん
    • 正常せいじょうなヒト受精卵じゅせいらんたいするゲノム編集へんしゅう世界せかいはじめて実施じっし可能かのう[98]
  • 米国べいこく - 研究けんきゅう連邦れんぽう政府せいふ資金しきん投入とうにゅうすることを禁止きんし寄付きふなどの研究けんきゅう資金しきんでは可能かのう
  • 中国ちゅうごく - くに指針ししんどもを誕生たんじょうさせることは禁止きんし

日本にっぽん国内こくないでは、厚生こうせい労働省ろうどうしょうによるガイドラインで、生殖せいしょく細胞さいぼう受精卵じゅせいらん遺伝子いでんし改変かいへんゆか是非ぜひかかわらず全面ぜんめんてき禁止きんししている[99]。しかし、さらにもういちんで、法的ほうてき規制きせい必要ひつようとのこえもある[100][101]。2018ねん11月28にち生殖せいしょく補助ほじょ医療いりょう役立やくだ基礎きそ研究けんきゅうかぎって容認ようにんする指針案ししんあん了承りょうしょうされ、はやければ2019ねん4がつにも解禁かいきんされる[86]。また、内閣ないかく実施じっしする「戦略せんりゃくてきイノベーション創造そうぞうプログラム」(略称りゃくしょう:SIP、呼称こしょう:エスアイピー)の一環いっかんで、ゲノム編集へんしゅうとそれに関連かんれんする情報じょうほう公開こうかいされている[102]

実際じっさい患者かんじゃたいする臨床りんしょう試験しけんおこなうにあたって、患者かんじゃにオフターゲットによるがんなどのリスク[103]適切てきせつ説明せつめいして、インフォームド・コンセント確立かくりつすることができるかどうか、また、オフターゲットのリスクと患者かんじゃ利益りえき関係かんけいうえで、適切てきせつ治療ちりょうとして成立せいりつしうるのかどうかが、課題かだいとされている。さらには、きわめて高価こうか治療ちりょうとなることが予測よそくされることも、課題かだいである[104][105]

また、遺伝子いでんし作物さくもつ (GMO) としての取扱とりあつかいについても、問題もんだいしょうじている[106][107]従来じゅうらいのGMOとことなって、ゲノム編集へんしゅう作物さくもつ場合ばあいは1塩基えんき単位たんいちか改変かいへん可能かのうである。そのことにより改変かいへんされているにもかかわらず、改変かいへん痕跡こんせきのこりにくい作物さくもつしょうじる。このため、あたらしい規制きせいモデルが提唱ていしょうされている[108]改変かいへん規模きぼおおきいほど規制きせい程度ていどきびしくするあん各国かっこく検討けんとうされている[109]

大学だいがくなどの研究けんきゅう機関きかん企業きぎょう所属しょぞくしない個人こじんやグループが、ゲノム編集へんしゅうふく手法しゅほうにより、自宅じたくなどにおいて、実験じっけんみずからの肉体にくたい対象たいしょうとした遺伝子いでんし治療ちりょうペット遺伝子いでんし改変かいへんなどをおこなう「DIYバイオ」「バイオハッキング」が米国べいこくなどでひろがっている。ゲノム編集へんしゅう技術ぎじゅつインターネットつうじてひろまり、必要ひつよう薬品やくひん器材きざいネット通販つうはん入手にゅうしゅしやすくなっていることが背景はいけいにあり、規制きせい後追あとおいになっている[110]

バイオテロリズムへの応用おうようあやぶむこえもある[111]

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

  1. ^ a b c 遺伝子いでんし操作そうさ技術ぎじゅつ “ゲノム編集へんしゅう”が世界せかいえる”. 日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかい (2015ねん3がつ1にち). 2015ねん12月25にち閲覧えつらん
  2. ^ Urnov, Fyodor D., et al. (2005). “Highly efficient endogenous human gene correction using designed zinc-finger nucleases” (PDF). Nature 435 (7042): 646-651. doi:10.1038/nature03556. http://mcb.berkeley.edu/courses/mcb140/urnov/misc/nature.pdf 2015ねん12月25にち閲覧えつらん. 
  3. ^ Mahfouz, Magdy M., et al. (2011). “De novo-engineered transcription activator-like effector (TALE) hybrid nuclease with novel DNA binding specificity creates double-strand breaks”. Proceedings of the National Academy of Sciences 108 (6): 2623-2628. doi:10.1073/pnas.1019533108. http://www.pnas.org/content/108/6/2623.full 2015ねん12月25にち閲覧えつらん. 
  4. ^ a b Jinek, Martin, et al. (2012). “A programmable dual-RNA–guided DNA endonuclease in adaptive bacterial immunity” (PDF). Science 337 (6096): 816-821. doi:10.1126/science.1225829. http://diyhpl.us/~bryan/papers2/paperbot/A%20Programmable%20Dual-RNAGuided%20DNA%20Endonuclease%20in%20Adaptive%20Bacterial%20Immunity.pdf 2015ねん12月27にち閲覧えつらん. 
  5. ^ a b ヒト受精卵じゅせいらん世界せかいはつ遺伝子いでんし操作そうさ中国ちゅうごくチーム、国際こくさいてき物議ぶつぎ”. 『ウォール・ストリート・ジャーナル』 (2015ねん4がつ24にち). 2015ねん12月25にち閲覧えつらん
  6. ^ Fu, Yanfang, et al. (2013). “High-frequency off-target mutagenesis induced by CRISPR-Cas nucleases in human cells”. Nature biotechnology 31 (9): 822-826. doi:10.1093/nar/gkt714. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3814385/ 2015ねん12月25にち閲覧えつらん. 
  7. ^ a b Ran, F. Ann, et al. (2013). “Double nicking by RNA-guided CRISPR Cas9 for enhanced genome editing specificity”. Cell 154 (6): 1380-1389. doi:10.1016/j.cell.2013.08.021. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0092867413010155 2015ねん12月25にち閲覧えつらん. 
  8. ^ Baker, M. (2012). “Method of the Year 2011”. Nat. Methods 9: 1. 
  9. ^ “「ゲノム編集へんしゅう」で話題わだい2人ふたり女性じょせい科学かがくしゃがノーベルしょう有力ゆうりょく候補こうほに”. ニュースイッチ (『日刊にっかん工業こうぎょう新聞しんぶん』, Yahoo Japan). (2015ねん9がつ27にち). https://web.archive.org/web/20151225161155/http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150927-00010001-newswitch-sctch 2015ねん12月25にち閲覧えつらん 
  10. ^ a b ノックス, p. 56.
  11. ^ Jackson, DA; Symons, RH; Berg, P (1 October 1972). “Biochemical Method for Inserting New Genetic Information into DNA of Simian Virus 40: Circular SV40 DNA Molecules Containing Lambda Phage Genes and the Galactose Operon of Escherichia coli”. PNAS 69 (10): 2904–2909. Bibcode1972PNAS...69.2904J. doi:10.1073/pnas.69.10.2904. PMC 389671. PMID 4342968. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC389671/. 
  12. ^ Recircularization and Autonomous Replication of a Sheared R-Factor DNA Segment in Escherichia coli Transformants — PNAS”. Pnas.org (1973ねん5がつ1にち). 2015ねん12月26にち閲覧えつらん
  13. ^ ノックス, pp. 58–59.
  14. ^ 遺伝子いでんし技術ぎじゅつ「CRISPR-Cas9」の特許とっきょバトルに裁定さいてい、の意味いみ”. ギズモード (2017ねん3がつ2にち). 2019ねん11月15にち閲覧えつらん
  15. ^ First monkeys with customized mutations born”. ネイチャー (2014ねん1がつ30にち). 2016ねん8がつ12にち閲覧えつらん
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  17. ^ Ko Mitani. “遺伝いでんびょうたいする遺伝子いでんし治療ちりょう方法ほうほう” (PDF). 2015ねん12月30にち閲覧えつらん
  18. ^ 山本やまもと, p. 115.
  19. ^ Cover Story: この1ねんかたる10の物語ものがたり:2015ねん重要じゅうよう人物じんぶつ10にん”. Nature Japan K.K. (2015ねん12月24にち). 2016ねん1がつ4にち閲覧えつらん
  20. ^ 小林こばやしあきら, 竹石たけいし涼子りょうこ (2015ねん12月5にち). “ゲノム編集へんしゅう受精卵じゅせいらん容認ようにん べいえいちゅう科学かがくしゃ団体だんたい声明せいめい”. 朝日新聞社あさひしんぶんしゃ. 2015ねん12月16にち閲覧えつらん
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参考さんこう文献ぶんけん 編集へんしゅう

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関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう

外部がいぶリンク 編集へんしゅう