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ダウンサイジングコンセプト - Wikipedia

ダウンサイジングコンセプト[1]とは、自動車じどうしゃにおいてターボチャージャースーパーチャージャーなどのきゅう使つかうことにより、従来じゅうらいエンジン同等どうとう動力どうりょく性能せいのう確保かくほしたまま排気はいきりょう小型こがた(ダウンサイジング)し、巡航じゅんこうどき燃費ねんぴ向上こうじょうさせるエンジン設計せっけい思想しそうコンセプト)のことをす。

フォードのダウンサイジングターボシリーズ「Eco Boost」。1.0リッター直列ちょくれつ3気筒きとうから3.5リッターVがた6気筒きとうまでをそろえる。

概要がいよう

機構きこう

「ドッカンターボ」なる表現ひょうげん代表だいひょうされるような旧来きゅうらいきゅうガソリンエンジンは、加速かそくちから最高さいこう出力しゅつりょく追求ついきゅうする目的もくてき設計せっけいされていた。きゅうあつたか大型おおがたきゅうみ、過大かだい爆発ばくはつ圧力あつりょくねつからエンジンをまもるためにひく圧縮あっしゅくすることで非常ひじょうこう出力しゅつりょくなエンジンをしたが、同等どうとう排気はいきりょうだい排気はいきりょう同等どうとう出力しゅつりょく自然しぜん吸気きゅうきエンジンとくらべると運転うんてんせい(ドライバビリティ、あつかいやすさ)と燃費ねんぴ大変たいへんわるかった。

一方いっぽうでダウンサイジングコンセプトは大前提だいぜんていとしてしょうエネルギー(=燃費ねんぴ向上こうじょうさせるため)の設計せっけい思想しそうがある。燃費ねんぴ向上こうじょうのためエンジンのしょう排気はいきりょうおこない、いで動力どうりょく性能せいのう従来じゅうらい同等どうとう水準すいじゅん維持いじすることを基本きほんに、目標もくひょうとする動力どうりょく性能せいのう達成たっせいするための手段しゅだんとしてターボチャージャーやツインチャージャーもちいている。

エンジンの小型こがた燃費ねんぴ改善かいぜんつながる最大さいだい理由りゆうとしては、機械きかい抵抗ていこう損失そんしつ低減ていげんされることがげられる。機械きかい抵抗ていこう損失そんしつとは摩擦まさつ損失そんしつ吸気きゅうき損失そんしつポンピングロス)という2つのエネルギー損失そんしつ総和そうわで、すべての走行そうこう条件じょうけん加味かみするとエンジンの仕事しごとりょうのうち3~4わりはこの損失そんしつえているとされる。この損失そんしつはエンジン排気はいきりょう比例ひれいしており、排気はいきりょう半分はんぶんになるとおよそ2/3から1/2程度ていどにまで減少げんしょうする[2]。また気筒きとうあたりの排気はいきりょう拡大かくだい限度げんどのあるガソリンエンジンにおいては、排気はいきりょう低減ていげん気筒きとうすう削減さくげん(レスシリンダー)につながるため、さらなる摩擦まさつ損失そんしつ低減ていげん可能かのうとなる。これにより、アイドリング状態じょうたい定常ていじょう走行そうこうといった、エンジン回転かいてんすうひくてい負荷ふかいきでの燃費ねんぴおおきく改善かいぜんすることが可能かのうとなった。

またどうコンセプトの誕生たんじょうどう時期じき実用じつようえうる技術ぎじゅつとなったつつない直接ちょくせつ噴射ふんしゃちょく噴)技術ぎじゅつは、気化きかねつ冷却れいきゃく効果こうかこう圧縮あっしゅく実現じつげんしやすいため[注釈ちゅうしゃく 1]ターボとの相性あいしょうきわめてく、さらなるてい燃費ねんぴ実現じつげん見込みこめる。

エンジンの特性とくせいとしては、小型こがたのターボチャージャーをもちいたりターボチャージャーとスーパーチャージャーわせることによって、最高さいこう速度そくど最高さいこう出力しゅつりょく向上こうじょうよりも実用じつよういきていちゅう回転かいてんいき)のトルクと応答おうとうせい向上こうじょうさせ、日常にちじょう使用しようてきしたエンジンに仕上しあげられている。自然しぜん吸気きゅうきエンジンにくらべて圧倒的あっとうてき向上こうじょうした低速ていそくトルクは、わずか1000回転かいてんだい最大さいだいトルクを発生はっせいしつつ、フラットトルクていちゅうそくいき維持いじすることにより、従来じゅうらい自然しぜん吸気きゅうきエンジンではエンジンをまわして加速かそくしていた状況じょうきょうから一変いっぺんし、エンジンを極力きょくりょくまわさずに加速かそくすることが可能かのうとなっている。それゆえターボラグもほぼ存在そんざいせず、坂道さかみちはトルクでもなくがり、市街地しがいちでもキビキビとしたはしりが可能かのうとなるため、燃費ねんぴさをきにはしりのあじでダウンサイジングターボをえら消費しょうひしゃもいる。

一方いっぽうきゅうはじまらないほどのひく回転かいてんいきにおいては排気はいきりょうおおきな自然しぜん吸気きゅうきエンジンよりトルクでおとってしまうため、どうりょくすにしてもアクセルペダルをよりんで、エンジン回転かいてんすうげてしまいがちになる。またきゅう加速かそく連続れんぞくしたり、速度そくどが200 km/hをえるアウトバーンのように巡航じゅんこうがあまりにこう負荷ふかいき(≒だか回転かいてんいき)でつづくような環境かんきょうでは燃料ねんりょう消費しょうひりつ悪化あっかするため、だい排気はいきりょうエンジンほどではないにせよ、ねらったようなてい燃費ねんぴ実現じつげんできない場合ばあいもある[3]

このみの問題もんだいえば、実用じつよう領域りょういき重視じゅうしのためこう回転かいてんいきでのびはすくなく、エンスージアストからは官能かんのうせいけるという意見いけんもある[4]

採用さいようじょうきょう

 
8代目だいめゴルフはハイブリッドとダウンサイジングターボをわせる。
 
マッスルカー代名詞だいめいしであるVがた8気筒きとうではなく、直列ちょくれつ4気筒きとうターボ搭載とうさいしたグレードのシボレー・カマロ

きゅうもちいることにより同等どうとう出力しゅつりょく維持いじしつつ、排気はいきりょうらすという概念がいねん自体じたい目新めあたらしいものではなく、欧米おうべい各国かっこくふるくからあった。日本にっぽんでもきゅう乗用車じょうようしゃよう[注釈ちゅうしゃく 2]として1979ねん昭和しょうわ54ねん)10がつはじめて認可にんかされた当時とうじ、ターボはしょう燃費ねんぴしゅ目的もくてきであり[注釈ちゅうしゃく 3]1990年代ねんだい初頭しょとうにはけんさかひろしによっても提案ていあんされていた。現代げんだいにおいてふたた注目ちゅうもくあつめ、各社かくしゃがダウンサイジングターボをきそって開発かいはつするようになったのは、フォルクスワーゲンが2005ねんからクリーンディーゼル技術ぎじゅつ転用てんようしたちょく噴のTSIエンジンをゴルフ搭載とうさいして以降いこうである[5]

このコンセプトが環境かんきょう意識いしきたかまりとともに流行りゅうこうするようになり、近年きんねんではVがた12気筒きとうエンジンをVがた8気筒きとうターボへ、Vがた8気筒きとう直列ちょくれつ6気筒きとう/4気筒きとうターボへ、Vがた6気筒きとう直列ちょくれつ4気筒きとうターボへ、直列ちょくれつ4気筒きとう直列ちょくれつ3気筒きとうへとほぼすべてのシリンダー配列はいれつにおいて、ダウンサイジングコンセプトの実施じっしれいがある。また、従来じゅうらいきゅうともな増大ぞうだいするねつ処理しょりするためのるい(インタークーラーなど)の強化きょうか追加ついかや、ブローオフやノッキング制御せいぎょなどの各種かくしゅ制御せいぎょえることでコストだかになりやすいてん障壁しょうへきとなっていたが、普及ふきゅうによる経費けいひ削減さくげんや、現在げんざい自然しぜん吸気きゅうきでもきゅうつきエンジンと同等どうとう程度ていどまで制御せいぎょ高度こうどになっており転用てんようできる部分ぶぶんおおいため、克服こくふくされている。先進せんしん諸国しょこくにおけるCAFE企業きぎょうない平均へいきん燃費ねんぴ規制きせい導入どうにゅうにより、本来ほんらいなら燃費ねんぴ効率こうりつにしなくていいような富裕ふゆうそうけの高級こうきゅうしゃでもダウンサイジングすすんでいる。

2010年代ねんだい後半こうはんから実施じっしされているWLTPモード(日本にっぽんばんはWLTCモード)の燃費ねんぴ計測けいそくほうでは頻繁ひんぱんきゅう加速かそくともなうため、てい負荷ふかいき燃費ねんぴかせぐことを身上しんじょうとするダウンサイジングターボはかならずしも有利ゆうりでない状況じょうきょうにある。そのため近年きんねんぎたダウンサイジング疑問ぎもんする見方みかたもあり、一部いちぶのドイツ・日本にっぽんしゃメーカーを中心ちゅうしんライトサイジングコンセプト排気はいきりょう適正てきせい)やアップサイジングコンセプト排気はいきりょう拡大かくだい)が、ダウンサイジングターボへのアンチテーゼとして頭角とうかくあらわしつつある[6][7]。また、可変かへんバルブ機構きこうによるミラーサイクル技術ぎじゅつ気筒きとう休止きゅうしシステムもちいることで、状況じょうきょうおうじて実質じっしつ排気はいきりょう増減ぞうげんする技術ぎじゅつ確立かくりつされてきており、現在げんざいはダウンサイジング以外いがいにも「排気はいきりょう気筒きとうすうらす」という目的もくてきたいしての手段しゅだん多様たようしつつある。

測定そくてい方法ほうほうとの相性あいしょう

欧州おうしゅうでNEDC(しん欧州おうしゅうドライバーズサイクル)モードが導入どうにゅうされていた2000年代ねんだい、CO2排出はいしゅつりょうにおいて、テストでの測定そくてい実際じっさい排出はいしゅつりょう乖離かいり問題もんだいされていた。そこで2009ねん最初さいしょ強制きょうせいてき排出はいしゅつりょう基準きじゅんである「CO2パフォーマンス規則きそく」が施行しこうされた[8]が、これをクリアするためにダウンサイジングターボが重宝ちょうほうされるようになった。あらゆるシャットライン(部品ぶひん隙間すきま)をテープでおおったり、現実げんじつ以上いじょう丁寧ていねい加速かそく仕方しかたをしたりと、てい燃費ねんぴのためのあらゆる工夫くふうゆるされたNEDCモードではとくに、てい負荷ふかいきでのBSFC(正味しょうみ燃料ねんりょう消費しょうひりつ)がすぐれ、ポンピングロスすくない小型こがたエンジンがこのまれたためである[8]。また政府せいふがわも、税金ぜいきん罰金ばっきんによって1kmあたりのCO2排気はいきりょう規制きせいし、エンジンの小型こがた推進すいしんした[9]

しかしこの測定そくてい方法ほうほう現実げんじつそくしていないということから、2017ねん欧州おうしゅうでより実際じっさい運転うんてん環境かんきょうちかいテスト方式ほうしきWLTP導入どうにゅうされた[8]。NEDCとことなりきゅう加速かそくなどのこう負荷ふかいき多用たようするどうモードではダウンサイジングはBSFCの悪化あっかまねきやすいことから[10]以前いぜんより過剰かじょうなダウンサイジングは実測じっそくにおいてマイナスであることをっていたメーカーたちの反応はんのうにより、ダウンサイジングなみはひと段落だんらくむかえている[8]

日本にっぽんしゃにおけるダウンサイジングコンセプト

 
日本にっぽんしゃ代表だいひょうする高級こうきゅうセダンとしてられるトヨタ・クラウンうえ)はヤマハせい2.0リッター直列ちょくれつ4気筒きとう日産にっさん・スカイラインした)はメルセデス・ベンツせい2.0リッター直列ちょくれつ4気筒きとうをそれぞれ搭載とうさいした

前出ぜんしゅつとおりもともとは欧州おうしゅうはじまったかんがかたであるが、現在げんざい日本にっぽんメーカーも追随ついずいしており、自動車じどうしゃ業界ぎょうかいにおいてはごく一般いっぱんてき思想しそうとなっている。以前いぜんはハイブリッド電気でんき自動車じどうしゃ電池でんちしき電気でんき自動車じどうしゃ(EV)の開発かいはつ先行せんこうしており、日本にっぽんメーカーはダウンサイジングコンセプトの導入どうにゅうには慎重しんちょうとの見方みかた[11]があったが、2010年代ねんだい前半ぜんはんから日産にっさん・ジューク皮切かわきりに続々ぞくぞく投入とうにゅうされるようになった。唯一ゆいいつマツダは、執行しっこう役員やくいん人見ひとみ光夫みつおがダウンサイジングターボしゃ導入どうにゅう公式こうしき否定ひていてき見解けんかいしめしていた(2013ねん12がつ当時とうじ[12]が、2016ねんにはネガが克服こくふくできたとして2.5 Lのダウンサイジングターボを投入とうにゅうしている[13]

道路どうろ環境かんきょうてきにはストップ&ゴーがおおこう負荷ふかいき使用しよう時間じかんなが日本にっぽんだが、アイドリングやパーシャル(半開はんかい状態じょうたいではしょう排気はいきりょうきやすいため、使用しようしゃ環境かんきょう運転うんてん次第しだいではすぐれた燃費ねんぴはしれることが期待きたいできる。また多段ただんオートマチックトランスミッション(AT)やだん変速へんそく(CVT)の進歩しんぽてい回転かいてんいきからちゅう回転かいてんいきまでフラットされたフラットトルクなどでドライバビリティのめんでも日本にっぽんてきしているとおもわれる部分ぶぶんおおい。とく大型おおがたしゃ日本にっぽん走行そうこうする場合ばあいは、てい燃費ねんぴ高性能こうせいのう双方そうほうにおいてダウンサイジングターボのほうてきしているとえる。

日本にっぽんのように自動車じどうしゃぜい排気はいきりょうによってまり、かつきゅう有無うむ税額ぜいがく影響えいきょうしない地域ちいきにおいては、ダウンサイジングコンセプトはどう程度ていど走行そうこう性能せいのう割安わりやす自動車じどうしゃ税額ぜいがく享受きょうじゅできる利点りてんがある。とくに1,000 cc自然しぜん吸気きゅうきコンパクトカーおなじあるいはそれ以上いじょう動力どうりょく性能せいのうつ660 ccターボ・スーパーチャージャー軽自動車けいじどうしゃは、ベースからの出力しゅつりょく向上こうじょう目的もくてきのためダウンサイジングコンセプトではないものの、登録とうろくしゃ利用りようしゃからすれば実質じっしつてきにはダウンサイジングコンセプトのいち選択肢せんたくしであるという見方みかたもできる。

典型てんけいてきなターボしゃには日本にっぽんのレギュラーガソリンよりもハイオクガソリンてきしている。これは、レギュラーガソリンではこう負荷ふかノッキングふせぐために、点火てんか時期じきおくらせなければならないためである[14]日本にっぽん米国べいこく欧州おうしゅうくらべて平均へいきん走行そうこう速度そくどひくいため、ダウンサイジングターボエンジンにハイオクガソリンをれてはしるより、排気はいきりょうおおきな普通ふつうのエンジンのほうが効率こうりつてきだとの指摘してきもある[14]。ただ一方いっぽう燃料ねんりょうだいにする顧客こきゃくそうは、ハイオク指定していという事実じじつ自体じたい実際じっさい燃費ねんぴ関係かんけいなく忌避きひする場合ばあいおおいため、わざわざレギュラーガソリンするケースもあとたない。

ダウンサイジングコンセプトとされるエンジンを採用さいようする国産こくさんしゃ

2010年代ねんだい各社かくしゃきそって投入とうにゅうし、全社ぜんしゃにラインナップが完了かんりょうしている。※は他社たしゃからのエンジン供給きょうきゅうモデル。

なおダウンサイジングターボはこう圧縮あっしゅく実現じつげんのためにちょくされるのが一般いっぱんてきであるが、ダイハツだけは例外れいがいでポート噴射ふんしゃ採用さいようしている[15]

ディーゼルエンジンへの適用てきよう

元々もともときゅうとの相性あいしょう抜群ばつぐんすぐれているディーゼルエンジンでは、きゅうあつをさらにげることにより、よりすくない気筒きとうかず・よりちいさい気筒きとうサイズのエンジンへ変更へんこうすることが一般いっぱんてきである。気筒きとうすう削減さくげん小型こがたにより、機械きかい摩擦まさつ低減ていげんによる巡行じゅんこう燃費ねんぴ低減ていげん材料ざいりょう低減ていげん重量じゅうりょう軽減けいげんはかられている。バスのれいとして1995ねんにはハイブリッド仕様しよう日野ひの・ブルーリボン従来じゅうらい大型おおがたしゃ共通きょうつうのM10Uがたエンジンから、中型ちゅうがたしゃようJ08Cがた (240 ps) にきゅうけたれいがあり、ハイブリッドしゃにおいてはKL-規制きせいころ(2000ねんごろ)より大型おおがたしゃようエンジンにターボを装着そうちゃくするれいはじめ、PJ-規制きせいころ(2004ねんごろ)から中型ちゅうがたしゃようエンジンにターボをわせるのが定着ていちゃくした。QxG-(QRG-/QPG-/QKG-/QDG-)規制きせいころ(2015ねんごろ)より大型おおがたしゃ小型車こがたしゃようエンジンをわせたれいもみられるようになった。路線ろせんバスようのエンジンでは6気筒きとうから4気筒きとう主流しゅりゅうになりつつある[17]

ディーゼルエンジンは混合こんごう燃焼ねんしょうではないため、プレイグニッションによるノッキング発生はっせいしないことからきゅうとの相性あいしょうがよく、また日本にっぽん自動車じどうしゃようディーゼルエンジンは自動車じどうしゃNOx・PMほう公布こうふ以後いごはいガス性能せいのう運動うんどう性能せいのう両立りょうりつのためにほとんどがきゅうきとなり、同等どうとう出力しゅつりょく確保かくほしたうえでのダウンサイジングがはかられている。

ディーゼルエンジンは(ガソリンエンジンで)爆発ばくはつ圧力あつりょくつよく、てい回転かいてんいきでのトルク特性とくせいすぐれるためきゅう作動さどうする回転かいてんすうたっするまで排気はいきりょう相応そうおう出力しゅつりょくかぎられてい回転かいてんトルクが不足ふそくする問題もんだいターボラグ)はガソリンエンジンにくらべてすくないが[注釈ちゅうしゃく 4]ツインターボ可変かへんノズルターボなどをもちいることによってさらなるこう効率こうりつはかられている。こうきゅうによる耐久たいきゅうせい問題もんだい排気はいきりょう削減さくげんによる排気はいきブレーキエンジンブレーキちから低下ていか[18]など克服こくふくすべきてん指摘してきされている。近年きんねんきゅうおこなえない回転かいてんいきでの出力しゅつりょく不足ふそくおぎなうハイブリッドすすみつつある。

ダウンサイジングのれいいすゞ自動車ずじどうしゃ
車種しゃしゅ 2000ねんごろ 2010ねんごろ
エンジン型式けいしき シリンダ配列はいれつ 排気はいきりょう (cc) きゅう 圧縮あっしゅく エンジン型式けいしき シリンダ配列はいれつ 排気はいきりょう (cc) きゅう 圧縮あっしゅく
ギガ 6×4トラクタ 10TD1 Vがた10気筒きとう 30,390 18.0 6WG1 直列ちょくれつ6気筒きとう 15,681 ゆう 16.5
ギガ 10-15tくるま 6WF1 直列ちょくれつ6気筒きとう 14,256 ゆう 16.0 6UZ1 直列ちょくれつ6気筒きとう 09,839 ゆう 16.2
フォワード 4tくるま 6HL1 直列ちょくれつ6気筒きとう 07,166 18.5 4HK1 直列ちょくれつ4気筒きとう 05,193 ゆう 16.5
エルフ 2tくるま 4HG1 直列ちょくれつ4気筒きとう 04,570 18.5 4JJ1 直列ちょくれつ4気筒きとう 02,999 ゆう 17.5

またJR四国しこくのぞJR各社かくしゃでは、国鉄こくてつがた気動車きどうしゃエンジンの交換こうかんおこなわれており、交換こうかんのエンジンはほとんどの場合ばあい排気はいきりょうがっているため[注釈ちゅうしゃく 5]、これもダウンサイジングの一種いっしゅえる。

その

  • おなじターボエンジンでもダウンサイジングコンセプトかどうかはエンジン単体たんたいではなく、車体しゃたいとの組合くみあわせで従来じゅうらいエンジンとくら排気はいきりょう低減ていげんしているかによってひょうされるため、たとえダウンサイジングコンセプトを考慮こうりょして開発かいはつされたエンジンであっても、従来じゅうらいのエンジンと排気はいきりょうがあまり大差たいさのない車体しゃたい搭載とうさいされた場合ばあいはダウンサイジングとは做されない場合ばあいがある。またMR16DDT(DIG-T)かたエンジン[19]、のように海外かいがいではくるまかくおおきい車種しゃしゅにも採用さいようされたためダウンサイジングターボとしてあつかわれたが、国内こくないではBセグメントSUVのジュークのみの採用さいようであったため、ハイパワーターボとしてしか認識にんしきされなかったというパターンもある。
  • ダウンサイジングコンセプトのターボエンジンを「しょう排気はいきりょうターボ」と表現ひょうげんする自動車じどうしゃ評論ひょうろん好事家こうずかあとたないが、V12をV8ターボしたものを「しょう排気はいきりょうターボ」とは表現ひょうげんできないように、なる概念がいねんである。

脚注きゃくちゅう

注釈ちゅうしゃく

  1. ^ 圧縮あっしゅくたかくしすぎて気筒きとう高温こうおんになりすぎると、ノッキング自然しぜん発火はっか)がきてしまう。
  2. ^ 日本にっぽんでのきゅうきエンジンはディーゼルエンジンほう歴史れきしながく、ルーツブロワーきは1955ねん昭和しょうわ30ねん)の民生みんせいUDエンジンシリーズ、ターボチャージャーも大型おおがた自動車じどうしゃ鉄道てつどう車両しゃりょうDMF31けいエンジンDML30けいエンジン)、船舶せんぱくもちい産業さんぎょうようなどで1960年代ねんだい後半こうはんから1970年代ねんだいにかけてすでに実用じつようされている。
  3. ^ 国産こくさん乗用車じょうようしゃはつのターボしゃ430がた日産にっさん・セドリック/グロリアで、エンジンはともL20ETがた巡航じゅんこう燃費ねんぴ(60 km/hてい燃費ねんぴ)を改善かいぜんすべく、自然しぜん吸気きゅうき仕様しようくらべて歯車はぐるまちいさく(ハイギヤード)されていた。
  4. ^ 乗用車じょうようしゃやSUVなどでは、とくにターボさい変速へんそくの1そくやデフの最終さいしゅう減速げんそくたかめるなど、ギアリング変更へんこうされることがおおく、これがドライバビリティにおおきく影響えいきょうする。
  5. ^ DML30からDMF13交換こうかんしたれいキハ183キハ66など)もあり、この場合ばあい気筒きとうすう半分はんぶん排気はいきりょう半分はんぶん以下いかになっている。ただし岡山おかやまけん水島みずしま臨海りんかい鉄道てつどうキハ37は、JR東日本ひがしにっぽん在籍ざいせき時代じだいDMF13からDMF14へのエンジン交換こうかんおこなわれており、若干じゃっかんながら排気はいきりょうがっているれいもある。

出典しゅってん

  1. ^ 鈴木すずきたかし 『ディーゼルエンジンと自動車じどうしゃISBN 978-4895225090 三樹みき書房しょぼう、2008ねん、108ぺーじ
  2. ^ ダウンサイジングきゅうエンジン:なぜエンジンをダウンサイジングすると効率こうりつくなるのか?”. Motor Fan. 2021ねん6がつ30にち閲覧えつらん
  3. ^ 内燃ないねん機関きかんちょう基礎きそ講座こうざ”. MotorFan. 2021ねん6がつ30にち閲覧えつらん
  4. ^ ゆめのエンジンじゃない? 燃費ねんぴとパワーを両立りょうりつした「完璧かんぺき」におもえるダウンサイジングターボの「限界げんかい」とは”. WEB CARTOP. (2021ねん6がつ30にち). p. 2. https://www.webcartop.jp/2020/07/550709/ 
  5. ^ TSI < Technologies & Concepts < Sustainable Mobility < フォルクスワーゲンについて < フォルクスワーゲン公式こうしきサイト”. 2015ねん8がつ31にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2015ねん8がつ24にち閲覧えつらん
  6. ^ 排気はいきりょう拡大かくだいあらたな燃費ねんぴ測定そくていモードに対応たいおう”. WEBCG. p. 2. 2021ねん6がつ26にち閲覧えつらん
  7. ^ ダウンサイジングのなみはどこに エンジン排気はいきりょう拡大かくだいトレンドがきているのはなぜなのか?”. WEBCG. p. 1. 2022ねん2がつ27にち閲覧えつらん
  8. ^ a b c d https://www.hotcars.com/this-is-why-downsized-engines-have-been-disbanded/ This Is Why Downsized Engines Have Been Disbanded]HOTCARS 2024ねん3がつ11にち閲覧えつらん
  9. ^ Is a smaller engine necessarily more efficient?-carequest. 2024ねん3がつ11にち閲覧えつらん
  10. ^ ライトサイジングとはなにか? ダウンサイジングのつぎにやってくるしん潮流ちょうりゅう内燃ないねん機関きかんちょう基礎きそ講座こうざMotor Fan 2024ねん3がつ11にち閲覧えつらん
  11. ^ a b 自動車じどうしゃライター注目ちゅうもくのクルマ 24 スバル レヴォーグ - "日本にっぽんしゃはつ"ダウンサイジングターボ、実力じつりょくはいかに?”. マイナビニュース. (2014ねん8がつ16にち). https://news.mynavi.jp/article/pickupcar-24/ 2015ねん1がつ14にち閲覧えつらん 
  12. ^ “マツダ人見ひとみ執行しっこう役員やくいん、ダウンサイズせずにSKYACTIV-Gの燃費ねんぴ向上こうじょうはかる”. Response.. (2013ねん12月20にち). http://response.jp/article/2013/12/20/213452.html 2015ねん1がつ14にち閲覧えつらん 
  13. ^ エコカー技術ぎじゅつ:マツダのSKYACTIVターボエンジンは“意味いみある”きゅうダウンサイジング (1/3) - MONOist(モノイスト)”. 2016ねん5がつ23にち閲覧えつらん
  14. ^ a b 国沢くにさわ光宏みつひろ (2017ねん4がつ25にち). “ダウンサイズターボが日本にっぽん流行はやらないのはガソリンのせい?”. ベストカーWeb. 2022ねん8がつ26にち閲覧えつらん
  15. ^ 疑似ぎじちょく噴」でこう圧縮あっしゅく、ダイハツ1L自然しぜん吸気きゅうきエンジン”. 日経にっけいXTECH ( ). 2021ねん6がつ30にち閲覧えつらん
  16. ^ ただし前出ぜんしゅつのジュークがはつという見方みかたもある
  17. ^ 【モンスターエンジンにのぼるぶる】いすゞの大型おおがた路線ろせんバス、エルガはなんとちょく4搭載とうさいだい18かい”. 2018ねん12月30にち閲覧えつらん
  18. ^ つよまる流体りゅうたいしきリターダの装着そうちゃく しょう排気はいきりょう見直みなおされる制動せいどう対策たいさく トラクタの安全あんぜん対策たいさく”. 株式会社かぶしきがいしゃニッポンリターダシステム. 2013ねん3がつ20日はつか時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2013ねん1がつ25にち閲覧えつらん
  19. ^ 松井まつい 義典よしのりたに下田しもだ 和則かずのり, 清水しみず 雅之まさゆき「ダウンサイジングちょく噴ガソリンターボエンジン(MR16DDT)の開発かいはつ (特集とくしゅう:ニッサン・グリーンプログラム2012をささえるパワートレイン技術ぎじゅつ)」『日産にっさんわざほうだい68ごう、2011ねん[ようページ番号ばんごう]ISSN 038592662016ねん5がつ23にち閲覧えつらん 

参考さんこう文献ぶんけん

関連かんれん項目こうもく

外部がいぶリンク