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ミミズ - Wikipedia

ミミズ

たまきがた動物どうぶつもんひんもうぞくする動物どうぶつ総称そうしょう
ひんるいから転送てんそう

ミミズ蚯蚓みみず、𦚧䏰[1]、螼蚓[1]うたおんな[1])は、たまきがた動物どうぶつもんまずしもうつな学名がくめい: Oligochaeta)にぞくする動物どうぶつ総称そうしょうがなく、あしもないひもじょう動物どうぶつである。名称めいしょうは「えず」からメメズになり、てんじてミミズになったともわれ、西日本にしにほんにはメメズと地域ちいきがある。おおくは陸上りくじょう土壌どじょうなかむ。

まずしもうつな
Lumbricus terrestris
ミミズの一種いっしゅ Lumbricus terrestris
分類ぶんるい
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : たまきがた動物どうぶつもん Annelida
つな : まずしもうつな Oligochaeta
学名がくめい
Oligochaeta
和名わみょう
ミミズ(蚯蚓みみず
英名えいめい
Oligochaetes
Earthworm
Night crawlers
Lob worm
Redworm

からだ構造こうぞう

編集へんしゅう

一般いっぱんにミミズるいではからだ表面ひょうめんには目立めだった器官きかんられないが、下等かとうミズミミズなどでは容易ようい頭部とうぶ器官きかん認識にんしきでき、また、相対そうたいてきちいさなこともあり、てん目立めだつ。エラミミズなどではそとえら発達はったつする。大型おおがた典型てんけいてきなミミズるいであっても、からだひょうには微小びしょう細胞さいぼう散在さんざいし、ひかり方向ほうこう感知かんちすることができる。

一般いっぱんてきなミミズのからだ特徴とくちょうは、細長ほそながく、たくさんのからだぶしかれていることである。最先端さいせんたんには口前くちまえがあり、ミズミミズるいにはここにてんとうがあって、頭部とうぶ認識にんしきできるれいもあるが、ほとんどのものではきわめて退化たいかてき確認かくにんむずかしい。

からだひょうをよくると、からだぶしごとにみじかいながらも頑丈がんじょう剛毛ごうもうえているのがかる。この剛毛ごうもうスパイクとして機能きのうすることで、ミミズはからだ蠕動ぜんどう運動うんどう前方ぜんぽうへの移動いどうへとむすびつけることができる。淡水たんすいせい微小びしょうなミズミミズやオヨギミミズでは、からだのサイズとくらべて相対そうたいてきにかなりなが剛毛ごうもうつ。剛毛ごうもうはまっすぐにちか単純たんじゅんじょう剛毛ごうもうと、先端せんたんがっており往々おうおうさき二分にぶんするかぎがた剛毛ごうもうなどのちがいがあり、それらの特徴とくちょう分類ぶんるいじょう重視じゅうしされる。なお、剛毛ごうもう皮膚ひふから直接ちょくせつて、いぼあしられないのは多毛たもうるいとのおおきなちがいである。

成熟せいじゅくしたミミズは、からだまえほうにいくつかのからだぶしにまたがった肥大ひだいした帯状おびじょう部分ぶぶんつ。この部分ぶぶん外見がいけんではなかからだぶし区別くべつできなくなっているから、そこだけ幅広はばひろく、またふとくなったふしがあるようにえる。これはたまきたい英語えいごばんばれる[2]地域ちいきによってははかま鉢巻はちまきぶことがある。おおくの大型おおがたミミズるいでは、たまきたいより前方ぜんぽうはらめんゆうせい生殖せいしょくあなが、たまきたいはらめんめすせい生殖せいしょくあながある。なお、多毛たもうるいにおいては生殖せいしょくせんはよりおおくのからだぶしにまたがって存在そんざいするれいおおい。ミミズにおいてそれがごくかぎられたからだぶしにのみ存在そんざいすることは、よりぶんまわしたい節制せっせいすすんだものとみなせるから、より進化しんかした特徴とくちょうることができる。

ミミズの体内たいないは、からだぶしごとに隔壁かくへきによって仕切しきられている。このような、こまかい部屋へや仕切しきられた構造こうぞうは、かべやわらかい材料ざいりょうでできていても、そこに体腔たいこうえき水圧すいあつをかけることでずいぶん頑丈がんじょうなものになる。ミミズにはほねもないのに、れるのはそのためで、このようなものを静水せいすい力学りきがくてき骨格こっかくぶ。

循環じゅんかんとして血管けっかんがあり、ぎょう血管けっかんはらぎょう血管けっかんからだみき縦走じゅうそうしている。5つの血管けっかんがそれぞれ別々べつべつはたらきをしている。きず修復しゅうふく能力のうりょくたか損傷そんしょううと血管けっかんから細胞さいぼう移動いどうさせて瞬時しゅんじ修復しゅうふくできる。しかし呼吸こきゅうはなく、ガス交換こうかん皮膚ひふ呼吸こきゅうのみでおこなう。皮膚ひふ毛細血管もうさいけっかんから酸素さんそ二酸化炭素にさんかたんそ排出はいしゅつしている。そのためガス交換こうかん速度そくどりょう限界げんかいがあり、ミミズのふとさは直径ちょっけい2.6 cmが限度げんどである[3]消化しょうかからだ先端せんたんくちがあり、そこからからだみき全長ぜんちょうにわたってちょうびて、砂嚢さのうおよ小腸しょうちょうとおり、後端こうたん肛門こうもんつづく。咽頭いんとうせんから粘液ねんえき分泌ぶんぴつこうからはいった食物しょくもつ移動いどうさせる。ちょうはいるとリパーゼアミラーゼセルラーゼ分泌ぶんぴつたんぱくしつ脂質ししつ糖類とうるいセルロース吸収きゅうしゅうする。ひだのおおいミミズのちょうは、栄養えいよう吸収きゅうしゅう効率こうりつい。老廃ろうはいぶつは、かくからだぶしごとにじんかんによって排出はいしゅつされる。

ミミズは、手足てあしあたま触角しょっかくひとしにつく顕著けんちょ器官きかんからだひょうなにもないので、ごく下等かとう動物どうぶつおもわれがちであるが、これらはむしろ顕著けんちょ頭部とうぶ器官きかんいぼあしおなたまきがた動物どうぶつもん多毛たもうるいゴカイ仲間なかま)のような複雑ふくざつ形態けいたいった祖先そせんから、地中ちちゅう生活せいかつへの適応てきおうとしててき単純たんじゅんこす方向ほうこう進化しんかしたものとみるべきである[よう出典しゅってん]

 
関東かんとう最大さいだいしゅイイヅカミミズ神奈川かながわけん箱根はこねまち
手前てまえおおきさ比較ひかくのための100えん硬貨こうかいてある。

ミミズは骨格こっかくがなく、移動いどうさいして伸縮しんしゅくするため、正確せいかく全長ぜんちょう測定そくていするのはむずかしいが、種類しゅるいごとのおおきさはきわめて変異へんいむ。ミズミミズの仲間なかまは1 mm以下いかのものもあるが、おおきなものはすうじゅう cmをえる。

日本にっぽんでは、東南とうなんアジア原産げんさんとされ、石川いしかわけんから滋賀しがけんにかけてのみ分布ぶんぷするハッタミミズ[4]が60 cm以上いじょうにもたっする[5]が、伸縮しんしゅく度合どあいがおおきい。中部ちゅうぶ日本にっぽん以西いせいにいるシーボルトミミズ[6]は、最大さいだいのものは45 cmになる。アフリカみなみアメリカでは2mをえる種類しゅるいがあり、オーストラリアメガスコリデス・アウストラリスは3.35mまたは3.5mとわれ、世界せかい最大さいだいしゅとされる[7]

生殖せいしょく発生はっせい

編集へんしゅう

上記じょうきのように、おおくのミミズるい雌雄しゆう同体どうたいである。生殖せいしょく時期じきになると、とう成体せいたいからだぎゃく方向ほうこうけてたまきたい部分ぶぶんはらめん接着せっちゃくすることにより交接こうせつをおこない、精子せいし交換こうかんする。交接こうせつ、ミミズはたまきたい表面ひょうめんつつじょう卵胞らんぽう分泌ぶんぴつし、これとからだ隙間すきま複数ふくすう受精卵じゅせいらん産卵さんらんして栄養えいよう物質ぶっしつ分泌ぶんぴつする。産卵さんらん分泌ぶんぴつ完了かんりょうすると、首輪くびわぐようにたまごつつみ頭部とうぶ方向ほうこうおくりだし、頭部とうぶから離脱りだつすると、つつじょうたまごつつみぜんはし後端こうたん収縮しゅうしゅくして受精卵じゅせいらん栄養えいよう物質ぶっしつ密閉みっぺいする。

発生はっせい直接ちょくせつ発生はっせいで、ほぼおやおな姿すがた幼生ようせいまれる。

アブラミミズやミズミミズでは無性むしょう生殖せいしょくさかんにおこなわれる。よこ分裂ぶんれつによって前後ぜんご個体こたい分裂ぶんれつするのが普通ふつうである。えた個体こたいがつながって活動かつどうする連鎖れんさたいられることもある。これらのるいではちぎれた場合ばあいもそれぞれが再生さいせいしていち個体こたいになる。

なお、より高等こうとうるいでは無性むしょう生殖せいしょくおこなわれない。大形おおがたのミミズをつかまえると、よくからだがちぎれることがあるが、これはいわゆるきりである。この場合ばあいぜん半身はんしんから後半こうはん再生さいせいおこなわれるが、後半こうはんからは再生さいせいおこなわれない。

生育せいいく環境かんきょう

編集へんしゅう

一般いっぱんにミミズといえばりくなか棲息せいそくするものとかんがえられている。しかしながら、水中すいちゅうせいのものもある。イトミミズるい汚泥おでいちゅうおお生息せいそくし、ミズミミズ、アブラミミズはごく普通ふつう水域すいいきおお棲息せいそくする。アブラミミズ、ミズミミズは沈殿ちんでんぶつちゅうまわって生活せいかつするものがおおい。一部いちぶにはからだをくねらせてよくおよぐものがある。ごく少数しょうすうながら海産かいさんしゅられる。

イトミミズと陸生りくせいのミミズのおおくはどろなかあなってらしており、デトリタスしょくである。あなすすみ、んでらしているものもあるが、まった棲管をつくり、そこからからだばしてんでうものもある。ミミズが降雨こうう地表ちひょうめん行動こうどうがあるとわれており、その理由りゆうとして、(1) 寄生きせいバエ幼虫ようちゅうおかされたため、(2) 地温ちおん急激きゅうげき低下ていか、(3) 降雨こううによる酸素さんそ不足ふそくみず土壌どじょうちゅうへの流入りゅうにゅう、(4) 降雨こううによる土壌どじょうちゅう二酸化炭素にさんかたんそ増加ぞうか、などのせつがある[8]。このうち、(4)の二酸化炭素にさんかたんそ増加ぞうかたいする忌避きひ行動こうどうとするせつもっと有力ゆうりょくであるとされているものの、種類しゅるいによっては長期ちょうきにわたる晴天せいてんでも行動こうどうしめすものもあり、これら以外いがい原因げんいん可能かのうせい示唆しさされている[8]

ホタルミミズ生物せいぶつ発光はっこうすることがられている。

過剰かじょう窒素肥料ちっそひりょう殺虫さっちゅうざいDDT重金属じゅうきんぞくよわく、これらの影響えいきょうでは生体せいたいすうることから、はたけ健康けんこう指標しひょうでもある[9]

侵略しんりゃくしゅ
2020ねん以降いこう、フキソクミミズ(Amynthas tokioensis英語えいごばん)、ハタケミミズ(Amynthas agrestis英語えいごばん)がきたアメリカに侵入しんにゅうし、土壌どじょうあらためただし、みず蒸発じょうはつうなが病原菌びょうげんきん導入どうにゅうするなどの影響えいきょうこし、生態せいたいけいおどかしている[10][11][12]

ミミズのはたら

編集へんしゅう

土壌どじょう改良かいりょう

編集へんしゅう

ミミズはべ、そこにふくまれる有機物ゆうきぶつ微生物びせいぶつしょう動物どうぶつ消化しょうか吸収きゅうしゅうしたうえ粒状りゅうじょうくそとして排泄はいせつする[13]。それによって、土壌どじょう形成けいせいうえでは、とく植物しょくぶつ生育せいいくてきしただんつぶ構造こうぞう形成けいせいおおきな役割やくわりたしている。そのため、農業のうぎょうでは一般いっぱん益虫えきちゅうとしてあつかわれ、土壌どじょう改良かいりょうのために利用りようされる。表層ひょうそうせいミミズよりも土中どちゅうせいミミズのほう土壌どじょう改良かいりょう効果こうかたかいとされる[14]。また、ミミズは1にちあたり体重たいじゅう半分はんぶんからどうりょう程度ていどえさ摂取せっしゅし、そのくそ良質りょうしつ肥料ひりょう土壌どじょう改良かいりょうざいとして利用りようできることから、積極せっきょくてきなまごみひとし有機物ゆうきぶつをミミズのえさとしてあたえ、そのくそ肥料ひりょうとして利用りようするミミズ堆肥たいひという手法しゅほうがある。

進化しんかろん有名ゆうめいチャールズ・ダーウィンは、晩年ばんねん、ミミズの研究けんきゅうもおこなっている。ミミズの土壌どじょう形成けいせいたす役割やくわり人類じんるい社会しゃかいにおいてふるくからられていたが、それを最初さいしょ学術がくじゅつてき研究けんきゅうしたのはかれであった[15][16]進化しんかろんなかで「植物しょくぶつえているはミミズのからだなんかよってきている」とべている。最近さいきんでは、このエピソードを紹介しょうかいする子供こどものための絵本えほん出版しゅっぱんされた[17]

ただし、ツリミミズサクラミミズ Allobophora japonica のように、くそとして排泄はいせつした土塊つちくれイネなえおおって機械きかいによる稲刈いねかりに支障ししょうあたえたり、クソミミズなどは草地くさち生息せいそくし、地表ちひょうおおくのくそかたまりげるのでゴルフじょう芝生しばふ汚損おそんすることから、害虫がいちゅうとしてあつかわれるものもある。また、きたアメリカ北部ほくぶでは、ミミズの増加ぞうかによる森林地帯しんりんちたい土壌どじょう荒廃こうはい問題もんだいとなっている。すなわち、北米ほくべい大陸たいりく高緯度こういど地方ちほうでは、1まんねんあままえまでこおりゆかおおわれていたため、ミミズは分布ぶんぷしておらず、こおりゆか消失しょうしつして回復かいふくした森林しんりんは、ミミズによる土壌どじょう変化へんか不要ふようかたち形成けいせいされてきたが、近年きんねんきゃくてたミミズが増殖ぞうしょくしたことにより、結果けっかてき土壌どじょうらされることとなり、被害ひがいている。

食物しょくもつ連鎖れんさ

編集へんしゅう
 
鳥類ちょうるいシロハラ捕食ほしょくされるミミズ

動物どうぶつかい食物しょくもつ連鎖れんさ最下位さいかいぞくし、昆虫こんちゅうモグラなどのしょう動物どうぶつからとりなどの中型ちゅうがたしゅさらにはイノシシアナグマのような大型おおがたのものまで、おおくの動物どうぶつ重要じゅうよう食物しょくもつとしておおきな役割やくわりたしている。

ミミズは、重金属じゅうきんぞく農薬のうやくなどの薬剤やくざい汚染おせんされた土壌どじょう生息せいそくすると、それらの汚染おせん物質ぶっしつ生物せいぶつ濃縮のうしゅくし、捕食ほしょくした生物せいぶつ中毒ちゅうどくこす場合ばあいがある。ミミズ自身じしんは、捕食ほしょくしゃぬような汚染おせん濃度のうどにもきわめてつよたいせいしめして生存せいぞんし、どくミミズすることがある。このため、野生やせいのミミズをつかまえて人間にんげんべる場合ばあい注意ちゅういようする。また、このようなミミズをべたとりさかな体内たいないでさらに生物せいぶつ濃縮のうしゅくすすみ、人間にんげんがいおよぶこともある。

イギリスでは、この生物せいぶつ濃縮のうしゅくぎゃく利用りようして、重金属じゅうきんぞく汚染おせんされた土壌どじょう浄化じょうかおこなっている。

えさ

編集へんしゅう

ミミズはおも淡水たんすいでのえさとしてよくもちいられる。ミミズは優秀ゆうしゅうえさであり、日本にっぽん一般いっぱんてきに2種類しゅるいられている。「キジ」とばれているツリミミズけいと「ドバミミズ」(Lumbricus terrestris)とばれるフトミミズけいになり、キジという呼称こしょうばりしたとき黄色きいろ体液たいえきることに由来ゆらいしている。流通りゅうつうりょうおお前者ぜんしゃは、おも延岡のべおかあさひ繊維せんい日本製紙にほんせいしなどの繊維せんい製紙せいしメーカーが副業ふくぎょうとしてっている。これは、繊維せんい製紙せいし廃棄はいきぶつとしてるコットンリンターや製紙せいしスラッジをミミズのえさとしているためである。後者こうしゃ流通りゅうつうりょうすくなく高価こうかであるが、ウナギナマズコイりには非常ひじょう効果こうかてきである。疑似ぎじえさにもフトミミズをしたものがある。シマミミズ普遍ふへんてきえさもちいられ、その分布ぶんぷいきひろさの一因いちいんえさようはこばれたためではないかとのせつがある。

イトミミズ鑑賞かんしょうぎょとうえさとしてももちいられる。

はたけではミミズが土地とち改良かいりょう役立やくだっていることがられるが、これをより積極せっきょくてき利用りようする方法ほうほうとして、容器ようき残飯ざんぱんくされ、ミミズをここにって堆肥たいひつくる、ミミズ堆肥たいひという方法ほうほうがある。

漢方薬かんぽうやくでは「あかりゅう」・「りゅう[18]/「りゅう[19]または「蚯蚓みみず(きゅういん)」としょうし、ミミズ表皮ひょうひ乾燥かんそうさせたものを、発熱はつねつ気管支きかんし喘息ぜんそく発作ほっさくすりとしてもちいる。日本にっぽん各地かくちでも民間みんかん療法りょうほうとして伝承でんしょうされている[20]。また、特定とくていのミミズは血栓けっせんかす酵素こうそつことがられており[21]、その酵素こうそつミミズであるルンブルクスルベルス粉末ふんまつれた健康けんこう食品しょくひんルンブロキナーゼ)が発売はつばいされている。この酵素こうそについては日本にっぽん医師いしによる研究けんきゅうなかで、臨床りんしょう試験しけんにおける効果こうか発表はっぴょうされているが[22]血管けっかんにできたプラークをもかすとの内容ないようについてはひろみとめられたものではない。

飼料しりょう

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鑑賞かんしょうぎょほかカエルイモリサンショウウオなどの両生類りょうせいるいトカゲなどの爬虫類はちゅうるい昆虫こんちゅう蜘蛛くもがたるいムカデ甲殻こうかくるいなどの節足動物せっそくどうぶつ鳥類ちょうるい小型こがた哺乳類ほにゅうるいなどの肉食にくしょく動物どうぶつえさとしても利用りようされる。

食材しょくざい

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タンパク質たんぱくしつミネラルコラーゲンビタミンなど、栄養えいよう豊富ほうふなミミズは世界せかい各地かくち食材しょくざいとして使用しようされている。また、アメリカのカリフォルニアしゅうなどでは、ミミズを使つかった料理りょうりコンテストなどもおこなわれている。

トーマス・ロックウェル英語えいごばんHow to Eat Fried Worms (1973) は、現代げんだいアメリカ児童じどう文学ぶんがく古典こてんともえる作品さくひんである[23]

一方いっぽうで「ゲテモノい」のイメージがつよいミミズしょくは、しばしばワイルドさを演出えんしゅつする手法しゅほうとしてもちいられる。

また、有名ゆうめい都市とし伝説でんせつ[だれによって?]大手おおてハンバーガーチェーンてんの「ハンバーガーにくにはじつはミミズが使つかわれている」というものがある(ミミズバーガー)[よう出典しゅってん]。しかし今日きょうでは食用しょくようミミズは高価こうかであり、そのうえ調理ちょうりするさい手間てまかんがえると現実げんじつてきでない。また、食用しょくようではないミミズを使つかうにしても、ドロきに相当そうとう時間じかんがかかるうえにおいをすには大変たいへん手間暇てまひまがかかる。その手間てま人件じんけんとうかんがえれば畜産ちくさんにくなどの食用しょくようにくほう安価あんかである。

創作そうさく作品さくひんちゅうへの登場とうじょう
  • さいとうたかをさく漫画まんがサバイバル」の作中さくちゅうで、主人公しゅじんこう少年しょうねん空腹くうふくえかねてミミズをでてべる描写びょうしゃがあり、当時とうじ読者どくしゃであった少年しょうねんたちにおおきな衝撃しょうげきあたえた。
  • 和田わだ慎二しんじさく漫画まんがスケバン刑事けいじ」の作中さくちゅうで、主人公しゅじんこう麻宮あさみやサキが美味おいしそうにハンバーグをべる描写びょうしゃがあるが、おな部屋へやにいた女性じょせいがミミズで出来できていることをおしえると光景こうけいえがかれている。一説いっせつでは、これをえがいた作者さくしゃもハンバーグやスパゲティがべられなかった時期じきがあるのだという。
  • 小山田おやまだいくさく漫画まんがウッド・ノート」の作中さくちゅうで、バードウォッチングなかにアクシデントでやまりられなくなった主人公しゅじんこうたちがミミズとキノコの煮物にものえをしのぐ場面ばめんがある。
  • 映画えいが硫黄いおうとうからの手紙てがみ』の作中さくちゅうで、硫黄いおうとうたたかにおいて日本にっぽんがわ情勢じょうせい悪化あっかするなか西郷さいごう一等いっとうへい栗林くりばやし中将ちゅうじょうのためのミミズを捕獲ほかくするようめいじられる。

ミミズにまつわる伝承でんしょう

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ミミズをまつった神社じんじゃ
蚯蚓みみずだい権現ごんげんというかみまつった神社じんじゃがある[24]
小便しょうべんとミミズ
ふるくから「ミミズに小便しょうべんをかけると陰茎いんけいれる」とわれるのは、雑菌ざっきん尿にょうつたわって陰茎いんけいくかもれないというせつと、田畑たはた養分ようぶんあたえるミミズへの尊敬そんけい感謝かんしゃ由来ゆらいする迷信めいしんであるとするせつ主流しゅりゅうであった。しかし、一部いちぶたねでは体腔たいこうえきおもわれるどくのある液体えきたい刺激しげきされたさい放出ほうしゅつするものがいて、それが原因げんいんだとおもわれる[よう出典しゅってん]
ミミズのごえ
「ジー・ジー」とむしのようなこえくとわれているが、一般いっぱんに「ミミズがく」とわれる地面じめんしたからひびごえは、ケラこえであるとされる。ミミズには発声はっせい器官きかん存在そんざいせず、おとすことはない。
いぬきなにお
いぬからびたミミズのにおいがき、というせつがあり、ねこ(あるいはネコ動物どうぶつ全般ぜんぱん)にたいするマタタビ同様どうよう効果こうかがあるらしいことは、ふるくからられていた。また1960年代ねんだい発表はっぴょうされた白土しらつち三平さんぺい漫画まんが『カムイ外伝がいでんおよび『サスケ』において、忍術にんじゅつ使用しようされるアイテムの一種いっしゅとして「いぬまん」なるものが紹介しょうかいされている。てき忍者にんじゃいぬまんすうてきつけけん追跡ついせきさせたり、てきかこまれたさいいぬまん大量たいりょう野犬やけんせその混乱こんらんじょうじて逃走とうそうするなど様々さまざま活躍かつやくをする。いぬまん正体しょうたいはミミズ(大量たいりょうのミミズをすりつぶしたドロドロの液体えきたい、あるいは乾燥かんそうさせたミミズのこな?)である。さらに白土しらつち三平さんぺいえがくこの「いぬまん」は、シートンによる著作ちょさく歴史れきしのこ動物どうぶつたち / おおかみ中心ちゅうしんとして ( Great Historic Animals / Mainly About Wolves )』 (1937ねんない記述きじゅつもとになっており、内山うちやま賢次けんじによる邦訳ほうやくほんおよ白土しらつち三平さんぺいによるその漫画まんが作品さくひん、シートン全集ぜんしゅう、シートン動物どうぶつにもあらわれる。
甄萱
朝鮮ちょうせん英雄えいゆうである甄萱はミミズの化身けしん[24]

分類ぶんるい

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分類ぶんるいについてはやや混乱こんらんがある。

オヨギミミズ Lumbriculida

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ジュズイミミズ Moniligastrida

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ナガミミズ Haplotaxida

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c 和漢わかんおんしゃくしょげんこう節用せつようしゅう』-、1717ねん 
  2. ^ たまきたい』 - コトバンク
  3. ^ 本川ほんがわ達雄たつおゾウの時間じかんネズミの時間じかん : サイズの生物せいぶつがく中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ中公新書ちゅうこうしんしょ〉、1992ねんISBN 4-12-101087-6https://www.chuko.co.jp/shinsho/1992/08/101087.html 
  4. ^ ハッタジュズイミミズたる消化しょうかかんがくびれて数珠じゅずをつないだようになっていることからこうばれる。
  5. ^ 日本一にっぽんいちおおきなミミズ ハッタミミズをもっとろう
  6. ^ ヤマミミズ、ノラクラミミズとう和名わみょうがある。
  7. ^ 文献ぶんけんによっては、みなみアフリカミクロカエトゥス・ラピという種類しゅるいを6.7mとしているが(たとえばギネスブック)、ミミズはほねがなく、直径ちょっけい2.6 cm以上いじょうになることはできないので、そのような長大ちょうだいからだでは、うごくだけでれてしまうおそれがある。6.7mではなく6.7フィート(およそ2m)の誤記ごき可能かのうせいかんがえられる。
  8. ^ a b 大野おおの正彦まさひこ路上ろじょうとう出現しゅつげんするミミズるいぶしてき変動へんどう」『東京とうきょう健康けんこう安全あんぜん研究けんきゅうセンター研究けんきゅう年報ねんぽうだい58かん東京とうきょう健康けんこう安全あんぜん研究けんきゅうセンター、2007ねん2021ねん6がつ23にち閲覧えつらん 
  9. ^ Fründ, Heinz-Christian (2011ねん). “Earthworms as Bioindicators of Soil Quality”. Springer Berlin Heidelberg. pp. 261–278. doi:10.1007/978-3-642-14636-7_16. 2023ねん1がつ8にち閲覧えつらん
  10. ^ ミミズは侵略しんりゃくてき外来がいらいしゅ北米ほくべい昆虫こんちゅうおおきな被害ひがいおそれ、研究けんきゅう”. natgeo.nikkeibp.co.jp. 2023ねん1がつ8にち閲覧えつらん
  11. ^ 進撃しんげきのミミズ!日本にっぽんさん「クレイジーワーム」がアメリカの土壌どじょうを"破壊はかいしている"と判明はんめい”. ナゾロジー (2020ねん10がつ4にち). 2023ねん1がつ8にち閲覧えつらん
  12. ^ Invasive jumping worms damage U.S. soil and threaten forests” (英語えいご) (2020ねん9がつ29にち). 2023ねん1がつ8にち閲覧えつらん
  13. ^ Q9:ミミズのいるはよいですか?”. 住友すみとも化学かがく園芸えんげい eグリーンコミュニケーション. 2022ねん6がつ6にち閲覧えつらん
  14. ^ 市川いちかわ 隆子たかこ, 高橋たかはし あきらあきら, 小林こばやし いたるあきら「ミミズによる圃場ほじょう土壌どじょう微生物びせいぶつ活性かっせいおよび硝化しょうか活性かっせいへの影響えいきょう」『日本にっぽん緑化りょくかこう学会がっかいだい32かんだい1ごう日本にっぽん緑化りょくかこう学会がっかい、2006ねん、154-158ぺーじdoi:10.7211/jjsrt.32.154 
  15. ^ チャールズ・ダーウィン しる渡辺わたなべ弘之ひろゆき わけ『ミミズと平凡社へいぼんしゃ平凡社へいぼんしゃライブラリー〉、1994ねんISBN 4-582-76056-2 
  16. ^ 柳田やなぎだ理科りかゆう. “1にち1科学かがく 地下ちかもの”. 栄光えいこうゼミナール. 2020ねん5がつ16にち閲覧えつらん
  17. ^ 新妻にいづま昭夫あきおぶん杉田すぎた比呂美ひろみ『ダーウィンのミミズの研究けんきゅう福音館書店ふくいんかんしょてん〈たくさんのふしぎ傑作けっさくしゅう〉、2000ねんISBN 4-8340-1679-X 
  18. ^ りゅう(ジリュウ)”. ウチダ和漢薬うちだわかんやく. 2023ねん12月13にち閲覧えつらん
  19. ^ 生薬きぐすりりゅう 一貫いっかんどう
  20. ^ 信州しんしゅう民間みんかんやくぜん212ぺーじちゅう23ぺーじ 57ぺーじ医療いりょうタイムスしゃ昭和しょうわ46ねん12がつ10日とおか発行はっこう信濃しなの生薬きぐすり研究けんきゅうかいりんけんみち編集へんしゅう
  21. ^ 美原みはらつねLumbricus rubellus (あかミミズ)の酵素こうそによる血栓けっせん溶解ようかい作用さよう (PDF) みゃくかんがくだい50かん 2011-1-17
  22. ^ 中島なかじま伸佳のぶよし, 須見すみ洋行ひろゆき血栓けっせん溶解ようかい素材そざいとしての新規しんきなプロテアーゼの構造こうぞう機能きのう,ならびに,その利用りようかんする研究けんきゅう」『日本にっぽん農芸のうげい学会がっかいだい67かんだい5ごう、1993ねん、868-870ぺーじdoi:10.1271/nogeikagaku1924.67.868 
  23. ^ 邦訳ほうやくは、阿部あべ里美さとみ わけ『ミミズ・フライのかた早川書房はやかわしょぼう〈ハリネズミの本箱ほんばこ〉、2003ねんISBN 4-15-250013-1 
  24. ^ a b ミミズの雑学ざつがく/2012.6.”. rnavi.ndl.go.jp. 2023ねん1がつ8にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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