『広辞苑 こうじえん 』の「食肉 しょくにく 」の項目 こうもく では、説明 せつめい の1番目 ばんめ に「魚 さかな 鳥獣 ちょうじゅう などの肉 にく を食 く うこと」とあり、説明 せつめい の2番目 ばんめ に「食用 しょくよう とする鳥獣 ちょうじゅう の肉 にく 」を挙 あ げており、本 ほん 記事 きじ は後者 こうしゃ についてである。
日本 にっぽん で食肉 しょくにく と言 い う場合 ばあい 、鳥類 ちょうるい (主 おも に鶏肉 とりにく )または獣 しし の肉 にく を指 さ していることが多 おお く、日常 にちじょう 語 ご としては単 たん に「肉 にく 」と呼 よ ばれる。鳥獣 ちょうじゅう と同 おな じ動物 どうぶつ である魚類 ぎょるい はしばしば除 のぞ いて、それは「魚 さかな (さかな)」と別枠 べつわく でとらえる習慣 しゅうかん がある。魚 さかな の食用 しょくよう となる部分 ぶぶん をあえて指 さ す時 とき は「魚 さかな の身 み 」と呼 よ ぶほか、「魚肉 ぎょにく (ぎょにく)」と表現 ひょうげん されることもある。
英語 えいご では食用 しょくよう の肉 にく は英 えい : meat と呼 よ んでいる。英語 えいご では魚 さかな のそれを「fish meat」「fish flesh」などと呼 よ んで指 さ すこともある。
昆虫 こんちゅう 食 しょく の対象 たいしょう となるイナゴ 、ハチ (はちのこ が食用 しょくよう される)なども通常 つうじょう は肉 にく と呼 よ ばれないが、『日本 にっぽん 食品 しょくひん 標準 ひょうじゅん 成分 せいぶん 表 ひょう 』においては「肉類 にくるい 」に分類 ぶんるい される。
屠 ほふ 畜直後 ちょくご の筋肉 きんにく は、死後 しご 硬直 こうちょく のため硬 かた い食 しょく 感 かん となり、そのまま食用 しょくよう に供 きょう することはできない。このため一定 いってい の熟成 じゅくせい (後述 こうじゅつ )を経 へ て解 かい 硬 かた させてから食用 しょくよう とする。このように熟成 じゅくせい による解 かい 硬 かた プロセスを経 へ たものについて、生体 せいたい 内 ない の筋肉 きんにく と区別 くべつ する意味 いみ で特 とく に食肉 しょくにく と呼 よ ぶ場合 ばあい がある。
食肉 しょくにく に付随 ふずい する組織 そしき を食肉 しょくにく と呼 よ ぶかについて、通常 つうじょう は骨格 こっかく 筋 すじ 中 ちゅう の血管 けっかん および神経 しんけい 組織 そしき や、骨格 こっかく 筋 すじ に付随 ふずい する皮下 ひか 脂肪 しぼう 組織 そしき および筋 すじ 間 あいだ 脂肪 しぼう 組織 そしき も、狭義 きょうぎ の「食肉 しょくにく 」に含 ふく むものとして取 と り扱 あつか われる。精肉 せいにく の段階 だんかい で骨 ほね がついている場合 ばあい (骨 ほね 付 つ きの鶏 にわとり もも肉 にく やスペアリブ など)もあるが、このような場合 ばあい の定義 ていぎ づけについては判然 はんぜん としない。
肉 にく として流通 りゅうつう する部位 ぶい 、また骨格 こっかく 筋 すじ と皮 かわ 以外 いがい の産物 さんぶつ を畜産 ちくさん 副 ふく 生物 せいぶつ と呼 よ ぶが、このうち食用 しょくよう のものを可 か 食 しょく 臓器 ぞうき 類 るい と呼 よ ぶ。いわゆる臓物 ぞうもつ 、略称 りゃくしょう でモツ (モツ肉 にく )と伝統 でんとう 的 てき に呼 よ ばれてきたものである。実際 じっさい には頭 あたま 肉 にく や横隔膜 おうかくまく (ハラミ ・サガリ )のように骨格 こっかく 筋 すじ でありながら、これまでの商 しょう 慣行 かんこう で内臓 ないぞう の一部 いちぶ とされてきたことから臓物 ぞうもつ ・副 ふく 生物 せいぶつ に分類 ぶんるい されているものもある。このような部位 ぶい は、科学 かがく 的 てき には食肉 しょくにく に分類 ぶんるい されるが、商 しょう 取引 とりひき 上 じょう は可 か 食 しょく 副 ふく 生物 せいぶつ として流通 りゅうつう する。
一般 いっぱん に家畜 かちく 化 か された哺乳類 ほにゅうるい を肉 にく 畜と呼 よ ぶ。牛 うし 、豚 ぶた 、羊 ひつじ 、山羊 やぎ (やぎ)、馬 うま 、トナカイ 、スイギュウ(水牛 すいぎゅう )、ヤク 、犬 いぬ 、ラクダ 、ロバ 、ラバ 、ウサギ などが用 もち いられる。その肉 にく の詳細 しょうさい はそれぞれの記事 きじ (牛肉 ぎゅうにく 、豚肉 ぶたにく 、羊 ひつじ 肉 にく (綿羊 めんよう 肉 にく ) 、山羊 やぎ 肉 にく 、馬肉 ばにく 、トナカイ 、スイギュウ 、ヤク 、犬 いぬ 肉 にく )を参照 さんしょう 。
主 おも に消費 しょうひ されるのは豚肉 ぶたにく と牛肉 ぎゅうにく で、それ以外 いがい では羊 ひつじ 肉 にく の消費 しょうひ が牛肉 ぎゅうにく の数 すう 分 ぶん の一 いち 程度 ていど あるくらいで、微々 びび たるものである。
食用 しょくよう に供 きょう する家禽 かきん (飼育 しいく 鳥 とり )を食 しょく 鳥 とり と呼 よ ぶ。一般 いっぱん 的 てき に鶏 にわとり 、アヒル 、七面鳥 しちめんちょう 、ホロホロチョウ 、ガチョウ 、ウズラ 、カワラバト などを指 さ す。だがその他 た の家禽 かきん であっても、食用 しょくよう に供 きょう する場合 ばあい は食 しょく 鳥 とり と定義 ていぎ される。
食 しょく 鳥 とり 肉 にく の中 なか では鶏肉 とりにく の消費 しょうひ が飛 と びぬけて多 おお く、牛 うし や豚 ぶた とともに世界 せかい で最 もっと も消費 しょうひ される食肉 しょくにく のひとつである。それ以外 いがい の食 しょく 鳥 とり 肉 にく では、七面鳥 しちめんちょう の消費 しょうひ 量 りょう が米国 べいこく でクリスマス の時期 じき に極端 きょくたん に伸 の びるのを除 のぞ き、鶏肉 とりにく に比 くら べれば微々 びび たるものである。
肉 にく 畜に分類 ぶんるい されない動物 どうぶつ でも、イノブタ 、ダチョウ 、大型 おおがた 小型 こがた を問 と わないネズミ 類 るい など、食肉 しょくにく を得 え ることを目的 もくてき として肥育 ひいく される場合 ばあい がある。
野生 やせい 動物 どうぶつ の食肉 しょくにく としては、イノシシ やシカ 、クマ 、ウサギ などがあり、狩猟 しゅりょう されて食 しょく される。また、家禽 かきん でない鳥類 ちょうるい も狩猟 しゅりょう により捕獲 ほかく して食用 しょくよう に供 きょう される。フランスなどヨーロッパではこれら野生 やせい 動物 どうぶつ の肉 にく をジビエ と呼 よ んで愛好 あいこう してきた伝統 でんとう があり、日本 にっぽん でも獣 しし 害 がい 対策 たいさく の一環 いっかん として商品 しょうひん 開発 かいはつ と消費 しょうひ の促進 そくしん が進 すす められている[ 3] 。
オーストラリアでは年間 ねんかん 300万 まん 頭 とう 分 ぶん 以上 いじょう のカンガルー肉 にく が商業 しょうぎょう 的 てき な狩猟 しゅりょう で生産 せいさん されている。地域 ちいき によっては食用 しょくよう コウモリ もいる。
野生 やせい のさまざまな鳥類 ちょうるい が、世界 せかい ではハンターによって狩 か られ、供給 きょうきゅう されている。フランスでは野生 やせい の鳥類 ちょうるい の肉 にく も「ジビエ」と呼 よ び愛好 あいこう する。
マガモ 、アヒル 、ヤマウズラ 、キジ 、ライチョウ 、カラス 、ハト などである。日本 にっぽん では江戸 えど 時代 じだい は(牛肉 ぎゅうにく や豚肉 ぶたにく が全然 ぜんぜん 食 た べられていなかったので)鴨 かも (カモ)の肉 にく 「鴨 かも 肉 にく 」が食 た べられ、鴨 かも 肉 にく に一定 いってい の評価 ひょうか があり、鴨 かも 鍋 なべ (かもなべ)が高級 こうきゅう 店 てん で提供 ていきょう されたり、鴨 かも 蕎麦 そば (かもそば)が老舗 しにせ そば店 てん などで提供 ていきょう されている。
海洋 かいよう 哺乳類 ほにゅうるい
クジラ 、イルカ 、トド 、アザラシ など、海洋 かいよう 哺乳類 ほにゅうるい の可 か 食 しょく 部位 ぶい 。魚介 ぎょかい 類 るい に分類 ぶんるい され、食肉 しょくにく には分類 ぶんるい されない場合 ばあい もある。
爬虫類 はちゅうるい
ワニ やヘビ 、カメ などの肉 にく は、野生 やせい のほか飼育 しいく されて食用 しょくよう にされることもある。
両生類 りょうせいるい
カエル も養殖 ようしょく され、太 ふと ももなどの肉 にく が食用 しょくよう に供 きょう されることがある。
魚介 ぎょかい 類 るい
魚介 ぎょかい 類 るい や甲殻 こうかく 類 るい など水生 すいせい 生物 せいぶつ の食用 しょくよう となる身 み は、食肉 しょくにく とは呼 よ ばれないことが多 おお い。
本 ほん 項 こう では食肉 しょくにく の主 おも な成分 せいぶん と、それらが栄養 えいよう や味 あじ および香 かお り、さらに健康 けんこう 機能 きのう などにおよぼす影響 えいきょう を述 の べる。
生食 なましょく をすれば、その鳥獣 ちょうじゅう の種類 しゅるい や飼育 しいく 環境 かんきょう 、鮮度 せんど によっては寄生虫 きせいちゅう や食中毒 しょくちゅうどく の危険 きけん 性 せい がある[ 4] 。
食肉 しょくにく の主 おも な成分 せいぶん は水 みず であり、他 た にタンパク質 たんぱくしつ 、脂質 ししつ 、無機質 むきしつ 、ビタミン などで構成 こうせい される。
タンパク質 たんぱくしつ
食肉 しょくにく のタンパク質 たんぱくしつ は、主 おも に筋 すじ 線維 せんい を構成 こうせい するタンパク質 たんぱくしつ 、筋 すじ 漿 に溶解 ようかい しているタンパク質 たんぱくしつ 、および結合 けつごう 組織 そしき を構成 こうせい するタンパク質 たんぱくしつ に分 わ けられる。
脂質 ししつ
食肉 しょくにく 中 ちゅう の脂質 ししつ の多 おお くは中性 ちゅうせい 脂質 ししつ であるが、それらのほとんどは「筋 すじ 間 あいだ 脂肪 しぼう 組織 そしき 」および「筋肉 きんにく 内 ない 脂肪 しぼう 組織 そしき 」(いわゆる霜降 しもふ り)に分布 ぶんぷ する。霜降 しもふ りの存在 そんざい により、脂肪 しぼう の含有 がんゆう 量 りょう はバリエーションが大 おお きく、牛肉 ぎゅうにく のロース(胸 むね 最長 さいちょう 筋 すじ )では40%を超 こ えるもの、豚肉 ぶたにく のロースでも近年 きんねん は10%を超 こ えるようなものも出 で てきている。また、リン脂質 ししつ も含 ふく まれるが、これらは細胞 さいぼう 膜 まく などの膜 まく に局在 きょくざい している。
無機質 むきしつ
食肉 しょくにく 中 ちゅう の無機質 むきしつ で特 とく に重視 じゅうし されているのは鉄 てつ である。実際 じっさい にはヘム鉄 てつ の形態 けいたい で、ミオグロビン およびヘモグロビン として存在 そんざい している。
ビタミン
とくに豚肉 ぶたにく において、ビタミンB1 (チアミン)が多 おお く含 ふく まれることが良 よ く知 し られている。
家禽 かきん (鳥 とり )や魚 さかな は含 ふく まない、牛 うし 豚 ぶた 羊 ひつじ 馬 ば ヤギの肉 にく である赤 あか 肉 にく については、摂取 せっしゅ 量 りょう が多 おお いと結腸 けっちょう 直腸 ちょくちょう がん、心臓 しんぞう 疾患 しっかん 、糖尿 とうにょう 病 びょう のリスクの高 たか まりから、鳥 とり 魚 ぎょ 豆 まめ よりも健康 けんこう を保 たも つのに最適 さいてき な食事 しょくじ ではないとされる[ 5] 。肉 にく に含 ふく まれるヘム鉄 てつ は、発 はつ がん性 せい 物質 ぶっしつ のN -ニトロソ化合 かごう 物 ぶつ (ニトロソアミン など)の生成 せいせい を促 うなが す[ 5] 。
霜降 しもふ りの多 おお い食肉 しょくにく は脂肪 しぼう の含量が多 おお すぎることから、健康 けんこう 状態 じょうたい (運動 うんどう 不足 ふそく など)によっては極端 きょくたん に脂肪 しぼう の多 おお い食肉 しょくにく を摂取 せっしゅ しないよう指導 しどう する場合 ばあい もある。動物 どうぶつ 性 せい 脂肪 しぼう の摂取 せっしゅ のし過 す ぎは生活 せいかつ 習慣 しゅうかん 病 びょう との関連 かんれん から問題 もんだい 視 し されている。
動物 どうぶつ 性 せい の脂肪 しぼう より植物 しょくぶつ 性 せい の油 あぶら を多 おお めに「健康 けんこう づくりのための食生活 しょくせいかつ 指針 ししん 」1985年 ねん [ 6]
脂肪 しぼう のとりすぎをやめ、動物 どうぶつ 、植物 しょくぶつ 、魚 さかな 由来 ゆらい の脂肪 しぼう をバランスよくとりましょう「食生活 しょくせいかつ 指針 ししん 」2000年 ねん [ 7] [ 8]
豚肉 ぶたにく は日本人 にっぽんじん に欠乏 けつぼう しがちなビタミンB1の優 すぐ れた給源 きゅうげん である。
味 あじ や香 かお り、見 み た目 め といった食肉 しょくにく の官能 かんのう 特性 とくせい は、含 ふく まれる成分 せいぶん によりもたらされるものである。
味 あじ
食肉 しょくにく の呈 てい 味 あじ 成分 せいぶん としては、酸味 さんみ を呈 てい する乳酸 にゅうさん をはじめとする有機 ゆうき 酸 さん 、うま味 み を呈 てい するアミノ酸 あみのさん や核酸 かくさん (イノシン酸 さん )およびペプチド 、塩味 しおあじ を呈 てい する無機 むき 塩 しお 類 るい 、甘味 あまみ を呈 てい する還元 かんげん 糖 とう などがある。実際 じっさい にはうま味 み や酸味 さんみ が重要 じゅうよう だと考 かんが えられている。脂肪 しぼう のおいしさも想定 そうてい されているが、それが味 あじ であるのか香 かお りであるのかについては判然 はんぜん としない。
香 かお り
食肉 しょくにく を特徴付 とくちょうづ ける「肉 にく らしい香 かお り」は複数 ふくすう の成分 せいぶん によってもたらされるもので、いわゆる核 かく となる成分 せいぶん は存在 そんざい しないと考 かんが えられている。肉 にく の種類 しゅるい などによっても成分 せいぶん は異 こと なり、一概 いちがい に説明 せつめい できないのが現状 げんじょう である。肉 にく の悪 わる い臭 くさ いについては、オスに由来 ゆらい するいわゆる性 せい 臭 しゅう や、糞便 ふんべん に由来 ゆらい するインドール 系 けい の臭気 しゅうき 、および保存 ほぞん によって生 しょう じる酸化 さんか 臭 しゅう などが知 し られており、それぞれ成分 せいぶん の同定 どうてい が進 すす められている。
食 しょく 感 かん
食肉 しょくにく の食 しょく 感 かん は、主 おも に構成 こうせい するタンパク質 たんぱくしつ のうち、筋 すじ 線維 せんい を構成 こうせい するものと、筋肉 きんにく 内 ない 結合 けつごう 組織 そしき を構成 こうせい するタンパク質 たんぱくしつ によってもたらされているものと考 かんが えられている。
食肉 しょくにく を特徴付 とくちょうづ ける赤 あか い色 いろ はミオグロビン によるものである。ミオグロビンはその誘導体 ゆうどうたい の種類 しゅるい により呈 てい する色 いろ が変化 へんか するが、好 この まれる鮮 あざ やかな赤色 あかいろ は、ミオグロビンが酸素 さんそ と結合 けつごう したオキシミオグロビンによるものである。オキシミオグロビンはさらに酸化 さんか されるとメトミオグロビン になるが、このメトミオグロビンは、消費 しょうひ 者 しゃ に好 この まれない褐色 かっしょく を呈 てい する。食肉 しょくにく を放置 ほうち すると色 いろ が悪 わる くなるのはこのためである[ 9] 。
畜種による官能 かんのう 特性 とくせい の違 ちが い
動物 どうぶつ 種 しゅ により味 あじ や香 かお り、食 しょく 感 かん が異 こと なると思 おも われているが、実際 じっさい に異 こと なるのは香 かお りと食 しょく 感 かん であり、味 あじ は動物 どうぶつ 間 あいだ による違 ちが いが無 な いことが明 あき らかにされている。
食肉 しょくにく を機能 きのう 性 せい 食品 しょくひん として取 と り扱 あつか う例 れい はあまり多 おお くないが、前述 ぜんじゅつ の鉄 てつ の吸収 きゅうしゅう が良 よ い点 てん などを機能 きのう 性 せい として紹介 しょうかい する例 れい がある。
21世紀 せいき 初頭 しょとう では、主 おも に畜産 ちくさん によって生育 せいいく させられた動物 どうぶつ は、屠畜場 とちくじょう (食肉 しょくにく 工場 こうじょう )へ送 おく られ、屠殺 とさつ (屠 ほふ 畜、屠 ほふ 鳥 とり )され解体 かいたい され、食肉 しょくにく が製造 せいぞう される[ 10] 。そして必要 ひつよう に応 おう じて熟成 じゅくせい を施 ほどこ したり、ハムなど加工 かこう 肉 にく の原料 げんりょう となる。
ジビエ(野生 やせい 動物 どうぶつ の狩猟 しゅりょう による肉 にく )の料理 りょうり を提供 ていきょう するレストランのシェフのもとに直接 ちょくせつ に届 とど けられることも多 おお かったが、ジビエ類 るい の解体 かいたい ・熟成 じゅくせい を専 せん 門 もん に行 おこな う業者 ぎょうしゃ もいる。
肥育 ひいく とは、食肉 しょくにく を得 え ることを目的 もくてき として家畜 かちく を飼養 しよう 管理 かんり することである。誕生 たんじょう 直後 ちょくご から肥育 ひいく を行 おこな うことはあまり無 な く、一般 いっぱん 的 てき に肥育 ひいく に適 てき する月齢 げつれい まで育成 いくせい したものを肥育 ひいく に供 きょう する。肥育 ひいく 期 き においては、肉 にく が十分 じゅうぶん つくだけでなく、肉質 にくしつ が十分 じゅうぶん 高 たか まるような管理 かんり が行 おこな われる。牛肉 ぎゅうにく 1キロを得 え るためには、その10倍 ばい の穀物 こくもつ が必要 ひつよう とされている[ 11] 。
もともと乳牛 にゅうぎゅう であったものがその用途 ようと に適 てき さなくなり、食肉 しょくにく として出荷 しゅっか する廃 はい 用 よう 牛 うし であっても、そのまま出荷 しゅっか せずに一定 いってい 期間 きかん の肥育 ひいく を行 おこな ってから食用 しょくよう とされることがある。
肉質 にくしつ は遺伝 いでん 的 てき 因子 いんし や飼料 しりょう 成分 せいぶん 、および飼養 しよう 環境 かんきょう などにより変動 へんどう する。
熟成 じゅくせい は、死後 しご 硬直 こうちょく したままの肉 にく では食用 しょくよう に供 きょう せないため行 おこな われる製造 せいぞう 工程 こうてい である。硬直 こうちょく 中 ちゅう の肉 にく はさらに低温 ていおん で保存 ほぞん すると、再 ふたた び軟 やわ らかくなり(解 かい 硬 かた )風味 ふうみ が増 ま す。これは筋肉 きんにく 細胞 さいぼう に残存 ざんそん するタンパク質 たんぱくしつ 分解 ぶんかい 酵素 こうそ プロテアーゼにより筋 すじ 源 げん 繊維 せんい が小片 しょうへん 化 か するためであると考 かんが えられているが、その他 た にも筋肉 きんにく 中 ちゅう のCa2+ イオンが関与 かんよ しているとする説 せつ もある[ 12] 。熟成 じゅくせい は基本 きほん 的 てき に枝肉 えだにく の段階 だんかい で行 おこな われる。
熟成 じゅくせい に要 よう する期間 きかん は畜種ごとに異 こと なる。2〜5℃で貯蔵 ちょぞう した場合 ばあい 、牛 うし は7〜10日 とおか 、豚 ぶた は3〜5日 にち 、鶏 にわとり は半日 はんにち ほどで解 かい 硬 かた される。ウシなどの場合 ばあい は、解 かい 硬 かた のみならず、熟成 じゅくせい によって生 しょう じる独特 どくとく な香気 こうき を十分 じゅうぶん に発生 はっせい させるため、十 じゅう 分解 ぶんかい 硬 かた した後 のち もさらに長期 ちょうき に熟成 じゅくせい させることもある[ 13] 。
北 きた アメリカのスーパーマーケットに並 なら ぶ精肉 せいにく
オーストラリア のスーパーマーケット に並 なら ぶカンガルー の肉 にく
食肉 しょくにく の流通 りゅうつう 形態 けいたい は、大 おお きく屠 ほふ 体 からだ 、枝肉 えだにく 、部分 ぶぶん 肉 にく 、精肉 せいにく に分 わ けられる。また、加工 かこう 品 ひん として流通 りゅうつう する場合 ばあい もある。
屠 ほふ 体 からだ
屠 ほふ 畜、屠 ほふ 鳥 とり した動物 どうぶつ の体 からだ を屠 ほふ 体 からだ (とたい)と呼 よ ぶ。内臓 ないぞう などを除 のぞ く前 まえ 、除 のぞ いた後 のち のいずれとも屠 ほふ 体 からだ と呼 よ ぶ。
枝肉 えだにく
肉 にく 畜において、屠 ほふ 体 からだ から内臓 ないぞう や原皮 げんぴ など、畜産 ちくさん 副 ふく 生物 せいぶつ に相当 そうとう する部位 ぶい を除去 じょきょ したものを枝肉 えだにく と呼 よ び、多 おお くの場合 ばあい 枝肉 えだにく は正中 せいちゅう 線 せん で左右 さゆう に切断 せつだん される。日本 にっぽん では、枝肉 えだにく の段階 だんかい で格付 かくづけ やせりが行 おこな われる。ウシの枝肉 えだにく では、腎臓 じんぞう および周囲 しゅうい 脂肪 しぼう をつけたままにしておくかどうか、国 こく ごとに慣行 かんこう が異 こと なり、日本 にっぽん では腎臓 じんぞう と周囲 しゅうい 脂肪 しぼう をつけたままにしておくのが一般 いっぱん 的 てき である。
部分 ぶぶん 肉 にく
枝肉 えだにく を、さらに部位 ぶい ごとに切断 せつだん し、余計 よけい な脂肪 しぼう や骨 ほね を除去 じょきょ するなどしたものを部分 ぶぶん 肉 にく と呼 よ ぶ。ウシやブタなどの畜種ごとに部分 ぶぶん 肉 にく の取引 とりひき 規格 きかく が存在 そんざい し、その規格 きかく に基 もと づいて調製 ちょうせい される。部分 ぶぶん 肉 にく の規格 きかく は、カットの位置 いち や呼称 こしょう が国 こく ごとに異 こと なり、国 こく ごとの歴史 れきし 的 てき な商 しょう 慣行 かんこう に基 もと づき規格 きかく 化 か されている。
精肉 せいにく
部分 ぶぶん 肉 にく を、小売 こうり などに適 てき するよう、スライスや角 かく 切 ぎ り、細切 こまぎ れ、挽肉 ひきにく などに調製 ちょうせい したものを精肉 せいにく と呼 よ ぶ。
加工 かこう 品 ひん
食肉 しょくにく をハム・ソーセージなどに加工 かこう したり、精肉 せいにく を惣菜 そうざい などに加工 かこう した状態 じょうたい で流通 りゅうつう および小売 こうり されることも多 おお い。
食肉 しょくにく の輸送 ゆそう は、生体 せいたい のままで輸送 ゆそう する場合 ばあい 、枝肉 えだにく や部分 ぶぶん 肉 にく の状態 じょうたい でチルドで輸送 ゆそう する場合 ばあい 、あるいは凍結 とうけつ で輸送 ゆそう する場合 ばあい がある。部分 ぶぶん 肉 にく は真空 しんくう 包装 ほうそう で輸送 ゆそう されることも多 おお い。
生体 せいたい で輸送 ゆそう される場合 ばあい は、基本 きほん 的 てき には農家 のうか から市場 いちば (屠畜場 とちくじょう )までの輸送 ゆそう である。
食肉 しょくにく は客観 きゃっかん 的 てき な規格 きかく により格付 かくづけ を受 う け、その結果 けっか により価格 かかく が形成 けいせい される。格付 かくづけ 規格 きかく はいくつかの国 くに で制定 せいてい されているが、そのうちアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 、オーストラリア 、日本 にっぽん のものについて述 の べる。
米国 べいこく においては農務 のうむ 省 しょう (USDA)による格付 かくづけ 制度 せいど [ 注釈 ちゅうしゃく 1] が確立 かくりつ されており、牛肉 ぎゅうにく については8段階 だんかい で肉質 にくしつ が格付 かくづけ される。豚肉 ぶたにく については日本 にっぽん と異 こと なり脂肪 しぼう 交雑 こうざつ (霜降 しもふ り)の基準 きじゅん も確立 かくりつ されている。
豪州 ごうしゅう においては、Meat Standard Australia(MSA)と呼 よ ばれる規格 きかく により格付 かくづけ が行 おこな われる。日本 にっぽん や米国 べいこく と異 こと なり、枝肉 えだにく ではなく、部分 ぶぶん 肉 にく の段階 だんかい で格付 かくづけ されるのが特徴 とくちょう である。
日本 にっぽん では、牛肉 ぎゅうにく および豚肉 ぶたにく について日本 にっぽん 食肉 しょくにく 格付 かくづけ 規格 きかく [ 注釈 ちゅうしゃく 2] により格付 かくづけ が行 おこな われる。
牛肉 ぎゅうにく の格付 かくづけ
牛肉 ぎゅうにく の格付 かくづけ は、肉付 にくづ きのよさに関 かん する「歩 ふ 留 とめ 等級 とうきゅう 」をAからCで(Aがもっとも良 よ い)、肉質 にくしつ の良 よ さに関 かん する「肉質 にくしつ 等級 とうきゅう 」を1から5で(5がもっとも良 よ い)、それぞれ判定 はんてい することで行 おこな う。歩 ふ 留 とめ 等級 とうきゅう はロースの大 おお きさや皮下脂肪 ひかしぼう の厚 あつ さなどから、肉質 にくしつ 等級 とうきゅう は、枝肉 えだにく を第 だい 6胸椎 きょうつい -第 だい 7胸椎 きょうつい 間 あいだ で切開 せっかい した切開 せっかい 面 めん の外観 がいかん などから、それぞれ判定 はんてい される。肉質 にくしつ 等級 とうきゅう においては脂肪 しぼう 交雑 こうざつ (いわゆる霜降 しもふ り)、肉色 にくいろ 、脂肪 しぼう 色 しょく 、肉 にく のキメ及 およ び締 し まりなどにより判定 はんてい が行 おこな われている。この格付 かくづけ 方法 ほうほう であると、品質 ひんしつ が高 たか いが脂肪 しぼう の少 すく ない赤身 あかみ 肉 にく の格 かく が低 ひく いと見 み 做されてしまう問題 もんだい 点 てん がある。
豚肉 ぶたにく の格付 かくづけ
豚肉 ぶたにく の格付 かくづけ は、枝肉 えだにく の段階 だんかい で行 おこな うが、牛肉 ぎゅうにく と違 ちが い切開 せっかい などは行 おこな わない。枝肉 えだにく 重量 じゅうりょう や枝肉 えだにく の外観 がいかん 、皮下脂肪 ひかしぼう の厚 あつ さなどから極上 ごくじょう 〜等外 とうがい の5等級 とうきゅう に格付 かくづけ される。
加工 かこう 肉 にく と呼 よ ばれ、食肉 しょくにく は、その保存 ほぞん 性 せい や市場 いちば 価値 かち を高 たか めるため加工 かこう されることがある。主要 しゅよう な加工 かこう 品 ひん はハム ・ソーセージ である。保存 ほぞん 性 せい や官能 かんのう 特性 とくせい を高 たか める加工 かこう 法 ほう として、塩 しお 漬 づけ 、加熱 かねつ 、燻 いぶし 煙 けむり 、発酵 はっこう 、乾燥 かんそう などが用 もち いられる。
塩 しお 漬 づけ
塩 しお 漬 づけ には主 おも に亜 あ 硝酸 しょうさん 塩 しお が用 もち いられる。亜 あ 硝酸 しょうさん は食肉 しょくにく の色素 しきそ と反応 はんのう して美 うつく しい加工 かこう 肉 にく の色 いろ を生 しょう じさせるとともに、ボツリヌス菌 きん の増殖 ぞうしょく を抑制 よくせい させ、保存 ほぞん 性 せい を向上 こうじょう させる。
加熱 かねつ
ソーセージ 製造 せいぞう などの際 さい は、ボイルによる加熱 かねつ 処理 しょり を行 おこな い、保存 ほぞん 性 せい や食 しょく 感 かん を向上 こうじょう させる。
燻 いぶし 煙 けむり
ソーセージ やハム 、ベーコン 、燻製 くんせい 肉 にく などのように、燻 いぶし 煙 けむり (スモーク)を行 おこな うことで、表面 ひょうめん に雑菌 ざっきん をつきにくくなる。それとともに水分 すいぶん 活性 かっせい を低下 ていか させて保存 ほぞん 性 せい を高 たか め、さらに独特 どくとく の香気 こうき を付与 ふよ して風味 ふうみ を向上 こうじょう させる効果 こうか もある。
発酵 はっこう
主 しゅ として乳酸 にゅうさん 発酵 はっこう を行 おこな うことで、乳酸 にゅうさん 酸性 さんせい として雑菌 ざっきん の繁殖 はんしょく を抑制 よくせい するとともに、独特 どくとく の発酵 はっこう 香気 こうき を付与 ふよ して風味 ふうみ を向上 こうじょう させる。主 しゅ として発酵 はっこう ソーセージ において行 おこな われる。
乾燥 かんそう
水分 すいぶん を減 へ らすことで保存 ほぞん 性 せい を高 たか める。ジャーキー やさいぼし などの干 ほ し肉 にく が挙 あ げられる。
食肉 しょくにく は、基本 きほん 的 てき に加熱 かねつ 調理 ちょうり をし食用 しょくよう に供 きょう される。加熱 かねつ 調理 ちょうり は、加熱 かねつ によって細菌 さいきん を死滅 しめつ させることで衛生 えいせい を確保 かくほ するとともに、食 しょく 感 かん を改善 かいぜん し、風味 ふうみ や香気 こうき を付与 ふよ する。
また、加熱 かねつ のほかにも食 しょく 感 かん や風味 ふうみ 、香気 こうき の付与 ふよ を目的 もくてき とした調理 ちょうり 操作 そうさ がある。本 ほん 記事 きじ ではこれら調理 ちょうり 操作 そうさ のうち特 とく に食肉 しょくにく に特有 とくゆう な内容 ないよう について述 の べる。総論 そうろん については調理 ちょうり に記述 きじゅつ する。
食肉 しょくにく の加熱 かねつ 調理 ちょうり の意義 いぎ は以下 いか のとおりである。
衛生 えいせい 面 めん の確保 かくほ
部分 ぶぶん 肉 にく を精肉 せいにく に加工 かこう すると、加工 かこう 器材 きざい との接触 せっしょく や、表面積 ひょうめんせき の増大 ぞうだい による空気 くうき との接触 せっしょく の増加 ぞうか から、細菌 さいきん で汚染 おせん される可能 かのう 性 せい がある。よって、加熱 かねつ によりこれら細菌 さいきん を死滅 しめつ させることで衛生 えいせい を確保 かくほ する。こうした細菌 さいきん 以外 いがい にも、豚 ぶた や鶏 にわとり など一部 いちぶ の畜種については、食中毒 しょくちゅうどく をもたらすウイルス や寄生虫 きせいちゅう の感染 かんせん 源 げん となりうるため、加熱 かねつ することが特 とく に推奨 すいしょう される場合 ばあい がある。詳細 しょうさい は豚肉 ぶたにく #生食 なましょく の危険 きけん 性 せい および鶏肉 とりにく にそれぞれ記述 きじゅつ する。
食 しょく 感 かん の改善 かいぜん
生 なま の食肉 しょくにく は噛 か み切 き りにくく、部位 ぶい によっては極 きわ めて食 た べにくい食 しょく 感 かん を示 しめ すが、加熱 かねつ することによりタンパク質 たんぱくしつ が変性 へんせい し、食 た べやすくなる。加熱 かねつ の程度 ていど と食 しょく 感 かん の関係 かんけい は部位 ぶい によって異 こと なり、加熱 かねつ し過 す ぎるとかえって硬 かた く食 た べにくくなる部位 ぶい や、長時間 ちょうじかん 加熱 かねつ することでようやく食 た べやすくなる部位 ぶい も存在 そんざい する。
味 あじ の付与 ふよ
加熱 かねつ により、新 あら たな呈 てい 味 あじ もしくは味 あじ を修飾 しゅうしょく する成分 せいぶん が生 しょう じることが知 し られている。その本体 ほんたい は加熱 かねつ により生 しょう じるペプチド で、肉 にく 様 さま の味 あじ を増 ま したり、酸味 さんみ を抑制 よくせい したりすることが明 あき らかにされている。
香気 こうき の付与 ふよ
加熱 かねつ により肉 にく 独特 どくとく の香 かお りが生 しょう じる。これは肉 にく の成分 せいぶん のみから生 しょう じる場合 ばあい と、調味 ちょうみ 料 りょう などの副 ふく 材料 ざいりょう と反応 はんのう して生 しょう じる場合 ばあい がある。たとえば霜降 しもふ り和牛 わぎゅう の加熱 かねつ 香気 こうき は前者 ぜんしゃ に属 ぞく することが明 あき らかにされている。
なお直 ちょく 火 ひ などで肉 にく の表面 ひょうめん をかすかに焦 こ がす と、香 こう ばしい香 かお り(肉 にく 自体 じたい を一種 いっしゅ の燻 いぶし 製剤 せいざい にした一種 いっしゅ の燻 いぶし 味 あじ (くんみ)、燻製 くんせい のような香 かお り)が生 しょう じる。
加熱 かねつ 調理 ちょうり の程度 ていど の選択 せんたく
欧米 おうべい では、衛生 えいせい 的 てき に加工 かこう ・流通 りゅうつう した牛肉 ぎゅうにく に限 かぎ れば、各人 かくじん の好 この みで、「ウェルダン」「ミディアム」「ミディアム・レア」「レア」と加熱 かねつ のレベルを変 か える。「レア」でも、細菌 さいきん 汚染 おせん の可能 かのう 性 せい が高 たか い表面 ひょうめん だけは火 ひ を通 とお すが常識 じょうしき である。なお欧米 おうべい でも、細菌 さいきん 汚染 おせん の可能 かのう 性 せい がある牛肉 ぎゅうにく に関 かん しては、各人 かくじん の好 この みがどうであれ「ウェルダン」にするのが常識 じょうしき である。
食肉 しょくにく 自体 じたい にも呈 てい 味 あじ 成分 せいぶん は含 ふく まれているが、多 おお くの場合 ばあい 、味 あじ や香 かお りの付与 ふよ を目的 もくてき として調味 ちょうみ することが多 おお い。また、一部 いちぶ の調味 ちょうみ 料 りょう は食 しょく 感 かん の改善 かいぜん をもたらす場合 ばあい がある。
加熱 かねつ しない場合 ばあい は他 た の方法 ほうほう で細菌 さいきん を殺 ころ す必要 ひつよう があるので、酢 す (殺菌 さっきん 作用 さよう がある)をたっぷり含 ふく んだ調味 ちょうみ 液 えき でマリネ して食 た べられる場合 ばあい もある。
極地 きょくち のイヌイット など、農耕 のうこう をせず新鮮 しんせん な植物 しょくぶつ 性 せい 食品 しょくひん から必須 ひっす ビタミン を摂取 せっしゅ できなかった地域 ちいき 、民族 みんぞく では、必須 ひっす ビタミンをとるために、アザラシなどの狩 か りをした際 さい に、殺 ころ した直後 ちょくご のアザラシの腹 はら をその場 ば でさばき、新鮮 しんせん でまだ細菌 さいきん が繁殖 はんしょく していないうちにその場 ば で食 た べる食 しょく 文化 ぶんか も存在 そんざい する。
生食 なましょく
食肉 しょくにく の種類 しゅるい によっては寄生虫 きせいちゅう や病原菌 びょうげんきん の存在 そんざい から、生食 なましょく が衛生 えいせい 上 じょう 不可能 ふかのう であるものも存在 そんざい する。
豚肉 ぶたにく の生食 なましょく は、寄生虫 きせいちゅう は(本当 ほんとう に)頻発 ひんぱつ し、しかも生命 せいめい に関 かか わることがありうる。必 かなら ず全体 ぜんたい にしっかりと火 ひ が通 とお るまで加熱 かねつ すべきである。
また、流通 りゅうつう していないジビエ肉 にく (シカ肉 にく やイノシシ肉 にく )では、きちんと加熱 かねつ しなければ、E型 がた 肝炎 かんえん ウイルス、腸管 ちょうかん 出血 しゅっけつ 性 せい 大腸菌 だいちょうきん または寄生虫 きせいちゅう による食中毒 しょくちゅうどく のリスクがある。さらに使用 しよう したトングなどの道具 どうぐ の消毒 しょうどく にも気 き を付 つ けるよう厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう は注意 ちゅうい を促 うなが している[ 15] 。
牛肉 ぎゅうにく の場合 ばあい は、新鮮 しんせん なものを衛生 えいせい 的 てき に取 と り扱 あつか うことができた場合 ばあい で、細菌 さいきん 検査 けんさ をしっかり行 おこな い、(細菌 さいきん 汚染 おせん が進 すす む)肉 にく の表面 ひょうめん 側 がわ をしっかり取 と り除 のぞ いた、残 のこ りの一部 いちぶ の部位 ぶい は生食 なましょく が可能 かのう ではある。ただし、焼肉 やきにく 店 てん などで「検査 けんさ を行 おこな っています」などと謳 うた っていても、検査 けんさ をしっかり行 い っていない不誠実 ふせいじつ な店 みせ も多々 たた ある。
日本赤十字社 にほんせきじゅうじしゃ は、シカなどの生肉 せいにく 喫食によってE型 がた 肝炎 かんえん に感染 かんせん した人 ひと からの輸血 ゆけつ 事故 じこ が起 お きないよう、ブタ、イノシシ、シカの肉 にく や内臓 ないぞう を生 なま 又 また は生焼 なまや けで食 しょく した方 ほう については、食 しょく してから6か月 げつ 間 あいだ は献血 けんけつ をしないこととした[ 16] 。
食肉 しょくにく を主食 しゅしょく に近 ちか い形 かたち で扱 あつか っている国々 くにぐに では、食肉 しょくにく 科学 かがく はひとつの分野 ぶんや を形成 けいせい している。専門 せんもん 的 てき な国際 こくさい 学術 がくじゅつ 雑誌 ざっし もいくつか発行 はっこう されており(著名 ちょめい なものとしてはMeat Science誌 し [ 17] )、また毎年 まいとし 国際 こくさい 食肉 しょくにく 科学 かがく 技術 ぎじゅつ 会議 かいぎ [ 18] が開催 かいさい されている。
日本 にっぽん では小規模 しょうきぼ ながら日本 にっぽん 食肉 しょくにく 研究 けんきゅう 会 かい [ 19] と呼 よ ばれる学術 がくじゅつ 団体 だんたい が存在 そんざい している。
主要 しゅよう 先進 せんしん 国 こく における2010
年 ねん から2012
年 ねん にかけての
食肉 しょくにく 消費 しょうひ 量 りょう (
左 ひだり )と、2022
年 ねん の
予想 よそう 食肉 しょくにく 消費 しょうひ 量 りょう (
右 みぎ )。
青 あお が
牛肉 ぎゅうにく 、ピンクが
豚肉 ぶたにく 、オレンジが
食 しょく 鳥 とり の
肉 にく 、
紫 むらさき が
羊 ひつじ および
山羊 やぎ の
肉 にく である。ほとんどの
先進 せんしん 国 こく において
食肉 しょくにく 消費 しょうひ 量 りょう は
多 おお いが、
伸 の びは
少 すく ない
[ 20] 新興 しんこう 国 こく における
食肉 しょくにく 消費 しょうひ 量 りょう 図 ず 。グラフ
表示 ひょうじ は
上 うえ 図 ず に
準 じゅん ずる。
新興 しんこう 国 こく における
食肉 しょくにく 消費 しょうひ が
急 きゅう 拡大 かくだい していることが
読 よ み
取 と れる
[ 21] 。
全 ぜん 世界 せかい の食肉 しょくにく 生産 せいさん 量 りょう は、2018年 ねん の統計 とうけい では3億 おく 4100万 まん トン[ 22] 。
2018年 ねん の肉 にく の種類 しゅるい 別 べつ の生産 せいさん 量 りょう の内訳 うちわけ は次 つぎ のとおり[ 22] 。鶏肉 とりにく 1億 おく 2731万 まん トン[ 22] 、豚肉 ぶたにく 1億 おく 2088万 まん トン[ 22] 、牛肉 ぎゅうにく 7161万 まん トン[ 22] 、羊 ひつじ 肉 にく ・ヤギ肉 にく 1577万 まん トン[ 22] 、アヒル肉 にく 446万 まん トン[ 22] 、ガチョウ肉 にく 265万 まん トン[ 22] 、狩猟 しゅりょう 肉 にく (ジビエ)211万 まん トン[ 22] 、馬肉 ばにく 79万 まん トン[ 22] 、ラクダ肉 にく 55万 まん トン[ 22] 。
地域 ちいき 別 べつ の生産 せいさん 統計 とうけい では、2018年 ねん の統計 とうけい で、アジア 1億 おく 4371万 まん トン、ヨーロッパ 6385万 まん トン、北 きた アメリカ 5173万 まん トン、南 みなみ アメリカ 4612万 まん トン、アフリカ 2017万 まん トン、中央 ちゅうおう アメリカ 889万 まん トン、オセアニア 669万 まん トン[ 22] 。
国 くに 別 べつ の生産 せいさん 統計 とうけい では、2018年 ねん の統計 とうけい で、中国 ちゅうごく 8816万 まん トン、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 4683万 まん トン、インド 745万 まん トン、イギリス 409万 まん トン[ 22] 。
日本 にっぽん の国内 こくない 生産 せいさん においては上記 じょうき 3種 しゅ の占有 せんゆう 率 りつ はさらに高 たか くなり、牛肉 ぎゅうにく ・豚肉 ぶたにく ・鶏肉 とりにく の三 さん 種類 しゅるい の生産 せいさん 量 りょう 合計 ごうけい は全 ぜん 食肉 しょくにく 生産 せいさん の99.7%にのぼる。日本 にっぽん でもっとも生産 せいさん 量 りょう の多 おお い食肉 しょくにく は鶏肉 とりにく であり、2010年 ねん には142万 まん トンが生産 せいさん された。ついで多 おお いものは豚肉 ぶたにく であり、同年 どうねん の生産 せいさん 量 りょう は129万 まん トンだった。3番目 ばんめ に生産 せいさん 量 りょう の多 おお いものは牛肉 ぎゅうにく で、51万 まん トンにのぼった。これ以外 いがい に日本 にっぽん で統計 とうけい 上 じょう 有意 ゆうい な食肉 しょくにく 生産 せいさん 量 りょう のあったものは多 おお い順 じゅん からウマ、ヒツジ、ヤギ、シチメンチョウの4種 しゅ があったが、馬肉 ばにく が6千 せん トンの生産 せいさん 量 りょう があったほかはいずれも150トンから数 すう 十 じゅう トンにすぎず、非常 ひじょう に小規模 しょうきぼ の生産 せいさん にとどまっている[ 23] 。またこのうち、ウマは九州 きゅうしゅう 地方 ちほう の消費 しょうひ が飛 と びぬけて高 たか く[ 24] 、ヤギは南西諸島 なんせいしょとう に消費 しょうひ がほぼ限定 げんてい される[ 25] ことも特徴 とくちょう となっている。
主要 しゅよう 食肉 しょくにく 三 さん 種 しゅ の生産 せいさん 量 りょう は2018年 ねん には豚肉 ぶたにく が11994万 まん トン、鶏肉 とりにく が12030万 まん トン、牛肉 ぎゅうにく が7422万 まん トンとなると予測 よそく されており、鶏 にわとり が豚 ぶた を抜 ぬ いて最 もっと も多 おお く生産 せいさん される食肉 しょくにく になると予測 よそく されている[ 26] 。1970年 ねん から2010年 ねん にかけての40年間 ねんかん で、牛肉 ぎゅうにく 生産 せいさん は62.5%、豚肉 ぶたにく 生産 せいさん は205%、そして鶏肉 とりにく 生産 せいさん は545%の増産 ぞうさん を示 しめ した[ 27] 。どの種類 しゅるい も生産 せいさん 量 りょう はかなり増加 ぞうか 傾向 けいこう にあるが、なかでも鶏 にわとり の生産 せいさん は飛 と びぬけて急増 きゅうぞう する傾向 けいこう にある。これは、牛 うし や豚 ぶた に比 くら べ狭 せま い場所 ばしょ で集中 しゅうちゅう 的 てき に飼育 しいく できるうえ、この2種 しゅ に比 くら べて個体 こたい が小 ちい さいため価格 かかく が安 やす く頭数 とうすう を増 ふ やしやすいこと、食用 しょくよう 鶏 にわとり であるブロイラーは豚 ぶた や牛 うし に比 くら べ少 すく ない飼料 しりょう で大 おお きくなるため効率 こうりつ が良 よ いこと。さらに宗教 しゅうきょう 的 てき 背景 はいけい として、ヒンドゥー教 きょう において禁忌 きんき とされる牛 うし 肉食 にくしょく やイスラム教 いすらむきょう において禁忌 きんき とされる豚肉 ぶたにく 食 しょく とは違 ちが い、鶏肉 とりにく を禁忌 きんき とする宗教 しゅうきょう がほとんど存在 そんざい しない[ 28] (肉食 にくしょく 全体 ぜんたい を禁 きん じる宗派 しゅうは を除 のぞ く)ため、世界中 せかいじゅう のどの場所 ばしょ にも需要 じゅよう が存在 そんざい して地域 ちいき 的 てき な偏 かたよ りが少 すく ないことなどが挙 あ げられる。
食肉 しょくにく 生産 せいさん は先進 せんしん 国 こく においては需要 じゅよう の伸 の び悩 なや みから生産 せいさん 量 りょう も横 よこ ばいあるいは減少 げんしょう 傾向 けいこう にあるが、発展 はってん 途上 とじょう 国 こく においては経済 けいざい の成長 せいちょう と、それに伴 ともな う生活 せいかつ 水準 すいじゅん の向上 こうじょう によって食肉 しょくにく の消費 しょうひ が急 きゅう 拡大 かくだい している。そのため食肉 しょくにく 生産 せいさん も急増 きゅうぞう を続 つづ けており、上記 じょうき の食肉 しょくにく 生産 せいさん の世界 せかい 的 てき な拡大 かくだい は発展 はってん 途上 とじょう 国 こく における生産 せいさん 量 りょう の増大 ぞうだい をその主因 しゅいん としている。
FAOの2023年 ねん のレポートの分析 ぶんせき によると食肉 しょくにく の需要 じゅよう は2040年 ねん 頃 ごろ までは高中 たかなか 所得 しょとく 国 こく が牽引 けんいん し増加 ぞうか し、その後 ご 2075年 ねん 頃 ごろ までは低 てい 所得 しょとく 国 こく が牽引 けんいん し増加 ぞうか すると予想 よそう されている。また、その後 ご 21世紀 せいき の後半 こうはん では需要 じゅよう の減少 げんしょう がよそうされ、資源 しげん や環境 かんきょう の問題 もんだい から減少 げんしょう の時期 じき は更 さら に早 はや かる可能 かのう 性 せい もある[ 29]
一人 ひとり 当 あ たり食肉 しょくにく 消費 しょうひ の多 おお い国 くに には北 きた アメリカ 、西 にし ヨーロッパ ならびにオセアニア の先進 せんしん 国 こく が名 な を連 つら ねている。これは所得 しょとく 水準 すいじゅん が高 たか く肉 にく をふんだんに食 た べることができる経済 けいざい 的 てき 条件 じょうけん と、肉食 にくしょく を好 この む食 しょく 文化 ぶんか 、遺伝 いでん 的 てき な胃腸 いちょう の能力 のうりょく などの要因 よういん がある。こうした国々 くにぐに においては食肉 しょくにく 消費 しょうひ 量 りょう は多 おお いものの、一人 ひとり 当 あ たりの消費 しょうひ 量 りょう はほぼ上限 じょうげん に達 たっ しているため消費 しょうひ 量 りょう は頭打 あたまう ちとなっている。一方 いっぽう 、新興 しんこう 国 こく においては一人 ひとり 当 あ たり食肉 しょくにく 消費 しょうひ 量 りょう は先進 せんしん 国 こく に比 くら べて少 すく ないが、経済 けいざい 的 てき な成長 せいちょう に合 あ わせ食肉 しょくにく 消費 しょうひ 量 りょう も急増 きゅうぞう する傾向 けいこう にある。
日本 にっぽん の食肉 しょくにく 消費 しょうひ は2013年 ねん には一人 ひとり 当 あ たり30kg[ 31] であり、他 た の先進 せんしん 国 こく から比較 ひかく して4分 ぶん の1から3分 ぶん の1程度 ていど の消費 しょうひ 量 りょう しかなく、群 ぐん を抜 ぬ いて低 ひく いものとなっている(さらに砂糖 さとう 、果物 くだもの などの植物 しょくぶつ 性 せい 高 だか エネルギー食材 しょくざい の消費 しょうひ も日本 にっぽん は群 ぐん を抜 ぬ いて低 ひく い)。また、この食肉 しょくにく 消費 しょうひ の内訳 うちわけ は、日本人 にっぽんじん 一 いち 人 にん 当 あ たりで鶏肉 とりにく 12kg、豚肉 ぶたにく 12kg、牛肉 ぎゅうにく 6kgとなっている[ 31] 。
宗教 しゅうきょう 圏 けん や文化 ぶんか 圏 けん による消費 しょうひ 量 りょう や生産 せいさん 量 りょう の偏 かたよ り
編集 へんしゅう
食肉 しょくにく とは食用 しょくよう にする動物 どうぶつ の肉 にく のことを指 さ すが、世界 せかい 各地 かくち においてそれぞれの地域 ちいき で育 はぐく まれてきた文化 ぶんか 的 てき 伝統 でんとう がある。ある地域 ちいき で珍重 ちんちょう される食肉 しょくにく が他 た の地域 ちいき においては全 まった く食 た べられず、食品 しょくひん としてすら扱 あつか われないといったことは珍 めずら しいことではない。世界 せかい で最 もっと も一般 いっぱん 的 てき な食肉 しょくにく である牛肉 ぎゅうにく 、豚肉 ぶたにく 、鶏肉 とりにく ですら、そういった地域 ちいき 差 さ が存在 そんざい する。こういった差異 さい の中 なか で最 もっと も顕著 けんちょ なものは、宗教 しゅうきょう 的 てき タブー による制限 せいげん である。たとえば牛肉 ぎゅうにく は世界 せかい のかなりの地域 ちいき において最 もっと も好 この まれる肉 にく であるが、インド においてはヒンドゥー教 きょう が牛 うし を聖 ひじり 獣 じゅう としているため全 まった く食 た べない人 ひと が多 おお いばかりでなく、牛肉 ぎゅうにく の生産 せいさん ・流通 りゅうつう を法的 ほうてき 規制 きせい や暴力 ぼうりょく 的 てき 手段 しゅだん で阻止 そし しようとする動 うご きすらある[ 32] 。一方 いっぽう 、豚肉 ぶたにく はイスラム教 いすらむきょう では不浄 ふじょう の食 た べ物 もの として忌 い み嫌 きら われる存在 そんざい であるためイスラーム圏 けん では食肉 しょくにく として扱 あつか わない。
またある地域 ちいき で、特定 とくてい の種類 しゅるい の食肉 しょくにく が特 とく に好 この まれ大量 たいりょう に生産 せいさん されることもある。シチメンチョウ は世界 せかい 5位 い の生産 せいさん 量 りょう のある食肉 しょくにく であるが、生産 せいさん 及 およ び消費 しょうひ は原産地 げんさんち でもある北 きた アメリカ、特 とく にアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく に片寄 かたよ っており、2010年度 ねんど の総 そう 生産 せいさん 量 りょう の48%がアメリカ一 いち 国 こく で生産 せいさん された[ 25] 。羊 ひつじ 肉 にく はどの地域 ちいき でもそれほど消費 しょうひ 量 りょう が多 おお い肉 にく ではないが、例外 れいがい 的 てき にオセアニア、特 とく にニュージーランド においては突出 とっしゅつ して消費 しょうひ 量 りょう が多 おお く、牛 うし 豚 ぶた 鶏 にわとり の三種 さんしゅ とそれほど遜色 そんしょく ない消費 しょうひ 量 りょう となっている。オーストラリア においてもニュージーランドほどではないものの、やはり羊 ひつじ 肉 にく 消費 しょうひ は他国 たこく と比 くら べて多 おお い傾向 けいこう にある[ 33] 。中国人 ちゅうごくじん のなかの多数 たすう 派 は (漢 かん 民族 みんぞく )は基本 きほん 的 てき に(イスラームやヒンドゥーでもなく)宗教 しゅうきょう 的 てき 制約 せいやく が無 な く、豚肉 ぶたにく を好 この んで食 た べ、人口 じんこう が多 おお いので豚肉 ぶたにく の世界 せかい 消費 しょうひ 量 りょう を押 お し上 あ げている。
明治 めいじ 以降 いこう の日本 にっぽん だけに焦点 しょうてん をあてた場合 ばあい でも、東日本 ひがしにっぽん では豚肉 ぶたにく の消費 しょうひ 量 りょう が多 おお く、西日本 にしにほん では牛肉 ぎゅうにく の消費 しょうひ 量 りょう が多 おお いとされる。ただし西日本 にしにほん でも、九州 きゅうしゅう や沖縄 おきなわ では豚肉 ぶたにく の方 ほう が消費 しょうひ 量 りょう が多 おお い[ 34] 。
鳥獣 ちょうじゅう の身 み を使 つか わず、豆 まめ 類 るい などから食肉 しょくにく や肉 にく 加工 かこう 品 ひん に似 に せた味 あじ わいを持 も たせた「植物 しょくぶつ 肉 にく 」が開発 かいはつ ・販売 はんばい されている[ 35] 。将来 しょうらい 予測 よそく される食肉 しょくにく 不足 ふそく 、健康 けんこう 志向 しこう や菜食 さいしょく 主義 しゅぎ から鳥 とり 獣肉 じゅうにく を避 さ ける消費 しょうひ 者 しゃ 向 む けの需要 じゅよう を見込 みこ んでいる[ 36] 。
こうした現代 げんだい の技術 ぎじゅつ で開発 かいはつ された加工 かこう 食品 しょくひん だけでなく、植物 しょくぶつ 性 せい 食材 しょくざい から肉 にく に似 に せた料理 りょうり を作 つく る技術 ぎじゅつ は、日本 にっぽん の精進 しょうじん 料理 りょうり や中華 ちゅうか 圏 けん の素 もと 食 しょく (台湾 たいわん 素 もと 食 しょく など)に伝承 でんしょう されている[ 37] 。
動物 どうぶつ を殺傷 さっしょう せず食肉 しょくにく となる部位 ぶい の細胞 さいぼう を組織 そしき 培養 ばいよう することで、工業 こうぎょう 的 てき に生産 せいさん する培養 ばいよう 肉 にく の研究 けんきゅう が行 おこな われている。しかし、大量 たいりょう 生産 せいさん 技術 ぎじゅつ が確立 かくりつ していないこと、生産 せいさん コストが高 たか いなどの理由 りゆう から一般 いっぱん 的 てき に普及 ふきゅう はしていない。
フザリウム 属 ぞく の真 ま 菌 きん の代謝 たいしゃ によりアンモニア と空気 くうき と微量 びりょう ミネラル から作 つく られたタンパク質 たんぱくしつ [ 38] 。
食肉 しょくにく の摂取 せっしゅ は癌 がん の増加 ぞうか につながる可能 かのう 性 せい があるが[ 39] 、食事 しょくじ 中 ちゅう の少量 しょうりょう の炭水化物 たんすいかぶつ を動物 どうぶつ 性 せい タンパク質 たんぱくしつ に変換 へんかん することにより、認知 にんち 機能 きのう を保護 ほご することに関連 かんれん している。しかし、動物 どうぶつ 性 せい タンパク質 たんぱくしつ よりも植物 しょくぶつ 性 せい タンパク質 たんぱくしつ に変換 へんかん する方 ほう が効果 こうか 的 てき であり[ 40] 、食事 しょくじ 中 ちゅう の動物 どうぶつ 性 せい タンパク質 たんぱくしつ から植物 しょくぶつ 性 せい タンパク質 たんぱくしつ へのわずかな3%の変換 へんかん でさえ、より長 なが い寿命 じゅみょう と関連 かんれん している[ 41] 。豚肉 ぶたにく や牛肉 ぎゅうにく よりも魚介 ぎょかい 類 るい や鶏肉 とりにく の方 ほう が健康 けんこう 的 てき だが、炙 あぶ り焼 や きなど肉 にく を炙 あぶ る調理 ちょうり 法 ほう は、たとえ魚介 ぎょかい 類 るい や鶏肉 とりにく であっても体 からだ に非常 ひじょう に悪 わる いので、避 さ けるべきとのことである[ 42] [ 43] [ 44] 。
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