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望遠鏡ぼうえんきょう」のはんあいだ差分さぶん

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+ 地上ちじょう観察かんさつ観測かんそく のふし地上ちじょう望遠鏡ぼうえんきょう写真しゃしんるい。+宇宙うちゅう観測かんそくよう特殊とくしゅ望遠鏡ぼうえんきょう説明せつめい
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[[File:LC-J698-61293 Lot 8688 (17125406853).jpg||thumb|right|200px|望遠鏡ぼうえんきょうをのぞく米国べいこくふね乗組のりくみいん。(1899ねん)]]
[[File:Telescope (AM 1978.68.1-5).jpg|thumb|right|200px|Charles Reginald Fordが、[[ロバート・スコット]]の[[ディスカバリー遠征えんせい|1901-1904の南極なんきょく遠征えんせい(「ディスカバリー遠征えんせい」)]]で使用しようした金属きんぞくせい望遠鏡ぼうえんきょう木製もくせいスタンドがべつ付属ふぞく。]]
[[ファイル:Navy binoculars.jpg|thumb|right|200px|望遠鏡ぼうえんきょう一種いっしゅで、つつふたつにした双眼鏡そうがんきょう現代げんだいのアメリカ海軍かいぐんのもの。]]
[[ファイル:Telescope.jpg|thumb|right|200px|天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう屈折くっせつしき望遠鏡ぼうえんきょうれい。[[口径こうけい]]50cm。[[ニース天文台てんもんだい]]。 ]]
[[ファイル:Alfred-Jensch-Teleskop.jpg|thumb|right|200px|[[シュミットしき望遠鏡ぼうえんきょう]]。口径こうけい2m。ドイツ]]
'''望遠鏡ぼうえんきょう'''(ぼうえんきょう、{{Lang-en-short|telescope}})とは、
*(もともとの意味いみ光学こうがく機器きき一種いっしゅで、とおくにある対象たいしょうぶつをよりちかくにあるかのようにせるように設計せっけいされたもの<ref name="Oxford Dictiony">[https://www.lexico.com/en/definition/telescope Oxford Dictionary, telescope]。An optical instrument designed to make distant objects appear nearer, containing an arrangement of lenses, or of curved mirrors and lenses, by which rays of light are collected and focused and the resulting image magnified.</ref>。複数ふくすうの[[レンズ]]のわせや、[[曲面きょくめん]][[かがみ]]や、それらの組合くみあいわせで、[[ひかりたば]]があつめられたり、[[焦点しょうてん]]が調整ちょうせいされたりして、[[拡大かくだい]]されたイメージをもたらす。ふるくは「遠眼鏡とおめがね(とおめがね)」ともばれた。
* [[電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょう]] radio telescopeのりゃく


== 概説がいせつ ==
[[ファイル:Telescope.jpg|150px|thumb|right|[[ニース天文台てんもんだい]]の 50cm 屈折くっせつしき望遠鏡ぼうえんきょう ]]
とおくにある対象たいしょうぶつちかくにあるかのようにせるための装置そうちである。もともと17世紀せいき初頭しょとう発明はつめいされた段階だんかいでは、複数ふくすうのレンズをわせてつつおさめた素朴そぼく装置そうちで、そのすうひゃく年間ねんかん望遠鏡ぼうえんきょうえばそうしたタイプが主流しゅりゅうだったわけだが、並行へいこうてき局面きょくめんきょうもちいるものも登場とうじょうし、複数ふくすうのレンズと局面きょくめんきょう複雑ふくざつわせたものもつくられるようになった。
[[ファイル:Alfred-Jensch-Teleskop.jpg|150px|thumb|シュミット望遠鏡ぼうえんきょう 2m(ドイツ)]]
[[ファイル:Navy binoculars.jpg|150px|thumb|right|アメリカ海軍かいぐん双眼そうがんきょう望遠鏡ぼうえんきょうには[[双眼鏡そうがんきょう]]もふくまれる)]]


望遠鏡ぼうえんきょうには、のぞんだときに[[:en:erect image]] せい立像りつぞうただしいきのぞう)がえるタイプのものと、inverted image 倒立とうりつぞう上下じょうげ左右さゆう反対はんたいになったぞう)がえるタイプのものがある。地上ちじょう対象たいしょうぶつるための望遠鏡ぼうえんきょうはもっぱらせい立像りつぞうられるように設計せっけいされたものがもちいられる。天体てんたい観察かんさつするための望遠鏡ぼうえんきょう天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょうは、(せい立像りつぞうられるものもあるが)光学こうがくてき性能せいのう極限きょくげんまでたかめるためにあえて倒立とうりつぞうられるようになっているタイプもある。
'''望遠鏡ぼうえんきょう'''(ぼうえんきょう)とは、とおくにある物体ぶったいを[[可視かし光線こうせん]]・[[赤外線せきがいせん]]・[[Xせん]]・[[電波でんぱ]]などの電磁波でんじはとらえて観測かんそくする装置そうちである。ふるくは「遠眼鏡とおめがね(とおめがね)」ともばれた。


20世紀せいきには、(ようやく)人類じんるいの[[電磁波でんじは]]にかんする理解りかいすすみ、可視かし光線こうせんだけでなく宇宙うちゅう空間くうかんから到来とうらいする電磁波でんじはをとらえる装置そうちつくられるようになり、そうした装置そうちも(従来じゅうらい光学こうがくてき望遠鏡ぼうえんきょうとの[[アナロジー]]や[[比喩ひゆ]]で)「電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょう」とぶようになった。→[[#現代げんだい宇宙うちゅう観測かんそくよう特殊とくしゅ望遠鏡ぼうえんきょう]]
観測かんそくもちいられる電磁波でんじは波長はちょうにより、光学こうがく望遠鏡ぼうえんきょうと[[電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょう]]に大別たいべつされる。電磁波でんじはとらえる方式ほうしきによる分類ぶんるいでは[[反射はんしゃ望遠鏡ぼうえんきょう]]と[[屈折くっせつ望遠鏡ぼうえんきょう]]がある。
<!--
過剰かじょう一般いっぱん独自どくじ研究けんきゅう
{{よう出典しゅってん|date=2019ねん10がつ}}とおくにある物体ぶったいを[[可視かし光線こうせん]]・[[赤外線せきがいせん]]・[[Xせん]]・[[電波でんぱ]]などの電磁波でんじはとらえて観測かんそくする装置そうちである。-->


;歴史れきし
== 概論がいろん ==
1608ねん、[[オランダ]]の[[ハンス・リッペルハイ]]という[[眼鏡めがね]]製作せいさくしゃ望遠鏡ぼうえんきょうかんする[[特許とっきょ]]を取得しゅとくしようとした。だが同年どうねん、アドリアンスゾーン・メチウスも特許とっきょ申請しんせいをし、結局けっきょくにんのどちらにも特許とっきょなかった。→[[#歴史れきし]]
古典こてん物理ぶつりがく古典こてんてき天文学てんもんがくにおいては[[レンズ]]や[[凹面鏡おうめんきょう]]をもちいて[[可視かし光線こうせん]]を収束しゅうそくさせてこう照度しょうどかつこう倍率ばいりつぞう機器ききである。現在げんざいでは、たんなる[[幾何きか光学こうがく]]の範疇はんちゅうえて[[光子こうし]]・[[ニュートリノ]]・[[重力じゅうりょく]]としての粒子りゅうしおよび[[電磁波でんじは]]や[[ニュートリノ]]・[[重力じゅうりょく (相対そうたいろん)|重力じゅうりょく]]の波長はちょう領域りょういき観測かんそくする装置そうち全体ぜんたい一般いっぱんには望遠鏡ぼうえんきょうぶ。とくに、とおくにある物体ぶったいはなつ、それらの粒子りゅうし波長はちょうもちいて物体ぶったいぞう拡大かくだいして観測かんそくおこなうことを目的もくてきに、設計せっけい製造せいぞうされた装置そうち狭義きょうぎ望遠鏡ぼうえんきょうとする。また、たん粒子りゅうしおも宇宙うちゅうからの)の検出けんしゅつ目的もくてきとした装置そうち狭義きょうぎ望遠鏡ぼうえんきょうとすることがある。


;分類ぶんるい種類しゅるい
== 基本きほん ==
さまざまな分類ぶんるいほうがある。おも対象たいしょう天体てんたいなのか地上ちじょうぶつかで分類ぶんるいする方法ほうほうや、使用しようするレンズのタイプで分類ぶんるいする方法ほうほうひとのぞあなかず分類ぶんるいする方法ほうほう 等々とうとうがある。→[[#分類ぶんるい種類しゅるい]]
望遠鏡ぼうえんきょうとは、カメラのレンズとおなじようなものであるとおもえばかりやすい。ただし[[口径こうけい]]のおおきな[[対物たいぶつレンズ]](反射はんしゃしきにおいては反射はんしゃきょう)と口径こうけいちいさい[[接眼せつがんレンズ]]にかれる。対物たいぶつレンズはとつ[[レンズ]]であり、接眼せつがんレンズがおうレンズであればせい立像りつぞうられる([[ガリレオしき望遠鏡ぼうえんきょう]])。接眼せつがんレンズをとつレンズにすれば倒立とうりつぞうとなる([[ケプラーしき望遠鏡ぼうえんきょう]])が、さらにおおきな倍率ばいりつ容易よういられる。これをそのまま天体てんたいければ[[天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう]]となる。


望遠鏡ぼうえんきょう望遠鏡ぼうえんきょうたらしめているのはその光学こうがくけいである。姿勢しせい変化へんか温度おんど変化へんか風向ふうこう風速ふうそく変化へんかなどがこってもレンズや反射はんしゃきょうなど光学こうがくけい個々ここのパーツに振動しんどう変形へんけいなどの影響えいきょうあたえないことがもとめられる。望遠鏡ぼうえんきょう光学こうがくけいをその支持しじ機構きこうごとささえ、天球てんきゅうじょう任意にんい位置いちける装置そうちを「架台かだい」とぶ。架台かだいはスムーズに駆動くどうし、長時間ちょうじかんにわたってこう精度せいど天体てんたい追尾ついびできなければならない。天体てんたいはっするひかりは、一般いっぱん非常ひじょうよわく、くわしい分析ぶんせきえるほどの光量ひかりりょうあつめようとすれば、だい望遠鏡ぼうえんきょうってしてもなんあいだ露出ろしゅつ必要ひつようとなることがめずらしくないからである。近年きんねん、よりふか宇宙うちゅう探査たんさするために、ますます大型おおがた望遠鏡ぼうえんきょう観測かんそく装置そうち必要ひつようとされるようになってきている。


ほん記事きじでは、できるだけ「望遠鏡ぼうえんきょう」という用語ようご意味いみ中心ちゅうしんである光学こうがく機器ききについてくわしく説明せつめいするようにし、光学こうがく機器ききではなくて、比喩ひゆてきに「望遠鏡ぼうえんきょう」とばれることもある、という程度ていど現代げんだい特殊とくしゅ宇宙うちゅう観測かんそく装置そうちかんしては、記事きじ焦点しょうてんがぼけないように、できるだけかるれるにとどめ、詳細しょうさい説明せつめいべつ記事きじゆずる。
だい望遠鏡ぼうえんきょうにおいては、巨大きょだい光学こうがく素子そしをいかにコンパクトで軽量けいりょうかつ堅牢けんろう架台かだいささえるかが重要じゅうようとなってくる。架台かだいがコンパクトで軽量けいりょうになるほど、その駆動くどう機構きこうへの負担ふたん軽減けいげんされ、望遠鏡ぼうえんきょう全体ぜんたいおおうドームや建物たてものなどの建設けんせつコストもげられる。また、架台かだい堅牢けんろうせい向上こうじょうにもつながり、指向しこう追尾ついび性能せいのう向上こうじょうさせることにもなる。架台かだいのコンパクトはかるためには、[[反射はんしゃ望遠鏡ぼうえんきょう]]においては、そのおもきょう焦点しょうてん口径こうけい(F)をちいさくし、あかるい光学こうがくけいとすることが肝要かんようである。近年きんねんだい望遠鏡ぼうえんきょうは、Fちいさいおもきょう製作せいさくする技術ぎじゅつ進歩しんぽしたことによって、建設けんせつ可能かのうとなったともえる。


== 歴史れきし ==
== 分類ぶんるい種類しゅるい ==
さまざまな分類ぶんるいほうがある。
[[ナポリ]]の[[ジャンバッティスタ・デッラ・ポルタ]]の『博学はくがく』([[1589ねん]]、20かん)の17かんの10しょう望遠鏡ぼうえんきょうについての記述きじゅつがある([[ヨハネス・ケプラー]]の『屈折くっせつ光学こうがく』([[1611ねん]])にもデラ・ポルタが20ねんまえ望遠鏡ぼうえんきょう発明はつめいしたと記述きじゅつされている)。[[ネーデルラント連邦れんぽう共和きょうわこく]]のベックマン(ヤンセンの息子むすこサカリアセンからレンズ研磨けんまならった)の日誌にっしによると、[[1604ねん]]に[[ミデルブルフ]]の眼鏡めがね職人しょくにん[[サハリアス・ヤンセン]]がイタリアじん所有しょゆうの[[1590ねん]]とかれた望遠鏡ぼうえんきょう真似まねつくったという。シルトリによると自分じぶんきゃくからつくかたをならったオランダ、ミッテルブルフの眼鏡めがね職人しょくにん[[ハンス・リッペルスハイ]]が「kijker」と命名めいめいした2まいのレンズわせた望遠鏡ぼうえんきょうについて[[1608ねん]][[10がつ2にち]]、[[特許とっきょ]]申請しんせいを[[オランダ総督そうとく]]にした。[[10がつ14にち]]にはAlkmaarのJ.アドリアンスゾーン・メチウス(''Adriaanszoon Metius'' 、[[1571ねん]] - [[1635ねん]] [[1598ねん]]からフラネカー大学だいがく教授きょうじゅ)が特許とっきょ申請しんせいおこなった(2年間ねんかん改良かいりょうしていたという)。この同時どうじ申請しんせいのため特許とっきょはどちらにもおりなかった。リッペルスハイは双眼そうがん望遠鏡ぼうえんきょうつくり、また[[マウリッツ (オラニエこう)|マウリッツ]]総督そうとくいのちにより900[[フローリン]]で軍用ぐんよう望遠鏡ぼうえんきょうつくった。日本にっぽんにおいては近藤こんどうただしひとしの『そとはんどおりしょ』によれば[[1613ねん]]([[慶長けいちょう]]18ねん8がつ4にち)に「慶長けいちょうじゅうはちねんはちがつよんにち、インカラティラ国王こくおう使者ししゃ於駿じょう御礼おれいさるあがル…ちょう一間程之遠眼鏡六里見之トユ」とあり、イギリスの[[ジェームズ1せい (イングランドおう)|ジェームズ1せい]]の使つかい[[ジョン・セーリス]]が[[徳川とくがわ家康いえやす]]に献上けんじょうのもの(げん[[徳川とくがわ美術館びじゅつかん]]所蔵しょぞう)が最古さいことされる。<ref>齋藤さいとう隆一りゅういち望遠鏡ぼうえんきょうは1537ねんにあったか」(参考さんこう文献ぶんけん 斉田さいだひろし望遠鏡ぼうえんきょう発明はつめい前後ぜんこう」『ほし手帖てちょう』([[1982ねん]]ふゆごう かわしゅ書房しょぼうしんしゃ季刊きかん邪馬台国やまたいこく』[[1993ねん]]あきごう52ごう あずさ書院しょいん p200-</ref>


ひとつの分類ぶんるいほうは、用途ようとおも対象たいしょうぶつで「地上ちじょう対象たいしょうぶつる / 天体てんたいる」と分類ぶんるいして、「地上ちじょう望遠鏡ぼうえんきょう / [[天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう]]」と分類ぶんるいする方法ほうほうである。
=== 天体てんたい観測かんそく ===
ひとつの分類ぶんるいほうは、望遠鏡ぼうえんきょうつつかずのぞあなかず)が「ひとつ / ふたつ」で分類ぶんるいして、「単眼たんがんきょう / 双眼鏡そうがんきょう」に分類ぶんるいする方法ほうほうである;
[[ファイル:NewtonsTelescopeReplica.jpg|thumb|150px|1672ねん[[アイザック・ニュートン]]が王立おうりつ協会きょうかい提供ていきょうした望遠鏡ぼうえんきょう複製ふくせいひん。]]
また「レンズをもちいる / 反射はんしゃきょうもちいる」で分類ぶんるいして、ざっくりと「[[屈折くっせつ望遠鏡ぼうえんきょう]] / [[反射はんしゃ望遠鏡ぼうえんきょう]]」に分類ぶんるいする方法ほうほうもある。それらの両方りょうほうもちいたふくごうがたもある。
[[ファイル:Herschel 40 foot.jpg|150px|thumb|[[ウィリアム・ハーシェル]]の望遠鏡ぼうえんきょう]]
また、(レンズばかりをもちいる望遠鏡ぼうえんきょうかんして)どのタイプのレンズをもちいるか、という観点かんてん分類ぶんるいする方法ほうほうもあり、「とつレンズとおうレンズをわせる / とつレンズととつレンズをわせる」のちがいで分類ぶんるいし「[[ガリレオしき望遠鏡ぼうえんきょう|ガリレオ望遠鏡ぼうえんきょう]] / [[ケプラー望遠鏡ぼうえんきょう]]」に分類ぶんるいする方法ほうほうもある。


; 地上ちじょう望遠鏡ぼうえんきょう
[[ガリレオ・ガリレイ]]はハンス・リッペルスハイの発明はつめいったのち、[[1609ねん]][[5がつ]]に1にちつくった'''望遠鏡ぼうえんきょう'''をはじめて天体てんたいけた<ref>齋藤さいとう隆一りゅういち望遠鏡ぼうえんきょうは1537ねんにあったか」(参考さんこう文献ぶんけん 斉田さいだひろし望遠鏡ぼうえんきょう発明はつめい前後ぜんこう」『ほし手帖てちょう』(1982ねんふゆごう かわしゅ書房しょぼうしんしゃ季刊きかん邪馬台国やまたいこく』1993ねんあきごう52ごう あずさ書院しょいん p200-</ref>。そのころの接眼せつがんレンズはおうレンズでせい立像りつぞうだが、倍率ばいりつひくいものであった。そのは、能力のうりょく拡大かくだいするために、様々さまざま光学こうがく要素ようそ技術ぎじゅつ開発かいはつにともない、様々さまざま種類しゅるいの[[天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう]]、[[フィールドスコープ]]、[[双眼鏡そうがんきょう]]とう開発かいはつされた。19世紀せいきから20世紀せいきにかけて発達はったつした[[写真しゃしん]]技術ぎじゅつ使つかい、肉眼にくがんでの観察かんさつから、より客観きゃっかんてき測定そくていができる天体てんたい観測かんそくおこなわれるようになった。20世紀せいきはいって、電子でんし工学こうがく発展はってんともない、光学こうがくけいとしての望遠鏡ぼうえんきょう附属ふぞくする観測かんそく装置そうち開発かいはつすすんだ。[[ひかりでん効果こうか]]を利用りようした[[ひかりでん測光そっこう]]によるひかりでん測光そっこう技術ぎじゅつ発達はったつし、[[マイクロチャンネルプレート]]などを使つかった[[暗視装置あんしそうち]]が誕生たんじょうした。現在げんざいでは[[CCDイメージセンサ]]を冷却れいきゃくして撮像さつぞうする[[冷却れいきゃくCCDカメラ]]によって100%ちか光子こうし検出けんしゅつできるようになった。また、電磁波でんじは領域りょういきにおける[[レーダー]]や[[宇宙うちゅう通信つうしん]]とう測定そくてい装置そうち開発かいはつから、[[電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょう]]が誕生たんじょうした。そして、宇宙うちゅう技術ぎじゅつ進展しんてんともない、人工じんこう衛星えいせいとして宇宙うちゅう空間くうかん設置せっちする[[宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう]]へと発展はってんげた。それらの要素ようそ技術ぎじゅつとのわせによって、[[ニュートリノ望遠鏡ぼうえんきょう]]、[[重力じゅうりょく望遠鏡ぼうえんきょう]]とうまれ、21世紀せいき初頭しょとう現在げんざいすべての波長はちょうたいする観測かんそく装置そうち出揃でそろうことになった。
: 地上ちじょうのものを観察かんさつ観測かんそくするために設計せっけい製作せいさくされた望遠鏡ぼうえんきょうふるくは対物たいぶつレンズにとつレンズ、接眼せつがんレンズにおうレンズをわせたタイプ(「ガリレオ望遠鏡ぼうえんきょう」とばれるタイプ)もあったが、そのとつレンズを複数ふくすうせいりつ[[プリズム]]をもちいてぞうせいたたさせているものが主流しゅりゅうである。

: {{main|フィールドスコープ}}
=== 通信つうしん手段しゅだん ===
[[文字もじコード]]を表示ひょうじする[[信号しんごう]]を遠方えんぽうから望遠鏡ぼうえんきょうる[[腕木うでき通信つうしん]]に代表だいひょうされる欧米おうべいしき[[通信つうしん]]方法ほうほう日本にっぽん江戸えど時代じだいはじまり大正たいしょう初期しょきまでもちいられた[[はた通信つうしん]]は、望遠鏡ぼうえんきょう発明はつめい普及ふきゅう前提ぜんていとした通信つうしんにおける過去かこ技術ぎじゅつであった。


== 種類しゅるい ==
; 天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう
; 天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう
: 天体てんたい観察かんさつ観測かんそくするためにさくれた望遠鏡ぼうえんきょう。[[分解能ぶんかいのう]]としゅうこうりょく両方りょうほう性能せいのう重視じゅうしされる。おおまかにけて屈折くっせつしき反射はんしゃしきの2種類しゅるいがあるが、それぞれ一長一短いっちょういったんがある。
: 天体てんたい観察かんさつ観測かんそくするために設計せっけいせいさくれた望遠鏡ぼうえんきょう地上ちじょうぶつとはくらべものにならないほど遠方えんぽう対象たいしょう観測かんそくするためのもので、対象たいしょうぶつから地上ちじょうとどひかり極端きょくたんよわいので、[[分解能ぶんかいのう]]としゅうこうりょく両方りょうほう性能せいのう重視じゅうしされる。おおまかにけて屈折くっせつしき反射はんしゃしきの2種類しゅるいがあ、それぞれ一長一短いっちょういったんがある。
: {{main|天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう}}
: {{main|天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう}}

; 地上ちじょう望遠鏡ぼうえんきょう
; 単眼たんがんきょう
: 小型こがた望遠鏡ぼうえんきょうに[[せいたてプリズム]]をけ、とり動物どうぶつ地上ちじょう風景ふうけいなどをおも観察かんさつ観測かんそくするもの軽量けいりょう防水ぼうすい設計せっけいになっていたり、機種きしゅによっては手持てもちでの使用しよう考慮こうりょしてあったりと、あつかいが簡単かんたんになっていることがおおい。
: つつがひとつ(のぞあながひとつ)の望遠鏡ぼうえんきょう基本きほんてきみぎひだりか、どちらか一方いっぽうちかづけてる。
: {{main|フィールドスコープ}}

; ナイトビジョン
: あわひかり電気でんき信号しんごうなどにて増強ぞうきょうするもの。軍事ぐんじようなどで使つかわれる、ほぼとう倍率ばいりつのものから、天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょうけて使つかうカメラタイプのものまで各種かくしゅある。
: {{main|暗視装置あんしそうち}}
; 双眼鏡そうがんきょう
; 双眼鏡そうがんきょう
: つつがふたつでのぞあながふたつの望遠鏡ぼうえんきょう英語えいごではbinocularsとい「bi」は「ふたつ」という意味いみ日本語にほんごの「双眼鏡そうがんきょう」の「そう」も同様どうよう意味いみ左右さゆうることで(普段ふだんおな使つかいかたなので対象たいしょうぶつ認識にんしきしやすく、また左右さゆうだとのう視覚しかく処理しょりされてぞうが(日常にちじょうのように)立体りったいてきかんじられる。)地上ちじょうよう双眼鏡そうがんきょうは、光学こうがくてきにはフィールドスコープを2つならべた構造こうぞうになっている。(やや特殊とくしゅだが)天文てんもんよう双眼鏡そうがんきょうというものもあり、これは光学こうがくてきには天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょうを2つならべてた構造こうぞうになっている(「双眼そうがん望遠鏡ぼうえんきょう」とぶことがおおい)。
: 基本きほんてきにはフィールドスコープを2つならべて立体りったいできるようにしたものとかんがえていが、天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょうを2つならべて、天体てんたいることを前提ぜんていつくられたものもある(双眼そうがん望遠鏡ぼうえんきょうぶことがおおい)。
: {{main|双眼鏡そうがんきょう}}
: {{main|双眼鏡そうがんきょう}}

; 単眼たんがんきょう
: 片手かたてサイズのちいさな望遠鏡ぼうえんきょう
; ガリレオ望遠鏡ぼうえんきょう
[[ガリレオしき望遠鏡ぼうえんきょう|ガリレオ(しき望遠鏡ぼうえんきょう]]とは、対物たいぶつレンズにとつレンズ、接眼せつがんレンズにおうレンズを使つかった望遠鏡ぼうえんきょうぞうせいだてだが、視界しかいせまい。倍率ばいりつとつレンズの焦点しょうてん距離きょりおうレンズの焦点しょうてん距離きょりひとしい。(天体てんたい観測かんそくよう屈折くっせつ望遠鏡ぼうえんきょうとしては後述こうじゅつのケプラー望遠鏡ぼうえんきょうもちいられるようになり、ほぼもちいられなくなったが)たとえば倍率ばいりつが3~4ばい程度ていどでもことたりるような観劇かんげきよう([[オペラグラス]])などにもちいられる<ref>[https://kotobank.jp/word/%E3%82%AC%E3%83%AA%E3%83%AC%E3%82%A4%E6%9C%9B%E9%81%A0%E9%8F%A1-826552 百科ひゃっか事典じてんマイペディア「ガリレオ望遠鏡ぼうえんきょう」]</ref>。(もともとオペラなど、観客かんきゃくせき舞台ぶたいがさほどはなれていないで状況じょうきょう観察かんさつ対象たいしょうとの距離きょりがさほどでない状況じょうきょう)で[[俳優はいゆう]]などの姿すがたすこしだけ拡大かくだいして鑑賞かんしょうするためなどに現在げんざいでも(双眼鏡そうがんきょう形式けいしきで)使つかわれている。)

; ケプラー望遠鏡ぼうえんきょう
[[ケプラーしき望遠鏡ぼうえんきょう|ケプラー(しき望遠鏡ぼうえんきょう]]とは、対物たいぶつレンズに焦点しょうてん距離きょり(f1)のながとつレンズを、接眼せつがんレンズに焦点しょうてん距離きょり(f2)のみじかとつレンズを使つか望遠鏡ぼうえんきょうぞう倒立とうりつ倍率ばいりつはf1/f2にひとしい。ケプラーが1611ねんにはこのタイプにかんする記述きじゅつのこし、現在げんざいいたるまで天体てんたい観測かんそく屈折くっせつ望遠鏡ぼうえんきょう基本きほんてきにすべてこの方式ほうしき

; ナイトビジョン
: 夜間やかんよわひかりられたかすかなぞうを[[電子でんし回路かいろ]]をもちいて増幅ぞうふくしはっきりしたぞうとしてせるもの。おも軍事ぐんじよう野生やせい動物どうぶつ観察かんさつなどにもちいられる。ほぼとう倍率ばいりつのものから、天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょうけて使つかうカメラタイプのものまで各種かくしゅある。
: {{main|暗視装置あんしそうち}}

; 電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょう
; 電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょう
: 宇宙うちゅうからやってくる微弱びじゃくな[[電波でんぱ]]をとらえる望遠鏡ぼうえんきょうおおくは[[パラボラアンテナ]]のかたちをしている。
: 宇宙うちゅうからやってくる微弱びじゃくな[[電波でんぱ]]をとらえるために設計せっけい製作せいさくされた望遠鏡ぼうえんきょうおおくは[[パラボラアンテナ]]のかたちをしている。
: {{main|電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょう}}
: {{main|電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょう}}、[[#現代げんだい特殊とくしゅ望遠鏡ぼうえんきょう]]

; 宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう
; 宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう
: [[軌道きどう (力学りきがく)|軌道きどう]]じょうげられた望遠鏡ぼうえんきょう地球ちきゅう大気たいきによる[[電磁波でんじは]]の吸収きゅうしゅうぞうらぎがない。
: [[軌道きどう (力学りきがく)|軌道きどう]]じょうげられた望遠鏡ぼうえんきょう地球ちきゅう大気たいきによる[[電磁波でんじは]]の吸収きゅうしゅうぞうらぎがない。
: {{main|宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう}}
: {{main|宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう}}


== しき望遠鏡ぼうえんきょう ==
;しき望遠鏡ぼうえんきょう
天文てんもん教具きょうぐとして、だれでも手軽てがるてられる望遠ぼうえんかがみ考案こうあんされている。レンズや反射はんしゃかがみ研磨けんまには、高度こうど熟練じゅくれん技術ぎじゅつ必要ひつようなため<ref group="注釈ちゅうしゃく">ガラスの研磨けんまによる反射はんしゃきょう自作じさくはアマチュアでなに可能かのうなレベルであり、材料ざいりょう解説かいせつしょ販売はんばいおこなわれている</ref>、レンズ・反射はんしゃきょう接眼せつがんレンズ・かがみとうをセットにした教材きょうざい販売はんばいされている趣味しゅみようだけではなく、天体てんたい観望かんぼうよう解説かいせつしょ星座せいざ早見はやみたまきかがみとう印刷いんさつされた星図せいずに、時刻じこく日付ひづけわせると、てん子午線しごせんじょうにある天体てんたいつけやすくするための、簡易かんい[[星座せいざ早見はやみばん]]などもあるので、はじめて[[天体てんたい観測かんそく]]や[[天体てんたい観望かんぼう]]をおこなひとにもわかりやすい製品せいひん
手軽てがるてられる望遠鏡ぼうえんきょうレンズ・反射はんしゃきょう接眼せつがんレンズ・かがみとうをセットにした天文てんもん教材きょうざいしばしば天体てんたい観望かんぼうよう解説かいせつしょ星座せいざ早見はやみたまき<ref>かがみとう印刷いんさつされた星図せいずに、時刻じこく日付ひづけわせると、てん子午線しごせんじょうにある天体てんたいつけやすくするための、簡易かんい[[星座せいざ早見はやみばん]]</ref>なども付属ふぞく[[天体てんたい観測かんそく]]や[[天体てんたい観望かんぼう]]初心者しょしんしゃ使つかえる商品しょうひん。<ref>国内こくないでのおも初心者しょしんしゃけの、しき望遠鏡ぼうえんきょう製造せいぞう販売はんばいしている企業きぎょう以下いかのようなのがある

国内こくないでのおも初心者しょしんしゃけの、しき望遠鏡ぼうえんきょう製造せいぞう販売はんばいしている企業きぎょうには以下いかのようなものがある。

* オルビィス株式会社かぶしきがいしゃ望遠鏡ぼうえんきょう工作こうさくキット「コルキット」。屈折くっせつしき天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう反射はんしゃしき天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう以前いぜんキング商会しょうかいとして事業じぎょういとなんでいたころからの製品せいひんで、口径こうけいは5cmの屈折くっせつしきと10cmの反射はんしゃしきのキットからなる。解説かいせつしょ添付てんぷされているので、小学校しょうがっこう高学年こうがくねん以上いじょうひとにはてられるはずということで、1970年代ねんだいには雑誌ざっし子供こども科学かがく』などでも紹介しょうかいされていた。
* オルビィス株式会社かぶしきがいしゃ望遠鏡ぼうえんきょう工作こうさくキット「コルキット」。屈折くっせつしき天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう反射はんしゃしき天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう以前いぜんキング商会しょうかいとして事業じぎょういとなんでいたころからの製品せいひんで、口径こうけいは5cmの屈折くっせつしきと10cmの反射はんしゃしきのキットからなる。解説かいせつしょ添付てんぷされているので、小学校しょうがっこう高学年こうがくねん以上いじょうひとにはてられるはずということで、1970年代ねんだいには雑誌ざっし子供こども科学かがく』などでも紹介しょうかいされていた。
* [[学研がっけんホールディングス|学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ]]かん、『大人おとな科学かがくマガジン』:Vol.11およびVol.19が天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう
* [[学研がっけんホールディングス|学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ]]かん、『大人おとな科学かがくマガジン』:Vol.11およびVol.19が天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう
* ほし手帖てちょうしゃ:[[世界せかい天文てんもんねん2009|世界せかい天文てんもんねん]]日本にっぽん委員いいんかい共同きょうどう開発かいはつしたケプラーしき屈折くっせつ天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう。15ばいと35ばいの2種類しゅるい団体だんたい販売はんばいおも目的もくてきにしている。最大さいだい目的もくてきは、途上とじょうこくなどで理科りか教育きょういく支援しえんなどをおこなう[[青年せいねん海外かいがい協力きょうりょくたい]]や国内こくないの[[科学かがくかん]]でおこな天体てんたい教室きょうしつけの製品せいひんである。
* ほし手帖てちょうしゃ:[[世界せかい天文てんもんねん2009|世界せかい天文てんもんねん]]日本にっぽん委員いいんかい共同きょうどう開発かいはつしたケプラーしき屈折くっせつ天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう。15ばいと35ばいの2種類しゅるい団体だんたい販売はんばいおも目的もくてきにしている。最大さいだい目的もくてきは、途上とじょうこくなどで理科りか教育きょういく支援しえんなどをおこなう[[青年せいねん海外かいがい協力きょうりょくたい]]や国内こくないの[[科学かがくかん]]でおこな天体てんたい教室きょうしつけの製品せいひんである。
</ref>

== 歴史れきし ==
[[ナポリ]]の[[ジャンバッティスタ・デッラ・ポルタ]]の『博学はくがく』([[1589ねん]]、20かん)の17かんの10しょう望遠鏡ぼうえんきょうについての記述きじゅつがある<ref>なお、[[ヨハネス・ケプラー]]の『屈折くっせつ光学こうがく』([[1611ねん]])にもデラ・ポルタが20ねんまえ望遠鏡ぼうえんきょう発明はつめいしたと記述きじゅつされている</ref>。[[ネーデルラント連邦れんぽう共和きょうわこく]]のベックマン(ヤンセンの息子むすこサカリアセンからレンズ研磨けんまならった)の日誌にっしによると、[[1604ねん]]に[[ミデルブルフ]]の眼鏡めがね職人しょくにん[[サハリアス・ヤンセン]]がイタリアじん所有しょゆうの[[1590ねん]]とかれた望遠鏡ぼうえんきょう真似まねつくったという。シルトリによると自分じぶんきゃくからつくかたをならったオランダ、ミッテルブルフの眼鏡めがね職人しょくにん[[ハンス・リッペルスハイ]]が「kijker」と命名めいめいした2まいのレンズわせた望遠鏡ぼうえんきょうについて[[1608ねん]][[10がつ2にち]]、[[特許とっきょ]]申請しんせいを[[オランダ総督そうとく]]にした。[[10がつ14にち]]にはAlkmaarのJ.アドリアンスゾーン・メチウス(''Adriaanszoon Metius'' 、[[1571ねん]] - [[1635ねん]] [[1598ねん]]からフラネカー大学だいがく教授きょうじゅ)が特許とっきょ申請しんせいおこなった(2年間ねんかん改良かいりょうしていたという)。この同時どうじ申請しんせいのため[[特許とっきょ]]はどちらにもおりなかった。リッペルスハイは双眼そうがん望遠鏡ぼうえんきょうつくり、また[[マウリッツ (オラニエこう)|マウリッツ]]総督そうとくいのちにより900[[フローリン]]で軍用ぐんよう望遠鏡ぼうえんきょうつくった。

;日本にっぽん
日本にっぽんにおいては近藤こんどうただしひとしの『そとはんどおりしょ』によれば[[1613ねん]]([[慶長けいちょう]]18ねん8がつ4にち)に「慶長けいちょうじゅうはちねんはちがつよんにち、インカラティラ国王こくおう使者ししゃ於駿じょう御礼おれいさるあがル…ちょう一間程之遠眼鏡六里見之トユ」とあり、イギリスの[[ジェームズ1せい (イングランドおう)|ジェームズ1せい]]の使つかい[[ジョン・セーリス]]が[[徳川とくがわ家康いえやす]]に献上けんじょうのもの(げん[[徳川とくがわ美術館びじゅつかん]]所蔵しょぞう)が最古さいことされる。<ref>齋藤さいとう隆一りゅういち望遠鏡ぼうえんきょうは1537ねんにあったか」(参考さんこう文献ぶんけん 斉田さいだひろし望遠鏡ぼうえんきょう発明はつめい前後ぜんこう」『ほし手帖てちょう』([[1982ねん]]ふゆごう かわしゅ書房しょぼうしんしゃ季刊きかん邪馬台国やまたいこく』[[1993ねん]]あきごう52ごう あずさ書院しょいん p200-</ref>

== 光学こうがくてきなしくみ、構造こうぞう ==
{{出典しゅってん明記めいき|date=2019ねん10がつ}}
望遠鏡ぼうえんきょうとは、カメラのレンズとおなじようなものであるとおもえばかりやすい。ただし[[口径こうけい]]のおおきな[[対物たいぶつレンズ]](反射はんしゃしきにおいては反射はんしゃきょう)と口径こうけいちいさい[[接眼せつがんレンズ]]にかれる。対物たいぶつレンズはとつ[[レンズ]]であり、接眼せつがんレンズがおうレンズであればせい立像りつぞうられる([[ガリレオしき望遠鏡ぼうえんきょう]])。接眼せつがんレンズをとつレンズにすれば倒立とうりつぞうとなる([[ケプラーしき望遠鏡ぼうえんきょう]])が、さらにおおきな倍率ばいりつ容易よういられる。これをそのまま天体てんたいければ[[天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう]]となる。

望遠鏡ぼうえんきょう望遠鏡ぼうえんきょうたらしめているのはその光学こうがくけいである。姿勢しせい変化へんか温度おんど変化へんか風向ふうこう風速ふうそく変化へんかなどがこってもレンズや反射はんしゃきょうなど光学こうがくけい個々ここのパーツに振動しんどう変形へんけいなどの影響えいきょうあたえないことがもとめられる。望遠鏡ぼうえんきょう光学こうがくけいをその支持しじ機構きこうごとささえ、天球てんきゅうじょう任意にんい位置いちける装置そうちを「架台かだい」とぶ。架台かだいはスムーズに駆動くどうし、長時間ちょうじかんにわたってこう精度せいど天体てんたい追尾ついびできなければならない。天体てんたいはっするひかりは、一般いっぱん非常ひじょうよわく、くわしい分析ぶんせきえるほどの光量ひかりりょうあつめようとすれば、だい望遠鏡ぼうえんきょうってしてもなんあいだ露出ろしゅつ必要ひつようとなることがめずらしくないからである。近年きんねん、よりふか宇宙うちゅう探査たんさするために、ますます大型おおがた望遠鏡ぼうえんきょう観測かんそく装置そうち必要ひつようとされるようになってきている。

だい望遠鏡ぼうえんきょうにおいては、巨大きょだい光学こうがく素子そしをいかにコンパクトで軽量けいりょうかつ堅牢けんろう架台かだいささえるかが重要じゅうようとなってくる。架台かだいがコンパクトで軽量けいりょうになるほど、その駆動くどう機構きこうへの負担ふたん軽減けいげんされ、望遠鏡ぼうえんきょう全体ぜんたいおおうドームや建物たてものなどの建設けんせつコストもげられる。また、架台かだい堅牢けんろうせい向上こうじょうにもつながり、指向しこう追尾ついび性能せいのう向上こうじょうさせることにもなる。架台かだいのコンパクトはかるためには、[[反射はんしゃ望遠鏡ぼうえんきょう]]においては、そのおもきょう焦点しょうてん口径こうけい(F)をちいさくし、あかるい光学こうがくけいとすることが肝要かんようである。近年きんねんだい望遠鏡ぼうえんきょうは、Fちいさいおもきょう製作せいさくする技術ぎじゅつ進歩しんぽしたことによって、建設けんせつ可能かのうとなったともえる。

== 地上ちじょう観察かんさつ観測かんそく ==
{{Stub|section=1}}
望遠鏡ぼうえんきょうふるくから地上ちじょう海上かいじょう観察かんさつ観測かんそくもちいられている。

望遠鏡ぼうえんきょう発明はつめいされてしばらくするうちに軍事ぐんじ利用りよう開始かいしされている。てきぐん状況じょうきょうとおくから[[偵察ていさつ]]できるというメリットがある。18世紀せいき後半こうはんに[[気球ききゅう]]の有人ゆうじん飛行ひこう成功せいこうすると、気球ききゅうのバスケット(ゴンドラ)からてき偵察ていさつするためにももちいられるようになった。

船乗ふなのり([[船長せんちょう]]、[[船員せんいん]]、[[水夫すいふ]]、[[漁師りょうし]]など)は海上かいじょうふね安全あんぜん運航うんこうするため、{{かりリンク|海上かいじょう交通こうつう|en|MarineTraffic}}の安全あんぜん確保かくほするため、たとえば周辺しゅうへんふね有無うむうごき、ふねかかげる[[国際こくさい信号しんごう]]や[[ふねめい]]表記ひょうき確認かくにんふね船員せんいんうごき、[[岩礁がんしょう]]の有無うむ、[[なみ]]の様子ようす海面かいめんごとのふうつよさや風向ふうこう、[[みなと]]ないでの船舶せんぱくぐんうごき、等々とうとう観察かんさつ判断はんだん材料ざいりょうるために望遠鏡ぼうえんきょう使つかっている。

{{gallery
|height=200px
|File:Emblemata_1624.jpg|地上ちじょう観察かんさつのための望遠鏡ぼうえんきょう使用しよう。[[1624ねん]]。
|File:I.Stevens.jpg|軍服ぐんぷくて、右手みぎて望遠鏡ぼうえんきょうちポーズをめた[[アイザック・スティーブンス]]([[南北戦争なんぼくせんそう]]のきたぐん将軍しょうぐんとなる人物じんぶつ)[[1861ねん]]。
|File:A Fisherman At Home, Peter Henry Emerson, 1887.jpg|自分じぶんふね使用しようする望遠鏡ぼうえんきょうみがく[[漁師りょうし]]。([[1887ねん]])
|File:The German Spring Offensive, March-july 1918 Q6539.jpg|1918ねん仲間なかまかたりてそこに先端せんたんがわ対物たいぶつレンズがわ)をせるようにして望遠鏡ぼうえんきょう使つか兵士へいし
|File:Telescope (AM 2001.25.1131-1).jpg|[[だいいち世界せかい大戦たいせん]]時期じき望遠鏡ぼうえんきょう
|File:Soldiers watching for Germans at a New Zealand signalling post on the Somme, near Colincamps, France, during World War I (21501876425).jpg|だいいち世界せかい大戦たいせん。[[ニュージーランド]]のフランス駐屯ちゅうとんにて、[[ドイツぐん]]を監視かんしする兵士へいし
|File:Telescope, artillery, First World War Fortepan 86006.jpg|塹壕ざんごうなかまもりつつ、塹壕ざんごうそと観察かんさつするための、ふたまたの望遠鏡ぼうえんきょう
|File:Soldier, telescope, First World War Fortepan 73375.jpg|通常つうじょうタイプの双眼鏡そうがんきょうくびからげて携行けいこうする兵士へいし(1917ねん
|File:The Royal Navy during the Second World War A4322.jpg|[[だい世界せかい大戦たいせん]]。[[英国えいこく海軍かいぐん]]。望遠鏡ぼうえんきょうをのぞく人物じんぶつ
|File:Flickr - Israel Defense Forces - Computerized Telescopes Found in Mis al-Jabal.jpg|近年きんねんの[[イスラエルぐん]]が使用しようしている コンピュータ制御せいぎょ望遠鏡ぼうえんきょう
|File:V&A tower viewer 2.jpg|現代げんだい眺望ちょうぼう場所ばしょなどに設置せっちしてある、コインをれて使つかう、時間じかんしの望遠鏡ぼうえんきょう
}}
== 天体てんたい観測かんそく ==
{{Main|天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう|天体てんたい観測かんそく}}

[[ガリレオ・ガリレイ]]はハンス・リッペルスハイの発明はつめいったのち、[[1609ねん]][[5がつ]]に1にちつくった望遠鏡ぼうえんきょうはじめて天体てんたいけた<ref>齋藤さいとう隆一りゅういち望遠鏡ぼうえんきょうは1537ねんにあったか」(参考さんこう文献ぶんけん 斉田さいだひろし望遠鏡ぼうえんきょう発明はつめい前後ぜんこう」『ほし手帖てちょう』(1982ねんふゆごう かわしゅ書房しょぼうしんしゃ季刊きかん邪馬台国やまたいこく』1993ねんあきごう52ごう あずさ書院しょいん p200-</ref>。そのころの接眼せつがんレンズはおうレンズでせい立像りつぞうだが、倍率ばいりつひくいものであった。

{{Gallery
|height=200px
|ファイル:NewtonsTelescopeReplica.jpg|1672ねん[[アイザック・ニュートン]]が王立おうりつ協会きょうかい提供ていきょうした望遠鏡ぼうえんきょう複製ふくせいひん
|ファイル:Herschel 40 foot.jpg|[[ウィリアム・ハーシェル]]の望遠鏡ぼうえんきょう
}}


=== 現代げんだい宇宙うちゅう観測かんそくよう特殊とくしゅ望遠鏡ぼうえんきょう ===
19世紀せいきまつや20世紀せいき初頭しょとうまでは、人間にんげんの[[網膜もうまく]]にぞうむす人間にんげん知覚ちかくできる[[可視かし光線こうせん]]にかんして、拡大かくだいしたぞうをもたらすことを目的もくてきとした望遠鏡ぼうえんきょうばかりだったが、[[20世紀せいき]]になって、宇宙うちゅう観測かんそく使つかうための、可視かし光線こうせん以外いがいあつか様々さまざま特殊とくしゅ観測かんそく装置そうち検出けんしゅつ装置そうち開発かいはつされるようになった。それらの観測かんそく装置そうちのことも光学こうがく望遠鏡ぼうえんきょうとの[[アナロジー]]や[[比喩ひゆ]]で、「望遠鏡ぼうえんきょう」ともばれることがある。それらは初期しょき段階だんかいでは素朴そぼく装置そうちで「ぞう」といったものを提供ていきょうするレベルではなく、どちらかとえば(素朴そぼくな)「検出けんしゅつ」とぶのがふさわしいものもおおく、のちになってようやく「ぞう」らしい「ぞう」を提供ていきょうできるようになったものもおおいが、一応いちおうこのふしでそれらの観測かんそく装置そうち登場とうじょう歴史れきしについてもかるれるが、あくまでかるれるにとどめる。詳細しょうさい個別こべつ記事きじ参照さんしょうのこと。
<!--
19世紀せいきから20世紀せいきにかけて発達はったつした[[写真しゃしん]]技術ぎじゅつ使つかい、より客観きゃっかんてき測定そくていができる天体てんたい観測かんそくおこなわれるようになった。20世紀せいきはいって、電子でんし工学こうがく発展はってんともない、光学こうがくしき望遠鏡ぼうえんきょう附属ふぞくする観測かんそく装置そうち開発かいはつすすんだ。[[ひかりでん効果こうか]]を利用りようした[[ひかりでん測光そっこう]]によるひかりでん測光そっこう技術ぎじゅつ発達はったつし、[[マイクロチャンネルプレート]]などを使つかった[[暗視装置あんしそうち]]が誕生たんじょうした。最近さいきんでは[[CCDイメージセンサ]]を冷却れいきゃくして撮像さつぞうする[[冷却れいきゃくCCDカメラ]]によって100%ちか光子こうし検出けんしゅつできるようになった。-->

{{Seealso|天体てんたい観測かんそく|天文学てんもんがく}}

;電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょう
{{Main|電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょう}}
人類じんるい電磁波でんじはかんする理解りかいや、それに関連かんれんする電子でんし技術ぎじゅつ向上こうじょうしたのは、さほどとおむかしのことではなく19世紀せいきまつや20世紀せいき前半ぜんはんのことであるが、それによってようやく、従来じゅうらい望遠鏡ぼうえんきょうくわえて、電磁波でんじはをとらえて観測かんそくするための[[電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょう]]を設計せっけい製作せいさくすることが可能かのうになったわけである。[[1932ねん]]に、宇宙うちゅう空間くうかんから飛来ひらいする電波でんぱとらえる目的もくてきつくられた最初さいしょ電波でんぱアンテナ(最初さいしょ素朴そぼく電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょう)が[[:en:Karl Guthe Jansky]](ベル研究所けんきゅうじょのエンジニア)によって使用しようされた。これ以降いこう [[電波でんぱ天文学てんもんがく]]が発展はってんしてゆくことになった。

;Xせん望遠鏡ぼうえんきょう
{{Main|Xせん望遠鏡ぼうえんきょう}}
1963ねんにはBall Brothers Corporationしゃによるはつの[[Xせん望遠鏡ぼうえんきょう]]が稼動かどうし、その[[Xせん天文学てんもんがく]]が発展はってんしてゆくことになった。

;ニュートリノ検出けんしゅつ(ニュートリノ望遠鏡ぼうえんきょう
{{Main|ニュートリノ検出けんしゅつ}}
1965ねんころには、独立どくりつした2つのグループがほとんどどう時期じきに、地球ちきゅう飛来ひらいするニュートリノの検出けんしゅつ成功せいこう(ひとつは[[:en:Frederick Reines]]のひきいてみなみアフリカのかね高山こうざん実験じっけんおこなったグループ。もうひとつは、ボンベイ・大阪おおさか・ダーラムのチームが共同きょうどうおこなった研究けんきゅうで、インドのKolar Gold Field鉱山こうざんおこなったものであった。これ以降いこう、ゆっくりとだが[[ニュートリノ天文学てんもんがく]]が発展はってんすることになった。

;紫外線しがいせん望遠鏡ぼうえんきょう
{{Main|紫外線しがいせん望遠鏡ぼうえんきょう}}
1978ねんから1996ねんにかけては、紫外線しがいせん観測かんそくができる[[紫外線しがいせん望遠鏡ぼうえんきょう]]([[:en:ultraviolet telescope]])の[[IUE]]が設計せっけい製造せいぞう運用うんようされ、[[紫外線しがいせん天文学てんもんがく]]が発展はってんした。

;重力じゅうりょく検出けんしゅつ重力じゅうりょく望遠鏡ぼうえんきょう
[[重力じゅうりょく (相対そうたいろん)|重力じゅうりょく]]を検出けんしゅつする装置そうち(「検出けんしゅつ」や「天文台てんもんだい」とばれることのほうが一般いっぱんてきで、それらの呼称こしょうのほうが妥当だとうだが、まれに「[[重力じゅうりょく望遠鏡ぼうえんきょう]]」ともばれるもの)
かんして説明せつめいすると、2002ねんに[[LIGO]]が稼動かどうはじめたがまったなに検出けんしゅつできず、2004ねん拡張かくちょう改良かいりょうおこなったがまともに作動さどうしない時代じだいつづいた。2015ねん9がつに、5ねん年月としつきと2おくドルもの巨額きょがく費用ひようをかけたオーバーホールが完了かんりょうし、(ようやく)科学かがくてき観測かんそく開始かいしされた。
アメリカの[[LIGO]](ライゴ)、ヨーロッパの[[:en:Virgo interferometer|Virgo]]([[バーゴ]]) は2003ねん建造けんぞうされ、2017ねんにはLIGOとVIRGOが連携れんけいするかたちでひとつの巨大きょだい重力じゅうりょく検出けんしゅつ装置そうちのように作動さどうさる体勢たいせい構築こうちくされ、2017ねん8がつ17にち、アメリカの2だい重力じゅうりょく検出けんしゅつ「Advanced LIGO」と欧州おうしゅう重力じゅうりょく観測かんそくしょ重力じゅうりょく検出けんしゅつ「Advanced Virgo」が、れんぼし中性子星ちゅうせいしせい合体がったいしたさいしょうじた重力じゅうりょく地球ちきゅうとどいたこを検知けんち、その情報じょうほう即座そくざ世界せかい天文台てんもんだいつたえ、ぜん世界せかい天文台てんもんだいが、重力じゅうりょくにややおくれるようにしてとど可視かし光線こうせん放射線ほうしゃせんなどをけるように観測かんそくして、合体がったいきた場所ばしょ方角ほうがく正確せいかく特定とくていしたり、さまざまなデータをることに貢献こうけんした。日本にっぽん重力じゅうりょく望遠鏡ぼうえんきょう[[KAGRA]]もまもなく本格ほんかく運用うんようはい予定よていで、これによって世界せかいに3つ本格ほんかくてき重力じゅうりょく望遠鏡ぼうえんきょう登場とうじょうすることで、重力じゅうりょくみなもと方向ほうこう特定とくていがより一層いっそうすみやかに、また正確せいかくになることが期待きたいされている。


== 歴史れきしじょう特殊とくしゅ用途ようと ==
;通信つうしん手段しゅだん
[[文字もじコード]]を表示ひょうじする[[信号しんごう]]を遠方えんぽうから望遠鏡ぼうえんきょうる[[腕木うでき通信つうしん]]に代表だいひょうされる欧米おうべいしき[[通信つうしん]]方法ほうほう日本にっぽん江戸えど時代じだいはじまり大正たいしょう初期しょきまでもちいられた[[はた通信つうしん]]は、望遠鏡ぼうえんきょう発明はつめい普及ふきゅう前提ぜんていとした通信つうしんにおける過去かこ技術ぎじゅつであった。


== 脚注きゃくちゅう ==
== 脚注きゃくちゅう ==
111ぎょう: 206ぎょう:
[[Category:望遠鏡ぼうえんきょう|*]]
[[Category:望遠鏡ぼうえんきょう|*]]
[[Category:光学こうがく機器きき]]
[[Category:光学こうがく機器きき]]
[[Category:偵察ていさつ]]
[[Category:水運すいうん]]
[[Category:情報じょうほう技術ぎじゅつ]]
[[Category:情報じょうほう技術ぎじゅつ]]
[[Category:天文台てんもんだい]]
[[Category:天文台てんもんだい]]

2019ねん10がつ14にち (月)げつ 16:02時点じてんにおけるはん

望遠鏡ぼうえんきょうをのぞく米国べいこくふね乗組のりくみいん。(1899ねん
Charles Reginald Fordが、ロバート・スコット1901-1904の南極なんきょく遠征えんせい(「ディスカバリー遠征えんせい」)使用しようした金属きんぞくせい望遠鏡ぼうえんきょう木製もくせいスタンドがべつ付属ふぞく
望遠鏡ぼうえんきょう一種いっしゅで、つつふたつにした双眼鏡そうがんきょう現代げんだいのアメリカ海軍かいぐんのもの。
天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう屈折くっせつしき望遠鏡ぼうえんきょうれい口径こうけい50cm。ニース天文台てんもんだい
シュミットしき望遠鏡ぼうえんきょう口径こうけい2m。ドイツ

望遠鏡ぼうえんきょう(ぼうえんきょう、えい: telescope)とは、

概説がいせつ

とおくにある対象たいしょうぶつちかくにあるかのようにせるための装置そうちである。もともと17世紀せいき初頭しょとう発明はつめいされた段階だんかいでは、複数ふくすうのレンズをわせてつつおさめた素朴そぼく装置そうちで、そのすうひゃく年間ねんかん望遠鏡ぼうえんきょうえばそうしたタイプが主流しゅりゅうだったわけだが、並行へいこうてき局面きょくめんきょうもちいるものも登場とうじょうし、複数ふくすうのレンズと局面きょくめんきょう複雑ふくざつわせたものもつくられるようになった。

望遠鏡ぼうえんきょうには、のぞんだときen:erect image せい立像りつぞうただしいきのぞう)がえるタイプのものと、inverted image 倒立とうりつぞう上下じょうげ左右さゆう反対はんたいになったぞう)がえるタイプのものがある。地上ちじょう対象たいしょうぶつるための望遠鏡ぼうえんきょうはもっぱらせい立像りつぞうられるように設計せっけいされたものがもちいられる。天体てんたい観察かんさつするための望遠鏡ぼうえんきょう天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょうは、(せい立像りつぞうられるものもあるが)光学こうがくてき性能せいのう極限きょくげんまでたかめるためにあえて倒立とうりつぞうられるようになっているタイプもある。

20世紀せいきには、(ようやく)人類じんるい電磁波でんじはかんする理解りかいすすみ、可視かし光線こうせんだけでなく宇宙うちゅう空間くうかんから到来とうらいする電磁波でんじはをとらえる装置そうちつくられるようになり、そうした装置そうちも(従来じゅうらい光学こうがくてき望遠鏡ぼうえんきょうとのアナロジー比喩ひゆで)「電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょう」とぶようになった。→#現代げんだい宇宙うちゅう観測かんそくよう特殊とくしゅ望遠鏡ぼうえんきょう

歴史れきし

1608ねんオランダハンス・リッペルハイという眼鏡めがね製作せいさくしゃ望遠鏡ぼうえんきょうかんする特許とっきょ取得しゅとくしようとした。だが同年どうねん、アドリアンスゾーン・メチウスも特許とっきょ申請しんせいをし、結局けっきょくにんのどちらにも特許とっきょなかった。→#歴史れきし

分類ぶんるい種類しゅるい

さまざまな分類ぶんるいほうがある。おも対象たいしょう天体てんたいなのか地上ちじょうぶつかで分類ぶんるいする方法ほうほうや、使用しようするレンズのタイプで分類ぶんるいする方法ほうほうひとのぞあなかず分類ぶんるいする方法ほうほう 等々とうとうがある。→#分類ぶんるい種類しゅるい


ほん記事きじでは、できるだけ「望遠鏡ぼうえんきょう」という用語ようご意味いみ中心ちゅうしんである光学こうがく機器ききについてくわしく説明せつめいするようにし、光学こうがく機器ききではなくて、比喩ひゆてきに「望遠鏡ぼうえんきょう」とばれることもある、という程度ていど現代げんだい特殊とくしゅ宇宙うちゅう観測かんそく装置そうちかんしては、記事きじ焦点しょうてんがぼけないように、できるだけかるれるにとどめ、詳細しょうさい説明せつめいべつ記事きじゆずる。

分類ぶんるい種類しゅるい

さまざまな分類ぶんるいほうがある。

ひとつの分類ぶんるいほうは、用途ようとおも対象たいしょうぶつで「地上ちじょう対象たいしょうぶつる / 天体てんたいる」と分類ぶんるいして、「地上ちじょう望遠鏡ぼうえんきょう / 天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう」と分類ぶんるいする方法ほうほうである。 ひとつの分類ぶんるいほうは、望遠鏡ぼうえんきょうつつかずのぞあなかず)が「ひとつ / ふたつ」で分類ぶんるいして、「単眼たんがんきょう / 双眼鏡そうがんきょう」に分類ぶんるいする方法ほうほうである; また「レンズをもちいる / 反射はんしゃきょうもちいる」で分類ぶんるいして、ざっくりと「屈折くっせつ望遠鏡ぼうえんきょう / 反射はんしゃ望遠鏡ぼうえんきょう」に分類ぶんるいする方法ほうほうもある。それらの両方りょうほうもちいたふくごうがたもある。 また、(レンズばかりをもちいる望遠鏡ぼうえんきょうかんして)どのタイプのレンズをもちいるか、という観点かんてん分類ぶんるいする方法ほうほうもあり、「とつレンズとおうレンズをわせる / とつレンズととつレンズをわせる」のちがいで分類ぶんるいし「ガリレオ望遠鏡ぼうえんきょう / ケプラー望遠鏡ぼうえんきょう」に分類ぶんるいする方法ほうほうもある。

地上ちじょう望遠鏡ぼうえんきょう
地上ちじょうのものを観察かんさつ観測かんそくするために設計せっけい製作せいさくされた望遠鏡ぼうえんきょうふるくは対物たいぶつレンズにとつレンズ、接眼せつがんレンズにおうレンズをわせたタイプ(「ガリレオ望遠鏡ぼうえんきょう」とばれるタイプ)もあったが、そのとつレンズを複数ふくすうせいだてプリズムもちいてぞうせいたたさせているものが主流しゅりゅうである。
天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう
天体てんたい観察かんさつ観測かんそくするために設計せっけい製作せいさくされた望遠鏡ぼうえんきょう地上ちじょうぶつとはくらべものにならないほど遠方えんぽう対象たいしょう観測かんそくするためのもので、対象たいしょうぶつから地上ちじょうとどひかり極端きょくたんよわいので、分解能ぶんかいのうあつまりこうりょく両方りょうほう性能せいのう重視じゅうしされる。おおまかにけて屈折くっせつしき反射はんしゃしきの2種類しゅるいがあり、それぞれ一長一短いっちょういったんがある。
単眼たんがんきょう
つつがひとつ(のぞあながひとつ)の望遠鏡ぼうえんきょう基本きほんてきみぎひだりか、どちらか一方いっぽうちかづけてる。
双眼鏡そうがんきょう
つつがふたつでのぞあながふたつの望遠鏡ぼうえんきょう英語えいごではbinocularsとい「bi」は「ふたつ」という意味いみ日本語にほんごの「双眼鏡そうがんきょう」の「そう」も同様どうよう意味いみ左右さゆうることで(普段ふだんおな使つかいかたなので対象たいしょうぶつ認識にんしきしやすく、また左右さゆうだとのう視覚しかく処理しょりされてぞうが(日常にちじょうのように)立体りったいてきかんじられる。)地上ちじょうよう双眼鏡そうがんきょうは、光学こうがくてきにはフィールドスコープを2つならべた構造こうぞうになっている。(やや特殊とくしゅだが)天文てんもんよう双眼鏡そうがんきょうというものもあり、これは光学こうがくてきには天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょうを2つならべてた構造こうぞうになっている(「双眼そうがん望遠鏡ぼうえんきょう」とぶことがおおい)。
ガリレオ望遠鏡ぼうえんきょう

ガリレオ(しき望遠鏡ぼうえんきょうとは、対物たいぶつレンズにとつレンズ、接眼せつがんレンズにおうレンズを使つかった望遠鏡ぼうえんきょうぞうせいだてだが、視界しかいせまい。倍率ばいりつとつレンズの焦点しょうてん距離きょりおうレンズの焦点しょうてん距離きょりひとしい。(天体てんたい観測かんそくよう屈折くっせつ望遠鏡ぼうえんきょうとしては後述こうじゅつのケプラー望遠鏡ぼうえんきょうもちいられるようになり、ほぼもちいられなくなったが)たとえば倍率ばいりつが3~4ばい程度ていどでもことたりるような観劇かんげきようオペラグラス)などにもちいられる[2]。(もともとオペラなど、観客かんきゃくせき舞台ぶたいがさほどはなれていないで状況じょうきょう観察かんさつ対象たいしょうとの距離きょりがさほどでない状況じょうきょう)で俳優はいゆうなどの姿すがたすこしだけ拡大かくだいして鑑賞かんしょうするためなどに現在げんざいでも(双眼鏡そうがんきょう形式けいしきで)使つかわれている。)

ケプラー望遠鏡ぼうえんきょう

ケプラー(しき望遠鏡ぼうえんきょうとは、対物たいぶつレンズに焦点しょうてん距離きょり(f1)のながとつレンズを、接眼せつがんレンズに焦点しょうてん距離きょり(f2)のみじかとつレンズを使つか望遠鏡ぼうえんきょうぞう倒立とうりつ倍率ばいりつはf1/f2にひとしい。ケプラーが1611ねんにはこのタイプにかんする記述きじゅつのこし、現在げんざいいたるまで天体てんたい観測かんそく屈折くっせつ望遠鏡ぼうえんきょう基本きほんてきにすべてこの方式ほうしき

ナイトビジョン
夜間やかんよわひかりられたかすかなぞう電子でんし回路かいろもちいて増幅ぞうふくしはっきりしたぞうとしてせるもの。おも軍事ぐんじよう野生やせい動物どうぶつ観察かんさつなどにもちいられる。ほぼとう倍率ばいりつのものから、天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょうけて使つかうカメラタイプのものまで各種かくしゅある。
電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょう
宇宙うちゅうからやってくる微弱びじゃく電波でんぱとらえるために設計せっけい製作せいさくされた望遠鏡ぼうえんきょうおおくはパラボラアンテナかたちをしている。
#現代げんだい特殊とくしゅ望遠鏡ぼうえんきょう
宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう
軌道きどううえげられた望遠鏡ぼうえんきょう地球ちきゅう大気たいきによる電磁波でんじは吸収きゅうしゅうぞうらぎがない。
しき望遠鏡ぼうえんきょう

手軽てがるてられる望遠鏡ぼうえんきょうのこと。レンズ・反射はんしゃきょう接眼せつがんレンズ・かがみとうをセットにした天文てんもん教材きょうざい。しばしば天体てんたい観望かんぼうよう解説かいせつしょ星座せいざ早見はやみたまき[3]なども付属ふぞく天体てんたい観測かんそく天体てんたい観望かんぼう初心者しょしんしゃ使つかえる商品しょうひん[4]

歴史れきし

ナポリジャンバッティスタ・デッラ・ポルタの『博学はくがく』(1589ねん、20かん)の17かんの10しょう望遠鏡ぼうえんきょうについての記述きじゅつがある[5]ネーデルラント連邦れんぽう共和きょうわこくのベックマン(ヤンセンの息子むすこサカリアセンからレンズ研磨けんまならった)の日誌にっしによると、1604ねんミデルブルフ眼鏡めがね職人しょくにんサハリアス・ヤンセンがイタリアじん所有しょゆう1590ねんかれた望遠鏡ぼうえんきょう真似まねつくったという。シルトリによると自分じぶんきゃくからつくかたをならったオランダ、ミッテルブルフの眼鏡めがね職人しょくにんハンス・リッペルスハイが「kijker」と命名めいめいした2まいのレンズわせた望遠鏡ぼうえんきょうについて1608ねん10月2にち特許とっきょ申請しんせいオランダ総督そうとくにした。10月14にちにはAlkmaarのJ.アドリアンスゾーン・メチウス(Adriaanszoon Metius1571ねん - 1635ねん 1598ねんからフラネカー大学だいがく教授きょうじゅ)が特許とっきょ申請しんせいおこなった(2年間ねんかん改良かいりょうしていたという)。この同時どうじ申請しんせいのため特許とっきょはどちらにもおりなかった。リッペルスハイは双眼そうがん望遠鏡ぼうえんきょうつくり、またマウリッツ総督そうとくいのちにより900フローリン軍用ぐんよう望遠鏡ぼうえんきょうつくった。

日本にっぽん

日本にっぽんにおいては近藤こんどうただしひとしの『そとはんどおりしょ』によれば1613ねん慶長けいちょう18ねん8がつ4にち)に「慶長けいちょうじゅうはちねんはちがつよんにち、インカラティラ国王こくおう使者ししゃ於駿じょう御礼おれいさるあがル…ちょう一間程之遠眼鏡六里見之トユ」とあり、イギリスのジェームズ1せい使つかジョン・セーリス徳川とくがわ家康いえやす献上けんじょうのもの(げん徳川とくがわ美術館びじゅつかん所蔵しょぞう)が最古さいことされる。[6]

光学こうがくてきなしくみ、構造こうぞう

望遠鏡ぼうえんきょうとは、カメラのレンズとおなじようなものであるとおもえばかりやすい。ただし口径こうけいおおきな対物たいぶつレンズ反射はんしゃしきにおいては反射はんしゃきょう)と口径こうけいちいさい接眼せつがんレンズかれる。対物たいぶつレンズはとつレンズであり、接眼せつがんレンズがおうレンズであればせい立像りつぞうられる(ガリレオしき望遠鏡ぼうえんきょう)。接眼せつがんレンズをとつレンズにすれば倒立とうりつぞうとなる(ケプラーしき望遠鏡ぼうえんきょう)が、さらにおおきな倍率ばいりつ容易よういられる。これをそのまま天体てんたいければ天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょうとなる。

望遠鏡ぼうえんきょう望遠鏡ぼうえんきょうたらしめているのはその光学こうがくけいである。姿勢しせい変化へんか温度おんど変化へんか風向ふうこう風速ふうそく変化へんかなどがこってもレンズや反射はんしゃきょうなど光学こうがくけい個々ここのパーツに振動しんどう変形へんけいなどの影響えいきょうあたえないことがもとめられる。望遠鏡ぼうえんきょう光学こうがくけいをその支持しじ機構きこうごとささえ、天球てんきゅうじょう任意にんい位置いちける装置そうちを「架台かだい」とぶ。架台かだいはスムーズに駆動くどうし、長時間ちょうじかんにわたってこう精度せいど天体てんたい追尾ついびできなければならない。天体てんたいはっするひかりは、一般いっぱん非常ひじょうよわく、くわしい分析ぶんせきえるほどの光量ひかりりょうあつめようとすれば、だい望遠鏡ぼうえんきょうってしてもなんあいだ露出ろしゅつ必要ひつようとなることがめずらしくないからである。近年きんねん、よりふか宇宙うちゅう探査たんさするために、ますます大型おおがた望遠鏡ぼうえんきょう観測かんそく装置そうち必要ひつようとされるようになってきている。

だい望遠鏡ぼうえんきょうにおいては、巨大きょだい光学こうがく素子そしをいかにコンパクトで軽量けいりょうかつ堅牢けんろう架台かだいささえるかが重要じゅうようとなってくる。架台かだいがコンパクトで軽量けいりょうになるほど、その駆動くどう機構きこうへの負担ふたん軽減けいげんされ、望遠鏡ぼうえんきょう全体ぜんたいおおうドームや建物たてものなどの建設けんせつコストもげられる。また、架台かだい堅牢けんろうせい向上こうじょうにもつながり、指向しこう追尾ついび性能せいのう向上こうじょうさせることにもなる。架台かだいのコンパクトはかるためには、反射はんしゃ望遠鏡ぼうえんきょうにおいては、そのおもきょう焦点しょうてん口径こうけい(F)をちいさくし、あかるい光学こうがくけいとすることが肝要かんようである。近年きんねんだい望遠鏡ぼうえんきょうは、Fちいさいおもきょう製作せいさくする技術ぎじゅつ進歩しんぽしたことによって、建設けんせつ可能かのうとなったともえる。

地上ちじょう観察かんさつ観測かんそく

望遠鏡ぼうえんきょうふるくから地上ちじょう海上かいじょう観察かんさつ観測かんそくもちいられている。

望遠鏡ぼうえんきょう発明はつめいされてしばらくするうちに軍事ぐんじ利用りよう開始かいしされている。てきぐん状況じょうきょうとおくから偵察ていさつできるというメリットがある。18世紀せいき後半こうはん気球ききゅう有人ゆうじん飛行ひこう成功せいこうすると、気球ききゅうのバスケット(ゴンドラ)からてき偵察ていさつするためにももちいられるようになった。

船乗ふなのり(船長せんちょう船員せんいん水夫すいふ漁師りょうしなど)は海上かいじょうふね安全あんぜん運航うんこうするため、海上かいじょう交通こうつう安全あんぜん確保かくほするため、たとえば周辺しゅうへんふね有無うむうごき、ふねかかげる国際こくさい信号しんごうはたふねめい表記ひょうき確認かくにんふね船員せんいんうごき、岩礁がんしょう有無うむなみ様子ようす海面かいめんごとのふうつよさや風向ふうこうみなとうちでの船舶せんぱくぐんうごき、等々とうとう観察かんさつ判断はんだん材料ざいりょうるために望遠鏡ぼうえんきょう使つかっている。

天体てんたい観測かんそく

ガリレオ・ガリレイはハンス・リッペルスハイの発明はつめいったのち1609ねん5月に1にちつくった望遠鏡ぼうえんきょうはじめて天体てんたいけた[7]。そのころの接眼せつがんレンズはおうレンズでせい立像りつぞうだが、倍率ばいりつひくいものであった。


現代げんだい宇宙うちゅう観測かんそくよう特殊とくしゅ望遠鏡ぼうえんきょう

19世紀せいきまつや20世紀せいき初頭しょとうまでは、人間にんげん網膜もうまくぞうむす人間にんげん知覚ちかくできる可視かし光線こうせんかんして、拡大かくだいしたぞうをもたらすことを目的もくてきとした望遠鏡ぼうえんきょうばかりだったが、20世紀せいきになって、宇宙うちゅう観測かんそく使つかうための、可視かし光線こうせん以外いがいあつか様々さまざま特殊とくしゅ観測かんそく装置そうち検出けんしゅつ装置そうち開発かいはつされるようになった。それらの観測かんそく装置そうちのことも光学こうがく望遠鏡ぼうえんきょうとのアナロジー比喩ひゆで、「望遠鏡ぼうえんきょう」ともばれることがある。それらは初期しょき段階だんかいでは素朴そぼく装置そうちで「ぞう」といったものを提供ていきょうするレベルではなく、どちらかとえば(素朴そぼくな)「検出けんしゅつ」とぶのがふさわしいものもおおく、のちになってようやく「ぞう」らしい「ぞう」を提供ていきょうできるようになったものもおおいが、一応いちおうこのふしでそれらの観測かんそく装置そうち登場とうじょう歴史れきしについてもかるれるが、あくまでかるれるにとどめる。詳細しょうさい個別こべつ記事きじ参照さんしょうのこと。

電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょう

人類じんるい電磁波でんじはかんする理解りかいや、それに関連かんれんする電子でんし技術ぎじゅつ向上こうじょうしたのは、さほどとおむかしのことではなく19世紀せいきまつや20世紀せいき前半ぜんはんのことであるが、それによってようやく、従来じゅうらい望遠鏡ぼうえんきょうくわえて、電磁波でんじはをとらえて観測かんそくするための電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょう設計せっけい製作せいさくすることが可能かのうになったわけである。1932ねんに、宇宙うちゅう空間くうかんから飛来ひらいする電波でんぱとらえる目的もくてきつくられた最初さいしょ電波でんぱアンテナ(最初さいしょ素朴そぼく電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょう)がen:Karl Guthe Jansky(ベル研究所けんきゅうじょのエンジニア)によって使用しようされた。これ以降いこう 電波でんぱ天文学てんもんがく発展はってんしてゆくことになった。

Xせん望遠鏡ぼうえんきょう

1963ねんにはBall Brothers CorporationしゃによるはつXせん望遠鏡ぼうえんきょう稼動かどうし、そのXせん天文学てんもんがく発展はってんしてゆくことになった。

ニュートリノ検出けんしゅつ(ニュートリノ望遠鏡ぼうえんきょう

1965ねんころには、独立どくりつした2つのグループがほとんどどう時期じきに、地球ちきゅう飛来ひらいするニュートリノの検出けんしゅつ成功せいこう(ひとつはen:Frederick Reinesひきいてみなみアフリカのかね高山こうざん実験じっけんおこなったグループ。もうひとつは、ボンベイ・大阪おおさか・ダーラムのチームが共同きょうどうおこなった研究けんきゅうで、インドのKolar Gold Field鉱山こうざんおこなったものであった。これ以降いこう、ゆっくりとだがニュートリノ天文学てんもんがく発展はってんすることになった。

紫外線しがいせん望遠鏡ぼうえんきょう

1978ねんから1996ねんにかけては、紫外線しがいせん観測かんそくができる紫外線しがいせん望遠鏡ぼうえんきょうen:ultraviolet telescope)のIUE設計せっけい製造せいぞう運用うんようされ、紫外線しがいせん天文学てんもんがく発展はってんした。

重力じゅうりょく検出けんしゅつ重力じゅうりょく望遠鏡ぼうえんきょう

重力じゅうりょく検出けんしゅつする装置そうち(「検出けんしゅつ」や「天文台てんもんだい」とばれることのほうが一般いっぱんてきで、それらの呼称こしょうのほうが妥当だとうだが、まれに「重力じゅうりょく望遠鏡ぼうえんきょう」ともばれるもの) にかんして説明せつめいすると、2002ねんLIGO稼動かどうはじめたがまったなに検出けんしゅつできず、2004ねん拡張かくちょう改良かいりょうおこなったがまともに作動さどうしない時代じだいつづいた。2015ねん9がつに、5ねん年月としつきと2おくドルもの巨額きょがく費用ひようをかけたオーバーホールが完了かんりょうし、(ようやく)科学かがくてき観測かんそく開始かいしされた。 アメリカのLIGO(ライゴ)、ヨーロッパのVirgoバーゴ) は2003ねん建造けんぞうされ、2017ねんにはLIGOとVIRGOが連携れんけいするかたちでひとつの巨大きょだい重力じゅうりょく検出けんしゅつ装置そうちのように作動さどうさる体勢たいせい構築こうちくされ、2017ねん8がつ17にち、アメリカの2だい重力じゅうりょく検出けんしゅつ「Advanced LIGO」と欧州おうしゅう重力じゅうりょく観測かんそくしょ重力じゅうりょく検出けんしゅつ「Advanced Virgo」が、れんぼし中性子星ちゅうせいしせい合体がったいしたさいしょうじた重力じゅうりょく地球ちきゅうとどいたこを検知けんち、その情報じょうほう即座そくざ世界せかい天文台てんもんだいつたえ、ぜん世界せかい天文台てんもんだいが、重力じゅうりょくにややおくれるようにしてとど可視かし光線こうせん放射線ほうしゃせんなどをけるように観測かんそくして、合体がったいきた場所ばしょ方角ほうがく正確せいかく特定とくていしたり、さまざまなデータをることに貢献こうけんした。日本にっぽん重力じゅうりょく望遠鏡ぼうえんきょうKAGRAもまもなく本格ほんかく運用うんようはい予定よていで、これによって世界せかいに3つ本格ほんかくてき重力じゅうりょく望遠鏡ぼうえんきょう登場とうじょうすることで、重力じゅうりょくみなもと方向ほうこう特定とくていがより一層いっそうすみやかに、また正確せいかくになることが期待きたいされている。


歴史れきしじょう特殊とくしゅ用途ようと

通信つうしん手段しゅだん

文字もじコード表示ひょうじする信号しんごう遠方えんぽうから望遠鏡ぼうえんきょう腕木うでき通信つうしん代表だいひょうされる欧米おうべいしき通信つうしん方法ほうほう日本にっぽん江戸えど時代じだいはじまり大正たいしょう初期しょきまでもちいられたはた通信つうしんは、望遠鏡ぼうえんきょう発明はつめい普及ふきゅう前提ぜんていとした通信つうしんにおける過去かこ技術ぎじゅつであった。

脚注きゃくちゅう

注釈ちゅうしゃく

出典しゅってん

  1. ^ Oxford Dictionary, telescope。An optical instrument designed to make distant objects appear nearer, containing an arrangement of lenses, or of curved mirrors and lenses, by which rays of light are collected and focused and the resulting image magnified.
  2. ^ 百科ひゃっか事典じてんマイペディア「ガリレオ望遠鏡ぼうえんきょう
  3. ^ かがみとう印刷いんさつされた星図せいずに、時刻じこく日付ひづけわせると、てん子午線しごせんじょうにある天体てんたいつけやすくするための、簡易かんい星座せいざ早見はやみばん
  4. ^ 国内こくないでのおも初心者しょしんしゃけの、しき望遠鏡ぼうえんきょう製造せいぞう販売はんばいしている企業きぎょうには以下いかのようなものがある。
    • オルビィス株式会社かぶしきがいしゃ望遠鏡ぼうえんきょう工作こうさくキット「コルキット」。屈折くっせつしき天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう反射はんしゃしき天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう以前いぜんキング商会しょうかいとして事業じぎょういとなんでいたころからの製品せいひんで、口径こうけいは5cmの屈折くっせつしきと10cmの反射はんしゃしきのキットからなる。解説かいせつしょ添付てんぷされているので、小学校しょうがっこう高学年こうがくねん以上いじょうひとにはてられるはずということで、1970年代ねんだいには雑誌ざっし子供こども科学かがく』などでも紹介しょうかいされていた。
    • 学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃかん、『大人おとな科学かがくマガジン』:Vol.11およびVol.19が天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう
    • ほし手帖てちょうしゃ世界せかい天文てんもんねん日本にっぽん委員いいんかい共同きょうどう開発かいはつしたケプラーしき屈折くっせつ天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう。15ばいと35ばいの2種類しゅるい団体だんたい販売はんばいおも目的もくてきにしている。最大さいだい目的もくてきは、途上とじょうこくなどで理科りか教育きょういく支援しえんなどをおこな青年せいねん海外かいがい協力きょうりょくたい国内こくない科学かがくかんおこな天体てんたい教室きょうしつけの製品せいひんである。
  5. ^ なお、ヨハネス・ケプラーの『屈折くっせつ光学こうがく』(1611ねん)にもデラ・ポルタが20ねんまえ望遠鏡ぼうえんきょう発明はつめいしたと記述きじゅつされている
  6. ^ 齋藤さいとう隆一りゅういち望遠鏡ぼうえんきょうは1537ねんにあったか」(参考さんこう文献ぶんけん 斉田さいだひろし望遠鏡ぼうえんきょう発明はつめい前後ぜんこう」『ほし手帖てちょう』(1982ねんふゆごう かわしゅ書房しょぼうしんしゃ季刊きかん邪馬台国やまたいこく1993ねんあきごう52ごう あずさ書院しょいん p200-
  7. ^ 齋藤さいとう隆一りゅういち望遠鏡ぼうえんきょうは1537ねんにあったか」(参考さんこう文献ぶんけん 斉田さいだひろし望遠鏡ぼうえんきょう発明はつめい前後ぜんこう」『ほし手帖てちょう』(1982ねんふゆごう かわしゅ書房しょぼうしんしゃ季刊きかん邪馬台国やまたいこく』1993ねんあきごう52ごう あずさ書院しょいん p200-

参考さんこう文献ぶんけん

関連かんれん項目こうもく

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