セディーユ

¸
セディーユ
ダイアクリティカルマーク
アキュート	´
ダブルアキュート	˝
グレイヴ	`
ダブルグレイヴ	̏
ブレーヴェ	˘
倒置とうちブレーヴェ	̑
ハーチェク	ˇ
セディーユ	¸
サーカムフレックス	ˆ
トレマ / ウムラウト	¨
チルダ	˜
ドット符号ふごう	˙
フック	̡
フック符号ふごう	̉
ホーン符号ふごう	̛
マクロン	¯
オゴネク	˛
リング符号ふごう	˚
ストローク符号ふごう	̸
コンマアバブ	ʻ
コンマビロー	,
無む気き記号きごう	᾿
非ひラテン文字もじ
シャクル
シャッダ	ّ‎
ハムザ	ء‎
キリル文字もじ
ティトロ	҃
ヘブライ文字もじ
ニクダー	ִ‎
ブラーフミー系けい文字もじ
アヌスヴァーラ	ं‎
ヴィラーマ	्‎
日本語にほんご
濁点だくてん	゛
半はん濁点だくてん	゜
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セディーユ（仏ふつ: Cédille）（¸、◌̧）は、ラテン文字もじを用もちいるいくつかの言語げんごで c などの特定とくていの文字もじの下部かぶに付加ふかされる区分くぶん符号ふごうの一種いっしゅ。

フランス語ふらんすごのセディーユのほか、ポルトガル語ごのセディリャ（Cedilha）、英語えいごのセディラ（Cedilla）などの呼よび方かたも用もちいられる。

JIS X 0213における日本語にほんご名称めいしょうはセディラ。

概要がいよう

中世ちゅうせいスペイン語ごで、ラテン語らてんごの ce や ci がケ・キの発音はつおんからツェ・ツィの発音はつおんに移行いこうしたことで、元もとのラテン語らてんごにない [ts] という子音しいんが生うまれた。この子音しいんが a・o・u という母音ぼいんと結むすびついてツァ・ツォ・ツの発音はつおんになる場合ばあいを記述きじゅつするための文字もじçが考案こうあんされ、その後ごフランス語ふらんすご・ポルトガル語ご・カタルーニャ語ごなど周辺しゅうへんの言語げんごでも使つかわれるようになった。スペイン語ごにおけるZの指ゆび小しょう語ご「Zedilla→（綴字ていじ法則ほうそくにより）Cedilla」、すなわち「小ちいさいƷ（Z）」にちなみ「セディーユ」と呼よばれる。

スペイン語ごではその後ご、もともとザ行ぎょう [dz] の発音はつおんだった z がツァ行ぎょうの発音はつおんに、そしてその後ご英語えいごの th に似にた発音はつおん（を経へてアンダルシアや中南米ちゅうなんべいでは s と同おなじ発音はつおん）に変化へんかしたためにセディーユが不要ふようとなり、昔むかしはセディーユで記しるされていた単語たんごが現在げんざいでは z を使つかって記述きじゅつされるようになったが、フランス語ふらんすご・ポルトガル語ごおよびカタルーニャ語ごではこの文字もじが現在げんざいでも使つかわれ続つづけている。

セディーユに似にた記号きごう

ポーランド語ごなどに使つかわれるオゴネクは、よく似にているが別べつの記号きごうである。

ルーマニア語ごでは s および t に、セディーユではなく下した付つきのコンマ（コンマビロー）を付加ふかした文字もじ（Ș, Ț）を用もちいる。ただし、フォントによってはセディーユをコンマビローのようにデザインすることがあり（その逆ぎゃくも）、その場合ばあいは外見がいけん上じょう区別くべつがつかない。セディーユつきの字じで代用だいようされることが今いまもよくある。

詳細しょうさいは「コンマビロー」を参照さんしょう

各かく言語げんごにおける用法ようほう

ラテン・アルファベット

フランス語ふらんすご、ポルトガル語ご、カタルーニャ語ご: ç を用もちいる。これらの言語げんごの正書法せいしょほうでは、c は e や i の前まえ以外いがいでは [k] と読よまれるため、[s] で発音はつおんされることを示しめすために用もちいられる。; フランス語ふらんすごの例れい: France 「フランス」に対たいして français 「フランス語ふらんすご」、François 「フランソワ」（人名じんめい）
トルコ語ご、アゼルバイジャン語ご、トルクメン語ご、タタール語ご: ç, ş を用もちいる。それぞれ [tʃ], [ʃ] を表あらわす。
アルバニア語ご: ç を用もちいる。[tʃ] を表あらわす。
ラトビア語ご、ラトガリア語ご: ģ, ķ, ļ, ņ を用もちいる。それぞれ口蓋こうがい化かした [ɟ], [c], [ʎ], [ɲ] を表あらわす。通常つうじょうは下したつきのコンマのように見みえる。古ふるい正書法せいしょほうでは ŗ も使つかっていた。
リヴォニア語ご: ḑ, ţ, ļ, ņ, ŗ を用もちいる。それぞれ口蓋こうがい化かした [ɟ], [c], [ʎ], [ɲ], [rʲ] を表あらわす。
マーシャル語ご: ļ, m̧, ņ, o̧ を用もちいる。ļ, m̧, ņ はそれぞれ軟口蓋なんこうがい化かした [lˠ], [mˠ], [nˠ] を表あらわす。o̧ は [ɒ] を表あらわす。

ほかに、クルド語ごのハワル式しきラテン文字もじ表記ひょうきでは ç, ş を使用しようする。また、カメルーン諸しょ言語げんごの汎用はんようアルファベット(en)では、母はは音字おんじの下したにセディーユを置おくことで鼻はな母音ぼいんを表あらわす。

キリル・アルファベット

チュヴァシュ語ご: ҫ を使用しようする。[ɕ] を表あらわす。
バシキール語ご: ҙ, ҫ を使用しようする。それぞれ [ð], [θしーた] を表あらわす。

音声おんせい記号きごう

国際こくさい音標文字おんひょうもじでは、[ç] を無声むせい硬かた口蓋こうがい摩擦音まさつおん^[1]の記号きごうとして用もちいている。セディーユを単独たんどくの補助ほじょ記号きごうとして用もちいることはない。

符号ふごう位置いち

記号きごう	Unicode	JIS X 0213	文字もじ参照さんしょう	名称めいしょう
¸	`U+00B8`	`1-9-15`	`¸` `¸` `¸`	セディラ CEDILLA
̧	`U+0327`	`-`	`̧` `̧`	COMBINING CEDILLA

大文字おおもじ	Unicode	JIS X 0213	文字もじ参照さんしょう	小文字こもんじ	Unicode	JIS X 0213	文字もじ参照さんしょう	備考びこう
Ç	`U+00C7`	`1-9-30`	`Ç` `Ç` `Ç`	ç	`U+00E7`	`1-9-61`	`ç` `ç` `ç`	フランス語ふらんすご、トルコ語ごなど
Ḉ	`U+1E08`	`-`	`Ḉ` `Ḉ`	ḉ	`U+1E09`	`-`	`ḉ` `ḉ`
Ḑ	`U+1E10`	`-`	`Ḑ` `Ḑ`	ḑ	`U+1E11`	`-`	`ḑ` `ḑ`	リヴォニア語ご^[2]
Ȩ	`U+0228`	`-`	`Ȩ` `Ȩ`	ȩ	`U+0229`	`-`	`ȩ` `ȩ`
Ḝ	`U+1E1C`	`-`	`Ḝ` `Ḝ`	ḝ	`U+1E1D`	`-`	`ḝ` `ḝ`
Ģ	`U+0122`	`-`	`Ģ` `Ģ`	ģ	`U+0123`	`-`	`ģ` `ģ`	ラトビア語ご^[2] 小文字こもじのgには回転かいてんしたコンマを上部じょうぶに配置はいちする（上うえ付つき逆ぎゃくコンマ）
Ḩ	`U+1E28`	`-`	`Ḩ` `Ḩ`	ḩ	`U+1E29`	`-`	`ḩ` `ḩ`
Ķ	`U+0136`	`-`	`Ķ` `Ķ`	ķ	`U+0137`	`-`	`ķ` `ķ`	ラトビア語ご^[2]
Ļ	`U+013B`	`-`	`Ļ` `Ļ`	ļ	`U+013C`	`-`	`ļ` `ļ`	ラトビア語ご^[2]
Ņ	`U+0145`	`-`	`Ņ` `Ņ`	ņ	`U+0146`	`-`	`ņ` `ņ`	ラトビア語ご^[2]
Ŗ	`U+0156`	`-`	`Ŗ` `Ŗ`	ŗ	`U+0157`	`-`	`ŗ` `ŗ`	リヴォニア語ご^[2]
Ş	`U+015E`	`1-10-7`	`Ş` `Ş`	ş	`U+015F`	`1-10-19`	`ş` `ş`	トルコ語ごなど^[2]
Ţ	`U+0162`	`1-10-39`	`Ţ` `Ţ`	ţ	`U+0163`	`1-10-55`	`ţ` `ţ`	ルーマニア語ご、セム語ご派は諸語しょごのラテン文字もじ転写てんしゃ^[2]

脚注きゃくちゅう

^ 日本語にほんごにおいては「ひ」など、「ひゃ行ゆき」に含ふくまれる子音しいん。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h Unicode Standard 5.2 - ラテン文字もじ拡張かくちょうA (PDF) 、2010年ねん8月がつ27日にち閲覧えつらん

[Voiceless_palatal_fricative-1] 日本語にほんごにおいては「ひ」など、「ひゃ行ゆき」に含ふくまれる子音しいん。

[lea-2] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h Unicode Standard 5.2 - ラテン文字もじ拡張かくちょうA (PDF) 、2010年ねん8月がつ27日にち閲覧えつらん

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