せんだご汁じる

せんだご汁じるは熊本くまもと県けん天草あまくさ地方ちほうの郷土きょうど料理りょうり。通常つうじょう、小麦粉こむぎこなどから作つくられるだんごの代かわりに、サツマイモのデンプンで作つくっただんごを使つかっただんご汁じるである。

「だご汁じる」は熊本くまもと県けんにおける「だんご汁じる」の呼よび名なである。「せん」は漢字かんじでは「洗あらい」の意味いみであり、すりつぶしたサツマイモを洗あらってデンプンからだんごを作つくることを意味いみする。ボウルに水みずを張はり、その中なかでサツマイモをすり下おろすとデンプンが沈しずむ。そのデンプンとすり下おろした際さいに残のこった繊維せんいを混まぜてだんご（だご）を作つくって具ぐ材ざいとする。こうして作つくった「せんだご」は汁しるにされる他ほかにも、茹ゆでてきな粉こをまぶしておやつとしても食しょくされる。

天草てんぐさは、山やまが海岸かいがんに迫せまり平地ひらちが少すくないため、棚田たなだが多おおく米べいの生産せいさん量りょうが少すくない地域ちいきであった。そのため主食しゅしょく代かわりにサツマイモ（天草てんぐさでは「からいも」と呼よぶ）がさまざまな料理りょうりに使用しようされている。

天草てんぐさでも一部いちぶの地域ちいきでは、サツマイモではなくジャガイモを使つかったせんだご汁じるを食くえしている。

発祥はっしょうについては、1600年ねん頃ころにこの地ちに来きた宣教師せんきょうしが孤児こじたちに食たべさせたのが始はじまりという説せつもある。