アカディ半島はんとう

アカディ半島はんとうはニューブランズウィック州しゅう北東ほくとう部ぶに位置いちする

アカディ半島はんとう（アカディはんとう、仏ふつ: Péninsule acadienne、フランス語ふらんすご発音はつおん: [pe.nẽ.sʏl.a.ka.djɛn]、英えい: Acadian Peninsula、旧称きゅうしょうバ＝デュ＝コンテ）は、カナダのニューブランズウィック州しゅうの北東ほくとう端はしに位置いちする地域ちいき。北きたはシャルール湾わんに囲かこまれ、東ひがしはセントローレンス湾わんに隣接りんせつしている。半島はんとうの住民じゅうみんのほとんどがアカディ人じんであることに因ちなんで、アカディ半島はんとうという名称めいしょうがついた。半島はんとうの範囲はんいはグロセスター郡ぐん東部とうぶとノーサンバーランド郡ぐんの北東ほくとう端はしを占しめる。

アカディ半島はんとうは、十じゅう千せん年ねん前まえに古こアメリカ人じんが渡わたり、三さん千せん年ねん前まえにミクマクが定住ていじゅうしはじめた。11世紀せいきにバイキングが上陸じょうりくしたという説せつもあり、18世紀せいきからヨーロッパ人じんが初はじめて居きょを構かまえた。半島はんとうは1534年ねんにジャック・カルティエによって調査ちょうさされ、1604年ねんからフランスの植民しょくみん地ち、アカディの一部いちぶになった。18世紀せいき初頭しょとう、半島はんとうに初はじめて永住えいじゅうするヨーロッパ人じんはガブリエル・ジロー、のちにカラケットを創設そうせつする者ものである。18世紀せいき中葉ちゅうようでは、アカディ人じんは国外こくがい追放ついほうから逃のがれ、1757年ねんから半島はんとうに避難ひなんしたが、1761年ねんのロデリック・マッケンジーの襲撃しゅうげきで再ふたたび国外こくがい追放ついほうされた。18世紀せいき後半こうはんで漁業ぎょぎょうに基もとづいた経済けいざいが発展はってんし、アングロ＝ノルマン少数しょうすう派はによって支配しはいされる。19世紀せいき後半こうはんになると半島はんとうの近代きんだい化かが少すこしずつ進すすみ、1887年ねんのカラケット線せんの建設けんせつは生活せいかつ様式ようしきを根本こんぽん的てきに変革へんかくした。経済けいざいはカナダの連邦れんぽう化か、そして大だい恐慌きょうこうに打撃だげきを受うけた。20世紀せいきでは、最さい貧困ひんこん層そうが生いき残のこることを可能かのうにするために、後背こうはい地ちに村むらが点々てんてんと設立せつりつされる。協同きょうどう組合くみあい運動うんどう、文化ぶんか生活せいかつ、そして20世紀せいき後半こうはんに観光かんこうが発展はってんする。1980年代ねんだいから2000年代ねんだい初頭しょとうにかけて、アカディ半島はんとうはいくつかの経済けいざい問題もんだいに苦労くろうする。しかし、2009年ねんにはアカディ世界せかい会議かいぎが開催かいさいされ、それ以来いらい、複数ふくすうの都市としでは経済けいざいと人口じんこうの成長せいちょうが見みられる。

地理ちり

アカディ半島はんとうは、州しゅうの北東ほくとう端はしで大おおまかに三角形さんかっけいを形成けいせいしている。半島はんとうには、グロスター郡ぐんの東部とうぶとノーサンバーランド郡ぐんの北東ほくとう端はし、つまりグラン＝ダンスとオーク・ポイント＝バーティボグ・ブリッジの北きた、西にしにノートル＝ダム＝デ＝ゼラブルまで広ひろがる。南部なんぶのネグアック地域ちいきは、行政ぎょうせい上じょうおよび経済けいざい上じょうの理由りゆうから必かならずしも境界きょうかいに含ふくまれているわけではない。西部せいぶは、すなわち岬みさき地域ちいきとアラルヴィルやサン＝ソーヴールの村むらは時々ときどき、地理ちり的てきにアカディ半島はんとうに含ふくまれているが、一方いっぽうで、歴史れきし的てきかつ経済けいざい的てきにシャルール地域ちいきに当あてはまる。アカディ半島はんとうは、西側にしがわのシャルール地域ちいきと南側みなみがわのミラミシ川がわの渓谷けいこくに接せっする。面積めんせきは約やく2000㎞²。

アカディ半島はんとうにはカラケット、シパガン、トラカディという三みっつの主要しゅよう都市としがある。それらは三角形さんかっけいを形成けいせいしており、その中央ちゅうおうにポクムッシュがある。

地形ちけい

グラン＝タンスとカラケット島とうの間あいだの北きたの海岸かいがんは、わずかに傾斜けいしゃした低地ていちで、グラン＝タンスの30m程ほどそそり立たつ崖がけのおかげで、湾わんのほぼ全体ぜんたいを遮さえぎるものなく俯瞰ふかんすることができ、そのふもとに砂浜すなはまが広ひろがる。南みなみには、5㎞を超こえる湿地しっち帯たいと低地ていちにカラケット川かわの谷たにがそびえる。カラケット島とうとバーティボグ川がわの間あいだの海岸かいがん線せんの一部いちぶは、長ながい砂丘さきゅう、砂浜すなはま、潟かた湖こ（せきこ）、湾わんで結むすばれており、河口かこうでのみ遮さえぎられている。しかし、もう一いち面めんの崖がけはラメック島とうの東ひがしとサン＝シモン湾わんにそびえ、その崖がけは泥炭でいたんで形成けいせいされている特殊とくしゅ性せいを持もつ。地域ちいきの西側にしがわはより険けわしく、最高さいこう点てんはアルンウィック教区きょうくの北西ほくせい端はしにある高原こうげんで、高度こうど120mを超こえる。他たに名高なだかいピークは、ビュット・ア・モリソン（92m）とビュット・ドール（90m）。ポクムッシュ川がわやタビュサンタック川がわのように、いくつかの川かわは峡谷きょうこくに囲かこまれている。

半島はんとうに複数ふくすうの島嶼とうしょがあり、カラケット島とう、メゾネット半島はんとう、フォワン島とう、フォックスデン島でんしま、ラメック島とう、ミスクー島とう、マンロー島とう、ポケシュディ島とう、ポケシュディ小島こじま、ポルタージュ島とう、サーブル島とう。タビュサンタックとネグアックの砂浜すなはまは、砂州さすによって形成けいせいされた群島ぐんとうである。ミスクー島とう、フォックスデン島でんしま、ラメック島とうがアカディ群島ぐんとうを形成けいせいしている。いくつかの川かわには小嶋こじまがある。

河川かせんは一般いっぱん的てきに広ひろく、広大こうだいな泥炭でいたん地ちまたは湖みずうみを源みなもととし、分水嶺ぶんすいれいは東ひがしに流ながれる。一部いちぶの川かわは急きゅう勾配こうばいの嶮岨けんそを有ゆうするが、ほとんどが蛇行だこうしており低速ていそくである。名なだたる河川かせんは、北きたから南みなみに挙あげると、ノール川がわ、カラケット川かわ、サン＝シモン川がわ、ポクムッシュ川がわ、小しょうトラカディ川がわ、大だいトラカディ川がわ、タビュサンタック川がわ、バーント・チャーチ川がわ、バーティボグ川がわ。

湖みずうみは少すくなく、小ちいさくて浅あさい。主おもに泥炭でいたん地ちに位置いちし、最もっとも重要じゅうような湖みずうみは、ミスクー大だい湖みずうみとグレ湖みずうみ。

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  カラケットの崖がけ
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  ヴァル＝コモーの砂丘さきゅう
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  ヴァル＝ドゥセットの丘おか

地質ちしつ学がく

グラン＝タンス教会きょうかいのように、グラン＝タンスでは現地げんちの岩石がんせきはいくつかの建物たてものの建設けんせつに使用しようされた。

この地域ちいきの下層かそう土どは、主おもに石炭せきたん紀きの後半こうはん（3億おく年ねんから3億おく1100万まん年ねん前まえ）にさかのぼるピクトゥ層そう群ぐんの堆積岩たいせきがんで構成こうせいされている。西部せいぶでは、砂岩さがんは鶯うぐいす色しょく、灰色はいいろ、シャモア色いろ、赤色あかいろをしており、すべて珪質粘土ねんど岩がんと礫つぶて岩がんが挟はさまれている。海岸かいがんでは、灰色はいいろの砂岩さがんは赤あかい砂岩さがんと集あつまり塊かたまりで覆おおわれている。化石かせきはいくつかの場所ばしょで見みられる。ピジョン・ヒルでは、化石かせきは部分ぶぶん的てきに孔雀石くじゃくせきとコネライトで覆おおわれている。輝てる緑みどり岩がんで構成こうせいされるカラケットの堤防ていぼうの範囲はんいは、カラケット島とうからカラケットやパケットヴィルを中心ちゅうしんに、ルイソ・ア・ラ・トルイットという小川おがわまで一直線いっちょくせんに広ひろがる。カラケットと島しまに露出ろしゅつしており、1億おく7800万まん年ねんから2億おく年ねん前まえに形成けいせいされた。

変動へんどう量りょうの石炭せきたんや些いささかな石油せきゆが下層かそう土どにひそむ。かつてグラン＝タンスには広大こうだいな沿岸えんがん採石さいせき場じょうがあり、その石いしは地域ちいきで石臼いしうすを作つくったり教会きょうかいを建たてたりするために使用しようされてきた。教会きょうかいを建たてるために、砂岩さがんはパケットヴィル地域ちいきで採掘さいくつされていた。

石炭せきたん紀き後半こうはんの岩いわは風化ふうかされると酸性さんせいで深ふかい土壌どじょうが形成けいせいしやすい。海岸かいがんでは、下層かそう土どに含ふくまれる集しゅう塊かたまりのせいもあって、土壌どじょうは比較的ひかくてき肥沃ひよくだが、高地こうちではごくわずかだ。一般いっぱん的てきに高地こうちでは、表面ひょうめんの浮うき彫ぼりは浅あさく、岩石がんせきはそれほど多おおくないが、海岸かいがんでは浮うき彫ぼりは浅あさくも激はげしくもあり、場所ばしょによって大おおきく異ことなる。海洋かいよう起源きげんの堆積たいせき物ぶつは、海うみから約やく10㎞まで存在そんざいする。有機ゆうき起源きげんの土壌どじょうは、広大こうだいな泥炭でいたん地ちを含ふくむ平坦へいたんで水みずはけの悪わるい沿岸えんがん地域ちいきで形成けいせいされる。氷河ひょうが起源きげんの大だい規模きぼな堆積たいせき物ぶつが存在そんざいするため、ポクムッシュ川がわの上流じょうりゅうの谷たには最もっとも乾燥かんそうした地域ちいきとなっている。

気候きこう

気候きこうは、アパラチア山脈さんみゃくとその南みなみの湿地しっち帯たいのために乾燥かんそうしており、セントローレンス湾わんのおかげで涼すずしい。樹木じゅもくを傷きずつけることが多おおい、普段ふだんより二に倍ばい強つよい海岸かいがんの風かぜを除のぞけば、半島はんとう全体ぜんたいで気候きこうは似にている。バ＝カラケットとミスクーに気象きしょう観測かんそく所しょがある。

1994年ねんから2006年としにかけてのバ＝カラケットの気象きしょうデータ

月つき	1月がつ	2月がつ	3月がつ	4月がつ	5月	6月がつ	7月がつ	8月がつ	9月	10月	11月	12月	年とし
最低さいてい気温きおん（°C）	-12.6	-12.7	-7.2	-1.3	4.6	10.7	15.0	14.3	10.6	4.7	-0.6	-6.5	1.6
最高さいこう温度おんど（°C）	-5.2	-3.9	0.6	5.8	13.0	19.4	22.0	21.5	17.5	10.7	4.7	-0.6	8.8
平均へいきん気温きおん（°C）	-8.9	-8.6	-3.3	2.5	9.3	15.8	19.4	18.8	14.7	8.3	2.3	-3.6	5.6
降雨こうう量りょう（mm）	31.4	49.3	64.6	63.2	85.5	61.3	71.8	66.8	73.2	95.6	93.9	74.6	900.5

自然しぜん環境かんきょう

半島はんとうは東部とうぶ低地ていちの生態せいたい域いきにあり、東部とうぶ低地ていちは北きたにバサースト、南みなみにサックヴィルと間あいだのより広ひろい範囲はんいに広ひろがる。具体ぐたい的てきには、アカディ半島はんとうはシャルール湾わんとカラケット湾わん一帯いったいのカラケット生態せいたい地区ちくの大だい部分ぶぶんを構成こうせいしており、海岸かいがん線せんを含ふくむ約やく10kmの内陸ないりく部ぶに広ひろがり、タビュサンタック生態せいたい地区ちくはその後ご背せ地ちに位置いちする。

西部せいぶは広大こうだいな森林しんりんに覆おおわれており、アラルヴィルやサン＝ソーヴールの人ひとが住すんでいる地域ちいきが点在てんざいする。他ほかにも小ちいさな森もりがあり、主おもなものはパケットヴィルの北西ほくせいと北東ほくとう、カラケットの南みなみに位置いちする。ほとんどの町村ちょうそんは、森もりで区切くぎられている。東部とうぶは泥炭でいたん湿地しっちと湿地しっち帯たいで構成こうせいされており、その中なかでも最もっとも大おおきなものはテル・ノワール、シパガン平原へいげん、ラメック平原へいげん、ミスクー平原へいげんである。

この地域ちいきの生物せいぶつ多様たよう性せいと希少きしょう種しゅは、タビュサンタック自然しぜん保護ほご区く、ノール川がわとインカーマンの鳥類ちょうるい保護ほご区くの作成さくせいに繋つながっている。ミスクーでは、産業さんぎょうや農業のうぎょうが厳きびしく規制きせいされている。また、東岸とうがんのタビュサンタック自然しぜん保護ほご区く一帯いったいは1993年ねんにラムサール条約じょうやく登録とうろく地ちとなった。

植物しょくぶつ相しょう

海岸かいがんでは、植民しょくみん地ち化かと伐採ばっさいの長ながい歴史れきしにより、広葉樹こうようじゅ、特とくにアメリカハナノキ、アメリカヤマナラシ、ハイイロカンバが優勢ゆうせいである。窪地くぼちやざらざらした土どのある地域ちいきには、クロトウヒとバンクスマツが生息せいそくしている。斜面しゃめんにはアメリカハナノキ、アカトウヒ、ストローブマツ、バルサムモミ、ツガが生息せいそくする。高地こうちでは、酸性さんせいで水みずはけの悪わるい土壌どじょうと火事かじの頻度ひんどが針葉樹しんようじゅの優勢ゆうせいに繋つながる。バルサムモミ、アカトウヒ、ツガ、カナダトウヒは、落葉樹らくようじゅと混まざり合あって斜面しゃめんを占しめる傾向けいこうがあるが、バンクスマツはタビュサンタック川がわ、小しょうトラカディ川がわ、大だいトラカディ川がわ。広葉樹こうようじゅの林はやし分ぶんはまれで、最もっとも急きゅうな斜面しゃめんと尾根おねでのみ成長せいちょうする。通常つうじょう、アメリカヤマナラシ、アメリカシラカンバ、アメリカハナノキからなる。サトウカエデはパケットヴィル周辺しゅうへんの雑木林ぞうきばやしに生育せいいくしており、パケットヴィルの楓かえで畑はたけには樹齢じゅれい200年ねん以上いじょうのがある。ツガは今いまや森もりからほとんど姿すがたを消けした。ニオイヒバとアメリカカラマツは通常つうじょう、水みずはけの悪わるい地域ちいきのクロトウヒの近ちかくで育そだつ。セントローレンスシオン（Symphyotrichum laurentianum）とホウキギク（Aster subulatus）はいたるところに生はえる。後者こうしゃは地域ちいき特有とくゆうの形かたちをしており、かつてはバサーストシオンという固有こゆう種しゅだと見みなされていた。大だいトラカディ川かわには、カナダケシ（Sanguinaria canadensis）やエゾイチヤクソウ（Pyrola minor）などの珍めずらしい植物しょくぶつがいくつかある。シパガンのアメリカニレは数すう世紀せいき前まえにさかのぼる。付近ふきんの海域かいいきにはアマモが多おおく生はえる。

動物どうぶつ相しょう

ミスクー島とうには多おおくの種類しゅるいの渡わたり鳥どりが生息せいそくしており、その中なかで迷鳥もある。最もっとも希少きしょうなのはフエコチドリ（Charadrius melodus）という。タビュサンタック渓谷けいこくはフエコチドリやアジサシ、その他たの海鳥うみどりの重要じゅうような繁殖はんしょく地ちとなっている。タビュサンタック川がわの河口かこう部ぶは、はるか内陸ないりく部ぶにまで入はいり込こんでおり、ミサゴ、オオアオサギ、ハクトウワシ、水鳥みずとりの絶好ぜっこうの場所ばしょである。沿海州えんかいしゅうで最大さいだいのゴイサギの集団しゅうだん繁殖はんしょく地ちがあるのは、インカーマンの近ちかくで、そこで共生きょうせいしているオオアオサギもいる。

沿岸えんがんの塩沼しおぬまには、Lycaena dospassosi、Megisto cymela、メスルリツバメシジミ、Coenonympha nipisiquit等ひとし、数すう種しゅの蝶ちょうが生息せいそくしており、後者こうしゃは絶滅ぜつめつの危機ききに瀕ひんしている。タビュサンタック生態せいたい区くでは、Icaricia saepiolusとBoloria charicleaは西部せいぶの奥おくで見みられる。大だいトラカディ川かわに沿そって無数むすうのオオアメリカギンボシヒョウモンを見みることができる。

セイウチは、19世紀せいき初頭しょとうまでミスクーの西海岸にしかいがんを寄よっていた。

歴史れきし

有史ゆうし以前いぜん

ミクマクの土地とち

古こアメリカ人じんは十じゅう千せん年ねん前まえにカナダ東部とうぶに到着とうちゃくした。主おもに漁業ぎょぎょうやアザラシなどの海獣かいじゅうを狩猟しゅりょうして生活せいかつしていた。赭土しゃどで多おおくの物ものを塗ぬり、墓はかの中なかにこの物質ぶっしつがあったことは、古こアメリカ人じんが精巧せいこうな埋葬まいそう儀式ぎしきを行おこなっていたことを示唆しさしている。古こアメリカ人じんがどこに住すんでいたのかは正確せいかくにはわかっていないが、ポクムッシュ川がわのほとり、大だいトラカディ川がわ、タビュサンタック川がわ、バーント・チャーチで居留きょりゅう地ちの跡形あとかたが発見はっけんされている。

ミクマク族ぞくは約やく3,000年ねん前まえにカナダ西部せいぶから到着とうちゃくした。この民族みんぞくの最もっとも古ふるい居留きょりゅう地ちは、ミラミシ川がわのほとりにあるレッドバンクという村むらである。半島はんとう内ないの主要しゅような川かわ沿ぞいの居留きょりゅう地ちに加くわえ、ミスクー、インカーマン、トラカディ、タビュサンタック、バーント・チャーチにも村むらがあった。ミクマク族ぞくは遊牧民ゆうぼくみんだったが、特定とくていの所々しょしょで定住ていじゅうし、一いち年間ねんかんを通つうじて何なん度どか移動いどうしながら狩猟しゅりょうしていた。農業のうぎょうをしていなかったため、トウモロコシなどの食料しょくりょうを得えるために他たの民族みんぞくとの貿易ぼうえきネットワークを築きずいていた。ミクマク族ぞくはカヌーであちこちを移動いどうし、さまざまな川かわをつなぐ大だい規模きぼな水路すいろ網もうを持もっていた。

ヨーロッパ人じんによる探検たんけん

ガブリエル・ジローが初はじめて居きょを構かまえた場所ばしょ。

最初さいしょに半島はんとうに到着とうちゃくしたヨーロッパの探検たんけん家かは、聖ひじり杯はいを追求ついきゅうする騎士きしだったのか、アイルランドの修道しゅうどう士しだったのか、いくつかの仮説かせつが立たてられている。通説つうせつは、1000年ねん頃ごろにランス・オ・メドーに定住ていじゅうしていたバイキングがこの地域ちいきを訪おとずれたとする。13世紀せいきにはヨーロッパの漁師りょうしたちがこの地域ちいきを頻繁ひんぱんに訪おとずれはじめた。ミラミシ川がわの最初さいしょの探査たんさは、おそらくポルトガル人じんのジョアン・アルヴァレス・ファグンデスによって1520年ねんから1521年ねんの周まわりに行おこなわれた。フランスの探検たんけん家かジャック・カルティエは、1534年ねん7月がつにセントローレンス湾わんの海岸かいがんを探検たんけんし同年どうねんでミスクーに上陸じょうりくする。その後ごシャルール湾わんを探検たんけんするとともに、ミクマク人じんと取引とりひきする記録きろくが残のこっている。1604年ねん、ピエール・デュガ・ド・モンスによるアカディの創立そうりつ後ご、サミュエル・ド・シャンプランは、アカディ半島はんとうを含ふくむフランスの新あたらしい植民しょくみん地ちの海岸かいがんを探索たんさくした。

1619年ねんから、ミスクーに釣つり場ばとカトリック伝道でんどうが設立せつりつされる。アカディ半島はんとうに恒久こうきゅう的てきに住すむ最初さいしょのヨーロッパ人じんは、おそらく18世紀せいきの初はじめに到着とうちゃくしたブルターニュ人じんのガブリエル・ジロー。同人どうじんは1731年頃としごろにカラケットを設立せつりつする。ノルマンディーの4つの漁業ぎょぎょう家族かぞくがカラケットに定住ていじゅうするようになる。

1653年ねん、ニコラ・ドニは半島はんとうを含ふくむカンソ岬みさきとガスペの間あいだの海岸かいがんの漁業ぎょぎょう独占どくせん権けんを与あたえられた。翌年よくねんにはこの領地りょうちの総督そうとくとなり、ブルトン岬みさきに定住ていじゅうしたが、ミスクー、ニピジグイット、ミラミシにも署しょを設置せっちする。数すう回かいの破産はさんを経へて1670年ねんにフランスに戻もどり、息子むすこのリシャール・ドニ・ド・フロンサックに土地とちを託たくした。リシャールはニピジグイットに定住ていじゅうし、1670年代ねんだい後半こうはんにミラミシのサント・クロワ城じょうに転居てんきょする。ミクマク人じんのアンナ・パララベゴと結婚けっこんする。リシャール・ドニは宣教師せんきょうしの司祭しさいを連つれてきて、土地とちを耕作こうさくさせた。彼かれの土地とちには200人にんのフランス人じんが住すんでおり、当時とうじのアカディにしてはかなりの数かずだった。宣教師せんきょうしが残のこることを保証ほしょうするために、1685年ねんにミラミシの土地とちを与あたえた。ドニ・ド・フロンサックは1686年ねんに家いえを売却ばいきゃくし、おそらく現在げんざいのバーント・チャーチと呼よばれるシェナボディッシュに定住ていじゅうし、石造いしづくりの城しろを築きずいたと思おもわれる。1689年ねんに女房にょうぼうのアンナ・パララベゴが亡なくなり、ドニ・ド・フロンサックはケベック市しに引ひっ越こし、フランス人じんのフランソワーズ・カイロテオと再婚さいこんする。もうけた息子むすこルイは1690年ねんに生うまれ、1年ねん後ごにドニ・ド・フロンサックが亡なくなった。ミラミシの財産ざいさんは、おそらく1690年ねんにウィリアム・フィップスのケベック遠征えんせいの際さいに破壊はかいされたものと思おもわれる。マサチューセッツに仕つかえたフランス人じんのダヴィッド・バセも、1691年ねんにミラミシを襲撃しゅうげきした。サント・クロワ城じょうは1698年ねんに完全かんぜんに破壊はかいされた。リシャール・ドニ・ド・フロンサックのメティス（混血こんけつ）の子供こどもたちは相続そうぞくを受うけていないようで、フランスワーズとの間あいだに生うまれたルイが成人せいじんするまで、土地とちは当とうの新妻にいづまが管理かんりするようになる。

ミクマクの衰退すいたい

19世紀せいきのミクマク人じん。

16世紀せいき以降いこう、ミクマク人じんは一般いっぱん的てきに有害ゆうがいとされるヨーロッパ人じんとの接触せっしょくの影響えいきょうを受うけてきた。遊牧民ゆうぼくみんだったミクマク人じんは定住ていじゅう者しゃになる。リシャール・ドニは周囲しゅういのミクマク人じんをシェナボディッシュ（バーント・チャーチ）に定住ていじゅうさせるように誘さそったが、それは、宣教師せんきょうしが彼かれらの定住ていじゅう化かがキリスト教化きょうかを促進そくしんすると考かんがえたからである。毛皮けがわ貿易ぼうえきにより、ミクマク人じんが銅どう鍋なべなどの有用ゆうような道具どうぐを得えることができたが、ますますヨーロッパの技術ぎじゅつに依存いぞんするようになり、さらには農業のうぎょうなどで食生活しょくせいかつが豹変ひょうへんする。1685年ねんから1688年ねんにかけて、チューリ神父しんぷを中心ちゅうしんとした最初さいしょのトウモロコシの栽培さいばいがミラミシで行おこなわれた。17世紀せいき前半ぜんはんには早はやくもイエズス会かいは、ヨーロッパの商人しょうにんが販売はんばいしていたアルコールの弊害へいがいに気きづいた。他たのアメリカ先住民せんじゅうみんと同様どうように、ミクマク人じんもヨーロッパ人じんの感染かんせん病びょうに大おおきく苦くるしんでいた。16世紀せいきには1万まん人にんだった人口じんこうは、17世紀せいきには約やく3000人にんにまで減少げんしょうし、その後ごは再ふたたびゆっくりと増加ぞうかしていった。ワバナキ連盟れんめいはフランスと同盟どうめいを結むすんだため、ミクマク族ぞくは他たのアルゴンキン族ぞくと一緒いっしょにイギリスと対峙たいじしなければならなかった。このようにして、ミクマク人じんはニューイングランドへの攻撃こうげきや1697年ねんのセントジョンでの闘争とうそうに参加さんかしていた。1713年ねんにイギリスがアカディを支配しはいするようになってから、イギリス人じんはミクマク人じんを絶滅ぜつめつ寸前すんぜんに追おい込こむほど攻撃こうげきが相次あいついだ。

バーント・チャーチ、ポクムッシュ、タビュサンタックの保護ほご区くは、1802年ねんにミクマク人じんに付与ふよされた。

アカディ人じんの到来とうらい

1754年ねんのアカディ

アカディ半島はんとうは1757年ねん、国外こくがい追放ついほうからの難民なんみんがカラケット、シパガン、ネグアックに定住ていじゅうしたため、移民いみんの膨大ぼうだいな第だい一波いっぱを受うけた。1758年ねんにガスペのアカディ人じんとノルマン人じんの難民なんみんによって設立せつりつされた町まち、プティ＝ロシェからイギリス人じんとの通商つうしょう破壊はかいが組織そしきされた。1760年ねん7月がつ、レスティグッシュの戦たたかいが行おこなわれ、フランスはイギリスにシャルール地域ちいきの支配しはいを完全かんぜんに奪うばわれた。プティ＝ロシェは破壊はかいされ、その住民じゅうみんは避難ひなんし、フランス人じんのほとんどはフランスに戻もどったが、一部いちぶの民間みんかん人じんは取とり締しまりを続つづけた。ノルマン人じん47人にんの乗組のりくみ員いんの私わたし掠かすめ船せんを抱かかえるサン＝シモン大尉たいいは、1760年ねん10月にイギリスのフリゲートから逃のがれるためにサン＝シモン湾わんに避難ひなんした。サン＝シモンは1761年ねんにフランスに戻もどり、数すう人にんの乗組のりくみ員いんがカラケットとシパガンの人口じんこうを増ふやし、1762年ねんにサン＝シモン村むらを設立せつりつした。1761年ねん夏なつ、ピエール・デュ・カルベはマレー総督そうとくの依頼いらいを受うけシャルール湾わんの国勢調査こくせいちょうさを行おこなった。この国勢調査こくせいちょうさの後のち、通商つうしょう破壊はかいの報復ほうふくとして、ポクムッシュの酋長しゅうちょうエティエンヌ・エッシュボックに導みちびかれたロデリック・マッケンジーは、1761年ねん10月がつにアカディ人じんに対たいする襲撃しゅうげきを組織そしきした。マッケンジーはニピジグイットの住民じゅうみんを捕とらえた後のち、ガブリエル・ジローの息子むすこジャン・バティストと取とり決きめをして、カラケットから20人にんだけの捕虜ほりょを連つれて行いった。その後ご、彼かれはシパガンでほとんどの住人じゅうにんを捕とらえたが、船ふねのスペースがなかったため、ミスクーで捕虜ほりょの一部いちぶを放棄ほうきせざるを得えなくなり、その捕虜ほりょをミクマク人じんの監督かんとく下かに置おいた。マッケンジーはその後ご、ネグアックに行いったが、森もりの中なかに隠かくれていたアカディ人じんを見みつけられなかった。この襲撃しゅうげきを逃のがれたアカディ人じんたちは、ボナヴァンテュールやミスクーなどのシャルール湾わんの他ほかの場所ばしょに避難ひなんした。

レモン・ブルダージュは1762年ねんにカラケットに漁場ぎょじょうを設立せつりつした。ノルマン人じんの漁師りょうしが何人なんにんか定住ていじゅうしていた。1763年ねん、イギリスはパリ条約じょうやくに調印ちょういんして公式こうしきな立場たちばでアカディを総そうじて領りょう知ちする。その後ご、1763年ねんの王室おうしつ宣言せんげんにより、アカディ人じんは村むらに戻もどることを許ゆるされた。1766年ねん、アングロ＝ノルマン人じんのシャルル・ロバンは他たの商人しょうにんたちと力ちからを合あわせてタラの漁業ぎょぎょうを発展はってんさせた。アメリカ独立どくりつ戦争せんそう中なかの1776年ねんには、私わたし掠かすめ船せんがブルダージュやロバンの施設しせつを含ふくむイギリス領りょうの所有しょゆう物件ぶっけんを攻撃こうげきした。1779年ねん、マサチューセッツ連隊れんたいのジョン・アラン大佐たいさはイギリスに対抗たいこうしてミクマク人じんを引ひき上あげた。カラケット港みなとを攻撃こうげきし、7月がつにはミラミシ川がわでの戦闘せんとうに参加さんかしたが、ヴァイパー号ごうに捕とらえられ、ケベック市しで投獄とうごくされた。9月22日にち、ポクムッシュ、ミラミシ、レスティグーシュのミクマクを代表だいひょうして、ジョン・ジュリアン酋長しゅうちょうとマイケル・フランクリンとの間あいだで平和へいわ条約じょうやくが調印ちょういんされた。シャルル・ロバンは1783年ねんに活動かつどうを再開さいかいし、カラケットに重要じゅうような漁場ぎょじょうを設立せつりつした。当時とうじの家族かぞくは、内陸ないりくの奥おくの全天候ぜんてんこう型がたの家いえに住すみ、多おおくの家族かぞくは海沿うみぞいに漁りょう小屋こやを建たてていた。メゾネット（小家おいえ）という村むらはこれに因ちなんで名付なづけられた。

1768年ねんにはカトリックの宣教師せんきょうしが再ふたたび訪おとずれるようになった。最初さいしょの礼拝れいはい堂どうは1791年ねんにサント＝アンヌ＝ドゥ＝ボカージュに建たてられた。

国外こくがい追放ついほうの後のち、メムラムクックはアカディの主要しゅような村むらになり、その住民じゅうみんは他たのいくつかの町村ちょうそんを設立せつりつした。トラカディは1785年ねんにミシェル・バスタラッシュとジョゼフ・ソーニエによって設立せつりつされた。ロデリックマッケンジー襲撃しゅうげきからの難民なんみんは1790年ねんにラメックを設立せつりつした。デュゲ家かとマイエ家かの家族かぞくには、ロビショ家かが加くわわり、1791年ねんにシパガンを設立せつりつした。ポクムッシュ川がわの谷たには、1797年ねんからインカーマンに定住ていじゅうしたイジドール・ロビショによって植民しょくみん地ち化かされた。ポクムッシュは1812年ねんにギルバート・デュークとジョン・トフェムによって設立せつりつされた。半島はんとうの最さい北西ほくせい部ぶは混雑こんざつしておらず、高たかい崖がけが海うみからのアクセスを困難こんなんにしていた。アレクシ・ランドリーの孫まごであるシモン・ランドリーは、1808年ねんにグラン＝タンスを設立せつりつし、その後ご、テリオ家かは1819年ねんに移住いじゅうしてアンス＝ブルーを設立せつりつした。岬みさき地域ちいきは、その後ごの数すう年間ねんかんに、グラン＝タンスからのイギリス人じん移民いみんとアカディ人じんが段々だんだんと住すみ始はじめた。

アカディ・ルネサンス（1840-1880）

ケネディ・F・バーンズ

最初さいしょのカトリック教会きょうかいは1843年ねんにネグアックで建たてられた。

トラカディのハンセン病はんせんびょう療養りょうよう所しょは1849年ねんに設立せつりつされ、1965年ねんまでカナダ東部とうぶのすべてのハンセン病はんせんびょう患者かんじゃを治療ちりょうしていた。

カナダ連邦れんぽうの設立せつりつは、沿海州えんかいしゅうの経済けいざいに大おおきな影響えいきょうを与あたえた。パケットヴィルは1866年ねんに農業のうぎょう村むらとして設立せつりつされた。バーンズヴィルは1874年ねんにケネディ・フランシス・バーンズによって伐採ばっさいのために設立せつりつされた。パケットヴィルの南みなみに位置いちするサン＝ティジドールは1876年ねんにガニオン神父しんぷによって設立せつりつされ、パケットヴィルとグラン＝タンスの間あいだに位置いちするサン＝レオランは1878年ねんに設立せつりつされた。

英国えいこく北きたアメリカ法ほうは、モントリオールから大西おおにし洋ひろしまでのインターコロニアル鉄道てつどうの建設けんせつを規定きていした。エンジニアのサンフォード・フレミングがポケシュディに終点しゅうてんを建設けんせつするという提案ていあんをしたにもかかわらず、1868年ねんに作業さぎょうが開始かいしされたとき、ルートはハリファックスに迂回うかいした。ケネディ・F・バーンズが議長ぎちょうを務つとめる、バサーストに本拠ほんきょを置おくカラケット鉄道てつどう会社かいしゃは、1887年ねんにより控ひかえめな鉄道てつどうの建設けんせつを始はじめる。バーンズは自分じぶんの工場こうじょうに利益りえきをもたらすために初はじめてのルートをバーンズヴィルに迂回うかいさせ、その後ご、選挙せんきょ上じょうの理由りゆうで終点しゅうてんをポケシュディからシパガンに移うつした。

1月がつ27日にちの射撃しゃげき。

1871年ねん、州しゅう政府せいふは共通きょうつう校こう法ほうを可決かけつし、学費がくひは改善かいぜんされたが、フランス語ふらんすごを教おしえることが難むずかしくなり、宗教しゅうきょう教育きょういくに終止符しゅうしふが打うたれた。州しゅうのアイルランド人じん、数すう人にんの国会こっかい議員ぎいん、聖職せいしょく者しゃに支ささえられ、住民じゅうみんは抗議こうぎし、カトリック学校がっこうの存続そんぞくを要求ようきゅうした。この危機ききは、州しゅう・連邦れんぽう議会ぎかいの複数ふくすうの議員ぎいんの敗北はいぼくを引ひき起おこし、ジョン・A・マクドナルド政権せいけんを弱体じゃくたい化かさせ、マクドナルド政権せいけんの没落ぼつらくに貢献こうけんした。同どう時期じき、カラケットの漁師りょうしたちは、特定とくていの店みせでしか交換こうかんできないトークンで支払しはらう企業きぎょうのせいで、非常ひじょうに困窮こんきゅうしていた。企業きぎょうは漁師りょうしが生いき延のびるための量りょうを与あたえていただけで、十分じゅうぶんな量りょうを与あたえていなかった。漁業ぎょぎょう者しゃの経済けいざい状況じょうきょうも加くわえ、法律ほうりつによる不満ふまんが一部いちぶの住民じゅうみんの間あいだで反乱はんらんを起おこした。これはルイ・マイウ事件じけん、カラケットで2週間しゅうかんの暴動ぼうどうにまで発展はってんすることになる。警察けいさつは民兵みんぺいとカナダ軍ぐんの協力きょうりょくを得えて介入かいにゅうした。27日にちの銃撃じゅうげき事件じけんでは、ニューカッスル市しの民兵みんぺい、ジョン・ギフォードとアカディ人じんのルイ・マイウの2人ふたりが死亡しぼうした。

19世紀せいき末まつのアカディ半島はんとうにはまだ医者いしゃがいなかった。そのため、1877年ねんにポクムッシュの教区きょうく司祭しさいとなったスタニスラス＝ジョゼフ・ドゥセットは、ホメオパシーを学まなんだ。40キロ離はなれた人ひとまで治療ちりょうし、通信つうしんで治療ちりょう薬やくを販売はんばいし、「奇跡きせきの男おとこ」の愛称あいしょうで呼よばれるようになった。彼かれの成功せいこうは後のちに新人しんじん医師いしからの批判ひはんを招まねいた。

近代きんだい

サクレ＝クール大学だいがく

サクレ＝クール大学だいがくは1899年ねんにカラケットで設立せつりつされた。1906年ねん、バンク・ドゥ・プップルがアカディで最初さいしょの銀行ぎんこう支店してんを同町どうちょうに開設かいせつ。1915年ねんの火災かさいでサクレ＝クール大学だいがくが焼失しょうしつ。鉄道てつどうの便びんが悪わるかったこともあり、カラケットに代かわって1921年ねんにバサーストで再建さいけんされた。

グロスター郡ぐんは大だい恐慌きょうこうによって大おおきな打撃だげきを受うけた。ノートル＝ダム＝デ＝ゼラブルの農業のうぎょう村むらは、貧まずしい家族かぞくを収容しゅうようするために1939年ねんにパケットヴィルの西にしに設立せつりつされた。設立せつりつは1950年代ねんだいにロッシュヴィルとヴァル＝ドゥセットの集落しゅうらくにまで拡大かくだいした。

1939年ねん、電気でんきは初はじめてカラケットに設備せつびされた。泥炭でいたんの搾取さくしゅは1940年ねんに始はじまった。

漁業ぎょぎょう会社かいしゃ間あいだの競争きょうそうにより、ロバン社しゃの活動かつどうが阻害そがいされ、1958年ねんにカラケットの施設しせつを閉鎖へいさした。

アカディ半島はんとうは、1826年ねんから、首都しゅとがバサーストにあるグロスター郡ぐんのシャルール地域ちいきの自治体じちたいによって管理かんりされていた。シパガンは1948年ねんに市制しせい施行しこうされた。同時どうじに、カラケット商工しょうこう会議かいぎ所しょは町まちの発展はってんに大おおきな役割やくわりを果はたした。1961年ねんに憲法けんぽうを提案ていあんした。ルイ・ロビショの「万まん人にんに機会きかい均等きんとう」計画けいかくの結果けっか、1966年ねんに郡ぐんのコミューンが解散かいさんし、それに代かわる多おおくの地方ちほうサービス地区ちくと自治体じちたいが形成けいせいされた。トラカディは次第しだいに行政ぎょうせいの中心ちゅうしん地ちとなり、半島はんとうの地方ちほう権力けんりょくの均衡きんこう化かが有権者ゆうけんしゃの投票とうひょう率りつを高たかめた。

1960年代ねんだいに州しゅうの経済けいざいに依存いぞんしていた造船ぞうせん業ぎょうは衰退すいたいの一途いっとをたどった。州しゅう政府せいふは経済けいざい再生さいせいのために紡績ぼうせき工場こうじょうを建設けんせつしたが、セントジョン地域ちいきにしか建設けんせつされなかった。半島はんとう出身しゅっしんの人格じんかく者しゃが、政府せいふの説得せっとくに成功せいこうし、地域ちいき内ないのいくつかを開ひらくことができた。こうして、トラカディのサンシャイン・ミルズ、サーテックスとその後ごのメディナ・ミルズ、カラケットのウィンク、ポクムッシュのフィルス・フィン・アトランティックは、多おおくの雇用こようを創出そうしゅつしたが、1億おく2000万まんドル以上いじょうの公的こうてき資金しきんが消費しょうひされた後のち、すべて閉鎖へいさされた。1960年代ねんだい、州しゅう初はつの原子力げんしりょく発電はつでん所しょの建設けんせつが計画けいかくされ、その候補こうほ地ちの一ひとつがアンス＝ブルーだった。住民じゅうみんは建設けんせつに反対はんたいし、代かわりにポワント・ルプローに建設けんせつされた。1960年ねん、ノートル＝ダム＝デ＝ゼラブルはまだ開発かいはつが進すすんでいなかったため、州しゅう政府せいふの政策せいさくにより、ブルーベリーの協同きょうどう組合くみあいが設立せつりつされた。他たに1960年代ねんだいの大おおきな計画けいかくは、ポケシュディの港みなとの建設けんせつであったが、これは中止ちゅうしされ、最終さいしゅう的てきにはベルデューン港こうとなった。同村どうそんに巨大きょだいな製鉄せいてつ所しょも予定よていされたが、最終さいしゅう的てきには建設けんせつされなかった。

1948年ねんに設立せつりつされたシパガン修道院しゅうどういんは、1960年ねんにジェジュ＝マリー大学だいがくとなった。1963年ねんにバサースト大学だいがくに編入へんにゅうされ、その後ごモンクトン大学だいがくに編入へんにゅうされた。

1970年ねん、ミスクー沖おきでレディ・オーデット号ごうは痕跡こんせきを残のこさずに沈没ちんぼつした。同どうシリーズのレディ・ドリアン号ごうは、1年ねん後ごにマドレーヌ諸島しょとう沖おきで沈没ちんぼつし、乗組のりくみ員いんの3人にんが死亡しぼうし、生いき残のこった乗組のりくみ員いんはアポロ3号ごうに救すくわれた。この9人にんの死しは住民じゅうみんを狼狽ろうばいさせ、その後ご、シリーズ3隻せき目めとなるマルク・ギレンヌ号ごうは危険きけん視しされた。やがて連邦れんぽう政府せいふに買収ばいしゅうされ、別べつの船ふね名めいで太平洋たいへいよう岸がんに移転いてんされた。

1972年ねんにシパガンのジェジュ＝マリー大学だいがくの学科がっかが増ふえた。1975年ねんには、ある報告ほうこく書しょが拡張かくちょうを提案ていあんし、別べつの報告ほうこく書しょが閉鎖へいさを提案ていあんした。1975年ねん12月17日にちにフレデリクトンでデモが行おこなわれ、同日どうじつ、立法りっぽう議会ぎかいで法ほう改正かいせいが行おこなわれ、1977年ねんに大学だいがくが改組かいそされ、シパガン大学だいがくセンターが設立せつりつされた。

ポクムッシュ空港くうこうは1978年ねんに開港かいこうした。

1980年代ねんだいにはズワイガニ漁業ぎょぎょうを揺ゆるがす危機ききが何なん度ども起おこり、1992年ねんにはタラ漁りょうのモラトリアムが課かされ、経済けいざいに打撃だげきを与あたえた。

シパガン大学だいがくセンターは、1993年ねんから1995年ねんの間あいだに大幅おおはばな拡張かくちょうが行おこなわれた。

1996年ねんのシパガン港こうでの暴動ぼうどうで警察官けいさつかんが負傷ふしょうした。同年どうねん12月がつ、文部もんぶ大臣だいじんは地方ちほうの学校がっこう数すう校こうの閉鎖へいさを発表はっぴょうした。1997年ねん5月がつには、問題もんだいの村むらの保護ほご者しゃたちが学校がっこう閉鎖へいさを免まぬかれようとデモを行おこなったが、1996年ねんの暴動ぼうどうの反動はんどうからGRCはデモを激はげしく弾圧だんあつし、サン＝ソヴールとサン＝シモンで暴動ぼうどうを起おこした。何なん年ねんものデモ、裁判さいばん、調査ちょうさの後のち、GRCは公おおやけに謝罪しゃざいした。

CCNB-ペナンスール・アカディエンヌ（短期大学たんきだいがく）は2000年ねんにシパガンで設立せつりつされた。

CCNB-ペナンスール・アカディエンヌ。

2003年ねん5月がつ2日にち、カナダの漁業ぎょぎょう・海洋かいよう省しょうは、ズワイガニ漁獲ぎょかく枠わくを変更へんこうしたせいで、従来じゅうらいの漁業ぎょぎょう者しゃに不利益ふりえきを与あたえた。5月3日にち、全国ぜんこく的てきな抗議こうぎ運動うんどうが行おこなわれていたシパガン港こうでは、250人にんが船舶せんぱくや漁具ぎょぐ、建物たてものに放火ほうかする暴動ぼうどうが発生はっせいした。事後じご、ニューブランズウィック州しゅう史上しじょう最大さいだいの犯罪はんざい捜査そうさが行おこなわれた。

ラメックのオテル＝ディウとアンファン＝ジェズュ病院びょういんは2004年ねんに閉鎖へいさされ、シャルール地方ちほう病院びょういんはサービスを拡大かくだいした。これにより、フランス語ふらんすごのサービスの質しつに影響えいきょうを与あたえるとの声こえが上あがり、一連いちれんのデモや法廷ほうてい闘争とうそうが行おこなわれた。法廷ほうていでの敗訴はいそにもかかわらず、2008年ねんまではサービスが徐々じょじょに回復かいふくし、その以降いこう、施設しせつは再ふたたび病院びょういんとなり、サン＝ティジドールに4番目ばんめの地域ちいき保健ほけんセンターが開設かいせつされた。

文化ぶんか

サント＝セシル教会きょうかい。

公共こうきょうの構造こうぞう物ぶつと建物たてもの

カラケットのサン＝ピエール大通おおどおり

アカディ半島はんとうの町村ちょうそんは幹線かんせん道路どうろに沿そって建たてられているため、街道かいどう沿ぞいの町村ちょうそん、線せん状じょう集落しゅうらくとなっている。中心ちゅうしん部ぶには、遠とおくからも見みえるように重要じゅうような道路どうろの角かくにある高たかい教会きょうかいがあり、カラケットのように広場ひろばの前まえにあることもある。港町みなとちょうも港みなとが中心ちゅうしんで、グラン＝タンスは旧きゅう鉄道てつどうの駅えきを中心ちゅうしんに編成へんせいされている。最近さいきんの役所やくしょは、中心ちゅうしん部ぶから離はなれた場所ばしょにあることが多おおい。

アカディ半島はんとうは、都市としのスプロール現象げんしょうの問題もんだいに直面ちょくめんしている。

言語げんご

アカディの旗はた

ミクマクの旗はた

ほとんどの自治体じちたいは95％以上いじょうがフランス語ふらんすごの母語ぼご話者わしゃである。英語えいごが主おもに使つかわれているのは、ミラミシ川がわ流域りゅういきに接せっする半島はんとうの南部なんぶ。主おもな英語えいごの町まちは、タビュサンタック、オーク・ポイント＝バルティボーグ・ブリッジ、ブラントヴィル、ベリーヴィル＝ニュージャージーに限かぎる。さらに、サン＝レオランでは人口じんこうの6%が英語えいごを母語ぼごとしており、ミスクーでは3分ぶんの1は英語えいごを母語ぼごとしている。

バーント・チャーチでは、人口じんこうの約やく41％がミクマク語ごを母語ぼごとし、55％が英語えいごを母語ぼごとしている。住民じゅうみんに高度こうどな英語えいご化かが起おきており、ミクマク語ごを日常にちじょうで使つかう人ひとは約やく16％、英語えいごを使つかう人ひとは77％となっている。

伝統でんとうと民間みんかん伝承でんしょう

アカディ半島はんとうの最もっとも古ふるい伝説でんせつはミクマク族ぞくに由来ゆらいするもので、ミスクー平原へいげんに生息せいそくするメス鬼おにのグーグーなどが挙あげられる。サミュエル・ド・シャンプランは「グーグー」と呼よばれる鬼おにを著作ちょさくで触ふれ、他たの探検たんけん家かはシャルール湾わんから見みえる半島はんとうの端はしにある「ビュット・ドール（黄金おうごんの丘おか）」に言及げんきゅうする等ひとし、地元じもとの伝説でんせつが文献ぶんけんに登場とうじょうしている。他ほかにも、海賊かいぞくの存在そんざいや、悪天候あくてんこうを告つげる幽霊ゆうれい船せんなど、歴史れきし的てきな出来事できごとに由来ゆらいする伝説でんせつもある。ミスクー宝島たからじまは、捕獲ほかくできなかった宝物ほうもつにちなんで名付なづけられたもので、ル・グレや他たの場所ばしょにも同様どうようの伝説でんせつがある。「七なな時じさん」や「踊おどる悪魔あくま」など、多おおくのフランス語ふらんすご圏けんの地域ちいきに共通きょうつうする伝説でんせつがある。

アカディ祝祭日しゅくさいじつは8月がつ15日にちに津々浦々つつうらうらで祝いわわれ、公演こうえん、花火はなび、そして伝統でんとうとして二ふたつの主要しゅようなものは、タンタマールと船舶せんぱくの祝福しゅくふくである。他たの多おおくの祭まつりが開催かいさいされ、アカディの文化ぶんか首都しゅとであるカラケットには十じゅう数すう個この祭まつりがある。サン＝シモンでは、毎年まいとし、「コック祭まつり」の期間きかん中ちゅう、サン＝シモン大尉たいいの到着とうちゃくが再現さいげんされる。

観光かんこう

アカディ半島はんとうには多おおくの観光かんこう名所めいしょがある。ラメック・エコパークでは、この地域ちいきの多様たような自然しぜん環境かんきょうを観察かんさつでき、多おおくの種類しゅるいの鳥とりが生息せいそくし、約やく30種しゅを有ゆうする樹木じゅもく園えんがある。

地域ちいきには、グラン＝タンスの創設そうせつ文化ぶんか博物館はくぶつかん（旧きゅう教皇きょうこう博物館はくぶつかん）、ベルトランのビール博物館はくぶつかん、カラケットの牡蠣かき博物館はくぶつかん、アカディ博物館はくぶつかん、トラカディの歴史れきし博物館はくぶつかんなど、展示てんじは多分たぶんにある。パケットヴィル市庁舎しちょうしゃには歴史れきしホールがある。

管理かんり

自治体じちたい

アカディ半島はんとうには、4つの市し、10個この村むら、3つの先住民せんじゅうみん保護ほご区く、55の地域ちいきサービス地区ちく（DSL）がある。DSLや先住民せんじゅうみん保護ほご区くは、厳密げんみつには自治体じちたいではない。3つの先住民せんじゅうみん保護ほご区くは、エスキヌオビティージュク（Eskɨnuopitijk）の管理かんり下かにある。なお、いくつかの集落しゅうらくで構成こうせいされている自治体じちたいもある。詳くわしくは、グロスター郡ぐんの地名ちめい一覧いちらん、ノーサンバーランド郡ぐんの地名ちめい一覧いちらんをご覧らんください。

政治せいじ動向どうこう

一ひとつの半島はんとう、一ひとつの都市とし

数すう年ねん前まえから、アカディ半島はんとうのすべての自治体じちたいを合併がっぺいして一ひとつの都市としを作つくるというプロジェクトがある。この都市としの推定すいてい人口じんこうは5万まん人にんで、実現じつげんしたら州しゅう内ないで4番目ばんめの規模きぼとなる。州しゅうの選挙せんきょ区くに対応たいおうした4つの行政ぎょうせい区く（カラケット、サントル＝ペナンスール、ラメック＝シパガン＝ミスクー、トラカディ＝シェイラ）が含ふくまれる。すべての町まちや村むらはこれらの地区ちくの区くとなり、町まち役場やくばはポクムッシュに置おかれることになる。その都市としは、ジョゼフ・ブロサールの愛称あいしょうにちなんでボソレイ（Beausoleil）と名付なづけられる。バルナール・ロード元もと首相しゅしょうは、1999年ねんにこの合併がっぺいを支持しじする発言はつげんをした。2002年ねん4月がつ、SANBの地元じもとグループが各かく自治体じちたいの諮問しもん委員いいん会かいに正式せいしきな要請ようせい書しょを送おくったことで、このプロジェクトは再さい浮上ふじょうした。結局けっきょくは実現じつげんしなかったが、その数すうヵ月かげつ後ごに行おこなわれた世論せろん調査ちょうさでは、地域ちいきの住民じゅうみんの大半たいはんが合併がっぺいに賛成さんせいしていることが明あきらかになった。

経済けいざい

第だい一いち次じ産業さんぎょう

農業のうぎょう

半島はんとうでは、農業のうぎょうは決けっして発達はったつしていなかった。土壌どじょうは全般ぜんぱん的てきに貧弱ひんじゃくで、東ひがしの湿地しっち帯たいでは酸性さんせい、西にしでは岩石がんせきが多おおく、ポクムッシュだけが州しゅうの東海岸ひがしかいがんで最高さいこうの土壌どじょうを持もっていた。今いまでも一部いちぶの地域ちいきでは、えん麦ばくと干ほし草くさなどの飼料しりょう作物さくもつを中心ちゅうしんとした混こん農のうが行おこなわれている。ジャガイモはカラケットとネグアックで栽培さいばいされている。半島はんとうの西部せいぶ（パケビル、サン・イシドール地区ちく）とシパガン地区ちくには、いくつかのブルーベリー農場のうじょうがある。西部せいぶには、牛うしの農場のうじょう、楓かえで畑はたけ、大だい麦畑むぎばたけなどもある。クリスマスツリーは西部せいぶとネグアックで栽培さいばいされている。ノートル＝ダム＝デ＝ゼラブルは、カナダで最大さいだいのアドベントリースの生産せいさん地ちである。

漁業ぎょぎょう

ラメックとその港みなと。

半島はんとうには17の港みなとがあり、主おもに漁船ぎょせんとプレジャーボートが利用りようしている。カラケット港こうとシパガン港こうは州しゅうの主要しゅよう2港こう。シパガン港こうにはオフシーズンの係留けいりゅう保管ほかんやカナダ沿岸えんがん警備けいび隊たいの駐屯ちゅうとん地ちがあり、カラケット港みなとには造船ぞうせん所しょがある。

泥炭でいたん

20面めん以上いじょうの泥炭でいたん地ちが商業しょうぎょう的てきに利用りようされており、そのほとんどがシパガン地域ちいきにある。

伐採ばっさい

伐採ばっさいは19世紀せいき初頭しょとうに背景はいけい地ちで始はじまったが、木きの種類しゅるい、泥炭でいたん地ち、火事かじの頻度ひんどなどの理由りゆうから、実際じっさいには発展はってんしなかった。

第だい二に次じ産業さんぎょう

1970年代ねんだい、バ＝カラケット造船ぞうせん所しょは、1970年代ねんだいの海洋かいようリフォーム産業さんぎょうと地元じもと産業さんぎょうの旗艦きかんだった。2009年ねんから5年間ねんかんに渡わたる、1,000万まんドルをかけて施設しせつを改修かいしゅうするプロジェクトが行おこなわれた。しかし、改修かいしゅうが終おえてもオーナーが現あらわれなかったため、2020年ねんの時点じてんでも州しゅう政府せいふは買かい手てを探さがしている。

第だい三さん次じ産業さんぎょう

アカディ信用組合しんようくみあいの連盟れんめい（Fédération des Caisses populaires acadiennes）の本部ほんぶはカラケットにある。2004年ねんにはシパガン信用組合しんようくみあいが連盟れんめいに加盟かめいした。

インフラとサービス

医療いりょう機関きかん

ランファン＝ジェジュ病院びょういん

ラメックのオテル・ディウ病院びょういん、トラカディーシェイラ病院びょういん、カラケットのランファン＝ジェジュ病院びょういんの3つの病院びょういんがある。ミスクー、ネグアック、パケットヴィル、サン＝イジドールには診療しんりょう所しょがあり、カラケット、シパガン、トラカディ、ネグアックには救急きゅうきゅうステーションがある。ただし、バサーストのシャルール地域ちいき病院びょういんとミラミシ地域ちいき病院びょういんではさらなるサービスが提供ていきょうされている。

教育きょういく機関きかん

モンクトン大学だいがくシパガン・キャンパス

すべての主要しゅような村むらにフランス語ふらんすごの小中学校しょうちゅうがっこうと高等こうとう学校がっこうがある。殆ほとんどの自治体じちたいには公立こうりつ図書館としょかんがあり、移動いどう図書館としょかんがすべての町村ちょうそんを提供ていきょうしている。シパガンはCCNB-ペナンスール・アカディエンヌの恩恵おんけいを受うけている。CCNB-ペナンスール・アカディエンヌは、ラメック、カラケット、パケットヴィル、トラカディ、ネグアックにも学習がくしゅうセンターがある。現在げんざい、CCNBと提携ていけいしている漁業ぎょぎょう大学だいがくは、カラケットにある。シパガンにはモンクトン大学だいがくのキャンパスもある。

交通こうつう機関きかん

ミスクー橋きょう

道路どうろ交通こうつう

州しゅう道どう11号線ごうせんは半島はんとうの主要しゅような高速こうそく道路どうろで、南みなみのシェディアック市しと北きたのケベック州しゅうを結むすんでいる。道路どうろアクセスは、州しゅうの他ほかの地域ちいきに比くらべて悪わるい。最もっともアクセスが困難こんなんな地域ちいきはシパガンで、ポクムッシュからの州しゅう道どう113号ごうでしか通かよっていけない。ミスクー島とうは1996年ねんからラメック島とうと、1959年ねんからシパガンと橋はしでつながっている。バ＝カラケットとシパガンの間あいだに提案ていあんされている橋はしは、この地域ちいきの孤立こりつ感かんを大おおきく軽減けいげんできる。

アカディ半島はんとうには公共こうきょう交通こうつう機関きかんがない。町まちにはタクシーやレンタカーのサービスがある。

トラカディや数個すうこの自治体じちたいは、深刻しんこくな交通こうつう渋滞じゅうたいに直面ちょくめんしている。

航空こうくう・鉄道てつどう交通こうつう

アカディ半島はんとうには1994年ねん以来いらい、鉄道てつどうがなくなった。カラケット線せんの再建さいけんが計画けいかくされている。

ポクムッシュ空港くうこうは小型こがた飛行機ひこうきに対応たいおうし、バサースト空港くうこうは西にしにそれほど遠とおくない場所ばしょにあり、定期ていき的てきに民間みんかん航空機こうくうきが利用りようしている。

海上かいじょう・河川かせん交通こうつう

半島はんとうの水路すいろは広ひろいものが多おおいが、今いまでは物資ぶっしの輸送ゆそうには使つかわれていない。大だいトラカディには漁船ぎょせんが通とおれる2つの小ちいさな運河うんががあり、小しょうトラカディ川がわでは観光かんこう用ようの手て漕こぎボートが運航うんこうされている。19世紀せいきには、ポケムーシュ川がわとサン＝シモン湾わんを結むすぶ運河うんがの計画けいかくがあった。漁港ぎょこうの中なかでは貨物かもつを受うけ入いれることができるものもあるが、そのような目的もくてきで使つかわれることはほとんどない。

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