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大人おとな

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大人おとな(おとな、おつめい[1])とは、

一般いっぱんに「子供こども(こども)」という表現ひょうげん対比たいひされている[注釈ちゅうしゃく 1]

概説がいせつ

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だい」と「ひと」という文字もじわせている。対比たいひされる状態じょうたいは、基本きほんてきには「大人おとな」は「子供こども」と表記ひょうきするが、「小人こども」と表記ひょうきすることもある。 「大人おとな」は基本きほんてきには成長せいちょうしたひと、ということであるが、たん年齢ねんれい身体しんたい状態じょうたいだけに着目ちゃくもくしてうのか、精神せいしん状態じょうたいにも着目ちゃくもくするのか、というちがいによって「大人おとな」の意味いみ内容ないようことなることになる。

大人おとならしい」「大人おとなっぽい」とうと、精神せいしん状態じょうたいや「ものの見方みかた」が大人おとなになっている、という意味いみである。「子供こどもくさい」や「子供こどもっぽい」と対比的たいひてきもちいられる。

年齢ねんれい身体しんたい

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かつて戦国せんごく時代じだい日本にっぽんでは、武士ぶしは12さいか13さいころには元服げんぷくし、「大人おとな」としての覚悟かくごいがもとめられた。

現代げんだい日本にっぽんでは、(分野ぶんやごと、文脈ぶんみゃくごとにいくつかかんがかたがあるが)形式けいしきてきには、たとえば18さい20さいなどで線引せんひきをして、その年齢ねんれい以上いじょうひとを「大人おとな」に分類ぶんるいすることがおこなわれている。

公共こうきょう交通こうつう機関きかんでのあつかいは、運賃うんちんについては、中学校ちゅうがっこう入学にゅうがくの4がつ以降いこうを「大人おとな」としてあつかい、それ以前いぜんの3がつまつまでを「小人こども」としてあつかう。タクシーには小人こども運賃うんちんがないが、乗車じょうしゃ人数にんずううえは「12さい未満みまん」の小人こども3にん大人おとな2にんぶん勘定かんじょうする[3]

精神せいしんてき成熟せいじゅく

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辞書じしょ説明せつめいでは、かんがかた態度たいど十分じゅうぶん成熟せいじゅくしていること、思慮しりょ分別ふんべつがあること、としている。べつ表現ひょうげんでは、目先めさきのことだけに感情かんじょうてき反応はんのうしたり単細胞たんさいぼうてき反応はんのうしたりせず、長期ちょうきてき大局たいきょくてきなことを見失みうしなわず理性りせいてき判断はんだんができる状態じょうたい、ともえる。

また、「子供こども」というのが依存いぞん状態じょうたいにあるのと対比たいひして、自立じりつてき行動こうどうできる状態じょうたいとすることもある。また、「子供こども」というのは、自分じぶんのやったこと(やらかしたこと)の後始末あとしまつ自分じぶんでできずおやに「尻拭しりぬぐい」をしてもらう状態じょうたいであるのにたいして、「大人おとな」は自身じしんのやったことについてはしっかりと自分じぶん自身じしん後始末あとしまつをするなど自分じぶん行動こうどう責任せきにんてるひとのことを場合ばあいもある。「子供こども」は往々おうおうにして無軌道むきどうで、衝動しょうどうてきで、自分じぶん行動こうどうりっすることができないのにたいして、「大人おとな」は自分じぶんりっすることができるひと自律じりつできるひと)、というニュアンスになることもある。

分野ぶんやべつ

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公共こうきょう交通こうつう機関きかん運賃うんちんでは中学ちゅうがく入学にゅうがく(つまり13さい前後ぜんこう)で「大人おとな」と「小人こども」を線引せんひきすることは前述ぜんじゅつとおり。

アパレルファッション関係かんけいなどでは、英語えいご(カタカナ)の「アダルト」をこのんで使つかう。子供こどもふくたいして成人せいじん衣類いるいす。成熟せいじゅくした雰囲気ふんいきのデザインについてももちいることがある。

境界きょうかい領域りょういき境界きょうかい変化へんか

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子供こども」とぶには成長せいちょうしているが、まだ大人おとなになる手前てまえ段階だんかいのことや、なりたての大人おとな状態じょうたいのことなどを「青年せいねん」とう。 最近さいきん日本語にほんごでは、子供こども大人おとななかあいだてき段階だんかいひとを「ヤングアダルト」などともいう。

現代げんだいでは、年齢ねんれいかさねても精神せいしんてき成長せいちょうがともなわないひとえてきていることがしばしば指摘してきされている。とく日本にっぽんでは、2000年代ねんだい以降いこう、いいねんになった人達ひとたちが、はしからると幼稚ようちあさはかにもおもえる事件じけんこし、メディアで報道ほうどうされることもえてきている[4][5][6][7]

年齢ねんれいてきには「大人おとな」に分類ぶんるいされるような年齢ねんれいになっているにもかかわらず、精神せいしんてきには子供こども状態じょうたいにとどまったままのひと英語えいごでは「kidult キダルト」などと[8]年齢ねんれいてきには大人おとなでありながら容姿ようし行動こうどう子供こどものようなひと日本語にほんごでは「とうちゃんぼうや」(とっちゃんぼうや)とも[9]

(やや通俗つうぞくてき分析ぶんせきではあるが)年齢ねんれいてきには大人おとなでありながら精神せいしんてき子供こども同然どうぜんにとどまっている状態じょうたいをパーソナリティ障害しょうがいのひとつとしてとらえ「ピーターパン症候群しょうこうぐん」として分析ぶんせきしているひともいる。家庭かてい機能きのう不全ふぜん環境かんきょうそだったひとがかかえる障害しょうがい状態じょうたいを「アダルトチルドレン」とうが、日本にっぽんでは通俗つうぞくてきには「成年せいねんなのに大人おとなになりきれないひと」といったような意味いみでつかわれることがある。

イタリアやフランスなどヨーロッパのくにでは、(失業しつぎょうりつのあまりのたかさの悪影響あくえいきょうで)20さいえても仕事しごとくこともできず、自然しぜんながれ(必然ひつぜん)としておや同居どうきょ生活せいかつなど経済けいざいてきおやにすっかり依存いぞんしたままになってしまい、その結果けっか精神せいしんてきにも「おやばなれ」できないひと相当そうとうえていて、社会しゃかい問題もんだいとされることがある。日本にっぽんでも、パラサイト中年ちゅうねんなどの問題もんだい存在そんざいする。

また、先述せんじゅつの「大人おとなになれない大人おとな」の増加ぞうか原因げんいんひとつとして、はや段階だんかいから「お節介せっかい」のレベルをえて、おや子供こども行動こうどう思考しこうにいちいち介入かいにゅうし、自発じはつてき意思いしつまむことで、かんがえるちからそだたず、結果けっかとしてその可能かのうせいうばっている場合ばあいがある(干渉かんしょう)。当然とうぜんはなしではあるが、おや通常つうじょうよりもはや死亡しぼうするので、このようなことをずっとやっていると、やがておや死亡しぼうしたさいのこされた子供こども一人ひとりきてゆくことができなくなる可能かのうせいてくる。現代げんだいでは、教育きょういくしゃとしてのおや資質ししつきびしくわれている。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 大人おとなしい」の反対はんたいの「ややこしい」は「ややこ(こども)」に由来ゆらいする。

出典しゅってん

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  1. ^ デジタル大辞泉だいじせん(おと‐な / おつめい 小学館しょうがくかん 2017ねん11月16にち閲覧えつらん
  2. ^ a b 広辞苑こうじえん大人おとな
  3. ^ 子供こども人数にんずうはどうなりますか? - らくらくタクシー(更新こうしん不明ふめい)2018ねん10がつ11にち閲覧えつらん
  4. ^ 26さい小学生しょうがくせいのゲームぬすむ…かえされ暴行ぼうこう読売新聞よみうりしんぶん 2014ねん10がつ4にち
  5. ^ 園児えんじらのこえうるさくて?保護ほごしゃおのでおど読売新聞よみうりしんぶん 2014ねん10がつ3にち
  6. ^ 水筒すいとう園児えんじなぐる 容疑ようぎ保育ほいく逮捕たいほ 宮城みやぎ2014ねん7がつ31にち 産経新聞さんけいしんぶん
  7. ^ のう梗塞こうそく患者かんじゃ搬送はんそうちゅう救急きゅうきゅうしゃ自転車じてんしゃげつけ妨害ぼうがい 無職むしょくおとこ逮捕たいほ 病院びょういん到着とうちゃく14ふんおく産経新聞さんけいしんぶん 2014ねん8がつ21にち
  8. ^ Oxford dictionary 「kidult」
  9. ^ とうちゃんぼうや(トッチャンボウヤ)とは? 意味いみ使つかかたコトバンク

関連かんれん項目こうもく

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