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エアバスA319

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エアバスA319

エアバスA319(Airbus A319)はヨーロッパのエアバスしゃ開発かいはつ製造せいぞうしている双発そうはつジェット旅客機りょかくきである。エアバスのナローボディたん通路つうろ)であるエアバスA320ファミリーの1つであり、A320のたんどうがたである。

A319はおおきく2世代せだいけることができ、だいいち世代せだいはA319ceo、次世代じせだいがたはA319neoとばれる。A319ceoは、1993ねん開発かいはつ正式せいしき決定けっていし、1996ねん5がつスイス航空こうくうによって路線ろせん就航しゅうこう開始かいしした。A319をベースとしたビジネスジェット「ACJ319」も開発かいはつされ、1999ねんはつ納入のうにゅうはじまった。2010ねんには、A320ファミリーのエンジンを一新いっしんしたA320neoファミリーの開発かいはつ決定けっていし、どうファミリーのたんどうがたとしてA319neoが開発かいはつされている。A319neoは2017ねん2がつはつ飛行ひこうし、翌年よくねん12がつ最初さいしょ型式けいしき証明しょうめい取得しゅとくしている。

A319の機体きたい胴体どうたいちょう以外いがい可能かのうかぎりA320と共通きょうつうされている。主翼しゅよくていつばさ配置はいちかたつばさで、尾翼びよく通常つうじょう配置はいち降着こうちゃく装置そうち前輪ぜんりん配置はいち左右さゆう主翼しゅよくにパイロンをかいしてターボファンエンジンを1はつずつ装備そうびする。全長ぜんちょうは33.84メートル、ぜんこうは11.76メートル、全幅ぜんぷく最大さいだい仕様しようで35.80メートルである。飛行ひこうシステムもA320ファミリーと共通きょうつうされており、操縦そうじゅう資格しかくもファミリー共通きょうつうである。標準ひょうじゅん座席ざせきすうはA319ceoが110から140せき、A319neoが120から150せきである。

2018ねん7がつ時点じてん統計とうけいによると、民間みんかん航空こうくう会社かいしゃ108しゃで1,297運用うんようされている。運用うんようすう内訳うちわけは、欧州おうしゅう南北なんぼくアメリカの航空こうくう会社かいしゃおおむね500ずつ、アジア・太平洋たいへいよう地域ちいき航空こうくう会社かいしゃやく250、アフリカ・中東ちゅうとう地域ちいきで40ほどとなっている。また、A319のビジネスジェット仕様しようであるACJ319は、民間みんかんのビジネス用途ようと軍用ぐんよう要人ようじん輸送ゆそうとして運用うんようされている。

2019ねん8がつまでに、A319にかんする機体きたい損失そんしつ事故じこは3けん発生はっせいしているものの、死者ししゃともな事故じこ事件じけん発生はっせいしていない。

沿革えんかく

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開発かいはつ背景はいけい

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米国べいこく航空機こうくうきメーカーに対抗たいこうするため、欧州おうしゅう航空機こうくうきメーカーは1970ねん12月に企業きぎょう連合れんごう「エアバス・インダストリー」(以下いか、エアバス)を設立せつりつした[2]。エアバスは、世界せかいはつそう通路つうろワイドボディ双発そうはつジェット旅客機りょかくきであるA300開発かいはつし、発展はってんがた開発かいはつしつつ販売はんばい軌道きどうせた[3]つづいて製品せいひんラインナップの拡充かくじゅう目指めざし、たん通路つうろナローボディ市場いちばへの進出しんしゅつめた[3]ボーイングマクドネル・ダグラスのように既存きそんたん通路つうろっていなかったエアバスは、後発こうはつ不利ふり逆手さかてり、当時とうじ最新さいしん技術ぎじゅつ積極せっきょくてきれたしん設計せっけい開発かいはつすることとした[4][5]機体きたい価格かかく少々しょうしょうたかくなっても、安全あんぜんせい信頼しんらいせい経済けいざいせいこう評価ひょうかることで市場いちば浸透しんとうしようというかんがえであった[4]

完全かんぜん新規しんき開発かいはつたん通路つうろ市場いちば参入さんにゅうしたエアバスA320。

この新型しんがた機体きたいサイズについて検討けんとうかさねた結果けっか標準ひょうじゅん座席ざせきすうは2クラス編成へんせいで150せきまり、1984ねん3がつA320命名めいめいされ正式せいしき開発かいはつはじまった[4]そう通路つうろワイドボディ)もふくむエアバス全体ぜんたいでの操縦そうじゅう資格しかく共通きょうつう目指めざし、A320では操縦そうじゅう系統けいとう全面ぜんめんてきフライ・バイ・ワイヤ技術ぎじゅつ採用さいようされた[6]どう規模きぼ旅客機りょかくきなかもっとふと断面だんめん胴体どうたいち、大型おおがた貨物かもつしつとびらそなえたことで、航空こうくう貨物かもつコンテナの搭載とうさい可能かのうとなった[7]。A320は1988ねん2がつ型式けいしき証明しょうめい取得しゅとくし、翌月よくげつ顧客こきゃくわたしがはじまった[8]

エアバスはA320の開発かいはつすすめつつ、1987ねんには派生はせいがた研究けんきゅう着手ちゃくしゅしていた[9]。A320を基本きほんとして胴体どうたい延長えんちょうがた短縮たんしゅくがた検討けんとうされ[9][10]、まず胴体どうたい延長えんちょうがたA321開発かいはつすることになった[11]。A321は1989ねん11月に開発かいはつ決定けっていし、1993ねん3がつはつ飛行ひこう同年どうねんちゅう型式けいしき証明しょうめい取得しゅとくして翌年よくねん3がつ商業しょうぎょう運航うんこうはじまった[11][12][13]

A321の開発かいはつ並行へいこうしてエアバスはたんどうがた研究けんきゅうすすめていたが、エアバス構成こうせい企業きぎょう一部いちぶは、A320よりいちまわちいさい旅客機りょかくき独自どくじ開発かいはつすることを模索もさくしており、これはエアバスにとってこのましくないうごきだった[14]。このような状況じょうきょうにおいて、エアバスがみずからA320のたんどうがた開発かいはつすることは、コンソーシアム参加さんか企業きぎょう結束けっそく維持いじするという意義いぎもあった[14]

たんどうがたはA320の胴体どうたいから合計ごうけい7フレームをのぞ機体きたいあんとなり、A320マイナス7とばれた[15]標準ひょうじゅん客席きゃくせきすうは2クラス構成こうせいで124せきとされた[15]。このたんどうがたはA319と名付なづけられ、1992ねん5がつ1にちのエアバスの取締役とりしまりやくかいにおいて販売はんばい活動かつどう開始かいしすることが承認しょうにんされた[15][16]

しかし、ここから正式せいしき開発かいはつ決定けっていまでやく1ねんようした[13]おも最終さいしゅう組立くみたてをどこでおこなうかをめぐって、コンソーシアムを構成こうせいする各国かっこく政府せいふ企業きぎょうあいだ対立たいりつつづいたためである[13]最終さいしゅうてきにA319の最終さいしゅう組立くみたてはA321とおなじくドイツでおこない、A320は従来じゅうらいどおりフランスで最終さいしゅう組立くみたておこなうことで決着けっちゃくした[13][17]。そうして1993ねん6がつ10日とおかパリ航空こうくうショーにおいて、A319の正式せいしき開発かいはつ発表はっぴょうされた[13][11]航空機こうくうきリース会社かいしゃインターナショナル・リース・ファイナンス (ILFC) がA319のローンチカスタマーとなった[17]

設計せっけい過程かてい

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正面しょうめんからたA319。胴体どうたい断面だんめん設計せっけいはA320と共通きょうつうである。
右側みぎがわめんからたA319。

当初とうしょ構想こうそうどおり、A319の胴体どうたいはA320のものから7フレーム短縮たんしゅくされた[15]短縮たんしゅくりょう主翼しゅよくまえで3フレーム(1.60m)、うしろで4フレーム(2.13m)であった[15][18]胴体どうたい短縮たんしゅくわせて、A320では最後さいごにあったバルク貨物かもつとびら除去じょきょされ、ばら貨物かもつはコンテナよう貨物かもつとびらからろしすることになった[18]座席ざせきすう減少げんしょうわせて、主翼しゅよくじょう非常口ひじょうぐちが1つにらされた[18]

原型げんけいとなるA320が設計せっけいされてから10ねんあまりが経過けいかしており、エアバスはA319にあらたな改良かいりょうくわえるべきか検討けんとうした[19]顧客こきゃくとなる航空こうくう会社かいしゃ意見いけんもとめたところ、「なにもしないことが最善さいぜん」という結論けつろんいたった[20]。したがってA319は可能かのうかぎりA320と共通きょうつうされた[19]主翼しゅよくもコックピットもA320と同一どういつであり、尾翼びよくふくめた構造こうぞう降着こうちゃく装置そうちなに変更へんこうされなかった[18]

エンジンについてもA320やA321とおなじくCFMインターナショナル以下いか、CFMI)しゃCFM56と、インターナショナル・エアロ・エンジンズ以下いか、IAE)しゃV2500設定せっていされた[15]小型こがたされたA319にわせてりょうエンジンとも推力すいりょく抑制よくせいがた用意よういされた[15]。それぞれのエンジンは基本きほんてき構成こうせいなどは標準ひょうじゅん推力すいりょくがたおなじであり、専用せんよう部品ぶひん工具こうぐなども不要ふようとされた[15]

生産せいさん試験しけん

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A319の生産せいさんはA320と同様どうよう国際こくさい分業ぶんぎょう体制たいせいおこなわれた[21]胴体どうたいはドイツのDASAしゃとフランスのアエロスパシアルしゃ主翼しゅよくはイギリスのBAeしゃ垂直すいちょく尾翼びよくはスペインのCASAしゃ水平すいへい尾翼びよくはDASAしゃ担当たんとうした[21]。A319の最終さいしゅうてはドイツ・ハンブルクのDASAしゃ工場こうじょうおこなわれ、ちょうどうがたのA321とおな設備せつびこんりゅう生産せいさんされた[21]

A319の初号しょごうはCFM56エンジン装備そうびがたで、1995ねん8がつ25にちはつ飛行ひこうした[22][23]初号しょごうと2号機ごうきの2により合計ごうけいやく500あいだ飛行ひこう試験しけんおこなわれ、1996ねん4がつ10日とおか欧州おうしゅう合同ごうどう航空こうくう当局とうきょく (Joint Aviation Authorities; JAA) から型式けいしき証明しょうめい交付こうふされた[22]わせてA319はエアバスとしてはじめて、当初とうしょからカテゴリーIIIの自動じどう着陸ちゃくりくみとめられた[22]

こののち初号しょごうと2号機ごうきはエンジンをV2500にかわそうし、どうエンジンによるはつ飛行ひこう同年どうねん5がつ22にちおこなわれた[23][11]。この2飛行ひこう試験しけんおこない、そのとしの12月18にちにV2500仕様しようについてもJAAから型式けいしき証明しょうめい取得しゅとくした[23][11]

就航しゅうこう開始かいし

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A319はスイス航空こうくうによって商業しょうぎょう運航うんこう開始かいしした。

1996ねん4がつ30にち、A319のはつわたしがスイス航空こうくうたいしておこなわれた[24]翌月よくげつにスイス航空こうくうはA319の路線ろせん就航しゅうこう開始かいしし、チューリッヒとドイツやスウェーデンのしょ都市としむす路線ろせん投入とうにゅうした[23][25]つづいて同年どうねん8がつまでにフランスのエールアンテール、ドイツのルフトハンザドイツ航空こうくうへも納入のうにゅうはじまった[26][27]

はつ飛行ひこうおこなった1995ねん8がつ時点じてん集計しゅうけいによると、5しゃからけい81確定かくてい受注じゅちゅうていた[20]。この時点じてんでは、A320ファミリーを導入どうにゅうみの航空こうくう会社かいしゃからの発注はっちゅう大半たいはんであった[20]。A319の発注はっちゅうしゃのうちルフトハンザ、エールアンテール、スイス航空こうくうらはA320ファミリーのぜん機種きしゅ発注はっちゅうしていた[20]航空こうくう会社かいしゃによると、A320ファミリーあいだ操縦そうじゅう資格しかく共通きょうつうせいが、A319発注はっちゅうひとつとなっていた[20]。また、エアバスは航空こうくう会社かいしゃたいし、A320ファミリーないであれば発注はっちゅう機種きしゅ変更へんこうしてもいという契約けいやく提示ていじしていた[20]

エアカナダのA319。同社どうしゃ北米ほくべい最初さいしょ運用うんようしゃとなった。

1996ねん12月にはエアカナダわたしがはじまり、A319は北米ほくべい航空こうくう会社かいしゃへの納入のうにゅうたした[28]。このころエアバスは納期のうき短縮たんしゅくんでおり、エアカナダへの初号しょごうは、納期のうき9かげつでの納入のうにゅう達成たっせいした最初さいしょのエアバスとなった[28]

ビジネスジェット仕様しよう開発かいはつ

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就航しゅうこう開始かいしからやく1ねんとなる1997ねん6がつパリ航空こうくうショーにて、エアバスはA319をベースとしたビジネスジェット開発かいはつすると発表はっぴょうした[29]。ビジネスにも長距離ちょうきょり航続こうぞく性能せいのうもとめられる時代じだいになり、長時間ちょうじかん飛行ひこう快適かいてきごすためには機内きない居住きょじゅうせい重要じゅうようとなる[29]。そこで、旅客機りょかくきをベースにビジネス開発かいはつすることで、たか居住きょじゅうせい実現じつげんするというかんがえがまれたのである[29]同様どうようかんがかたで、ボーイングは次世代じせだい737をベースとしたボーイング・ビジネス・ジェット (BBJ) を先行せんこうして開発かいはつしていた[29][17]

エアバスは同社どうしゃのビジネスシリーズを「エアバス・コーポレート・ジェット」 (ACJ) と名付なづけ、A319ベースの機体きたいはA319CJあるいはACJ319とばれた[30][29]。ACJの初号しょごうは、1998ねん11月12にちはつ飛行ひこう成功せいこう翌年よくねん1がつ7にち最初さいしょ顧客こきゃく納入のうにゅうされた[29]

ACJ319には床下ゆかした貨物かもつしつ設置せっちできる燃料ねんりょうタンク (ACT) がオプション設定せっていされており、燃料ねんりょう搭載とうさいりょうやして航続こうぞく距離きょり延長えんちょうできる[29]。1999ねん6がつには、チリサンティアゴからフランスパリまでの12,825キロメートル、所要しょよう時間じかん15あいだ10ふん着陸ちゃくりく飛行ひこうした[31]

その改良かいりょう

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旅客りょかくがたについてもACJ319と同様どうよう追加ついか燃料ねんりょうタンクを搭載とうさいし、航続こうぞく距離きょり延長えんちょうした派生はせいがた開発かいはつされた[32]長距離ちょうきょりがたということでA319LR (long range) と名付なづけられ、カタール航空こうくうとスイスのプライベートエア英語えいごばんからの発注はっちゅうけて2003ねん2がつ正式せいしき開発かいはつ開始かいしした[15][32]。A319LRは同年どうねんちゅう路線ろせん就航しゅうこう開始かいしし、カタール航空こうくうドーハ中心ちゅうしんとした路線ろせん投入とうにゅうした[12]。プライベートエアのA319LRは全席ぜんせきビジネスクラスで、ルフトハンザ航空こうくうからの受託じゅたくによりドイツと米国べいこくむす大西洋たいせいよう横断おうだん路線ろせん投入とうにゅうされた[33]

また、エアバスはA320ファミリーにたいして各種かくしゅ改良かいりょうくわえており、2009ねん11月15にちには、従来じゅうらい主翼しゅよくにあったウイング・チップ・フェンスにえてあたらしいつばさはし装置そうち採用さいよう発表はっぴょうされた[34]。「シャークレット」と名付なづけられたあたらしいつばさはしは、うえげたような形状けいじょうで2.4メートルのたかさがある[35]従来じゅうらいの鏃状のウイング・チップ・フェンスよりも燃費ねんぴ性能せいのう向上こうじょうすることで、航続こうぞく距離きょり延長えんちょう可能かのうとなる改良かいりょうであった[36]。A319のシャークレット装備そうびがたは、2013ねん7がつ23にちにアメリカン航空こうくうたいしてはつ納入のうにゅうされた[37]

A319neoの開発かいはつ 

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たん通路つうろ市場いちば発達はったつとともに、航空こうくう会社かいしゃはより長距離ちょうきょり路線ろせんたん通路つうろ投入とうにゅうすることをのぞむようになった[35]。A320ファミリーの改良かいりょうつづけつつ後継こうけい研究けんきゅうおこなってきたエアバスは、2010ねん12月1にち、エンジンを一新いっしんした次世代じせだいA320neoファミリーの開発かいはつ発表はっぴょうした[38]。「neo」は「New Engine Option」の頭字かしらじと「あたらしい」という意味いみのギリシャ「neo」をかけたものである[39]。そのとお新型しんがたエンジンを装備そうびすることで、燃費ねんぴ性能せいのう航続力こうぞくりょく向上こうじょうさせる機体きたいである[39][40]。A320ファミリーのうちneoに移行いこうされるのはA321、A320、A319の3機種きしゅとされた[39]もっとたんどうがたA318は、将来しょうらい需要じゅよう見込みこめなかったことからneoの開発かいはつ見送みおくられた[39]。neoの登場とうじょうともない、既存きそんのA320ファミリーはA320ceo(Current Engine Option; 現行げんこうエンジン選択せんたくがた)とばれ区別くべつされることとなった[39]

A320neoファミリーのエンジンとして、CFMIしゃLEAP-1Aと、プラット・アンド・ホイットニー以下いかP&W)しゃPW1100G-JM選定せんていされ、A319neoにもりょうシリーズのエンジンが設定せっていされた[41][42][43]

試験しけん飛行ひこうちゅうのA319neo。

A320neoファミリーのなかではA319neoが最後さいご開発かいはつされた[44][45]。A319neoの初号しょごうはLEAP-1Aエンジン仕様しようで、2017ねん3がつ31にちはつ飛行ひこう成功せいこうした[45]はつ飛行ひこうではハンブルクを離陸りりく、5あいだ飛行ひこうてフランスのトゥールーズ着陸ちゃくりくした[45]。トゥールーズを拠点きょてんに500あいだえる試験しけん飛行ひこうおこなわれ、2018ねん12月にLEAP-1A装備そうびがたのA319neoの型式けいしき証明しょうめい交付こうふされた[45][41]

その、A319neo初号しょごうのエンジンはPW1100にかわそうされた[42]。2019ねん4がつ25にちにPW1100エンジンでのはつ飛行ひこう成功せいこうし、試験しけん飛行ひこう開始かいししている[42]

このあいだ、2015ねん5がつ19にちにはビジネスジェット仕様しようの「ACJ320neoファミリー」の開発かいはつ発表はっぴょうされ、ACJ319neoについても2016ねん4がつ11にちはつ受注じゅちゅう獲得かくとくしている[46][47]

A220の買収ばいしゅう影響えいきょう

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このあいだ、エアバスはカナダのボンバルディアしゃとの提携ていけいめた[48]。ボンバルディアしゃ座席ざせきすうでA319と競合きょうごうする旅客機りょかくき「Cシリーズ」を開発かいはつしていたが、開発かいはつ高騰こうとうにより資金しきん不足ふそくおちいった[49][48]。エアバスとボンバルディアの交渉こうしょうがまとまり、2018ねん7がつ1にち、エアバスはCシリーズの事業じぎょう会社かいしゃ出資しゅっしして過半数かはんすう株式かぶしき取得しゅとくした[48][50]同時どうじにCシリーズは「A220」と改称かいしょうされ、エアバスの製品せいひんぐんくわえられた [51]。これによりエアバスのラインナップにおいてA319とA220が競合きょうごうすることになったが、エアバスでは両機りょうき併売へいばいする利点りてんがあるとしてA319の販売はんばい継続けいぞくしている[49]

A319neoの受注じゅちゅう

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2017ねんはつ飛行ひこう以降いこう受注じゅちゅうけることのできない状況じょうきょうつづいていたが、2022ねん2がつにローンチカスタマーである中国ちゅうごく南方なんぽう航空こうくうはつ納入のうにゅうされた[52]。またアメリカのスピリット航空こうくうからも受注じゅちゅう獲得かくとくしている[53]

機体きたい

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シリーズ構成こうせい

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A319シリーズはだいいち世代せだいのA319ceoと、エンジンをかわそうした次世代じせだいがたのA319neoにおおきくけられる。A319をベースとしたビジネスジェット仕様しようがあり、ACJ319あるいはA319CJとばれる[23][54]。このほかにたいせん哨戒しょうかい改造かいぞうするA319 MPA構想こうそうもあったが実現じつげんしていない[55]以下いかとくことわりがないものはA319シリーズ共通きょうつう仕様しようである。

形状けいじょう構造こうぞう

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下面かめんからたA319。胴体どうたいちょう以外いがい可能かのうかぎりA320と共通きょうつうされた。

A319はかたつばさ主翼しゅよくていつばさ配置はいちした単葉たんようである[56]全長ぜんちょうは33.84メートル、ぜんこうは11.76メートル、全幅ぜんぷくはウイング・チップ・フェンス装備そうびがたが34.10メートルでシャークレット装備そうびがたが35.80メートルである[57][56]左右さゆう主翼しゅよくに1はつずつターボファンエンジンそなえる[56][23][41][42]尾翼びよく通常つうじょう配置はいちで、垂直すいちょく尾翼びよく水平すいへい尾翼びよくはともに胴体どうたい直接ちょくせつけられている[56]降着こうちゃく装置そうち前輪ぜんりんしき配置はいち機首きしゅぜんあし左右さゆう主翼しゅよくしゅあしがある[56]降着こうちゃく装置そうちしきで、ぜんあしは2りんしきしゅあし左右さゆうそれぞれ2りんしきである[56]

A319の主翼しゅよくはA320のものと同一どういつである[18]主翼しゅよくテーパーがついた後退こうたいつばさで、25パーセントつばさつるでの後退こうたいかくは25、アスペクト[注釈ちゅうしゃく 1]は9.4、つばさ面積めんせきは122.6平方へいほうメートルである[59][60]

主翼しゅよくにはこう揚力ようりょく装置そうちとしてぜんえんにスラット、こうえんにファウラー・フラップをそなえる[61]。スラットはかたつばさあたり5まいで、ほぼ全幅ぜんぷくにわたり配置はいちされている[59][61]。エンジン・パイロンのさかいにフラップはうちつばさそとつばさに2分割ぶんかつされており、その外側そとがわ補助ほじょつばさがある[59][61]主翼しゅよく上面うわつらにはかたつばさあたり5まいスポイラーがある[61]。スポイラーはロール操縦そうじゅうにももちいられる[61]

つばさはし装置そうちとして誘導ゆうどう抵抗ていこうらす効果こうかのあるウイング・チップ・フェンスまたはシャークレットをそなえる[62][59]。ウイング・チップ・フェンスは鏃状の整流せいりゅうばんで、シャークレットはウイングレットのようにつばさはしうえげた形状けいじょうゆうする[59][62]開発かいはつ当初とうしょはウイング・チップ・フェンスが標準ひょうじゅん装備そうびであったが、のちにシャークレット仕様しよう開発かいはつされ、A319neoではシャークレットが標準ひょうじゅん装備そうびとなった[39]。また、既存きそん機体きたいにシャークレットをこうけすることも可能かのうである[63][64]

胴体どうたい断面だんめんはA320と共通きょうつう設計せっけいであり、そとすんはばは3.95メートル、たかさが4.14メートルである[56]胴体どうたいちょう全長ぜんちょうひとしく33.84メートルである[56]。A320にたいして主翼しゅよく前側まえがわで4フレーム(2.13メートル)、うしがわで3フレーム(1.60メートル)短縮たんしゅくされている[18]

尾翼びよくふくめた構造こうぞうもA320と完全かんぜん共通きょうつうである[18]水平すいへい尾翼びよく水平すいへい安定あんていばん昇降しょうこうかじ垂直すいちょく尾翼びよく垂直すいちょく安定あんていばん方向ほうこうかじ構成こうせいされる[61][65]

A320と同様どうようふくあい材料ざいりょう採用さいようされ、尾翼びよくしゅ構造こうぞうざい[注釈ちゅうしゃく 2]外装がいそうのほか、主翼しゅよくぜんえん、スポイラー、フラップレールのフェアリング、降着こうちゃく装置そうちとびらなどに利用りようされている[61]

エンジン

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A319ceoのエンジンは、A320ceoと同様どうようにCFMIしゃCFM56と、IAEしゃV2500から選択せんたくでき、りょうシリーズの推力すいりょく抑制よくせいがた設定せっていされている[18]。エンジンの制御せいぎょもA320と同様どうようにデジタルしきFADEC (Full Authority Digital Engine Control) でおこなわれる[66][67]

A319neoのエンジンは、A320neoファミリーとおなじくCFMIしゃLEAP-1AおよびP&WしゃPW1100G-JM設定せっていされている[41][42]。このうちLEAP-1Aエンジン仕様しよう型式けいしき証明しょうめい取得しゅとくみで、PW1100仕様しようについては2019ねん時点じてんにおいて型式けいしき証明しょうめいけた試験しけん飛行ひこうちゅうである[41][42]

飛行ひこうシステム

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A319のコックピット。
コックピット天井てんじょうもうけられたオーバーヘッドパネル。

運航うんこう必要ひつよう操縦そうじゅう機長きちょうふく操縦そうじゅうの2めいである[68]

操縦そうじゅうシステムはA320と同一どういつで、フライ・バイ・ワイヤ技術ぎじゅつ全面ぜんめんてきもちいられている[69][61]方向ほうこうかじ昇降しょうこうかじ補助ほじょつばさこう揚力ようりょく装置そうちスポイラー操作そうさ電気でんき信号しんごうかいして油圧ゆあつアクチュエータを駆動くどうすることでおこなわれる[61]水平すいへい尾翼びよく垂直すいちょく尾翼びよくのトリム操作そうさ[注釈ちゅうしゃく 3]は、電気でんき信号しんごうによる制御せいぎょおこなわれるが、バックアップとして機械きかいてき操縦そうじゅうけいそなえている[61]制御せいぎょようのコンピュータは複数ふくすう搭載とうさいされ、システムは冗長じょうちょうされている[71]

コックピットのレイアウトはA320と同一どういつで、左右さゆう操縦そうじゅうせきかく2まい中央ちゅうおうに2まいけい6まいのカラーディスプレイをそなえる[69]。ディスプレイには当初とうしょブラウン管ぶらうんかんもちいられたが、技術ぎじゅつ革新かくしんにともない液晶えきしょうディスプレイえられた[71]操縦そうじゅうはなくサイドスティックで操縦そうじゅうおこな[61][23]操縦そうじゅう資格しかくはA320ファミリー共通きょうつうのものである[72]同時どうじにエアバスの相互そうご乗員じょういん資格しかく (Cross Crew Qualification; CCQ) の対象たいしょうでもあることから、CCQ対象たいしょうとなるエアバスとのあいだであれば、短時間たんじかん訓練くんれん機種きしゅ資格しかく取得しゅとくすることが可能かのうである[72]

客室きゃくしつ貨物かもつしつ

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フロンティア航空こうくうのA319の客室きゃくしつ

操縦そうじゅうせきのぞいた客室きゃくしつ全長ぜんちょうは23.77メートルである[15]標準ひょうじゅん座席ざせきすうは2クラス編成へんせいで124せき最大さいだい定員ていいんは160せきである[23][73]客室きゃくしつには中央ちゅうおうに1ほん通路つうろがあり、エコノミークラス座席ざせき配置はいち通路つうろはさんで3-3せきの6アブレスト上級じょうきゅうクラスでは2-2せきの4アブレストである[74]座席ざせき頭上ずじょうには、手荷物てにもつ収容しゅうようするオーバーヘッド・ストウェッジがそなわる[74]通常つうじょう内装ないそうよりも座席ざせきはばめて通路つうろはばひろげた内装ないそうあん用意よういされている[74]

客室きゃくしつとびら配置はいち左右さゆう対称たいしょうである[75]乗降じょうこうようドアおよびサービスドアが客室きゃくしつさい前方ぜんぽう最後さいごかたに1くみずつある[74]緊急きんきゅう脱出だっしゅつこうとして主翼しゅよくじょうにタイプIIIとびらがあり、片側かたがわあたり標準ひょうじゅんで1まい、オプションで2まい設置せっちすることが可能かのうである[76][77]

床下ゆかした貨物かもつしつ主翼しゅよくはさんで前後ぜんごに2区画くかくかれている[78]かく貨物かもつしつにはLD-3-46W航空こうくう貨物かもつコンテナを2ずつ搭載とうさいできる[78]。LD-3-46/-46Wコンテナは、大型おおがたようのLD-3コンテナとおなはばで、たん通路つうろようたかさをひくくしたものであり、そのまま大型おおがた搭載とうさいすることも可能かのうである[8]後部こうぶ貨物かもつしつさい後尾こうびには、ばら貨物かもつようのスペースももうけられている[78]

かく貨物かもつしつとびらそとびらきで、右舷うげんに1かしょずつある[79]。このとびら開口かいこうたかさが1.24メートル、はばが1.82メートルで、LD-3-46Wコンテナをとおすことができる[80]。ばら貨物かもつスペースは、後部こうぶ貨物かもつとびらからアクセスする[78]

客室内に大きな円形のダイニングテーブルがあり食器が並べられている。その周りにイスが置かれている。
機内にダブルベッドが置かれている。
廊下状になっている機内例。
ACJ319の内装ないそうれい。ダイニングに仕立したてられた機内きないうえ)、ベッドルームに仕立したてられた機内きないなか)、機内きない廊下ろうかした)。

ACJ319は、A319をベースとしたビジネスジェット機じぇっときである [29]機体きたい自体じたいはA319とおなじで内装ないそうをビジネス仕様しようとしたものであり、ACJ319から旅客機りょかくき仕様しよう転換てんかんすることも可能かのうである[29]。このことは、中古ちゅうこさい販売はんばい有利ゆうりであるとエアバスは説明せつめいしている[29]。また、パイロットの資格しかく相互そうご乗員じょういん資格しかく (CCQ) の対象たいしょうふくまれることから短期間たんきかん訓練くんれん資格しかく取得しゅとく可能かのうである[29]

ACJ319は、ガルフストリームボンバルディアせい純粋じゅんすいなビジネスジェットはもとより、ボーイング・ビジネス・ジェット (BBJ) よりもひろ機内きない空間くうかんゆうする[81]。ACJ319では仕様しようにより、8せきから50せき程度ていどもうけることができる[29]。エアバスは、ACJの内装ないそう提供ていきょうするメーカーを複数ふくすう用意よういしており、顧客こきゃくこまかい要望ようぼうこたえられるようにしている[29]

床下ゆかした貨物かもつしつには「追加ついか中央ちゅうおうタンク」(ACT) とばれる燃料ねんりょうタンクを搭載とうさいできる[29]。ACTは航空こうくう貨物かもつコンテナとどう形状けいじょうで、ACJ319には最大さいだい7まで追加ついかできる[29]。ACTにより燃料ねんりょう搭載とうさいりょうえることで、航続こうぞく距離きょり性能せいのう強化きょうかされる[29]航続こうぞく距離きょり搭乗とうじょうしゃすう貨物かもつにもよるが、最大さいだい離陸りりく重量じゅうりょうが75.5トンで乗客じょうきゃく40にん場合ばあいに7,800キロメートルである[29]条件じょうけんによっては、1まんキロメートル以上いじょう飛行ひこう可能かのうであり、東京とうきょうからヨーロッパの主要しゅよう都市としまでの直行ちょっこうもできる[29]

ドイツ空軍くうぐん運用うんようする政府せいふ専用せんようのACJ319。

ACJ319は民間みんかん用途ようとのほか、軍用ぐんよう要人ようじん輸送ゆそうとしても採用さいようされている[29]要人ようじん輸送ゆそうとしてACJ319の運用うんよう実績じっせきがあるのはフランス空軍くうぐんイタリア空軍くうぐんベネズエラ空軍くうぐん[29]ウクライナ政府せいふ専用せんようとして運用うんようされている[82]

A319neoをベースとしたACJ319neoも受注じゅちゅう開発かいはつすすんでいる[46]。ACJ319neoの標準ひょうじゅん仕様しようでは、座席ざせきすうが8せき航続こうぞく距離きょりは1まん2500キロメートルである[46]

運用うんよう

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ちゅうちゅうのA319。前方ぜんぽうドアにボーディング・ブリッジが、後方こうほうドアにタラップが接続せつぞくされている。
エールフランスのA319。

2018ねんまつ時点じてんで、A319の受注じゅちゅうすうは1,541で、納入のうにゅうみが1,475受注じゅちゅうのこりが66、1,269運航うんこうちゅうである[83]。1996ねん納入のうにゅう開始かいしから運航うんこうすう増加ぞうかつづけたが、2016ねんから減少げんしょうてんじている[84]

2018ねん7がつ時点じてん統計とうけいによると、民間みんかん航空こうくう会社かいしゃ108しゃで1,297が運用うんようされている[1]地域ちいきべつると、欧州おうしゅうの44しゃで548南北なんぼくアメリカの26しゃで468、アジア・太平洋たいへいよう地域ちいきの23しゃで242、アフリカ・中東ちゅうとう地域ちいきの15しゃで39運用うんようされている[1]

どう統計とうけいによると、A319の運用うんようすう最大さいだい航空こうくう会社かいしゃはアメリカン航空こうくうで、そのかずは125である[1]北米ほくべいではユナイテッド航空こうくうとデルタ航空こうくうともに50えるA319を運用うんようしている[1]欧州おうしゅうでは、イージージェットイージージェット・ヨーロッパ英語えいごばんわせてやく120、ブリティッシュ・エアウェイズが43、ユーロウイングスが42、エールフランスが35運用うんようしている[1]。アジアでは中国ちゅうごく国際こくさい航空こうくう中国ちゅうごく東方とうほう航空こうくうが30以上いじょう運用うんようしている[1]わったところではオーストラリア南極なんきょくきょく輸送ゆそう委託いたくしているスカイトレーダーという会社かいしゃ南極大陸なんきょくたいりくにA319LRでれている[85]

ひょう: としごとの受注じゅちゅう納入のうにゅうすう(キャンセルぶん当初とうしょ発注はっちゅう年度ねんどからげんじている)[86]
とし 合計ごうけい 2018 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011
受注じゅちゅうすう 1,541 27 8 5 3 33 26 48 7
納入のうにゅうすう 1,475 8 10 4 24 34 38 38 47
2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001
受注じゅちゅうすう 37 53 42 72 122 126 92 70 169 45
納入のうにゅうすう 51 88 98 105 137 142 87 72 85 89
2000 1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992
受注じゅちゅうすう 87 62 100 180 47 30 44 0 6
納入のうにゅうすう 112 88 53 47 18 0 0 0 0

事件じけん事故じこ

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2024ねん4がつ現在げんざいにおいて、A319にかんする機体きたい損失そんしつ事故じこは4けん発生はっせいしているものの、死者ししゃともな事故じこ事件じけん発生はっせいしていない[87]

主要しゅようしょもと

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かくモデルの主要しゅようしょもと
A319ceo A319neo
運航うんこう乗務じょうむ員数いんずう 2めい[68]
標準ひょうじゅん座席ざせきすう 110 - 140せき[90] 120 - 150せき[91]
最大さいだい座席ざせきすう 156せき[90] 160せき[91]
全長ぜんちょう 33.84 m[57]
全幅ぜんぷく 34.10 m(シャークレット装備そうびは35.80 m)[57][56]
ぜんこう 11.76 m[57]
胴体どうたいはば 3.95 m[56]
胴体どうたいだか 4.14 m[56]
最大さいだい離陸りりく重量じゅうりょう (MTOW) 64.0 - 76.5 t[92] 64.0 - 75.5 t[92]
最大さいだい着陸ちゃくりく重量じゅうりょう (MLW) 61.0 - 62.5 t[92] 62.8 - 63.9 t[92]
最大さいだい燃料ねんりょう重量じゅうりょう (MZFW) 52.0 - 58.5 t[92] 58.8 - 60.3 t[92]
貨物かもつしつ有効ゆうこう容積ようせき 27.66 m3[92]
エンジン (x2) CFMI CFM56またはIAE V2500[93] CFM LEAP-1A[93]
エンジン推力すいりょく (x2) 98–120 kN (22,000–27,000 lbf)[93] 107–121 kN (24,000–27,000 lbf)[93]
最大さいだい巡航じゅんこう速度そくど マッハ0.82[94]
航続こうぞく距離きょり 5,950 km†1 7,400 km
  • †1:シャークレット装備そうびがた
型式けいしきめい装備そうびエンジンの一覧いちらん [95] [96]
型名かためい エンジン型名かためい 型名かためい証明しょうめい取得しゅとく
EASA FAA
A319-111 CFM 56-5B5

CFM 56-5B5/P
CFM 56-5B5/3

1996ねん4がつ10日とおか 1997ねん6がつ20日はつか
A319-112 CFM 56-5B6

CFM 56-5B6/2
CFM 56-5B6/P
CFM 56-5B6/2P
CFM 56-5B6/3

1996ねん4がつ10日とおか 1997ねん6がつ20日はつか
A319-113 CFM 56-5A4

CFM 56-5A4/F

1996ねん5がつ31にち 1997ねん6がつ20日はつか
A319-114 CFM 56-5A5

CFM 56-5A5/F

1996ねん5がつ31にち 1997ねん6がつ20日はつか
A319-115 CFM 56-5B7

CFM 56-5B7/P
CFM 56-5B7/3

1999ねん7がつ30にち 2002ねん10がつ22にち
A319-131 V2522-A5 1996ねん12月18にち 1997ねん6がつ20日はつか
A319-132 V2524-A5 1996ねん12月18にち 1997ねん6がつ20日はつか
A319-133 V2527M-A5 1999ねん7がつ30にち 2002ねん10がつ22にち
A319-151N LEAP-1A24 2018ねん12月14にち 2018ねん12月19にち
A319-153N LEAP-1A26

LEAP-1A26E1

2019ねん5がつ20日はつか 2020ねん1がつ23にち
A319-171N PW1124-JM 2019ねん11月29にち 2019ねん12月17にち

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ アスペクトとはつばさはばの2じょう面積めんせきったつばさ細長ほそながしめである[58]
  2. ^ 航空機こうくうき構造こうぞう部材ぶざいいち構造こうぞう部材ぶざいしゅ構造こうぞう部材ぶざい)と構造こうぞう部材ぶざいかれている。いち構造こうぞう部材ぶざい飛行ひこう荷重かじゅう地上ちじょう荷重かじゅうあずかあつ加重かじゅう伝達でんたつ主要しゅよう受持うけも構造こうぞう部材ぶざいであり[97]主翼しゅよくけたあいだ構造こうぞう部材ぶざいなどが相当そうとう[98]構造こうぞうざいなかでももっと安全あんぜんじょう信頼しんらいせい要求ようきゅうされる[99]一方いっぽう構造こうぞう部材ぶざいは、しゅたる荷重かじゅう伝達でんたつしない部材ぶざい[100]で、そらりょく機能きのう発揮はっきし、風圧ふうあつなどの局部きょくぶ荷重かじゅういち構造こうぞう部分ぶぶんつたえる主翼しゅよくぜんえんおよびこうえんなどが相当そうとうする[98]
  3. ^ パイロットが操縦そうじゅう装置そうちちからくわえることなく、そのままの姿勢しせい飛行ひこうできるよう釣合つりあいをとること[70]

出典しゅってん

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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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