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ボーディング・ブリッジ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
東京とうきょう国際こくさい空港くうこうだい1旅客りょかくターミナルのボーディングブリッジ

ボーディング・ブリッジとは、ターミナルビルから旅客機りょかくき客船きゃくせん乗客じょうきゃく乗員じょういん乗降じょうこうさせるための設備せつびである。搭乗とうじょうきょう(とうじょうきょう) などともいう。

空港くうこうのボーディング・ブリッジ[編集へんしゅう]

ボーディングブリッジ(ニュージーランドオークランド国際こくさい空港くうこう)。
広島空港ひろしまくうこう搭乗とうじょうゲート
パッセンジャーボーディングブリッジ装着そうちゃく動画どうが

ボーディング・ブリッジの一端いったんターミナルビルけられている。もう一端いったん車輪しゃりん、もしくはレールによって移動いどうし、各々おのおの機種きしゅ乗降じょうこうこう位置いちにあわせて伸縮しんしゅく旋回せんかい昇降しょうこうできる構造こうぞうになっている。機体きたいせっする末端まったん蛇腹じゃばらになっていて、機体きたい形状けいじょうにあわせて密着みっちゃくする。

一般いっぱんに、通路つうろ部分ぶぶん屋根やねかべ周囲しゅういおおわれたはこがたになっており、外気がいきからは遮断しゃだんされている。以前いぜんまどすくないものがおおかったが、最近さいきんでは大型おおがたガラスを使用しようするなど、採光さいこうせい開放かいほうかんのあるものがえている。

通常つうじょう旅客りょかくりは船舶せんぱく時代じだい名残なごりから基本きほん機体きたい左側ひだりがわポートサイドがわ前方ぜんぽうからのみおこなうため、ボーディングブリッジは航空機こうくうきのポートサイド前側まえがわに1-3だい配置はいちされるが、かつてはジョン・F・ケネディ国際こくさい空港くうこう後部こうぶドアへのボーディングブリッジが使用しようされていた。この方式ほうしきは、現在げんざいではオランダ・アムステルダムにある同国どうこく最大さいだいアムステルダム・スキポール空港くうこう、ドイツのフランクフルト空港くうこうならびにミュンヘン空港くうこう採用さいようされている。

また、東京とうきょう国際こくさい空港くうこうだい2ターミナルでは20以降いこう到着とうちゃくボーイング747ボーイング777ボーイング767かぎる)で、60ばん~64ばんスポットに到着とうちゃくする一部いちぶ便びんにおいて、ポートサイドがわ2だい(B767は1だい)・スターボードサイド(機体きたい右側みぎがわがわに1だい通称つうしょう:RPB,ライトパッセンジャーボーディングブリッジ)、最大さいだいで3だい配置はいちとされたりしている。

そう2かい客席きゃくせきエアバスA380対応たいおうし、2かい部分ぶぶん直接ちょくせつ装着そうちゃく可能かのうなボーディング・ブリッジを設置せっちしている空港くうこうもある。日本にっぽんでは成田空港なりたくうこうだい1ターミナルみなみウイングの46ばんゲートなどがそれである。

みなとのボーディング・ブリッジ[編集へんしゅう]

神戸こうべこうちゅう突堤とっていのボーディング・ブリッジ。ふじまる接続せつぞくちゅう

みなとによっては、船舶せんぱくへの乗降じょうこうようにボーディング・ブリッジが設置せっちされていることがある。 基本きほんてき仕組しくみや構造こうぞう空港くうこうのものとわらないが、潮汐ちょうせき波浪はろうによる船体せんたいうごきに追従ついしょうできる機能きのういている。

クルーズ客船きゃくせん大型おおがたフェリーのような旅客船りょかくせんへの乗降じょうこう使つかわれているが、そのようなふね頻繁ひんぱん出入でいりするみなとはそうおおくはない。そのため、設置せっちすうりつ空港くうこうくらべるとはるかにひくい。

おもなボーディング・ブリッジ設置せっちこう[編集へんしゅう]

利点りてん[編集へんしゅう]

  • 乗降じょうこうにいったん地上ちじょうりる必要ひつようがない。
  • 乗降じょうこうようする時間じかん短縮たんしゅくできる。
  • 屋外おくがい天候てんこう風雨ふうう気温きおん)に左右さゆうされず快適かいてき通行つうこうできる。

メーカー[編集へんしゅう]

PBBを製造せいぞうできるメーカーは先進せんしんこくでも1かこくすうしゃかぎられ、日本にっぽんでは新明和工業しんめいわこうぎょう三菱重工みつびしじゅうこう交通こうつう建設けんせつエンジニアリング(MHI-TES、きゅう三菱重工みつびしじゅうこう交通こうつう機器ききエンジニアリング)しか製造せいぞうできない。なかでも新明和工業しんめいわこうぎょう『PAXWAY』(パックスウェイ)のブランドめいでアジアを中心ちゅうしん世界せかいへの輸出ゆしゅつ実績じっせきがあり、シンガポールチャンギ空港くうこうタイバンコクスワンナプーム空港くうこうベトナムホーチミンタンソンニャット空港くうこうなど日本にっぽんODAつくられた空港くうこう中心ちゅうしん納入のうにゅうしている。

バリアフリー[編集へんしゅう]

傾斜けいしゃしょうじるが、階段かいだんしきのタラップにくらべると段差だんさ大幅おおはばすくなく、バリアフリー観点かんてんからはすぐれているといえる。しかし、伸縮しんしゅく可能かのう構造こうぞうであるためすりが設置せっちできない部分ぶぶんしょうじる。傾斜けいしゃ段差だんさがあるために、安全あんぜんじょう車椅子くるまいすはリフトを利用りようした乗降じょうこうとなることもあるとされていたが、三菱重工みつびしじゅうこう交通こうつう機器ききエンジニアリングが2014ねん内部ないぶ通路つうろ段差だんさ(スロープ)を解消かいしょうし、内部ないぶ通路つうろゆかめんをフルフラットし、伸縮しんしゅく内側うちがわ伸縮しんしゅく保持ほじする内部ないぶ通路つうろりょう側面そくめんにあったガイドレールをはいしたバリアフリーがたPBBを開発かいはつし、羽田空港はねだくうこう国際線こくさいせんターミナルや伊丹空港いたみくうこう設置せっちされ[1]、さらに2017ねん小型こがた地上ちじょうだかひく旅客りょかくターミナル2かいからのPBB使用しよう傾斜けいしゃきゅうになりバリアフリーめんから支障ししょうがあった従来じゅうらいがたよりしん延時のぶとき全長ぜんちょうながくとり傾斜けいしゃゆるやかにし、構造こうぞう昇降しょうこう装置そうち走行そうこう装置そうちなどをさい設計せっけいした小型こがた対応たいおうロングPBBも開発かいはつし、宮崎みやざき空港くうこうなどに設置せっちされている[2]

代替だいたい設備せつび[編集へんしゅう]

タラップ使用しようする乗客じょうきゃく
機体きたいドアに階段かいだん内蔵ないぞうされたエアステア (CRJ-700NG)

船体せんたい機体きたいおおきさやちゅう位置いちによってはボーディング・ブリッジが使つかえないこともあり、その場合ばあいタラップ使つかわれる。また、設備せつび充実じゅうじつしていない地方ちほう空港くうこうならびに格安かくやす航空こうくう会社かいしゃ対応たいおうした「だい2空港くうこう(Secondary Airport)」や、だい規模きぼ空港くうこう格安かくやす航空こうくう会社かいしゃ専用せんようターミナルでは、ボーディング・ブリッジをそなえていないことがある[注釈ちゅうしゃく 1]

これは、ボーディングブリッジの設置せっちコスト(エプロンせっしたはばひろいターミナルビルと専用せんよう設備せつび必須ひっす)とそれを反映はんえいした利用りようコストがかかることにくわえ、出発しゅっぱつプッシュバック必要ひつようとなり、運用うんようコストも上昇じょうしょうするのがきらわれるためである。

また、ワシントンD.C.ダレス国際こくさい空港くうこうや、メキシコシティベニート・フアレス国際こくさい空港くうこうなどでは、「モバイルラウンジ英語えいごばん」とう、上下動じょうげどう可能かのうなバスを使つかいターミナルと飛行機ひこうきあいだ移動いどうすることもある。同様どうようくるまとして、機内きないしょく機内きない搬入はんにゅうする「フードローダーしゃ」が存在そんざいする。また、車椅子くるまいす利用りようしゃ歩行ほこう困難こんなん搭乗とうじょうきゃくたいして、タラップエアステア使用しようせずに搭乗とうじょうするための「パッセンジャーボーディングリフト」(リフトバス[3][4][5]存在そんざいする。

近年きんねん地方ちほう空港くうこうでもバリアフリー推進すいしんながれがてきていて機体きたい付属ふぞくのタラップを使用しようせずにPBBを拡大かくだい使用しよう出来できるようなのちけアダプターを開発かいはつしたり、地上ちじょうからの乗降じょうこうこうけスロープをべつ作成さくせい設置せっちしてくるまいすなど身体しんたい不自由ふじゆう利用りようしゃでも利用りよう出来できるよう対応たいおう拡充かくじゅうさせている。

事故じこ[編集へんしゅう]

  • 2010ねん6がつ28にち台湾たいわん桃園ももぞの国際こくさい空港くうこうのボーディング・ブリッジが突然とつぜん倒壊とうかいした。原因げんいん不明ふめいさいわいにも乗客じょうきゃくとう周囲しゅういにいなかったため負傷ふしょうしゃはいなかった[6]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 日本にっぽんにおける上記じょうき以外いがい地方ちほう空港くうこう場合ばあいは、県営けんえい名古屋なごや空港くうこう丘珠おかだま空港くうこう広島ひろしま西にし飛行場ひこうじょうコウノトリ但馬たじま空港くうこう などがある。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ MHI-TES製品せいひん紹介しょうかいバリアフリー パッセンジャー ボーディング ブリッジ
  2. ^ 国内こくないはつ小型こがた対応たいおうロングPBB(旅客りょかく搭乗とうじょうきょう)2あわせステップレスPBB3宮崎みやざき空港くうこうリニューアル工事こうじ受注じゅちゅう
  3. ^ 機内きないようフルリクライニング車椅子くるまいす - ANA”. 全日本空輸ぜんにほんくうゆ. 2016ねん12月24にち閲覧えつらん
  4. ^ PBL(パッセンジャー・ボーディング・リフト)くるま”. 茨城いばらき空港くうこう. 2016ねん12月24にち閲覧えつらん
  5. ^ パッセンジャー・ボーディング・リフトバス”. 新明和工業しんめいわこうぎょう. 2016ねん12月24にち閲覧えつらん
  6. ^ 空港くうこう韓国かんこくせいボーディングブリッジが突然とつぜん倒壊とうかい死傷ししょうしゃなし-台湾たいわん」2010ねん6がつ29にち1444ふん(サーチナ)

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]