鳥羽とっぱ港こう

上空じょうくうから見みた鳥羽とっぱ港こう。中央ちゅうおう左寄ひだりよりの島しまが坂手島さかてじま。

鳥羽とば湾わんのカモメと鳥羽とば市営しえい定期ていき船せん

鳥羽とっぱ港こうの範囲はんい図ず

佐田さた浜はま港こう（2006年ねん）

日没にちぼつ後ごの鳥羽とっぱ湾わん

鳥羽とっぱ港こう （とばこう） は、三重みえ県けん鳥羽とっぱ市しにある港湾こうわん。三重みえ県けんが管理かんりしており、地方ちほう港湾こうわんに指定していされている。鳥羽とっぱ市しを港町みなとちょうたらしめてきた港みなとであり、伊勢いせ志摩しまの海うみの玄関げんかん口こうをなす重要じゅうような観光かんこう地ちでもある。

鳥羽とば湾わん（とばわん）と呼よばれることもあるが、同義どうぎである。1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）に鳥羽とっぱ湾わんが大阪おおさか毎日新聞社まいにちしんぶんしゃ・東京日日新聞とうきょうにちにちしんぶん社しゃ主催しゅさいの日本にっぽん百ひゃく景けいに選定せんていされた。

定義ていぎ

三重みえ県けん東部とうぶ・志摩半島しまはんとうの北部ほくぶ、伊勢湾いせわん口くちに位置いちし、港湾こうわん面積めんせきは300haである。

次つぎの地点ちてんを直線ちょくせんで結むすび、囲かこまれた海域かいいきが鳥羽とっぱ港こうの範囲はんいである。

• 日向島ひなたじま（通称つうしょうイルカ島とう）東ひがし端はし - 坂さか手島てじまの田ノ崎たのさき
• 坂さか手島てじまの尾ヶ崎おがさき - 安楽島あらしま町まち安久やすひさ志こころざし
• 日にち向島むこうじま東端ひがしばた - 小浜おばま町まちの鳥羽とばグランドホテルのある岬みさき
• 三重みえ県けん道どう750号ごう阿児あご磯部いそべ鳥羽線とばせんの安楽島あらしま大橋おおはし以東いとう

港湾こうわん地区ちく

鳥羽とっぱ港こうは以下いかの7つの地区ちくからなっている。

小浜おばま（おはま）地区ちく

小浜おばま町まち。鳥とり羽わ十じゅう景けいに数かぞえられる三ツ島みつじまやイルカ島とうが浮うかぶ。

佐田さた浜はま（さだはま）地区ちく

鳥羽とば一いち丁目ちょうめ。JR・近鉄きんてつ鳥羽とっぱ駅えきに隣接りんせつし、鳥羽とば市営しえい定期ていき船せんの佐田さた浜はま桟橋さんばしがある。

岩崎いわさき（いわさき）地区ちく

鳥羽とば一はじめ・三さん丁目ちょうめ。ミキモト真珠しんじゅ島とうや鳥羽水族館とばすいぞくかんといった観光かんこうスポットが集あつまる。鳥羽とば城しろの城下町じょうかまちでもある。かつてはここにも桟橋さんばしがあったが、佐田さた浜はまに移うつった。

中之郷なかのごう（なかのごう）地区ちく

鳥羽とば三さん〜四よん丁目ちょうめ。伊勢湾いせわんフェリーの発着はっちゃく場じょうと市営しえい定期ていき船せんの中之郷なかのごう桟橋さんばしがある。魚市場うおいちばが設置せっちされており、多数たすうの漁船ぎょせんが係留けいりゅうされている。

赤崎あかさき（あかさき）地区ちく

鳥羽とば四よん丁目ちょうめ。鳥羽とばマリンベースや市営しえい定期ていき船せんの赤崎あかさき桟橋さんばしがある。

安楽島あらしま（あらしま）地区ちく

大明東おあきひがし町まち及および安楽島あらしま町まち。鳥羽とば市立しりつ図書館としょかんや三重みえ県けん立鳥たつとり羽わ高等こうとう学校がっこうなどの文教ぶんきょう地区ちくや安楽島あらしま旅館りょかん街まちがある。鳥羽とばドックの船舶せんぱく修繕しゅうぜんドックがある。

坂手さかて（さかて）地区ちく

坂手さかて町まち。坂手島さかてじまの集落しゅうらくは南東なんとう部ぶ（坂手さかて漁港ぎょこう）にあるため港湾こうわん区域くいき外がいであるが、鳥羽とっぱ港こうに含ふくまれる西岸せいがんには鳥羽とっぱ市し水産すいさん研究所けんきゅうじょがある。

佐田さた浜はまと中之郷なかのごう

佐田さた浜はまと中之郷なかのごうは鳥羽とば市営しえい定期ていき船せんの鳥羽とば本土ほんどの拠点きょてんである。佐田さた浜はま桟橋さんばしは鳥羽とば駅前えきまえ、中之郷なかのごう桟橋さんばしは中之郷なかのごう駅前えきまえにある。

佐田さた浜はま

詳細しょうさいは「佐田さた浜はま」を参照さんしょう

1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）に計画けいかくが表面ひょうめん化かし、地元じもと住民じゅうみんの反対はんたい運動うんどうが発生はっせいした。1966年ねん（昭和しょうわ41年ねん）6月2日にちに起工式きこうしきを挙行きょこうし、3年ねんの歳月さいげつをかけて68,000m²を埋うめ立たてた。1970年ねん（昭和しょうわ45年ねん）には岩崎いわさき地区ちくから港湾こうわん業務ぎょうむの移転いてんを完了かんりょうし、鳥羽とっぱ港こうの中心ちゅうしんとなった。

中之郷なかのごう

1960年ねん（昭和しょうわ35年ねん）に地盤じばん沈下ちんか対策たいさく事業じぎょうとして鳥羽とっぱ市しが埋うめ立たてを開始かいしし、1974年ねん（昭和しょうわ49年ねん）に三重みえ県けんの事業じぎょうに移行いこうした。1980年ねん（昭和しょうわ55年ねん）1月がつ24日にち竣工しゅんこう。

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  旧きゅう・佐田さた浜はま
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  新しん・佐田さた浜はま
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  中之郷なかのごう

歴史れきし

草創そうそう期き

古代こだいには泊浦とまりうら（とまりのうら）と呼よばれ、水深すいしんは深ふかく波なみが穏おだやかな天然てんねんの良港りょうこうとして知しられていた。このため、「泊浦とまりうら御厨みくりや」として伊勢神宮いせじんぐう内宮ないくうの支配しはい下かにおかれた。

室町むろまち時代ときよから戦国せんごく時代じだいにかけての志摩しま国こくは「志摩しま十三じゅうざ地頭じとう」と称しょうされる海賊かいぞく衆しゅうが各かく地区ちくを治おさめていたが、その盟主めいしゅ的てき存在そんざいだったのは泊浦とまりうらを支配しはいしていた橘たちばな主しゅ水みずであった。橘たちばな氏しは泊浦とまりうらに出入でいりする船舶せんぱくを管理かんりする地位ちいにあり、十じゅう三さん地頭じとうの間あいだを取とり持もっていた。

そのような中なか、16世紀せいき後半こうはんに英えい虞おそれ郡ぐん波切なきり（現在げんざいの三重みえ県けん志摩しま市し大王だいおう町まち波切なきり）の地頭じとうだった九鬼くき嘉隆よしたかが突然とつぜん反乱はんらんを起おこし、一いち度どは志摩しま国こくを追放ついほうされるが織田おだ信長のぶながに仕つかえたことで再ふたたび志摩しま国こくを襲おそい、平定へいていする。九鬼くきは答志とうし郡ぐん鳥羽とばを本拠地ほんきょちとすることに決きめ、文ぶん禄ろく3年ねん（1594年ねん）鳥羽とば城しろを築城ちくじょうした。鳥羽とっぱ城じょうは海うみに面めんした天然てんねんの要塞ようさい「樋といの山やま」に築きずかれたことから別名べつめい「鳥羽とばの浮城うきしろ」と称しょうされた。

成長せいちょう期き

鳥羽とば湊みなとと日和山ひよりやまを描えがいた浮世絵うきよえ（歌川うたがわ広重ひろしげ画が）

江戸えど時代じだいには鳥羽とば藩はんの藩はん庁ちょうが置おかれ、城下町じょうかまちとして発展はってんする。また上方かみがたと江戸えどを結むすぶ菱ひし垣かき廻船かいせんや樽たる廻船かいせんが遠州灘えんしゅうなだを往来おうらいする際さいは必かならず鳥羽とっぱ港こうに寄港きこうすることとなった。港みなとには廻船かいせん問屋とんやや30余よ軒けんの船宿ふなやどが立たち並ならび、大おおいに賑にぎわった。文政ぶんせい年間ねんかんに発行はっこうされたとされる『国々くにぐに港みなとくらべ』では西にしの港みなと番付ばんづけで堺さかい港こうに次つぐ第だい2位い（関脇せきわけ）として鳥羽とっぱ港こうを評価ひょうかしている。この重要じゅうよう性せいは幕府ばくふも認識にんしきしており、山田やまだ奉行ぶぎょう所しょの職務しょくむの1つに「鳥羽とっぱ港こうの警備けいび」が含ふくまれていた。そして鳥羽とっぱ港こうに安全あんぜんに入港にゅうこうできるよう、延のべ宝たから元年がんねん（1673年ねん）、菅島すがしまに「御ご篝かがり堂どう（おかがりどう）」、神島かみしまに「御ご燈明とうみょう堂どう」が幕府ばくふによって設もうけられた。これは、日本にっぽん初はつの公設こうせつ灯台とうだいとされている。

明治めいじ時代じだいに入はいると民間みんかん資本しほんで鳥羽とば造船ぞうせん所しょ（現在げんざいのシンフォニア テクノロジー株式会社かぶしきがいしゃ鳥羽とば工場こうじょう）が設置せっちされ、工業こうぎょう部門ぶもんも発達はったつする。明治めいじ44年ねん（1911年ねん）7月がつ21日にちには鉄道てつどう省しょう参宮さんぐう線せんが乗のり入いれ、佐田さた浜はまに終着駅しゅうちゃくえきの鳥羽とっぱ駅えきが開業かいぎょう、昭和しょうわ4年ねん（1929年ねん）7月がつ23日にちには志摩しま電鉄でんてつ（現在げんざいの近鉄きんてつ志摩線しません）が鳥羽とっぱ駅えき以南いなんを建設けんせつした。この結果けっか鳥羽とばは志摩しま地方ちほうの中心ちゅうしん地ちとしての機能きのうを増ました。

中之郷なかのごう地区ちく

転換期てんかんき

昭和しょうわ21年ねん（1946年ねん）11月20日にち、鳥羽とっぱ港こうを含ふくむ志摩半島しまはんとう広域こういきが伊勢いせ志摩しま国立こくりつ公園こうえんに指定していされる。この頃ころから観光かんこう港こうとしての鳥羽とっぱ港こうの歴史れきしが本格ほんかく的てきに幕まくを開あける。昭和しょうわ40年ねん〜47年ねん（1965年ねん〜1973年ねん）には佐田さた浜はまから中之郷なかのごうにかけて大だい規模きぼな埋うめ立たてが行おこなわれ、昭和しょうわ39年ねん（1964年ねん）には伊勢湾いせわんフェリーが就航しゅうこうし愛知あいち県けんの伊良湖岬いらごみさきと結むすばれ、昭和しょうわ48年ねん（1974年ねん）7月がつ1日にちには南米なんべい航路こうろを引退いんたいしたぶらじる丸まるが鳥羽とっぱ港こうに係留けいりゅうされることになった。ぶらじる丸まるは平成へいせい8年ねん（1996年ねん）まで「鳥羽とばぶらじる丸まる」として一般いっぱんに公開こうかいされ、鳥羽とっぱ市しのシンボルになっていた。

そして昭和しょうわ63年ねん（1988年ねん）7月がつ9日にち、「三重みえサンベルトゾーン構想こうそう」が総合そうごう保養ほよう地域ちいき整備せいび法ほう（リゾート法ほう）の適用てきよう第だい1号ごうに認定にんていされ、鳥羽とっぱ市しにおいては鳥羽とっぱ港こうを中心ちゅうしんとしたリゾート開発かいはつを行おこなうことが決定けっていした。

これと前後ぜんごする形かたちで昭和しょうわ62年ねん（1987年ねん）に時ときの鳥羽とば市長しちょうが年頭ねんとう記者きしゃ会見かいけんで「鳥羽とばマリンタウン21」計画けいかくを発表はっぴょうし、2万まんtクラスの旅客船りょかくせんが接岸せつがんできる埠頭ふとうと複ふく合あい観光かんこう施設しせつを建設けんせつすることを表明ひょうめいした。平成へいせい6年ねん（1994年ねん）には三重みえ県けんの事業じぎょうとして工事こうじが始はじまり、実際じっさいに動うごき出だした。

行政ぎょうせい主導しゅどうの開発かいはつに加くわえ、平成へいせい17年ねん（2005年ねん）3月がつには住民じゅうみんが中心ちゅうしんとなって計画けいかくした「カモメの散歩道さんぽみち」（鳥羽とばプロムナード）が完成かんせいした。同どう年度ねんどのグッドデザイン賞しょうを受賞じゅしょうした鳥羽とっぱ港こう沿岸えんがんの木製もくせい遊歩道ゆうほどうで、新あたらしい観光かんこう名所めいしょとなっている。

鳥羽とばマリンタウン21計画けいかくは工事こうじの遅おくれがあったが、港湾こうわん整備せいびの第だい1期き工こう区くは完了かんりょう、平成へいせい23年ねん（2011年ねん）4月がつ1日にちから運用うんよう開始かいしした。

その後ご、2009年ねんに実施じっしした鳥羽とっぱ港こう改修かいしゅう工事こうじについて、三重みえ県けんは情報じょうほう公開こうかい請求せいきゅうを受うけ公文書こうぶんしょ19件けんを公開こうかいしたが、うち12件けんについて、一部いちぶが削除さくじょされるなど改竄かいざんが行おこなわれており、また一連いちれんの改竄かいざんが組織そしきぐるみで行おこなわれていたことが明あきらかとなっている。

鳥羽とば海上かいじょう保安ほあん部ぶ

詳細しょうさいは「鳥羽とば海上かいじょう保安ほあん部ぶ」を参照さんしょう

• 住所じゅうしょ：三重みえ県けん鳥羽とっぱ市し鳥羽とっぱ一いち丁目ちょうめ2383番ばん28号ごう（佐田さた浜はまにある）

鳥羽とばマリンタウン21

「佐田さた浜はま#マリンタウン21（1985-2011）」も参照さんしょう

鳥羽とばマリンターミナル
鳥羽とばマリンタウン21により新築しんちくされた。鳥羽とば港湾こうわんセンターの後継こうけい施設しせつに当あたる。

鳥羽とっぱ港こうを中心ちゅうしんとした開発かいはつ計画けいかくで、「港みなとと背後はいごの陸地りくちを一体いったい的てきに整備せいびして、市民しみんと観光かんこう客きゃくが行いき交かう魅力みりょく的てきな集つどい空間くうかんの創造そうぞうによる海うみの玄関げんかん口こうの形成けいせい」を目指めざしている。1994年ねん（平成へいせい6年ねん）に事業じぎょうが始はじまった。一帯いったいは2012年ねん（平成へいせい24年ねん）3月がつにみなとオアシスに登録とうろくし、鳥羽とっぱマリンターミナルはみなとオアシスとばの中核ちゅうかく施設しせつである。

計画けいかく概要がいよう

「港湾こうわん整備せいび」と「背後はいご地ちの整備せいび」の2つからなり、前者ぜんしゃは主おもに三重みえ県けんが、後者こうしゃは鳥羽とっぱ市しが中心ちゅうしんとなって事業じぎょうを進すすめる。

港湾こうわん整備せいび（三重みえ県けん主体しゅたい事業じぎょう）

第だい1期き工こう区くと第だい2期き工こう区くに分わけられ、第だい1期きで防波堤ぼうはていの拡大かくだい、第だい2期きで国際こくさい観光かんこう船せん埠頭ふとうの新設しんせつを行おこなう。総そう事業じぎょう費ひは約やく183億おく円えんで、約やく4.8haの埋うめ立たてを伴ともなう。（第だい1期き：1.4ha、第だい2期き：3.4ha）

第だい1期き工こう区く

東ひがし防波堤ぼうはてい（260m）、北きた防波堤ぼうはてい（50m）、小型こがた船せん埠頭ふとう浮桟橋きょう（7基き→5基き）。第だい一いち期きの総そう事業じぎょう費ひは三重みえ県けん負担ふたん分ぶんが125億おく円えん、鳥羽とっぱ市し負担ふたん分ぶんが4億おく円えんである。鳥羽とっぱマリンターミナル完成かんせい式しきは当初とうしょ2011年ねん（平成へいせい23年ねん）3月26日にちに行おこなわれる予定よていであったが、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいにより自粛じしゅく、3月30日にちにアトラクション等ひとしをなくして挙行きょこうされた。

• 親水しんすい防波堤ぼうはてい - テラスや展望てんぼうデッキを配はいした、快適かいてきな散策さんさく空間くうかん。

第だい2期き工こう区く

国際こくさい観光かんこう船せん埠頭ふとう（水深すいしん9m岸壁がんぺき=240m、水深すいしん5m岸壁がんぺき=105m）

2012年ねんに中止ちゅうしが決定けっていした。

• 小型こがた船せん埠頭ふとう浮うわき桟橋さんばし（2基き）
• シーサイド緑地りょくち - 景観けいかんと港湾こうわん機能きのうの両面りょうめんを重視じゅうしした開放かいほう的てき空間くうかん。
• 国際こくさい観光かんこう船せん埠頭ふとう - 鳥羽とばマリンタウン21事業じぎょうの中核ちゅうかくに位置付いちづけられていた施設しせつ。大型おおがた旅客船りょかくせんの沖合おきあい停泊ていはくを解消かいしょうすることが目的もくてき。完成かんせい後ごは2万まんtクラスの船ふねが接岸せつがんできる予定よていだった。

背後はいご地ちの整備せいび（鳥羽とっぱ市し主体しゅたい事業じぎょう）

県けんの事業じぎょう開始かいしの3年ねん後ごの1997年ねん（平成へいせい9年ねん）度どに「活用かつよう計画けいかく」を策定さくていしたが、長引ながびく不ふ況きょうの煽あおりを受うけ計画けいかくを変更へんこうした。代替だいたい案あんとして市し・住民じゅうみん・企業きぎょう・有識者ゆうしきしゃで構成こうせいする「とばみなとまちづくり計画けいかく検討けんとう会議かいぎ」を設立せつりつして「とばみなとまちづくり計画けいかく」を策定さくていする予定よていだったが、2007年ねん（平成へいせい19年ねん）に頓挫とんざした。その後ご紆余曲折うよきょくせつを経へて2014年ねん（平成へいせい26年ねん）10月14日にちに鳥羽とばマルシェが開業かいぎょうした。

• 商業しょうぎょうゾーン（見直みなおし前まえの計画けいかく）
  • 「鳥羽とばエンターテイメントヴィレッジ」（仮称かしょう）と称しょうする観光かんこう商業しょうぎょう施設しせつを民間みんかんの資本しほんを主体しゅたいとして建設けんせつする。物販ぶっぱん・飲食いんしょく店てんや展望てんぼうタワーの設置せっちを予定よていしていた。構想こうそうでは8階かい建だてのビルになる予定よていだった。

計画けいかくの遅延ちえん、中止ちゅうし

当初とうしょの計画けいかくでは第だい1期き・第だい2期きの区別くべつはなく、2004年ねん（平成へいせい16年ねん）度どには完工かんこう予定よていであった。しかし埋うめ立たて区域くいきの地盤じばんが想定そうてい以上いじょうに軟弱なんじゃくであることが判明はんめいし、工期こうきの分割ぶんかつ・延長えんちょうと工費こうひの増大ぞうだいを招まねいた。また、延長えんちょうして2008年ねん（平成へいせい20年ねん）度ど中ちゅうに完成かんせい予定よていだった第だい1期き工こう区くは2009年ねん4月がつになっても工事こうじが終おわっていなかった。これに対たいして市民しみんからは「第だい2期き工こう区くの見直みなおしを」、「（マリンタウン21計画けいかくが）どうなっているのか全まったく分わからない」といった疑問ぎもんや否定ひていの声こえが上あがった。一方いっぽうの木田きだ久ひさ主一しゅいち市長しちょうはマリンタウン21を市しの活性かっせい化かの軸じくとして位置付いちづけていた。2012年ねん、第だい2期き工こう区くの中止ちゅうしが決定けっていした。

関連かんれんする事業じぎょう

鳥羽とば元気げんき再生さいせい事業じぎょう推進すいしん協議きょうぎ会かいは、2008年ねんに内閣ないかく府ふが公募こうぼした「地方ちほうの元気げんき再生さいせい事業じぎょう」に「〜伊勢いせ志摩しま地域ちいきの歴史れきし・文化ぶんか資源しげんを紡つむぐ〜国際こくさい観光かんこう・海洋かいよう文化ぶんか都市とし 鳥とり羽わの創造そうぞうにむけて（海うみの国くに再生さいせい事業じぎょう）」として応募おうぼし、全国ぜんこく1,186件けんの中なかから採択さいたくされた120件けんのうちの1つとして選えらばれた。事業じぎょうコンセプトを「とば・海うみ・光ひかり・絵え」とし、以下いかの3つの事業じぎょうを鳥羽とばマリンタウン21と連動れんどうして行おこなうこととしている。

1. 海うみの駅えき構想こうそう
2. 夜歩よあるき出来できるまちづくり
3. 鳥羽とばの歴史れきし・海洋かいよう文化ぶんかと海洋かいよう観光かんこう都市としとしてのブランド・アイデンティティーの発信はっしん

貨物かもつ

取扱とりあつかい量りょうの変遷へんせん 年とし 貨物かもつ量りょう（t） 1999 3,182,984 2000 3,510,501 2001 3,124,511 2002 3,097,118 2003 2,623,126 2004 2,405,503

移出いしゅつ（2004年ねん取扱とりあつかい貨物かもつ、重量じゅうりょう順じゅん） 全ちょん計はかる…1,277,944t 1.フェリー…985,650t 2.石材せきざい…280,450t 3.砂利じゃり・砂すな…3,750t 4.石油せきゆ製品せいひん…2,456t 5.廃棄はいき物ぶつ…1,600t なお、水産すいさん品ひんはわずか272tで14位いである。

移入いにゅう（2004年ねん取扱とりあつかい貨物かもつ、重量じゅうりょう順じゅん） 全ちょん計はかる…1,127,559t 1.フェリー…1,093,605t 2.石材せきざい…21,635t 3.石油せきゆ製品せいひん…6,520t 4.重油じゅうゆ…4,986t 5.日にち用品ようひん…438t なお、水産すいさん品ひんは299tで6位いである。

入港にゅうこう船せん隻数せきすう

年とし 隻数せきすう（隻せき） 1999 33,487 2000 28,373 2001 27,252 2002 30,796 2003 32,129 2004 29,664

伊勢湾いせわんフェリーの知多ちた丸まる

観光かんこう港こうとしての鳥羽とっぱ港こう

鳥羽とっぱ港こうは鳥羽とっぱ市しが基幹きかん産業さんぎょうとしている観光かんこうの拠点きょてんでもある。主おもな施設しせつとしては以下いかのものが挙あげられる。

• 鳥羽水族館とばすいぞくかん
  • 1955年ねん開館かいかんの私立しりつ水族館すいぞくかん。ジュゴンの飼育しいくで知しられ、通算つうさん入場にゅうじょう者しゃ数すうは日本一にっぽんいち。隣接りんせつして鳥羽とばオルゴール館かんやTOBAパールタウンがある。
• イルカ島とう海洋かいよう遊ゆう園地えんち
  • 志摩しまマリンレジャーが運営うんえいする遊ゆう園地えんち。イルカやアシカのショーなどが楽たのしめる。
• ミキモト真珠しんじゅ島とう
  • 真珠しんじゅ王おう御木本みきもと幸吉こうきちが真珠しんじゅ養殖ようしょくに成功せいこうした島しまでミキモトの子会社こがいしゃが所有しょゆうする。真珠しんじゅ博物館はくぶつかんや御木本みきもと幸吉こうきち記念きねん館かんなど。
• 日和山ひよりやま
  • その名なの通とおり、江戸えど時代じだいに天気てんきを見みるために船乗ふなのりらが利用りようした山やまで御影石みかげいしでできた方位ほうい石せきが置おかれている。標高ひょうこうはわずか69m。昭和しょうわ8年ねん（1933年ねん）には「日和山ひよりやまエレベーター」が設置せっちされ気軽きがるに訪問ほうもんできたが、昭和しょうわ52年ねん（1977年ねん）に焼失しょうしつし再建さいけんされることはなかった 。
• 江戸川えどがわ乱歩らんぽ館かん
  • 岩田いわた準一じゅんいちの生家せいかを利用りようした施設しせつ「鳥羽とばみなとまち文学ぶんがく館かん〜江戸川えどがわ乱歩らんぽ館かん〜」だったが、2021年ねん10月がつの火災かさいにより移転いてんし、展示てんじ内容ないようを江戸川えどがわ乱歩らんぽと岩田いわた準一じゅんいちに特とく化かした施設しせつとして2023年ねん4月がつ29日にちに再さいオープンした。

鳥羽とばみなとまつり

例年れいねん7月がつの第だい4金曜日きんようびに佐田さた浜はま周辺しゅうへんで開催かいさいされる海上かいじょう花火はなび大会たいかい。金刀比羅宮ことひらぐう鳥羽とば分社ぶんしゃの祭典さいてんでもあり、海上かいじょう御ご渡わたり（海上かいじょうパレード）なども行おこなわれる 。当日とうじつ夜よるの近鉄きんてつ鳥羽線とばせんは首都しゅと圏けんの通勤つうきんラッシュ並なみに混雑こんざつする。 現在げんざいでは夏なつ祭まつりで1日にちの開催かいさいだが、第だい1回かいは「パールカーニバル 鳥羽とばみなとまつり」の名なで1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん）4月がつ23日にちから5月7日にちにかけて開催かいさいされた。「鳥羽とばの将来しょうらいは観光かんこうで生いきていく以外いがいにない」として観光かんこう振興しんこうに力ちからを注そそいでいた鳥羽とば町長ちょうちょうの佐藤さとう忠ただしにより企画きかくされた。祭まつりの最中さいちゅうには日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかい（NHK）の協力きょうりょくを得えて、当時とうじ放送ほうそうされていたラジオ番組ばんぐみ『街頭がいとう録音ろくおん』の収録しゅうろくが行おこなわれたほか、オーケストラが招待しょうたいされた。催もよおしとしては、日和山ひよりやまで「甘党あまとうの山やま」・「辛党からとうの山やま」と称しょうする茶屋ちゃやを開ひらき、常安寺じょうあんじで昭和しょうわ天皇てんのうの採集さいしゅうされた標本ひょうほんの展示てんじが開ひらかれたが、目玉めだま行事ぎょうじは海女あま らがサザエ取とりを競きそう「海女あまコンクール」であった。このコンクールは、「海女あま券けん」を買かって優勝ゆうしょうしそうな海女あまに賭かけるものだった。このように、第だい1回かいみなとまつりは現在げんざいとは趣おもむきが大おおきく異ことなる祭まつりであった。

また、第だい1回かいには観光かんこうキャラバン隊たいが大阪おおさか市しで祭まつりの約やく1か月げつ前まえに広報こうほう活動かつどうを行おこなっている。心斎橋筋しんさいばしすじでチラシとマッチを配布はいふしたほか、大阪おおさかの新聞しんぶん社しゃの「新聞しんぶん記事きじにしたい」という要望ようぼうに応こたえ、堂島どうじま川がわで答志島とうしじまから来きた海女あまによる実演じつえんが行おこなわれた。

定期ていき航路こうろ

鳥羽とば市営しえい定期ていき船せんを始はじめ、伊勢湾いせわんフェリーや観光かんこう船せんが就航しゅうこうしている。

鳥羽とば市営しえい定期ていき船せん

詳細しょうさいは「鳥羽とば市営しえい定期ていき船せん」を参照さんしょう

鳥羽とっぱ港こう（中之郷なかのごう桟橋さんばし・佐田さた浜はま桟橋さんばし）と鳥羽とっぱ市し沖おきの坂さか手島てじま、菅島すがしま、答志島とうしじま（答志とうし港こう・和具わぐ港こう・桃取ももとり港こう）、神島かみしまを結むすぶ。鳥羽とっぱ市し定期ていき船せん課かが運航うんこう。各かく島しまごとに便数びんすうや船賃ふなちんなどが大おおきく異ことなる。

伊勢湾いせわんフェリー

詳細しょうさいは「伊勢湾いせわんフェリー」を参照さんしょう

鳥羽とっぱ港こうと対岸たいがんの渥美半島あつみはんとうにある伊良湖いらこ港こうを結むすぶ。1964年ねん就航しゅうこう。国道こくどう42号ごう・259号ごうの重複じゅうふく区間くかんの海上かいじょう部分ぶぶんに指定していされている。

過去かこに就航しゅうこうしていた航路こうろ

• 鳥羽とば - 師崎もろざき：1976年ねん10月～2005年ねん2月がつ9日にち。
• 鳥羽とば - 常滑とこなめ：2005年ねん2月がつ9日にち～2007年ねん3月31日にち。

観光かんこう船せん

2009年ねん5月現在げんざい、以下いかの航路こうろが定期ていき的てきに運航うんこうしている。

志摩しまマリンレジャー

以下いかの2航路こうろを運航うんこうしている。

• 「鳥羽とば湾わんめぐりとイルカ島とう」コース
• 「鳥羽とっぱ湾わん海上かいじょうバーベキュー」コース

過去かこの就航しゅうこう便びん

• 鳥羽とば - 品川しながわ航路こうろ（月つき2便びん、鳥羽とば郵船ゆうせん・東京とうきょう郵船ゆうせん、1873年ねん3月15日にち〜）
• 鳥羽とば - 熱田あつた航路こうろ（日ひ1便びん、大阪おおさか商船しょうせん、1900年ねん4月がつ20日はつか〜）
• 1921年ねん（大正たいしょう10年ねん）時点じてんで運航うんこうしていた便びん
  • 鳥羽とば - 蒲かばの郡ぐん汽船きせん（東京湾とうきょうわん汽船きせん、1933年ねん〜）
  • 鳥羽とば - 波切なきり
  • 鳥羽とば - 浜島はまじま
  • 大阪おおさか - 熱田あつた（寄港きこう便びん）
  • 熱田あつた - 木本もくほん（寄港きこう便びん）
• 鳥羽とば - 蒲かばの郡ぐん（愛知あいち商船しょうせん、1938年ねん3月〜）
• 名古屋なごや - 鳥羽とば - 蒲郡がまごおり航路こうろ（愛知あいち商船しょうせん、1948年ねん11月〜）
• 名古屋なごや - 鳥羽とば水中翼船すいちゅうよくせん（愛知あいち観光かんこう船せん、1962年ねん8月がつ1日にち〜1976年ねん10月1日にち）
• 蒲かばの郡ぐん - 鳥羽とば水中翼船すいちゅうよくせん（愛知あいち観光かんこう船せん、1962年ねん8月がつ1日にち〜1963年ねん10月8日にち）
• 豊橋とよはし - 鳥羽とば水中翼船すいちゅうよくせん（名鉄めいてつ海上かいじょう観光かんこう船せん、1963年ねん10月9日にち〜）
• 二見ふたみ - 鳥羽とば航路こうろ（二見ふたみ観光かんこう汽船きせん、1967年ねん8月がつ10日とおか〜）
• 鳥羽とば - 西浦にしうら - 蒲かばの郡ぐんホバークラフト（志摩しま勝浦かつうら観光かんこう船せん・名鉄めいてつ海上かいじょう観光かんこう船せん、1969年ねん7月がつ22日にち〜1979年ねん9月2日にち）

• 鳥羽とば市営しえい定期ていき船せん
  • 鏡浦かがみうら航路こうろ（鳥羽とば - 本浦ほんうら - 今浦いまうら - 石鏡いじか、1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）2月がつ14日にち〜1975年ねん（昭和しょうわ50年ねん）4月がつ）

参考さんこう文献ぶんけん

• 伊勢いせ志摩しま国立こくりつ公園こうえん指定してい50周年しゅうねん記念きねん事業じぎょう実行じっこう委員いいん会かい 編へん『伊勢いせ志摩しま国立こくりつ公園こうえん50年ねん史し』伊勢いせ志摩しま国立こくりつ公園こうえん指定してい50周年しゅうねん記念きねん事業じぎょう実行じっこう委員いいん会かい、平成へいせい9年ねん3月がつ24日にち、205pp.
• 人文じんぶん社しゃ観光かんこうと旅たび編集へんしゅう部ぶ『県けん別べつシリーズ25 郷土きょうど資料しりょう事典じてん 三重みえ県けん・観光かんこうと旅たび』人文じんぶん社しゃ、1968年ねん7月がつ10日とおか
• 鳥羽とっぱ市し史し編へんさん室しつ『鳥羽とっぱ市し史し 下巻げかん』鳥羽とば市役所しやくしょ、平成へいせい3年ねん3月がつ25日にち、1347pp.
• 日本にっぽん民俗みんぞく建築けんちく学会がっかい 編へん『日本にっぽんの生活せいかつ環境かんきょう文化ぶんか大だい事典じてん』柏書房かしわしょぼう、2010年ねん6月がつ5日にち、514pp. ISBN 978-4-7601-3818-0
• 三重みえ県けん生活せいかつ・文化ぶんか部ぶ文化ぶんか振興しんこう室しつ県けん史し編へんさんグループ"鳥羽とっぱ港こう（志摩しま郡ぐん鳥羽とっぱ町まち）※" （2011年ねん4月がつ4日にち確認かくにん。）
• 三重みえ県けん、三重みえ県けん港湾こうわん海岸かいがん協会きょうかい"鳥羽とっぱ港こう(PDF)"（2011年ねん4月がつ4日にち確認かくにん。）
• 鳥羽とっぱ港こう - 三重みえのみなと・うみのあらまし
• 鳥羽とば元気げんき再生さいせい事業じぎょう協議きょうぎ会かい（リンク切きれ）

脚注きゃくちゅう

注釈ちゅうしゃく

出典しゅってん

外部がいぶリンク

• 鳥羽とっぱ港こう - 三重みえ県けん
• “鳥羽とばマリンタウン21”. 鳥羽とっぱ市し (2012年ねん4月がつ11日にち). 2012年ねん7月がつ28日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2012年ねん7月がつ28日にち閲覧えつらん。
• 鳥羽とばマリンタウン２１事業じぎょうの概要がいよう - 鳥羽とっぱ市し
• みなとオアシスとば