カーペンタリア湾わん

位置いち

カーペンタリア湾わん

カーペンタリア湾わん（カーペンタリアわん、Gulf of Carpentaria）とはオーストラリア北方ほっぽうにある湾わん。西にしはアーネムランド(Arnhem Land)、東ひがしはヨーク岬みさき半島はんとうに挟はさまれており、北側きたがわはアラフラ海かいに繋つながっている。広ひろく浅あさい湾わんであり、東西とうざいの長ながさは湾口わんこうにおいて590㎞、最大さいだいとなる南緯なんい15°付近ふきんでは675㎞であって、湾口わんこうから湾わん奥おくまでの長ながさはおよそ700㎞である。水深すいしんは概おおむね60m、最深さいしん部ぶでも約やく80mほどで、水域すいいき面積めんせきは約やく30万まん平方へいほうメートル。湾内わんないの干満かんまん差さは2メートルから3メートルである。

地理ちり

湾内わんないには、西部せいぶに最大さいだいのグルートアイランド島とう、サーエドワードペリュー諸島しょとう（en:Sir Edward Pellew Group of Islands）、南部なんぶにウェルズリー諸島しょとうなどの島しまがみられる。また、ミッチェル川かわ（en:Mitchell River）、ギルバート川かわ（en:Gilbert River）、フリンダーズ川がわなどが流入りゅうにゅうする。

湾わん周辺しゅうへんの気候きこうは、4月がつから11月がつまでの明瞭めいりょうな乾季かんきがあるサバナ気候きこう。乾季かんきは、オーストラリア大陸たいりく内陸ないりく部ぶの高気圧こうきあつに起因きいんする、乾燥かんそうした南東なんとう～東ひがしよりの風ふうに特徴とくちょうづけられる。12月から3月がつの雨季うきにはサイクロンによる被害ひがいを受うけやすく、年間ねんかん降雨こううの大だい部分ぶぶんが集中しゅうちゅうし、沿岸えんがん部ぶに洪水こうずいを引ひき起おこす。年としに平均へいきんして3回かいのサイクロンの襲来しゅうらいによって、湾内わんないの堆積たいせき物ぶつが時計とけい回まわりに攪拌されていると考かんがえられている。

湾岸わんがんには大だい分水嶺ぶんすいれい山脈さんみゃくのような、降水こうすいの多おおい地域ちいきを狭せまい範囲はんいに限定げんていする山地さんちが存在そんざいしないため、大陸たいりくの他ほかの地域ちいきとは異ことなり、湾岸わんがんから内陸ないりくへの降水こうすい量りょうの変化へんかは緩ゆるやかとなっている。

9月と10月がつには巨大きょだいな帯状おびじょうの雲くもが空そらを横切よこぎるモーニング・グローリー（en:Morning Glory cloud）という気象きしょう現象げんしょうが夜明よあけ後ごしばらくして発生はっせいし、湾わん奥おくのバークタウン（en:Burketown）地域ちいきでよく観察かんさつされる。

湾内わんないの湿地しっち帯たいには、マングローブが繁茂はんもする。2017年ねんには、広ひろい面積めんせきで枯死こししていることが確認かくにんされている。

1万まん8000年ねん前まえの最終さいしゅう氷ごおり期きの最盛さいせい期きには、湾わんは大おおきく干上ひあがり、中央ちゅうおう部ぶに湖みずうみが存在そんざいした。また紀元きげん536年ねんには小惑星しょうわくせいの衝突しょうとつがあったとの仮説かせつが出だされている。

歴史れきし

初はじめて探検たんけんしたヨーロッパ人じんはオランダのWillem Janszoon（Janszとも）で1606年ねんのことである。1623年ねんに仲間なかまのJan Carstenszoonが訪おとずれ、時ときの東ひがしインド会社かいしゃ総督そうとくに因ちなんでカーペンタリア湾わんと名付なづけた。タスマニア島とうを発見はっけんしたアベル・タスマンも2年ねん後ごの1644年ねんに探検たんけんしている。

1860年ねんから1861年ねんにかけて、オーストラリア大陸たいりく縦断じゅうだんを初はじめて成功せいこうさせたバーク・ウィルズ探検たんけん隊たいが内陸ないりく側がわから初はじめてカーペンタリア湾わんに達たっしている。ただし、マングローブに覆おおわれた湿地しっち帯おびを突破とっぱできず、塩分えんぶんを含ふくんだ水みずと干満かんまんの差さを確認かくにんして撤退てったいしている。